ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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ちょっとリアルが忙しくて更新できませんでした。申し訳ありませぬ。

そしてちょっと放置している間にゆゆゆいも完結してるっぽい……とりあえず今からストーリーを追う作業に入るのでどうかネタバレだけは止めてくだされ……

とりあえず今回はこの間リクエストが来たばかりの話を消化しつつちょっとした推理。そろそろ西暦の闇というか歴史の影に葬り去られた子の事を発掘する作業に入ってもいいよねって。

P.S
最近友人にマジレン、デカレン、シンケン、ゴーバスの中から見るとしたら何がいいと思う? と聞いたらデカレンと即答されたのでデカレン見てます。面白いよね、デカレンジャー。


着せ替えとハゲ

 今日も今日とて勇者部はボランティア活動、という訳ではなく、二週間ある春休みの中でも数少ない勇者部の休みの日だ。普段はボランティア活動のためにあっちこっちを行ったり来たりしている故にこういう一日フリーな休みは結構貴重だったりする。

 そんな貴重な休みの日、園子ら先代勇者達は大赦本庁にお邪魔していた。

 その理由とは。

 

「きゃー! 勇者服のちーちゃん可愛すぎるよぉ!!」

 

 千景を着せ替え人形にするためである。

 着せ替え人形にされている千景は少し顔を赤くしながらもかつて園子が身に纏っていた勇者装束を身に纏っている。そして園子様はそんな千景を残像が残りそうな程の素早さで激写中。

 それを他の先代勇者達は少し離れた場所で見ていた。

 

「おぉ、サイズピッタリ。というか、よく先代勇者の勇者服なんて保存してあったな」

「資料として残しておいたらしいぞ。神樹様が居ないから身体強化とかはもうできないから本当に服だけ残ってるって感じだな」

「一応初代勇者の勇者服もレプリカだけどしっかり四着残ってるのね。こうして見るとそれぞれの代で結構デザインが変わってるのね」

 

 初代、先代は今代のような明るい雰囲気ではなく、それぞれのパーソナルカラーが基調となりそこに黒や赤を始めとした色が足され、どちらかと言えば物々しい戦闘服と言った方が正しいような感じだが、今代の勇者服は白が基調でそれぞれのパーソナルカラーを明るめにした色が足されているので結構華々しく感じる。

 だが、そんな初代と先代の勇者服も見てみれば違いはそこそこ多く、美森は案外大赦もそこら辺のデザインの統一感等は凝ったんだなぁ、と少しだけ感心した。

 

「じゃあちーちゃん! 次はこれ!」

「わ、分かったけど……園ねぇ、ちょっと興奮しすぎ……」

「そりゃ興奮もするよ!」

 

 鼻息荒く千景にかつて須美が着用していた勇者服を押し付け更衣室に押し込む園子。そんな彼女を見て軽く溜め息を吐く先代組三人。胸元がぶかぶかにならないか少し心配である。

 

「ってか千景にはこの勇者服の事、なんて説明したんだ?」

「俺達がちょっと前に勇者って名目の神事のお役目をした時に着た服、とだけ。だから武器は見せてない」

「まぁ嘘じゃないわね。内容はとても言えないけど……」

 

 美森の言葉には、あんな血みどろで大人のあれこれが詰まった戦い、先代として戦った自分達と同い年の彼女に言う事なんてとてもじゃないができない、という意味があったが、ハゲ丸からしたら、勇者やバーテックスのあれこれは彼女からしたら数年も経たない未来の出来事なのであまり言いたくなかったというのが本音だ。

 もしも千景が過去に帰るという選択肢を将来取れば、未来を知る彼女がどんなタイムパラドックスを引き起こすかも分からない。故に、千景にはあまり勇者の事は言いたくなかった。

 そんな事を思いつつも自分の欲望を達成した園子を若干呆れた目で見ながらもハゲ丸は園子が偶々発見したからと持ってきた初代勇者が書いた勇者御記を開く。

 

「初代勇者……乃木若葉、高嶋友奈、土居球子、伊予島杏か」

「確か乃木若葉ってのが園子のご先祖だっけか。ってか、友奈と同じ名前の人が初代勇者に居たんだな」

「そういえば友奈って名前は逆子で生まれた子に付けるって風習があったわね。この人も逆子で産まれてきたから友奈って名前だったのかもしれないわね」

「かもな。しかし、初代勇者……三百年前の勇者、か」

 

 もしかしたら、あの鳥居を抜けて過去に行き、この四人に御記に書かれている事や自分たちの知る歴史を話せば過去は変わり、三百年前の時点で天の神を打倒する事も可能になるかもしれない。

 だが、そうすれば未来がどうなるか分かった物じゃない。もしかしたら今いる自分たちの未来が崩壊するかもしれない。しかし、過去を変えた瞬間それはパラレルワールドに変わり、この未来とは切り離されるかもしれない。

 過去と未来の関係とタイムパラドックスに関してはSFなどで幾度も取り上げられ、いくつもの説が存在する。確証されていないからこそ、あんまり大きなことはできない。

 千景をこの時代に連れてきた時点でもしかしたらタイムパラドックスが既に起こっていて、どこか変わっているかもしれない。知らない間に誰かが消えて誰かが存在していることになっているかもしれない。

 そう考えるともうこれ以上過去に干渉するという真似はしたくなかった。もしパラレルワールド化しているのなら遠慮なく干渉するが。

 

「こっちの服もかわいい!! やっぱちーちゃん最高だよぉ!!」

「あ、あんまりそういう事言われると恥ずかしい……」

「ってか今日の園子様は絶好調だなオイ」

「そりゃあ絶好調にもなるよ! 今のわたしなら百鬼夜行をぶった斬る事だってできそうだよ!」

「お前はデカマスターか」

「今の園子ってジャッジメントしたらどうなるかな。やべーやつとしてデリート許可?」

「流石に不許可で本部に転送じゃね? ってかアリエナイザーじゃないからデリートできないだろ」

「あなた達はなにを言ってるのよ……」

 

 唯一特撮ネタにあまり明るくない美森のツッコミを他所に園子主催、園子運営の千景着せ替え祭を見守りながらふとハゲ丸は御記にもう一度目を落とした。

 書いてあることは明るい事から暗い事まで。中には九割以上検閲をくらっている部分まである。

 園子も乃木若葉の御記は持っているらしいが、ここには乃木若葉以外にも高嶋友奈や土井球子、伊予島杏の御記もある。

 それを見ていけば何となくだが高嶋友奈はどこか友奈みたいな性格のように思えるし、土居球子は風に似ているような感じで、伊予島杏は樹に似ているように感じる。

 不思議なモンだ、と思いながらも後半になればなるほど真っ黒に塗りつぶされて行く御記を眺める。

 先代勇者は合計で四人。そして先代が四人、今代が四人+四人。神樹様は四という数字が好きなのだろうか。だが、少しだけ気になる事もある。

 

「……そういえば、須美」

「なに、銀?」

「千景の名前ってさ、ゴールドタワーの名前と同じだよな。ほら、今は無きゴールドタワーって千景殿って名前じゃん?」

「そういえば、そうね……なにか特別な意味でもあったのかしら」

「今度安芸先生に聞いてみるか?」

 

 四人と言うには、この勇者御記は不自然な検閲が多いのだ。

 例えば、内容も執筆者も検閲され何も見えないページ。恐らく同一の勇者が書いたこのページは最初の方から最後の方まで存在している。そして土居球子と伊予島杏の書く勇者御記は中盤辺りから存在しない。

 そして、乃木若葉の書いた勇者御記。その中には■■■という勇者が居たことを忘れないという文面がある。

 土居球子と伊予島杏がもし途中で死んでしまうか入院、もしくは銀のような感じでリタイアしたとしよう。そう考えても乃木若葉のこのページは彼女等のリタイアを取り上げるには遅すぎる。しかも分量的に二人の勇者の名前を書くには短すぎる。

更には真っ黒に検閲されたページ。これが乃木若葉のそのページを最後にめっきり見なくなるのだ。

 そして、異常なまでに隠される人数の表記。

 それを見ているとハゲ丸はふと思うのだ。もしかしたら初代勇者は四人ではなく五人、ないしは六人だったのではないかと。そう考えると色々としっくりくる部分が存在する。

 一人、もしくは二人の勇者は何かをやらかして存在を消されたのではないか、と。

 

「……まさか、とは考えられないんだよなぁ。大赦だし」

 

 これでもしも大赦が隠し事なんてしない組織ならそんな事はあり得ないと言えただろう。

 だが、大赦には様々なやらかしがある。バーテックス、壁外の真実の隠蔽、満開の真実の隠蔽、裏での神婚計画の遂行。その他にもエトセトラ。

 そんな大赦だ。何かをやらかした勇者を一人隠すくらい平気でやらかすのではないかと。

 

「っていうか千景ってどんな意味なんだ?」

「えっと、景色や様子って意味だと思うのだけど……」

「ふーん……それってゴールドタワーっぽいか?」

「どうかしら。一応四国の中では一番高いとは思うのだけど……」

 

 ここで勇者が一人隠蔽されていると考えよう。乃木若葉はそんな彼女を勇者として語り継ぎたいと言ったとしよう。

 ゴールドタワーの改名は上里家が中心となって行っていたという。その上里家は昔から乃木家と深い関わりがあったとも園子から聞く。もし、乃木若葉が書いた語り継ぎたい名前を上里家が何とかして後世に残したいと思い、最終的にその名前をゴールドタワーに継がせようとしたのだとしたら。

 その消された勇者の名前が、郡千景なのだとしたら。

 そう考えこの御記の不自然な部分に当てはめていくと、どこかしっくりと来てしまうのだ。

 

「……なぁ、クソレズ。四国の中で西暦の時代から存在して、名前が変えられた建物ってあるか?」

「え? 何よ急に……ちょっと待ちなさい、パッと調べてみるから」

 

 美森が携帯でパパパッと自分の知る西暦の時代から存在する建物についてを調べていく。確かに幾つか改名された物が見つかるが、大抵が当時から残る店が名前を変えたりする程度で、上里家や乃木家が関与していそうな大きな建物と言えば……

 

「まぁ、大きなのはゴールドタワーくらいね」

「そ、そうか……そうだよな……ちなみに神世紀に入ってすぐの建物とかは……」

「ほぼ無いわね。あら、この建物って結構前に名前変わってたらしいわよ?」

 

 ハゲ丸の顔から嫌な汗が流れ始める。

 あれ? これもしかしてやべータイムパラドックス起こす原因になってね? と。

 ちょっと変な推理しちまってね? と。

 笑顔で顔を青くするという器用な真似をするハゲ丸はそっと園子を手招きして呼び、そっと部屋の隅へと移動していった。

 

「どうしたのズラっち~。そんな面白い顔色して~」

「いや、あのさ。ちょっとこの勇者御記読んでたら嫌な感じがしてさ」

 

 と言ってハゲ丸がもしかしたら初代勇者は五人か六人居て、一人か二人はその存在を消されていて、その内の一人は千景なのではないかという事を話した。

 園子はまっさかーと笑っていたが、その後に千景殿の事を言ってから乃木若葉の件のページを見せると、園子も嫌な汗を流し始めた。

 

「……じ、実はさ~? 昔、どうしてそんなに千景殿の名前に拘るの~? って聞いたことあるんだよね~」

「だ、誰に?」

「現上里家当主の人~……」

 

 ハゲ丸の顔が更に青くなった。

 

「で、でね~? その時に言っていたのって、上里ひなたさんって人が死ぬ間際までずっとそうしろって言っていたみたいなんだよね~……」

「そ、その上里ひなたさんってのは……?」

「わたしのご先祖様……つまりは乃木若葉さんの親友……」

 

 つまり、千景殿という名前は上里家の初代当主とも言ってもいい上里ひなたがどうしても付けたいと言っていた名前で、彼女は乃木若葉の親友だったと言う。

 そして勇者御記。これでもかと言わんばかりに人数が隠蔽され、黒塗りだけになったページが数ページ。更には誰かの名前を忘れないという言葉。

 その塗りつぶされた部分に乃木若葉の文字の大きさや文字の書き方で漢字三文字を入れてみるとあら不思議。ピッタリ収まってしまう。もしかしたら千景という名前の別人かもしれないのだが、自分達と同年代で、四国に居て、と考えるとどうしても郡千景という名前が頭から離れない。

 二人のぽんぽんがペインになった。

 

「……な、なぁ、園子。これヤバいんじゃ……」

「……タイムパラドックス理論ってね。未来が変わる以外にも平行世界が生まれるっていう考えもあるんだよ?」

「園子さん?」

「つまりね、わたし達がちーちゃんを連れ出してきた時にその世界は平行世界になったと考えるとだね?」

「園子様?」

「……わたし達の知ったこっちゃねぇ!!」

「園子ぉ!?」

 

 園子は青い笑顔を浮かべながら千景の方へと走っていき、ハゲ丸は一人部屋の隅に残された。

 もしかしたら自分達はデカレンジャーではないがタイムレンジャーや時間警察にしょっぴかれる案件をやらかしたのではないかと、今さらながら思ってしまった。そもそも過去から人間を連れてくる時点で相当なやらかしなのではあるが。

 だが、連れてきた結果、一人の少女が救われたと考えれば、タイムレンジャーも時間警察も少しは大目に見てくれるかもしれない。自分達悪の組織じゃないし。正義の味方だし。

 とりあえず今はこの推理は大外れで、ただ単純に千景の名前を聞いた際にその名前が推理に混入した結果謎の結論に走っていったのだという風に思い込み、乃木若葉の書いた黒塗りになっている勇者の名前は土居球子か伊予島杏の名前なのだと認識を塗り替えながら、銀の勇者服に身を包んだ千景を見て脳内フォルダに保存しようと千景を凝視する作業に戻るのだった。




のわゆの勇者御記、小説の単行本読んだ人なら分かると思いますけど、ぐんちゃんが死んじゃった後の若葉の勇者御記、あれ明らかにタイミング的にも塗りつぶしてある量的にももう一人勇者が居たって事表してるよねって。あと若葉とひなたの関係と千景殿って名前に三百年経っても固執している事から明らかに千景って名前に何かしらの執着持ってるよねって思ったのでこんな話を書いてみました。

そして今回はぐんちゃん着せ替えのネタがあったのでもう使われていない先代の旧勇者服を着るぐんちゃんの話を書いてみました。ここのぐんちゃんは小学生だし丁度先代組の勇者服ならサイズピッタリだよねって。

惜しむべくは自分に絵を描く才能は一切ないという事。もしも絵を描けていたらロリぐんちゃんが先代勇者服を着てる挿絵が描けたのに。ちくせう。

現在就活中ですが家に帰ったら前書きにも書いた通りデカレンジャーを見る毎日。デカマスターが幼い頃の思い出と謙遜ないレベルでカッコ良すぎる。やっぱ子供の頃カッコいいと思った物って今見てもカッコいいですよね。就活が一向に進みませんけど。理系大学だけど文系の仕事に就きたい……というか物語か怪文書を書くことを生業にしたい……

というか俺は何度前書きと後書きに怪文書を乗せれば気が済むんだろうか。まぁいいや
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