イナズマイレブン〜骨の力を手に入れた転生者は骨の髄まで頑張る〜 作:Rêve
休みである日曜日を挟んで月曜日。模無中と練習試合を行なってから行う、初の練習である。
しかし、まだ部活の時間になっていないためか、部室にいるのは楓花、一、字、龍牙、刃の5人だけである。部室で何をやっているのかというと——
「えーと…全然わかりません!!」
「迅雷ちゃん。これが
「で、こっちが
「アンタらは何で迅雷に麻雀を教えてんだよ!?」
何故か一と字が楓花に麻雀を教えている。中学生に何教えてんだ。…最も全然理解できていないようだが。それにツッコミを入れる龍牙。こんな状況にも関わらず、黙り込んでいる刃。このまま眺めているだけかと思いきや、ついに口を開く。
「迅雷——お前兄弟いるだろ」
「え?いますけど…どうかしました?」
その返答を聞いて、顔を嫌そうに歪める。そして、忌々しげに告げる。
「……もしかして、その兄弟の名前は迅雷誠次か?」
「え!?誠次兄さんのことを知ってるんですかっ!?」
「……チッ。マジかよ。あの自己中野郎に妹がいたなんてな。あぁ、知ってる。よく…な…」
その言葉にイラつきを隠そうともしない刃。その様子に不思議がる一以外の3人。
「せ、誠次兄さんと何かあったんですか…?」
「まぁ……色…々…と…。すまん。この話はなかったことにしてくれ」
「それはないですっ!気になるじゃないですかっ!」
「ホントそれは無いぜ刃。俺も気になるぜ」
「まぁまぁ。塵山くんにも話したくないことくらいあるわよ」
(うん……。俺は知ってるから分かるぞ刃。…でも、そこまで話しといて話さないのは無いぞ!)
刃が口を噤んだので、問い正そうとする楓花と龍牙。それを止める字。唯一事情を知っている一も苦笑いしている。
そんなことをしている内に、他の部員たちも集まり、今日の練習が開始される。
「さて……この前の試合で分かったと思うが、我々には連携が足りん。特に斎。パスミスが目立っていたぞ」
その一言に返す言葉も無いと項垂れる斎。仮面のせいで距離感が掴めないこともあるが、どうもパスが苦手なようだ。
「そこで今日はパス練習を重点的に行う。連携の補強をするためには、基礎からやらねばな。何せ我々には経験が足りんのだからな」
監督の桜花の言う通りで、臨界の殆どが試合経験が無かったか、初心者である。他の学校とは違い、経験が圧倒的に足りない。
「さぁ、さっさと始めるんだ。時間はいくらあっても足りんからな」
この一言で練習がスタートした。
「霊二!頼む!」
「よっ…と。よく通るようになったな斎!!」
結果的に言えば、練習の時はパスが全体的によく通るようにはなった。斎もどうにかパスを通せるようになっている。しかし、中々上手くいかない人物もいた。
「字さん!どうしてパスを出さないんですか!?」
「うーん…タイミングが掴めないのよねぇ…。どうしてかしら?」
パスのタイミングが分からず、中々パスが通らない字。一緒に練習をしていた狐野も困惑気味である。
「ふむ……。一、こっちに来い」
「またですか監督っ!?俺、もう走りたくないんですけどーッ!?」
一人走り込みをしている一。今日のパス練はペアワークなので、余りが出てしまう。なので1番の経験者である一を外して練習していた。外した理由は経験者ばかりを当てにしても困るということと、パスに関しては刃や霊二といった、MFに任せた方がいいと判断したからだ。
「で、何ですか——ってこれは……」
桜花に一枚の紙を渡される一。そして、その紙を読み終わった瞬間——
「ついにそこまで耄碌しましたか監t…待って!冗談!冗談ですから!」
「………。耄碌などしていない。それに私は勝つことなぞ望んでいない。見たいのは彼らの精神力だ。…全員集合!」
練習を切り上げるために集合をかける桜花。そして、とんでもないことを告げる。
「今日の練習はここまでだ!!そして————今週の土曜日に『青藍中』との練習試合を行う!!」
地区の強豪との練習試合という宣言を——まだ、弱小校になったばかりの臨界サッカー部に告げた。
何故、楓花ちゃんに麻雀を教えようとしたか?特に理由はない。その日一緒にいたのが彼女だったからだ。
日によっては別の人にも教えてます。…何て迷惑な3年生だ。