イナズマイレブン〜骨の力を手に入れた転生者は骨の髄まで頑張る〜 作:Rêve
「まさか2日で集まるとは思ってなかった」
「あんたが去年も勧誘していれば集まってたよポンコツ部長!」
放課後、サッカー部部室に集まる16人の少年少女。既に各々の自己紹介を済ませている。
「………。改めて自己紹介しよう。俺が部長兼キャプテンの賽野一だ。早速だがサッカーの試合経験がある奴は手を挙げてくれ」
一の質問に手を挙げたのは燐火、桜、玲、影人、刃、霊二、裕輔のみだった。勿論一も経験者である。
「じゃあ、試合経験はないが練習くらいならやったことあるって奴はどのくらいいる?」
次の質問に手を挙げたのは龍牙、斎、剛、閃里だった。
「つまり、残りの4人は初心者か…。今日は経験者主体でポジションごとに練習しようか」
「一さん。練習するのはいいんですけどグラウンドはどうするんですか」
現在、グラウンドはラグビー部に奪取されている。この学校のサッカー部である。勿論、影が薄くて忘れられているであろう。
「刃。その問題は俺と伊佐奈で解決してきた」
「あぁ、楽勝だったな」
なんと、龍牙と伊佐奈がその問題を解決していた。しかし、どうやったのだろうか。
「いやーサッカー部に使わせてもらえるように交渉に行ったら、即座に土下座されたからなぁ」
「全く…俺たちは交渉に来ただけだと言うのにな」
どうやら向こう側が勝手に譲ってくれたらしい。異名持ちは格が違った。
「なら、早速グラウンドに向かおうか」
グラウンドに辿り着き、各々ポジションごとに練習を始める。
「よーし!一色先輩のために僕たちがFWの基礎シュートを教えよう!」
「うふふ。お手柔らかにね?」
まずはFW陣。字を除いた全員が経験者なので、字に稽古をつける形になっている。しかし、字は初心者。どうシュートを打てばいいのか分からない。そこで桜から提案が出る。
「狐野君、まずは見本を見せましょう。そうすれば一色先輩も分かりやすいはずです」
「確かに!えーと……榊先輩!お願いします!」
「いいよ。…そら!」
影人の放った勢いのあるシュートはゴールの角に飛んでいき、そのままネットに突き刺さった。
「今のがシュートです!まずはボールを見ながら真っ直ぐ飛ぶように練習しましょう!」
「わかったわ。………!」
字の放ったシュートは勢いはあるもののゴールから大きく逸れてしまった。
「今のは力の入れすぎだな。軸足がしっかりしてたのはよかったけどよ」
「でも、お兄ちゃんもたまにシュート外すよね」
「…それは言わないでくれ」
玲が字のシュートの問題点を言うが澪により自分もシュートを外す時があると、ツッコまれてしまう。
「あら?経験者にもそんなことがあるのね」
「あ、あはは…。けど威力はあったからコントロールさえものにできれば即戦力になるぜ」
「そうですね紅宮先輩!それじゃあ一色先輩、練習を続けましょう!」
FW4人による字への指導は下校時間になるまで続くのだった。
一方、MF陣。こちらはドリブル練習を中心に行なっていた。
「チッ!中々上手くいかねぇな」
初心者である伊佐奈はボールをキープしながらドリブルすることが、中々上手くいかないようだ。
「いや、始めたばっかの龍牙もそんなもんだったから気にしない方がいいぜ?」
「そうだぜ。刃とポンコツ部長のお陰でここまでにはなったけどな」
「確かに始めて1年とは思えないな」
始めて1年だという龍牙が安定性のあるドリブルをしているという事実に、驚いている霊二。
「そうか。なら、地道にやっていくしかないか」
「あぁ、その方がいい。焦ると上達しないからな。MFは前線にボールを繋ぐことや、DFの様に守りに入ること、そしてFWの様に攻撃することも求められちまう。まさに粉骨砕身の思いでやらなきゃいけない。…この骨のようにな!」
この中でも試合経験のある刃と霊二は交代で攻めと守りの練習をしていた。その対戦の中で刃が最も使用してきた必殺技を使う。
「スパインシャッター!」
「な、何だって!?うわっ!?」
刃が片腕を挙げると地面から無数の骨が突き上げてくる。スパインシャッター。それはまさに骨の壁である。
「中々やるな刃!俺も負けてられないぜ!」
「…ん?粉骨砕身に骨のように?また、変なジョークを…」
「必殺技なんてあるのか。やはり、興味深いなサッカーは」
刃の必殺技を見て各々思うところがあったようだ。その後も練習は続き、終わる頃には伊佐奈のドリブルはかなりマシなものになったという。
そして、最も初心者が多いDF陣。試合経験者も一しかいない。
「DFにおいて重要なことは相手のボールを奪うことだ!というわけでだ。俺からボールを奪ってみろ」
一がとった方法は4人全員で協力し、一からボールを奪うというものだ。
「じゃあ、早速行きますよ部長」
まずは斎が一にスライディングを仕掛ける。しかし、これは軽々と躱されてしまう。
「あたいに任せな!そらよ!」
次に閃里がチャージをかける。これも一は突破する。
「あたしが止める!」
すかさず、楓花が一の前に立ち塞がる。これを見た一は楓花の飛び越えるようにボールを蹴り抜かそうとする。
「私が取る!はぁ!」
しかし、一が追いつく前に素早い動きで楓がボールを奪う。これを見た一は満面の笑みで各々を評価する。
「うん。斎は1年前と比べると本当に上達したね。影縫は力あるチャージが良かったよ。迅雷は間髪入れずに俺の前立ち塞がって行動させなかったね。蒼葉はそれに合わせた俺の行動について来てボールを奪ったのが良かったよ」
一は4人が何の作戦も考えずにこの行動を取れたことを考えると、かなりの逸材であるという事を認識した。初心者にしてはよくやる二人と、練習のみとはいえそれなりの腕前を持つ二人。そして、こう決断する。
「よし。じゃあ次は少し本気でやるよ。覚悟はいいか?」
「「「「え」」」」
この後、少し本気を出した一に4人は翻弄され一人、また一人と倒れていった。しかし、最後まで諦めなかった人物が一人だけいたらしい。ちなみに運動量が最も多かったのはこの5人だった。
残るGK陣はお互いにシュートを打ち合い、それを止めるという方法で練習していた。
「バーニングキャッチ!」
燃える手で回転してボールを止めるバーニングキャッチで剛のシュートを止める裕輔。
「やっぱり必殺技は必要ですか」
「そうだな。全国にいる奴のシュートを止めるには必殺技は絶対に必要だな」
裕輔の言うことは最もでこの世界では必殺技を持っていなければ、やっていけないくらいの超次元ぶりである。無かったらシュート技は殆ど止められないだろう。
「なら、開発するしかないか…。相羽先輩お願いします」
「おう!何度でも打ち込んでやる!」
その後は裕輔による必殺技講義を受けながら必殺技開発に挑む剛を主体とした練習となった。必殺技を開発出来たのかは秘密らしい。
それぞれが有意義に練習をして、下校時間を迎え帰路につく。そんな様子を練習開始から物陰で見ている人物がいた。
「ほう…。16人揃えたのか。しかも、4人は初心者…。これは扱きがいがある」
そう言うと男も帰路につく。そして、次の日この男の正体が明かされることになるのだった。
ちなみにまた募集を始めました。