イナズマイレブン〜骨の力を手に入れた転生者は骨の髄まで頑張る〜 作:Rêve
A.何故現代である必要が?
次の日。刃は薫と共に商店街にいた。目的はサッカーボールを買うことである。前世と同じく腐る程金はあるのだ。また無視するなら好きなだけ使わせてもらおうという魂胆である。
「おにいちゃん。ひとがいっぱい」
「あぁ、そうだな。人がいっぱいだな」
側から見れば微笑ましい兄妹のはじめてのおつかいに見える。しかし、実際には実年齢23歳と5歳児の23歳児の私的な買い物である。
「よし。到着だ」
「とーちゃく!」
辿り着いたのはスポーツ用品店。目的であるサッカーボールを買う場所である。
「いらっしゃい。おや?塵山さんとこのお嬢ちゃんじゃないか」
スポーツ用品店の店長が薫に話しかける。薫曰くご近所さんらしい。
「おじさん、こんにちは!」
「おう、こんにちは。ところでそこの坊ちゃんは誰だい?」
両親からガン無視状態の刃を知る者はこの街には少ない。だからこそ、薫しか知らないのである。
「薫の兄の塵山刃です」
「へぇー!薫ちゃんのお兄さんか!ウチに何か用かな?」
スポーツ用品店なんだからスポーツ用品を買いに来た以外ないだろうと愚痴る刃をよそに、薫が目的を言う。
「さっかーぼーるをください!」
「あいよ!サッカーボールね。2000円だよ」
「じゃあ5千円で」
それなりに高いサッカーボールを受け取り、お金を払う。そして、3千円のお釣りを受け取る。
「毎度あり!じゃ、サッカー楽しめよ!」
「ありがとうございます」
「じゃあね、おじさん!」
遂に目的の物を手に入れた23歳児。そして、早速
「公園に行くぞ。今すぐサッカーをするんだ!」
「いっしょにいくー」
微笑ましい兄妹は公園へと向かう。遂に刃のサッカーが始まるのである。
「まずはボールを蹴ってみるか。感覚を掴まなきゃな」
公園に辿り着き、感覚を掴もうと練習を始める。しかし、中々感覚が掴めない。
「あれ?中々難しいな。あ、待て何処に行く」
「がんばれおにいちゃん!」
苦戦する兄を応援する妹。かなり微笑ましい光景である。
そんな、兄妹に声を掛ける者がいた。
「次、右に逸れる」
「あ?うわ!ホントだ!?」
「次は左」
「ま、マジ!?」
突如、現れ声をかけた少年は白髪で目が髪に隠れていた。
「サッカーは初めて?俺は賽野一。いきなりごめんね?」
「いえ、こちらこそ。しかし、何でボールの行き先がわかったんだ?」
「わたしもきになるー。みらいよち?」
少年、一が言ったことが当たったことが気になり話を聞こうとする二人。対する一の答えは簡単だった。
「足捌きを見ればわかるよ。よければ上手くコントロールできるように教えてあげるよ」
「お願いします」
土下座。見事までな綺麗な土下座だ。当然である。彼にとってはネグレクト問題を解決する糸口である。
「そこまでしなくても…まぁいいや。じゃあ、まずはー」
夕方の5時。子供は帰る時間。しかし、そんな中熱い攻防を繰り広げる二人の少年とそれを見守る少女。
「まさか、こんな短時間で上手くなるなんて。君、才能あるよ!」
「そりゃどうも!妹が見ていたら負けられないんでね!」
「……ドキドキ」
感情が口から飛び出しているが無理もない。小学生にも満たない少年少女だそんなこともある。
「けど今日はここまでだな。まぁ、県外から来てるから明日来れるかわからないんだけど」
「そりゃ残念。でも、もっと練習して上手くなってやる」
「その意気だよ。じゃあね!…そういえば君の名前は?」
名前言ってなかったなと思い出す。そんな大事なことを忘れるなんてアレだが、小学生未満の子供にはよくあることである。
「塵山刃だ。こっちが」
「ちりやまかおる!よろしく!」
「刃に薫ね。覚えたよ。今度こそじゃあね!」
一が後ろを向いて走り去っていく。それを見送ってから二人とも振り返る。
「さて、帰るか。薫、行くぞ」
「あっ!まってよおにいちゃん!」
サッカーと出会った刃と薫。そして、新たな人物賽野一。彼らのサッカーはこれからである。
4年後
「サッカー舐めてたわ。ネグレクト云々無くても楽しいしやる気が出るわ」
刃、まさかのサッカーにどハマりする。これはダンスにも見られた兆候である。
「それに能力も捨てたものじゃなかったな。お陰で必殺技を編み出せた」
彼は与えられた能力をどうにかして使おうとした。その結果が必殺技である。そもそも、ATK0で使えば良かったのではないかと言われそうだが、彼はそれを良しとしなかった。それは本当の意味で同じ土俵でサッカーをしていないそうだ。だからこそ必殺技に落とし込んだ。
「
「う、うわぁぁぁ!」
ちなみに、現在試合中である。彼は地元のサッカークラブに入ったのだ。両親からは反対されたが「いつも俺を放ったらかしてんのに、何言ってんだ?」の一言で一蹴した。
「試合終了です!塵山刃!期待の新星により、ゴールは守られ全国優勝だぁぁぁぁ!」
さらに言うならば全国大会の試合である。彼のポジションはMFなのだが、DFが怪我したのでDFとして出場していた。
「流石、刃!俺たちに出来ない事を平然とやってのける!」
「そこに痺れる憧れるゥ!」
チームメイトが刃を褒め称える。彼らも刃を信頼しているのだろう。しかし、刃にとって嬉しいのが
「私の自慢の兄さんだもの。これくらい出来るわよ。けど、凄いわ兄さん!」
家族が褒め称えてくれることである。彼が前世からずっと求めていたものでもあった。
「よう薫。コツコツと頑張っただろ?骨だけにさ?」
「兄さんくだらない冗談はやめて。でも、兄さんかっこよかったわ!私は兄さんを誇りに思うわ!」
「決意を抱けば何でも出来るんだよ薫。そのおかげさ」
決意を懐けば何でも出来る。彼の能力も影響しているが、前世から変わらない心情だった。
「ま、帰るか。家に」
「うん。帰ろう。家に」
二人のこんな日々が和やかに続く…筈だったのだ。
Q.手抜いた?
A.早く進めたかった。許してください。