提督の余命は後...   作:まのめ

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日記のような感じで話が進みます

そういうスタイルでこの小説は進みます。




それでは本編


1月 変わりない日々

1月1日 晴れ

 

皆に新年の挨拶をし、お年玉を配り、カルタをしたり、おせちを食べて今日は過ごした。毎年、年始はどんちゃん騒ぎのお祭り感覚なのだが、皆私を気遣って余り騒いでまわってないようだ。あののんべぇたちも今日1日はしらふでいるみたいだ、別に我慢しなくていいのだがな。

 

ふと外を見てみると、羽根つきや凧上げなんかをしているものたちがいた。あれを作ったのは明石と夕張だな、後でお礼をいいにいかないと。駆逐艦たちが遊んでたカルタや福笑いのイラストは秋雲が描いてくれたようだ、秋雲にもお礼を言わないとな。

 

今日は楽しかったな、いつまでもこんな日が続けばいいが。

 

私は今日も元気だ

 

 

 

 

 

 

1月12日 晴れ

 

年が変わりあの告白から早くも一ヶ月が経とうとしている。

 

私はまだ元気だ、特に異常はない。まだ、なにも。

 

あの日からみんなが私のために何か出来ないかと、よく動いてくれるようになった、特に駆逐艦の子達が中心となって率先して私の手伝いをしてくれる。

あの初雪も、望月も、私のためと、これ以上私に負担はかけさせないと言って仕事をサボることが無くなった。

 

駆逐艦と言えば曙は私に対してクソとはよばなくなった、霞と満潮も私のことを罵るようなことは言わなくなった。 少し寂しく思うことはあるが、皆が私のためにこうしたことをしてくれるのは正直嬉しいことだ。最近常々思う、幸せっていうのはこういうことなんだなと。

 

 

まだ体調に変化はないが、病は常に私の体を蝕んでいる。

 

私は今日も元気だ。

 

 

 

 

 

 

1月23日 晴れ

 

私は元気だ、特に何もない...、こともないか。インフルエンザにかかってしまったな。

皆の迅速な対応ですぐに完治したが、その間皆そわそわしていたな。私は横になっていたが病室の扉の前で人がいっぱい集まっているのを気配でわかった、心配をかけたな。

 

大淀とその日の秘書艦が交代で私の看病をしてくれていた。本当に、本当に嬉しかった...。

 

そうそう、長門が秘書艦で来たときは、私に、お前はこんなところでくたばるような男じゃないだろ、だから早く元気になってくれ、なんて言葉をいっていたな。

 

大丈夫さ、私はまだ元気なんだから

 

 

 

 

 

 

1月31日 雪

 

今日は雪が積もっているようだ、執務室の窓からみんなが雪合戦をしている様子が見える。楽しそうだな、私も雪合戦をしたいものだ。思い出作りは大事だ、少しでも多くの時間を彼女たちと過ごしておかないと死んでから後悔してしまうからな。

 

少しくらい体を動かしてもバチは当たらないだろう。それに、体を動かさない方がかえって私にとって毒だ。

 

仕事が早く終わるようになって、彼女たちと話す機会が増えて私は嬉しく思う。これまで以上に彼女たちと、遊び、会話し、食事を食べ、今まで仕事に追われていた時間が嘘のようだ。

今では仕事仲間、部下、という認識より、本当の我が子のようにさえ思う。其れほど今は彼女たちが愛しい。

 

この日も私は元気だ

 

 

 

 

 

 

 

1月分の記録が終わった

 

毎日が怖い、怖い、怖い。

 

いつ死ぬか分からぬ恐怖を抱き、明日も生きていることを祈って、今日は寝る。

 

 

 

 

また明日も生きていますように

 

 

 

 

 

 

 

体は常に弱り続けている




こんな小説が読みたいなと思って書きました。

少しでも皆様に楽しんでいただければ幸いです。




それでは次回もよろしくお願いいたします。

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