刀使ノ巫女 ~信じた思いは煌めく刃となりて~   作:巻波 彩灯

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 皆さん、長らくお待たせしました。巻波です。

 随分と前にですが、遂に岩倉さんがとじともに参戦しましたね。しかも、プレアブルキャラとして参戦しましたね……岩倉オタク達の圧、恐るべし()。
 また先月はゆゆゆコラボ第二弾目が来ましたね。復刻ガチャに前回のストーリーも見れるので前回参戦できなかったユーザーにとって嬉しいコラボ。
 私もボチボチ石集めて新規コラボガチャを引いたら、これまた新規コラボのみほっちを当てました。やったね!


 とまあ、前置きで少し話したかったのこれぐらいですね。では、後書きの方でお会いしましょう。


10話 動き出し、交わる影達

 同刻、別所にて動き出した者がいた。目的は折神紫の現在の体制を崩す事――いや、それは組織の目的であり、彼女達の目的ではない。

 彼女達の目的は可奈美と姫和の保護……というよりは追手を振り払う事だ。その為には何をすべきかと佐原すみれは部隊を率いれながら考える。

「隊長、真庭学長から次の命令が下りました」

 暗く長い若草色の髪を二つに結んだ少女が携帯を操作しながら伝令の内容を伝える。原宿に急行せよと。

「原宿ですか……滅多に行かないので楽しみですね」

「あの……ラーナさん、遊びに行く訳ではないですからね?」

「分かっていますよぉ」

 長船の制服を身に付けている少女二人が会話を交わす。彼女達は基本的に岡山を中心に中国・四国地方で活動している事が多い。

 だからこそ、関東に来る事自体珍しい上に余程の任務でない限り、東京に行く機会はないに等しいのだ。

「せっかくだから、楽しむ時間もあれば良いけどね……ねっ、礼堂さん」

「そうですね。私達も遠いと言えば遠いので、できれば楽しみたいですよね」

 と穏やかそうな笑顔を浮かべた少女はすみれと同じく平城学館の制服を着ていた。腰には二振りの御刀がマウントされている。

「さて、お喋りはここまでにして、命令通り急いで原宿に行くわよ」

 指揮を執るすみれの脳裏にはある人物の姿がチラついてた。任務とはいえ道を違えてしまったガサツで好戦的な幼馴染。

 例え、彼女と切っ先を向い合せ、激しくぶつかり合うとしても構わない。そう思わなければ、願いは叶わないのだから。

 

 一方、追跡隊は御刀の調子を見てもらった後、二手に分かれてミルヤや陽司と談笑していた。情報収集という本分がその裏に潜めながら。

「しかし、同田貫一派でまさか清国の御刀をお目にかかれるとは思いもしませんでした」

「あれ? 清国ってそんなに珍しい御刀なんですか? 同田貫って確か量産されて数が多い御刀って聞いていたから、そこまで珍しくないと思っていましたけど」

「清国は一代限りで終わっている刀工です。なので必然的に他の同田貫の刀工達と比べて数が少なく、打った刀の本数自体もそんなにありません」

「ほへぇ~、そうなんだぁ~」

 ミルヤの講義に明や千晶と玲、美炎と清香が耳を傾ける。特に明は聞いている内容が自分の御刀の事だから、疑問を投げかけたり、相槌を打って大きく反応を示したりした。

「それに清国が作刀した多くは“同田貫”と銘を切らず、“肥州住(ひしゅうずみ)藤原(ふじわらの)清国(きよくに)”と銘を切っています」

「……という事は厳密には“同田貫清国”という御刀はないと?」

 玲も口を開く。自分の御刀の事ではないにしろ、かなり興味深い話をしている。好奇心が止まらない。

 その質問を受けてミルヤは肯定するが、「ですが」と言って続ける。

「それでも“同田貫清国”と呼んでも便宜上は差し支えないでしょう。清国もまた同田貫一派の刀工ですから」

「じゃあ、いつ通り清国って呼んでも……って、私いつも清国の事、清国って呼んでたね」

 持ち主がそう言うと玲以外は笑った。明は後頭部に手を回して掻いて、少し苦笑いを浮かべる。

「自分が呼びやすい形でいいと思います」

 ミルヤはそう言った後、思い当たる事があったのか、少し考え込む様な表情になる。

「あの……どうしたんですか……?」

 清香が少し細い声で尋ねる。他のメンバーもミルヤの表情に困惑していたり、頭に疑問符を浮かべたりしていた。

「いえ、少し思った事がありまして……加守明、加守千晶の両名がよろしければ、お話ししようと思いますが……」

 ミルヤは遠慮気味に二人の事を見る。彼女ならではの行き着いてしまった考えがあるのだろう。

 明も千晶も特段気にせず、それぞれ肯定の言葉を吐く。「では」とミルヤは真剣な声音で話を切り出した。

「お二人はご存知かどうかは分かりませんが、正国と清国は血の繋がった兄弟です」

 二人はコクリと頷く。その様子にミルヤはまだ話を続けても大丈夫だと感じ、続ける。

「あなた方も血の繋がった姉妹と聞き及んでいます。しかも、加守明が清国を、加守千晶が正国を……考えすぎかもしれませんが、随分とできた偶然だと思います」

「ああ、そういえば、そうだ」

 明は感嘆な声を上げた。姉である自分が兄が打った刀に選ばれ、妹の千晶は弟が鍛えた刀に選ばれている。随分と不思議な偶然だと思う。

 しかし、千晶はそう呑気に考えられなかった。先程の清国の話……いや、それだけはなく脳裏にチラつくものがあり、それらを総括するとミルヤが言わんとしている事が分かってしまったからだ。

「……加守千晶は分かってしまったようですね」

「はい……つまり、これから先の運命を示しているかもしれないって事ですよね?」

「その通りです。もう既にそれらしい事は起きているかもしれませんが」

 ミルヤと千晶の会話で玲と美炎は察してしまった。確かにそれらしい事は起きている――それは剣術の腕前。

 玲はどちらかが強いかは分からないが、千晶の太刀筋が明らかに一年生のものではない感じていた。

 美炎に至っては二人の実力を熟知している。だからこそ、ミルヤの推測は当たっていると思ったのだ。

「ほえ~……ミルミル先輩、すごいなぁ~。結構当たっているかも……」

 当事者の一人は泰然とその推測を受け止めた。思い当たる節はいくつかある。

 だけど、それらを重く受け入れても仕方がない。それだけ、彼女はものを悲観的に考えられないのだ。

 明の反応にミルヤと清香以外は通常通りだと思う。むしろ、これぐらい平然としてくれなければ彼女ではないだろう。

 付き合いが短い玲でさえ、そう思えた。何せ、ここに来るまでに能天気な調子で話していたのだから、そう思わざるを得ない。

「そうですか」

 明の様子を見て自分の心配が杞憂だと思ったミルヤ。安堵の笑みを浮かべた。

 一方、清香はその手の話を聞いて不安にもならない明の精神力を不思議に思った。どうして、そこまで平然と受け止められるのだろう。自分ならば、不安となるかもしれないが、彼女は微塵も動揺していない。

 その事がただ不思議で仕方なかった。いや、不気味に思えたのかもしれない。

 

 話が区切られると隣で陽司や智恵との談笑をしていた凪沙と紗夜が声をかけてきた。

 もう出立するという事で明達は別れの言葉と礼を言い、先に出た凪沙達の後を追いかける様に店を出た。

「うお、雨が降っていやがる。ツイてないぜ」

 外はいつの間にか曇天になり、雨が降っていた。あいにく雨具を持っていない追跡隊は店先の軒下を移動しながら、捜索を再開。

 けれど、道中で激しく動いた事もあり、全員は空腹を覚えていた。この悪天候の中、強行しても意味がないと判断し、一行は休憩がてら少し古びた喫茶店に入る。

 

 喫茶店内は客がおらず、寂れていた。マスターと思わしき中年の男性が新聞を読んでいて、来客に気付くと彼女達を空いている席に案内する。

 追跡隊は大人数用の席に案内され、席に着きそれぞれ注文する。事を終え、マスターが厨房へ姿を消すと配膳されたお冷を口にしながら、青砥館で得た情報を整理する。

「そっちは木寅の刀剣談義で盛り上がって、大した情報はないと……」

「ええ、木寅さんからは何もありませんでしたね……すみません」

「いや、別にいいって! 赤羽刀を調査する部隊にいるって言っていたし、流石にテロ組織の事とか分かんねえだろ」

 凪沙は申し訳なさそうにしている後輩を慰める。元々、ミルヤから何か情報を得られるとは思っていなかったから、特段気にはしていない。赤羽刀を調査する任務については興味があるが……。

「それで、紗夜先輩達はどうだったんですか?」

 千晶は話を紗夜達に振る。すると、彼女達の表情が少し険しくなった――これは何かあったのかもしれないと年少組は察する。

 紗夜は周囲に誰もいない事を確認してから、声のボリュームを落とし「これはあくまで推測だけど……」と話し始めた。

「青砥館はテロ組織と繋がっていると思うの」

 その一言に明達は息を呑む。まさか、あの気の良い陽司が関わっているとは思えないし、凪沙の勘が的中するとは思っていなかったからだ。

「ちょいとその手の話を振ったらよ……ほんの少しだけ、表情が変化してたんだ」

 凪沙の言葉に紗夜は肯定する。彼女達は刀使と同時に対人を意識した剣術を体得している剣客でもある。

 些細な変化に敏感ではなければ生き残れない剣士としての本能が、わずかな表情の変化を見逃さなかったのだ。

「何か勘付かれてはマズイという感じの表情だった……けど、すぐにいつも通りになったわ」

「なるほど……あれ? でも、隣にはちぃ姉さんいましたよね? ちぃ姉さんの方はどうだったんですか?」

 明が訊ねる。陽司だけでなく智恵もまたその手の話を聞いていたはずだ。ならば、彼女の表情の変化をこの二人が見逃す訳がない。

 すると、凪沙は後頭部を掻きむしる。恐らく、彼女が困った時に出る癖なのだろう。その証拠にその表情は困惑を浮かべている。

「あ~……瀬戸内も黒だと思う。陽司さんと同じ様な……いや、少し睨まれた気がする……」

「……私も瀬戸内さんは黒だと思う」

 紗夜は記憶を呼び起こしながら言う。部隊に編入する前に見た事件の資料……そして、二手に分かれる前に話した時の彼女の表情や言葉。これらから、智恵がテロ組織に関与している可能性が高いと予測したのだ。

 そして智恵はこの事件の詳しい内情を知っているはず。ひいては主犯である姫和の身辺もあの中で一番知っているだろう。

 何にせよ、彼女が一番組織に近い存在なのは違いないと紗夜を見当を付けるのであった。

 

 凪沙もまたある可能性を考えていた。それは幼馴染である佐原すみれがテロ組織に関与しているのではないかという事。

 彼女は凪沙と一緒に智恵と会った事があるし、幼馴染である事も話した。刀使である以上、常に一緒であるという訳ではないが、仲が良い人間が傍にいない事を質問しなくとも気にしないはずがない。

 考えすぎだと思うが、そんな予感がしてしまう。普段考え事をしない分、少し神経質になっただけだと思い、凪沙は思考の海から脱する。

 

 それからマスターが注文した料理を運んできて、テーブルの上に並べられると各自手を付けて口に運んだ。

 パスタやカレーなどの昼食からケーキやパフェ類のデザートまで様々な食べ物に舌鼓打ちながら、彼女達は談笑する。

「あっちゃん、甘いものばっかりだね?」

「うっ、うるさい! そういうのが好きで何が悪い!」

「悪いって言っていないよ。ただあっちゃんもそういうところ、あったんだなって思っただけだよ」

「お前は私を何だと思っていたんだ……」

 心底玲は衝撃を受けていた。そこまで私は堅い人間だと思われていたのかと。ただ明の事だから、特に深い考えはないのかもしれない。

「お前ら、食いすぎるなよ?」

「分かっています。あっ、お姉ちゃん、それ食べていい?」

「良いよ~」

「私のも……た、食べて良い……ぞ?」

 釘は刺したは良いものの年少組は色々と注文したものを交換し合っている。それを見て年長組は微笑ましいなと思っていた。

「アタイ達も何か交換するか?」

「交換しようにも凪咲さんはもう食べ終わっているじゃないですか」

 紗夜に指摘された通り、凪沙の前にある皿は何もない。その事に関して、凪沙は笑ってごまかす。

「まぁまぁ、同じ部隊の好なんだし、一つぐらいくれよ」

「食べすぎるなって言ったの、誰でしたっけ?」

 その一言で多分、紗夜にも頭が上がらなくなるなと薄々感じる凪咲であった。

 

 道中、追跡隊は雨に打たれるもの厭わず急いでいた。全員の食事が済んだ後、荒魂の出現を知らせる伝令が入ったからだ。場所もそう遠くはない。

 そんな彼女達の目の前には人影が立っていた。雨天の中では確認しづらい為、ただ単に見間違いの可能性がある。

 先頭を走っていた凪沙はそう思った瞬間、チラリと銀色が光って見えた。隊員達に指示を出して、足を止める。

 自分も柄に手をかけ、その人影へと歩み寄る。すると五つの影が立ちふさがるように各々の得物を抜き放ち、写シと思われるものの仄かな光に包まれていた。

「おい! お前ら、何もんだ?! アタイら、急いでいるんだよ!」

 影は答えない。よくよく見ると五人とも黒いフードを被っていて顔がよく見えない上にその場から動こうとする気配もない。

「……どうやら、向こうはその気ですね」

 玲はもう既に抜刀し、写シを張っている。その眼光は鋭い。

 紗夜や千晶も柄は握っている状態だ。明はまだ戦闘態勢に入っていないが、強引に突破するのも致し方なしと意味を込めて凪沙に視線を送っている。

「チッ、仕方ねえな。強行突破だ!」

 その号令に合わせて抜いていないメンバーはそれぞれの愛刀を鞘から抜いて、写シを張る。

 向こうも各々動き出し、それに合わせて追跡隊も動き出した。

 初太刀を入れたのは凪沙、しかし、その太刀はものの見事に受け止められた。彼女は補欠とはいえ、御前試合の代表選手の一人。実力は低い訳がない。

 しかし、それでも凪沙の一閃を受け止めたという事は実力は同等、それ以上と考えて良いだろう。

「へっ! やるじゃねえか!」

 先を急いでいると言っていたわりにはどこか楽しそうな表情を浮かべる凪沙。勝負となれば心が躍る。ただし、今回は雌雄を決するのが目的ではない。

「……っ!? こいつら、強い!」

 玲は活路を開く為に前へと出て相手を翻弄しようとするが、他の黒フードの刀使に追いつかれる。そして攻撃を義元左文字で受けた。

 重さはないが、鋭さはある。気を抜けば、斬られる。

 彼女の言葉の通り、明と千晶はそれぞれ対峙した相手に苦戦、自分の事で手一杯の様子だ。

「そう簡単には先に行かせてくれない……っか」

 そう言って紗夜は競り合っていた相手の腹に前蹴りを蹴り込む。相手は予想だにしていなかったのか、無防備なまま蹴られ後ろへ下がる。

 手応えはあったが、相手は写シを解除するほどダメージを負っていない。予想通りと言えば、予想通りだが。

 何故ならば、一瞬でも隙が作れれば良いのだから。間隙縫って紗夜は相手に迫り、一文字を走らせる。

 しかし、その刃は相手の身に届く事はなかった。明の相手をしていた二刀使いが目の前に現れて受け止めたからだ。

 マズイと感じた紗夜。向こうは立て直してしまった上、刹那的に二対一という状況が生み出されてしまった。

 迅移を使って逃れようとするが、間に合わないだろう。だが、もう一人が救援に来るという事はこちらにも救援が来るという事。

 二刀使いを追いかけていた明が襲いかかる。先程、紗夜の相手をしていた刀使がその一太刀を捌く。

「ありがとう、明ちゃん!」

 紗夜は素直に礼を言う。当の明は反応はするが、言葉を返せる程の余裕はなく何とか相手の攻撃を凌いでいるところ。

 だからと言って、紗夜もそのまま助けには入れない。目の前には二刀流の刀使がいるのだから。

 

 一方で凪沙は何本か打ち合わせて気付く。向こうの太刀筋は自分が知っている太刀筋だと。いや、知っているどころか一番重ね合わせた回数が多い太刀筋だ。

「お前……!」

 もう一度切っ先がぶつかる。相手は凪沙の太刀の速さに対して反応できている。しかも、その次の手も知っているかのように潰しにかかってきた。

 受け太刀をしっかりと決め、凪沙も返す。その繰り返しの中で彼女は名前を口にする。

「お前、すみれだろ!?」

 相手はその名前を呼ばれ、一瞬間だけ止まった。その間を見逃さず、凪沙は容赦なく一撃を浴びせる。写シは剥がれた。

「何で、こんな事しやがるんだ!」

 まだ切っ先を向ける。まさか、自分の幼馴染がこんな事をするとは思えない。半信半疑だ。

「…………」

 フードに隠されている目元は何を思って凪沙を見つめているだろうか。一瞬間だけ沈黙する。

「……撤退よ」

 耳元に手を当て連絡らしきものを受け取ると凪沙の目の前にいた少女は一言だけ呟く。彼女の命令に合わせて他のメンバーも迅移と八幡力を駆使して、少女の元へと集結し、その場から立ち去る。

「……何だって言うんだよ、てめぇは……」

 やるせない気持ちで凪沙はその先を見つめていた。

 

 その後、オペレーターにより荒魂が討伐された事を報告された。

 また現場に居合わせたらしい柳瀬舞衣から衛藤可奈美と十条姫和の両名を発見したとも連絡を受ける。しかし、荒魂討伐の混乱に乗じて見失ったとも言われた。

「ああ……今日は何て日だって言うんだよ……」

 昨夜泊まった支部に戻って来た追跡隊。雨の中、雨具一つも用意せず活動してしまったが故に全員の制服はずぶ濡れ。その為、全員ジャージを借りて着替えていた。

「ですね。衛藤可奈美達とは接触できなかったどころか謎の部隊に邪魔されましたし」

 玲は窓の外を眺めながら言葉を返す。ここまで縁がないのは追跡隊としてどうなのだろうか、命令とはいえこうも簡単に引き上げて良いのだろうかと思いながら。

「……しかも、腕の立つ連中だったな」

 凪沙はどこかぼんやりとした声音で言う。他の人間は知らないが、少なくとも自分と刃を重ね合わせた人物は分かる。様々な感情が渦巻く。

「ええ、勝てないという訳ではないですけど、相手にするのは苦しいと思った人はいました」

 二名程の刀使と刃を重ねた紗夜はその時の事を思い返す。最初に相手した刀使はそうでもなかったが、次に対峙した二刀使いは純粋な立ち合いのみでは厳しいと感じていた。

 あれは自分よりも経験を積んでいる刀使の可能性が高い。一応、紗夜自身は去年は御前試合の代表選手になった程の腕前はある。だから、特別弱いという事はない。

 けれど、勝つのが困難だと感じたという事は向こうの技量は極めて高いという事だ。今度切っ先を重ねる時になったら、純粋に立ち合う訳にはいかなくなる。

「……私もまだまだだな……」

 千晶は自分の掌を見つめて呟く。彼女が対決した相手は自分よりも一回りは大きい相手だった上に剣の冴えも尋常ではなかった。

 これまで校内予選にて数々の上級生を打ち破ってきたぐらいには千晶も実力はある。しかし、それよりも上だと感じてしまった。まるで遥かに高い壁を見ている気分だった。

「なぁに言ってんのさ~、千晶は十分強いよ~」

 慰めのつもりなのか明が能天気に声をかける。一番危うかった人物が一番危機感を持っていない。

「でも、あの人と戦えるって気がしなかった」

「ああ、そうだろうな。あれはかなりの手練れだっただろうし」

 玲は肯定する。別に千晶の実力を過小に評価している訳ではない。むしろ、あれだけの練度を誇る者を相手に負けなかったのだから、褒めるべきだろう。

「千晶よりも明、お前が一番心配だよ、私は」

 それよりも気にかけなければならない相手がいる。この中で最も弱いであろう人物に目を向けた。

「へ? 私?」

「はぁ……何でお前はそこまで自覚がないんだ……」

 明の能天気ぶりには呆れてしまう。よくこの部隊に配属できたなとも思う。しかし、逆にこれが彼女の強さかもしれない。

「次もなんとかなると思うよ、なんとか」

 その言葉に対してため息だけを返す玲だった。

 

 その後、今日の出来事を和宗に報告。引き続き、可奈美達の捜索と反折神派の牽制をするのかと思いきや、折神紫からの伝令で明日は命令があるまで待機せよと彼の口から告げられた。

 追跡隊は意図が読み取れず困惑するが受け止めた。そして、通信を切ると各々明日に備え休む事にした。

 

 夜――研究棟にて、和宗は追跡隊の報告を受け取った後、とある調査資料に目を通していた。

 それには青砥館が反折神派の組織と繋がっているという調査結果が記されている。日付は追跡隊が報告を行うよりもずっと前だ。

「やっぱり、あそこは黒だったね」

 誰かに話しかけるかの様な口調で独り話す。隣には美咲希がいるのだが、彼女はとても寡黙で必要最低限度にしか口を開かない為、話が続かない。

 しかし、彼は特に気にせず続ける。

「まっ、前もって調査していたから結果は知っていたけど、こうも分かりやすいとはね……それに長船もアウトっぽいし」

 前々から噂に聞いていた。長船の刀使達も反折神派に協力していると……これもまた調査済みだが。

「この様子だと平城学館は生徒個人で協力している奴が多いのかな? でも、あの学長の事だから中立の立場にいながら何かしでかしてくるかもなぁ……」

 過去の記憶を呼び起こす。自分の腹を探ってきたあの平城学館の刀使……丁度良いところに試したい試験品があったからそれで始末したが、その試験品も駄目にされた。今でも笑える話だ。

「それでもまさか柊の血を受け継ぐ者がね……それに美濃関の子の御刀は千鳥か……今年はあの災厄でも起こるのかね」

 それはそれで楽しみだと言わんばかりに和宗の口元は緩み、笑い声を漏らしていた。

「…………」

 美咲希は彼の楽しそうな姿に一切の興味を示さない。彼女が興味があるのはただ一つ、この世界の――。

 

 

 翌朝、追跡隊のメンバーは支部の武道場を借りて文字通り朝飯前の稽古に励んでいた。

 各々手にしているのは御刀。さらには写シを張っての立ち合いを行っている。

「はぁ!」

 玲が剣を振るう。受けるのは明だ。しかし、受けるという動作は一切せず、相討ち覚悟で明も一閃を走らせる。

 実力差が少なければ相討ちもあったかもしれないが、その差は歴然で玲の方が早く明を斬った。

「勝負ありってとこだな」

 端で見守っていた凪沙が口を開く。何故、亥の一番で誰かと立ち合うであろう彼女が見守る立場になったかというと、左隣のいる紗夜に止められてしまったからである。この手の人間には弱いのかと凪沙は薄々感じていた。

「やっぱり玲ちゃんが勝ちましたね」

「ですね。お姉ちゃんの実力だと難しいと思いました」

 紗夜の言葉に千晶が反応する。姉の実力で御前試合の代表まで登りつめた事のある玲に、打ち勝つ事はできないだろうと冷静に予想していた。

 だが、それは純粋な立ち合いでの話。刀使としての実戦になれば……予想が付かない。

「やあ~、あっちゃん強いね~」

 相変わらず気の抜けた声音で話す明。写シは玲に斬られた時に解除しており、生身の状態だ。

「……お前はもっと鍛錬しろ」

 玲は言葉が見つからず、つい厳しい口調で言葉を投げかける。しかし、その奥では疑念が渦巻く。

 今のは本気だっただろうが、何故かそうではない気がする。斬った時の手応えは確かにあったが、それだけでは完全に彼女を倒せた気がしない。

 剣士としての、刀使としての直感がそう知らせる。確実に何かありそうな、そんな予感が。

「あ~、まぁ~そうだね」

 当の明は厳しい調子で言われてもへこたれず、呑気なまま肯定する。鍛錬は特別サボっている訳ではない。

 真面目に鍛錬はこなしている方だが、玲どころか妹の千晶にボロ負けをしている程の実力。

 流石に妹にまで負けているのはどうかと思っているものの、今は負けを楽しむ時期なのだろうとすぐに切り換え、結局は深く根まで悩まない。

「さて、次はアタシと千晶だな!」

「はい! よろしくお願いします!」

 話が一段落したところで凪沙と千晶が中央へ歩み寄る。それと入れ替えに明と玲は隅に寄り、二人の立ち合いを見守る。

 こうして全員が総当たりして立ち合いを繰り返し、朝食の時間まで各々技量を確かめ合っていた。

 

 別所――すみれ達は宿で朝食を取りながら、今後の事を話し合っていた。

「……っで、ひとまずは恩田さんのところに行けたのね?」

 すみれは真向かいにいる暗い緑髪の少女――次元(つぐもと)(はる)()に訊ねる。基本、本部からの連絡は彼女が受け持っているからだ。

「はい、ただ場所もすぐにバレるかと……そんな気もします」

「そう、なら今夜辺りは周辺にいた方が良いわね」

 と、言いつつすみれはパンを一口食べる。香ばしいバターの味が口の中で広がった。

「それにしても昨日戦った折神家の部隊……実はそこまで強くないかもね」

 礼堂(れいどう)()(ふゆ)はスープを一口飲んだ後、昨日の事を振り返る。あの部隊との付き合いは長くなりそうだが、一戦交えた感じではそこまで警戒しなくとも良いのではと思っていた。もちろん、油断は禁物だが。

「そうですかね……私はそうも思わなかったですよ~、面白い子がいましたし」

 この部隊唯一の外国人、スヴェトラーナ・ソコロフはどこか楽しげな笑顔を浮かべていた。彼女と刃を重ねた相手はまだまだ伸びしろがあるだろう。今度また立ち合う事になれば、かなり楽しみだ。

「ラーナさん、一応敵ですよ。任務忘れないでくださいね?」

 そうたしなめるのは部隊最年少の皆藤(かいどう)(えち)()。中学一年生にして、それなりの腕が立つという事で推薦されて参入した。

「ふふ、分かっていますよ~。越後は真面目なんですから~」

「真面目って……私はラーナさんが暴走しないか心配なだけですよ」

「暴走なんてしませんよ~、熱くなる事はありますけど」

「だから、それが暴走なんですって」

 年少二人が微笑ましく会話を交わしている中、高等部組も高等部組で話し合う。

「隊長は大丈夫なんですか?」

「次元さん、何が?」

「向こうの部隊の部隊長さんの事……」

 春音はじっとすみれを見つめる。すみれは何事もなく水を口に付けた後に話す。

「大丈夫よ、心配はいらないわ。お互い、任務でこうなったもの……仕方ないわ」

「隊長、灰色ですよ」

「?」

 すみれは首を傾げた。春音はたまに色を使って意見を言う。しかし、どうにも話が掴めない事が多い。

「灰色って、心が曇天って捉えていいのかな?」

 美冬が自分なりの解釈を口にする。春音は首を縦に振った。

「曇天ね……でも、本当にこうなった以上は仕方ないのよ」

 そう言って窓の外を見る。昨日の雨が嘘のように晴れ渡っている事が逆に不穏さを表しているかのように思えた。

 

「本当にここに来るんでしょうか?」

 千晶は恐らく敵が来るのではないかと思われる方向に視線を向けながら、疑問を口にする。

「分かんねえ。けど、ご当主様直々の命令だからな。何かあるんだろ」

 明眼は使えなくとも目視で捉えようと目を凝らす凪沙。今までになく目つきが鋭い。

 夕方頃、和宗から連絡が入り、彼の口から折神紫直々に伝令が下った。

 そして、指定された場所に追跡隊は出動し、見張っているのだ。日は暮れ、辺りは暗い。

「今、連絡が入りましたけど……衛藤さんや十条さん達が潜伏しているところが分かって、鎌府から一人がそっちに向かっているって」

「それ、アタシ達の仕事じゃねえのか? 何でこっちに情報を回せねえんだよ」

「私に聞かれても……」

 紗夜は言葉を交わしていく中で脳裏に一人の少女の顔を思い浮かべていた。

 可奈美や姫和はまがりになりにも御前試合の代表選手。それどころか決勝まで勝ち進んだ刀使達だ。並の刀使では太刀打ちできないだろう。

 しかし、鎌府から一人だけを出すとしたら――まさかだと思うが、彼女ではないだろうか?

 だとしたら、学長は何を考えて――いや、学長の事を考えてみれば分かる事か。

 自分の世界から帰ってくると同時に彼女の青白く光る目には人影が映った。

「今、御刀を持った人間がこっちに来るのが見えました」

「人数は?」

「五人です」

「すみれんとこのヤツだろうな……ご当主様、まさかこれが狙いだったって事かよ!?」

 凪沙はそう言いつつも抜刀し、写シを張る。柄を握っていた千晶も紗夜の報告を聞いて正国を抜き放つ。

「…………」

「あっちゃん?」

 どこか引っかかているのか少し気が遠い玲に明が声をかける。玲はその声に現実に戻った。

 今は過去の悔恨よりも立ち向かってくる敵をどうにかしなければいけない。

 そう思い、玲は柄を握りしめ鯉口を切る。最も得意とする構え、多少は向こうも隙が生まれるはず。

 玲の様子にやや不安を覚えながら、明も御刀を構えた。

「来ました」

 紗夜の声を合図に玲が真っ先に飛び出す。そして抜刀し、捉えた人影に銀色を走らせる。

 しかし、甲高い金属音が鳴った。

「これは手厚い歓迎ですね」

 刃を受け止めた春音は落ち着いた調子で言う。玲は左手も柄を握り、力負けしないように踏ん張る。

「あなた一人で飛び込むなんて、とんだ無謀を」

「私一人ではない。考えなしに突っ込む訳ないだろう」

 玲の背後を斬ろうとした美冬の剣をすんでのところで明が受け止める。迅移の速度は一段階程度しか使えないが、それでも十分間に合う距離だった為、こうして玲の背後を守れたのだ。

「キェェェェェ!!」

 続いて凪沙の猿叫が響く。切っ先は美冬に向けられたが、すみれが割って入って防いだ。

「やっぱりお前だったんだな、昨日のは!」

「ええ、そうよ。だけど、これは任務……お互い恨みっこなしよ!」

「望むところだ!」

 二人は迅移を使い、互いに距離を取る。その次にラーナと千晶、越後と紗夜が刃を重ねていた。

「ふふ、待っていましたよ……あなたと再び立ち合うのを!」

「っ!」

 ラーナは楽しそうな、千晶は厳しい表情を浮かべていくつも剣撃を重ね合う。千晶の方が劣勢だ。

「どうしたのです? あなたの力はこんなものですか?」

「……まだまだ!」

「ふふっ、その目……良いですねぇ!」

 幾度も千晶の鋭い攻撃を捌きながら余裕を崩さないラーナ。少しずつ修正されていく太刀筋、増えていく引き出しの幅、これには歓喜せずにはいられないという正直な思いが彼女の心を躍らせる。

 千晶はラーナの太刀捌きに攻めあぐねてはいたが、瞬時に戦略を組み立て直し、機を少しずつ手繰り寄せていく。

 その目は普段の彼女から想像もできないような鋭く力強い光が放たれていた。まるで飢えている狼が如く。

 

 一方で明と玲はというと何とか協力して春音と美冬を相手にしていた。

「昨日と比べたらやるね」

 美冬は明の剣を受けて冷静に言う。明の実力は大した事ないと前回の立ち合いで感じていたが、玲のサポートで少し手間取っている。

 明と数合い、剣を重ねて感じる。自分の心に黒い感情が生まれてくる。自分の大切なものを奪った折神紫に協力する人物は今ここで確実に倒したい。それが復讐すべき相手ではなかったとしても――。

「だが、それだけでは終わらない!」

「それはこっちも同じです!」

 玲の援護を春音が潰す。上手く救援に行けなかった玲は歯がゆい思いをしながら、春音の一閃を捌く。

「折神家の関係者……今ここで引導を……っ!」

 左手にある獅子王で明の攻撃を弾き、体勢を崩したところを右手の姫鶴一文字で彼女の体を斬りつけよう一文字が閃いた。

 美冬の瞳は敵意通り越して殺意とも取れる眼光で明を射貫き、一閃には憎しみにも似た感情を乗せる。

 そして確実に明を斬った――はずだった。

「何で……っ!?」

 今目の前に起こっている事が信じられない。確かに斬ったはずだった。けれど、明は写シを保ったままだ。

 これには玲も春音も驚く。通常、刀使は斬られると写シを解除される事が多い。しかし、明は平然と立っていた。

 明は無言のまま美冬に肉薄する。美冬は先程の動揺が響き、手元が狂って一太刀を捌き切れなかった。

 そのまま明の一閃が決まる。美冬の写シは剥がされてしまった。

「礼堂さんっ!」

 春音は美冬を助ける為に彼女の元へと駆け寄ろうとするが、そうはさせまいと目の前の人物が動く。

「行かせると思ったか!」

 一瞬の隙を付いて玲の剣撃が春音の体を捉えて斬る。春音も写シを解除してしまった。

 しかし、それも厭わず迅移で美冬の元へ近寄り、彼女を守るように剣先を明に向ける。もう一度写シも張って。

 明は元々写シを張らず、立ち向かってくる様子がなければ何もしないつもりだった。だから、再度御刀を構える羽目になる。

 春音の後ろにいた美冬も体勢を立て直し、写シを張り終えていた。勝負はまだまだ終わらない……かと思いきや。

「ご当主様からの命令です! 撤退せよと!」

 紗夜の声が響く。恐らく、凪沙に向けられた言葉だろうが明達の耳元まで聞こえてきた。続いて、「こっちも撤退よ」とすみれの声が聞こえる。

 

 両者、顔を見合わせる。先に退いたはすみれ達の部隊の方だった。

「何で、このタイミングなんだよ!」

 凪沙は不満を紗夜にぶつける。紗夜は動じる事なく落ち着いた声音で言葉を返す。

「分かりません。ただ今は手を引けと……」

「クソッ! 決着付けずじまいになっちまったじゃねえかよ!」

「……それは……何とも……」

 それ以上の言葉は見つからなかった。ただ紗夜には嫌な予感がある。

 あの部隊ともう一度切っ先を重ねるのではないかという予感。できれば、避けたい壁だが避けられない運命なのだろう。

 もう一つ頭によぎるものがある。鎌府から派遣された刀使が可奈美達を捕縛する事ができなかったのではないか。

 自分達が囮または露払いのように扱われたなら、本隊はそこにあるのだろう。そして、目的が達成できなかったと。

 だから、自分達に撤退の命令が下ったのではないかと推察する。

「……紗耶香ちゃん……」

 すみれ達が去っていた先を見つめ、静かにその名を口にした。

 

「何故、さっさとトドメを刺さなかった?」

 凪沙や紗夜から少し離れたところ玲は明を問い詰めていた。もしかしたら、同じ過ちを繰り返していたかもしれないという恐怖心を内に秘めながら。

「何でって……何で、写シがない無抵抗な人を斬る必要があるの?」

 明は玲の真意を掴み損ねている様子で珍しく眉を顰める。斬らない選択をするのが当然だろうと。

「はぁ……アイツらが敵対勢力である事は間違いないんだぞ」

 その記憶にはかつてのトラウマが蘇る。写シがなく無抵抗かと思えば、斬られ挙句は――玲は無意識に右手で左袖を強く握りしめていた。

「それでも関係ないよ」

 ハッキリと言う明。そして、続けて力強く言葉を吐く。

「だって、刀使の力は人殺しの為に使う力じゃない。守る為に使う力なんだよ」

 ――それが加守明という刀使の信念だから。




 如何だったでしょうか? ちょいちょい色んなキャラクター達が動き始めたかと思います……というよりファーストコンタクト回と言った方が合っていますね。

 話を変えるのですが、皆さんはもうとじみこのノベライズの方を拝読されたのでしょうか?
 私も購入し拝読しました。まさしく刀使ノ巫女でした。
 これからはこちらも参照にしながら、物語を書いていくつもりです。
 

 後、活動報告の方で私のオリキャラのデータを後書きで書いたものよりも詳しく書いたものを上げました。そちらも覗いていただけたら、幸いです。
 ……まぁ、公式と流派が被ったのは予想外でしたけど……。

 それとたくさんのオリキャラのご提案、ありがとうございました。
 凄く濃いメンバーが集まっているおかげでウチのメンバーが霞んでしまわないか心配です。
 その辺りの感想はこれまた活動報告の方にも書いています。これに関しては……何でも許せる方向けですので、大丈夫な方だけでよろしくお願いします。

 では、簡素なオリキャラのデータを一つ。

名前:佐原 すみれ(さはら すみれ)/女性/16歳/身長:160cm
在籍校:平城学館高等部2年生/刀使
流派:薩摩影之流
御刀:奥和泉守忠重
容姿:茜色のストレートロングに瑠璃色の瞳、ややタレ目。制服は黒いハイソックスとローファー以外に目立った特徴はない。
性格:心優しく、穏やかで面倒見が良い。周りに気配り過ぎて、自分の気持ちを押し殺してしまうところがある。一人称は「私」


 この辺りで筆を休めたいと思います。感想の方もお待ちしています。
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