1話1話構想を練るのに時間がかかりますね、展開を変えるタイミングとか難しいです
それでは本編
4月1日
言わずもがな、エイプリルフールだ。
みな各々、私に嘘をついてくるだろうな。卯月が喜ぶイベントだ、まぁ今回は多目に見てやるが、あまり心臓に来るのはやめてほしいものだ、と思っていたがやはりみんな、かわいい嘘をついてきた。
あの卯月でさえも
「ぷっぷくぷー!司令官のプリン食べちゃったぴょん!」で終わっていたしな。かわいすぎて思わずプリンを与えてしまった。
一番きつかったのは、比叡にカレーを渡されて
「わたしが作りました!食べてください、司令!」って言われたことかな。こればかりは嘘で善かったと思った。
今日も鎮守府は平和だ
4月5日
今日は鎮守府内にある桜の木の下でお花見をした。
しかしやはり飲んだくれどもは場所取りが早い、まさに島風の如しだった。とうの島風が一番を取られて少しへこんでたな。
わたしが花見の席に座る頃にはみんな飲み食いを始めていて、各場所でそれぞれ出し物なんかもやっていたな。漫才や一発芸、隠し芸なんかを披露しあっていた。
私が見ていて一番面白かったのはやはり、黒潮と龍驤の漫才だな。
つっこみの切れから何から全然違うのがわかる、素人の漫才じゃない、これが本物の漫才だっ!っていうものを感じた。
今日はみんな良く楽しんでいるようだ
しかし大淀の表情が少し暗かったのは気のせいか?
今日も私は元気だ
4月15日
今日は早めに仕事を切り上げ外に出ると何人か日向ぼっこをしていたので私もやってみることにした、まさか起きたときにいろんな艦娘に顔を覗きこまれていたとは思いもよらなかったな。少し恥ずかしかったな。どうやらみんな私の寝顔を見ていたようだ、面白いものでもないと思うがね。
ゆっくり寝たせいか、調子がいいな。気分がいい。
今日も私は大丈夫だ
4月23日
今日は月に一度の検査にいった、やはり病院は好きじゃないな。
いろんな検査が終え、結果を待つだけだが隣の大淀の様子がおかしい、いくらなんでも心配しすぎだ。大丈夫だと声をかけても頷くくらいしかしてくれなかった。
名前を呼ばれ検査結果を聞く
結果としてはまぁ予想通り、悪化はしている。確実に進行しているし、医者からも今ならまだ抗がん剤の治療が間に合うと言われたが私はもちろん拒否。やはり最後まで私は鎮守府に残っていたい、まだ彼女達の顔を声を聞いていたいからだ。
ありのままの私でいたい、私が生きていたと言うことを一番知ってもらいたい人たちだから、できるだけそばにいたい。
限界が来るまで。
死ぬのは怖くない、私には彼女達がいるのだから
4月30日
いきなり大淀から治療を勧められた、元気になってまた戻ってきてくださいと泣きながら言われた。
最近彼女が何か思い詰めているような節があったのはこの事だろう、しかしそれは出来ない。
治療を受ければ治るかも知れないがそれと同時に悪化することもある。それに治ったとしても私の体はもう仕事ができる体じゃないだろうから提督として戻ることも出来ないだろう。
そうなってしまえばもう彼女達と会うことは叶わないし、何より私にとって毒だ。
私は身内がいない、だから私の願いは彼女達艦娘に私の最後を見届けてもらうことだから。
こんな言い方をするのはおかしいだろうが
もういつでも死ねる
私はこの日自分の運命を改めて覚悟した
4月23日
今日診断に行きました
お医者様からははっきりと悪くなってると言われましたね、提督。
でもお医者様が本当の意味で驚いていたのはきっとここまで進行しているのに体に影響がないことでしょう。
癌になったものは痛みを伴うと聞きましたが、提督は特にそんなことはないとおっしゃっていた。
それに
どうしてそんな清々しく爽やかな顔ができるのですか、提督
4月27日
あの日お医者様はいっていた、今治療すれば治ると。
しかし提督はそれを拒んだ、治療をしたらもう提督じゃいられないと。
私はどうしたらいいんですか、提督には治療を受けてほしい、でも提督はこの鎮守府で提督としてあり続けてほしい。でも治療するために入院するとなれば今は戦争、前線から提督は下げられてしまう。そうなれば新しい提督と艦隊を組むのだろうが果たして統制ができるのだろうか、きっとすぐには無理だろう。
だからたぶん提督は、自分がいなくなる前に、死ぬ前に私たちのために何かを残してくれるはず...
4月30日
今日私は始めていて提督がつけている日記を見ました、ちょうど提督が食堂へ向かったさいに机の上にあった見知らぬ日記帳があったからです。
そこにはあの余命宣告を受けた日から綴られた提督自身の記録、一日の漏れもなく毎日書いていたのでしょう。
27日の検診の時はどんなことがかかれてあるのか気になったので読んでみた。そこには提督の素直な一面が書き記してあった、死ぬ間際まで鎮守府に残っていたいだなんて本当にバカな人だ。
あなたが死んでしまったらどうするんですか、まだ生きていてくださいよ...提督
提督の日記をひとしきり見たあと廊下で提督を見かけ私は提督に治療を受けさせるために説得しようとした、自分でも驚いたくらい感情が表に出ていたと思う。気づいたら私は泣きながら提督に説得していた、でも提督は相変わらず穏やかな顔で私はここにいる、死ぬまでこの鎮守府の提督だと言われたとき私は確信した。
提督は自分の運命をもう覚悟しているのだと、これからも起こることもすべて、受け入れるつもりなのだと。
ならば私も提督の最後を、その最後の瞬間まで見届けるまでです。