ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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今回はいつもの時間ではなくお昼に投稿です。

なんかエイプリルフールってお昼以降に嘘吐いちゃいけないとか聞いたんでお昼ピッタリに投稿しておこうかなーと思ってエイプリルフール特別編を投稿。

エイプリルフールってほどエイプリルフールしてないと思いますけど、まぁどうぞ


四月馬鹿ドッキリ

 その日、友奈の寝起きはかなり悪かった。

 今日は勇者部員で部室に集まり新一年生に向ける勇者部の説明だったり歓迎会のあれこれだったりを準備する日なのでいつも通り美森に起こしてもらってから学校へと向かう手筈となっていた。

 なっていたのだが、どうしてか美森のモーニングコールがこの日は無く、いつセットしたのかも分からない目覚ましのけたたましく耳障りな音で目を覚ました。

 

「んぅ…………とーごー、さん……?」

 

 回らない思考回路で美森の名を呼ぶも返事は無い。しかし目覚ましを止めねば二度寝もできない。故に友奈は半分閉じた眼でゆっくりと目覚まし時計に手をかけ、目覚ましの解除スイッチを押した。

 それにより収まった耳障りな音に友奈は安堵しつつ時計を見た。

 時刻はいつも美森が起こしに来る時間。普段ならラッパ片手に友奈を起こしている時間帯だ。

 

「……あれぇ?」

 

 だと言うのに美森はいない。

 だったら時間を間違えているのかな? と思いスマホを見るが時刻は時計と変わらない。

 

「……とーごーさん、お寝坊さんなのかな?」

 

 そう呟きつつも友奈は流石に二度目をかます訳にもいかないので気力全開で起き上がり寝間着から制服へと着替える。うつらうつらとしながらも着替え終わった友奈は一階へと降りていき、そしていつも通り両親におはようの一言をかけて顔を洗い、朝食を食べて歯を磨く。

 一応美森に連絡を入れてみるが、いつもなら秒で返ってくる返事が返ってこない。

 おかしいなぁ、と友奈は呟きつつ、父と母に美森の事を聞いてみると、どうも十分以上前に学校へと向かって行ったのを見たらしい。

 

「……あれぇ?」

 

 この日二度目のあれぇ? だが、事実美森は学校へと行ったという。

 友奈は首を傾げつつもそれなら仕方ないと自分の中で区切りを付けて鞄を片手に学校へと向かう。

 通学路は特に変わらない。最近満開になってきた桜の花びらの中を突っ切るように歩きながら向かう先は讃州中学。今は授業も無いため人の出入りが少ないが、運動系の部活は活動がある所もあるのか、人の声は聞こえてくる。

 友奈は首を傾げつつもいつも通りローファーから上履きに履き替えて部室棟へと歩き、そして部室の前で一つ深呼吸して気持ちを切り替えてから扉を開けて。

 

「結城友奈、定刻通りさんじょーしましたー!」

 

 元気な声を出し、部室を見渡して……

 

「あら、友奈。おはよう、今日は一人なのね」

 

 いつも風が座っている席に座っている黒髪の見知らぬ少女に声を掛けられた。

 

「……えっ?」

「あ、友奈先輩も来たんですね」

「……東郷が居ないの、珍しい」

 

 そしてクリーム色の髪色の小さい少女と同じような髪色の大人し気な少女にも声を掛けられ、友奈の頭には?マークが浮かぶ。

 あれ? この人たち誰? と。

 友奈は少なくとも今、自分に話しかけてきた三人とは面識がない。というか名前すら知らない。だと言うのに親し気に話しかけてくるので頭の中では?マークが浮いては消えていくばかり。

 

「ほら藤丸、乃木。友奈が来たわよ、いい加減だらけるのはやめなさい」

「……あー? うっせぇなぁ……」

「……折角寝てたのにいい度胸じゃん」

「ひょ?」

 

 そして今度は知り合いの名前と声を聞いたが、どうもその知り合い達の様子がおかしい。

 部室の奥から聞こえてくる声を聞き、友奈が声の聞こえた方を覗き込むと、そこには。

 

「ったく、こんな朝っぱらから呼び出しやがって。俺ぁ寝不足なんだよ。だから俺抜きでとっとと始めてくれっての」

「……だっる。ねよ」

「あ、あわわわわ!? ハゲ丸くんと園ちゃんがグレてる!!?」

『アァ?』

「あっ、なんでもないです、はい……」

 

どこから持ってきたのか分からないソファの上で横になっている、制服のボタンを幾つも外して下に着ている派手な柄のTシャツを見せ、まるで不良ですと言わんばかりの風貌をしたハゲ丸と、確かこの間仮眠用にと園子が持ってきたベッドの上で寝ている、これまたスカートをかなり短くする以外にもかなりの改造を施した制服を身に纏い、かなり濃い化粧をしているのにも関わらず人一人殺してそうな目付きの園子がいた。

 あなた達どなた様? と友奈が聞かなかった辺り、まだ原型を留めているため友奈もそういう反応ができたが、この二人、明らかにいつも通りじゃない。

 それを見た黒髪の少女が溜め息を吐いてまぁいいわ、と一言呟いた。

 

「もうすぐ残りのメンバーも来るでしょうしいい加減起きなさいよ」

「チッ……上から目線の部長サマだこって」

「いい加減うざったる……」

「わ、わたし、来る部室間違ってないよね……?」

 

 何だこの空気。なんでこんな空気の中でクリーム色組は特に気にした様子もなくぽやぽやできているのだ。明らかに部長と言われた少女とハゲ丸、園子が険悪な雰囲気を醸し出していると言うのに。

 友奈のぽんぽんが徐々にペインしかけているが、まだ大丈夫。まだタタリのせいで体も心もズタボロだった時と比べればどうってことない。

 

「ふ、二人とも~。そんな感じじゃぐんちゃんにも悪影響だよぉ……」

 

 もう逃げ出してしまいたい友奈だったが、一応あの二人には兄、姉と慕ってくれている妹分である千景が居る。そんな千景に悪影響を与えると言えばきっとあの二人もいつも通りに戻るはず。

 そう思い友奈は切り札である千景の名前を口にしたのだが、二人はちょっと表情を歪めたがそれだけ。何も言い返してこなかった。

 うそぉ……と呟く友奈。直後、部室のドアが思いっきり開いた。

 

「……ちーっす。郡千景でーっす」

 

 どうやら入ってきたのは勇者部の中で唯一の小学生メンバー、園子&ハゲ丸に対するリーサルウェポン、千景のようだ。

 友奈はそこに希望の光を見出し、すぐに千景を迎える。

 

「あっ、ぐんちゃん! いいとこ、ろ、に……」

 

 迎えたのだが。

 入ってきた千景は友奈の知る千景じゃなかった。

 女子小学生だと言うのにスカジャンにジーパン。そしてジーパンに付いているチェーンをジャラジャラと言わせながらフーセンガムを膨らませている、小学生が頑張って悪い雰囲気出してみました感満載の千景。

 いつもの友奈なら笑ってふざけてるんだなー、程度に受け止める程チープな感じだが、唯一顔見知りの二人があんなことになっている以上、彼女はマジであんな格好してるんじゃないかと疑ってしまう。

 

「……ゆーなさんちーっす」

「えっ、と……ちーっす?」

「……この間のゲーセン荒らし、クッソ楽しかったですよ。またお願いしますわ」

「げ、ゲーセン荒らし……? そ、そんなことしたっけ……?」

「………………ぱ、パンチングマシーンで2tとか出してたじゃないっすか。四国中のゲーセンで」

「2t!? それただのゴリラじゃん! わたしただのゴリラじゃん!!」

「ちゃうんすか?」

「ちゃいますよ!!」

 

 なんか千景の様子がおかしいが、今の友奈はそれに気が付かない。横の方で園子とハゲ丸、そして部長らしき少女とパーカーを着ている方のクリーム色が吹き出して笑っているが、今の友奈にとってそんなのはどうでもいい。

 明らかにあの二人がアレだから子供の千景までなんか変な事になっている。

 いや、それ以前に人がおかしい。風は謎の夏凜に似た雰囲気の少女に入れ替わっているし、恐らく夏凜枠と樹枠が今横の方にいる見知らぬほんわかコンビに入れ替わっている。

 そして園子と千景、ハゲ丸に至ってはこれだ。もうどうなっているのか分からない。

 友奈が頭を抱えて昨日までの現実と今の現実の乖離度に事態の整理ができずにいると、再び部室のドアが開いた。

 

「す、すみません、遅れました!」

「私もちょっと準備にてこずりましたわ」

「ごめんねメブー!!」

「あら、銀に弥勒さんと雀。別に大丈夫よ、まだ来てない人も居るし」

「銀ちゃん!?」

 

 もうどうしたらいいのかと頭を抱えている中で銀が現れた。

 よかった、きっと銀なら……と友奈は部室のドアの方へと振り向いた直後、銀からこんな事を言われた。

 

「あ、友奈さん。おはようございます。今日も一緒に頑張りましょうね」

「って誰!!? 明らかに人格変わってるじゃん!!」

 

 こんな丁寧な言葉を自分にかけてくる銀、見たことが無い。

 しかも銀の容姿までもが変だ。肩甲骨程までに伸ばしている髪をいつものように纏めずそのままにし、眼鏡をかけているのに加えて文学少女とでも言いたいのか小説を抱えている。

 いつもの活発な銀はどこに行った。そして横の二人は一体誰だ。今まで一度も見たことが無いぞ。一応名前は弥勒、という苗字と雀という名前が発覚したがそれだけだ。

 

「もう、何を言っているんですか。アタシはアタシですよ?」

「銀ちゃんがわたしに敬語使った事なかったよね!?」

「おかしな友奈さんですね」

「おかしいのは今この部室内で起きている現象だよ!!」

 

 銀の言葉にツッコミを返した友奈は肩で息をしながら膝に手を付く。

 おかしい。明らかにおかしい。今この空間は明らかに普通じゃない。普通じゃないと言うのに周りはまるで自分の方が異常だと言ってくる。

 そんなわけあるか。なんで見知った人間の性格がほぼ反転しているというのに自分の方がおかしいなんて言われるのか。

 どうする。どうしたらこの異常空間は元に戻る。というか元に戻さないと友奈の精神がゴリゴリと削れていって最終的に発狂してしまいそうだ。故にどうしたらいいのかを考えるが思いつかない。

 

「あ、亜耶ちゃん。これ、借りてた小説。面白かったよ」

「わざわざ持ってきてくれたんですか? ありがとうございます、銀先輩」

「あとしずくちゃんも。このラーメン大全、凄く読み応えあったよ」

「……ん」

 

 そして最初からいた二人の名前もようやく判明。

 しかしそんな事はどうでもいい。友奈にとっては今、この場で起きている惨状をどうにかする方が先決だ。

 落ち着け結城友奈。まだ希望はある。あの親友ならきっと。きっとこの異常に気が付いて協力してくれるはず。そう、彼女、東郷美森なら……!

 

「東郷美森、遅れて入ります!」

 

 そして大親友に最後の希望を託したその時、丁度大親友が部室に入ってきた。

 

「東郷さん!! 待ってたよ東郷さん!! 見てよこれ! なんか勇者部がおかしなことに!!」

 

 友奈はすぐに美森に飛びついた。

 もうこうなったら美森にしか希望は無い。そして美森なら。あの安定の美森ならきっと自分に協力してくれるはず。そう思い友奈は美森に飛びつき……

 

「勇者部がおかしい? 何を言っているのかしら?」

「……ほえ?」

 

 抱き着く前にその足を止めた。

 何故なら今の美森の格好が普通じゃないからだ。

 今の彼女の格好はいつも通り優等生の模範のような格好ではなく、右手に包帯を巻き、両手には指ぬきグローブ。右目には眼帯を着けて黒いマントを羽織り、髪に赤色のメッシュが入っている上になんか変な格好をしている。しかも靴はブーツでタイツは履いておらず普通の靴下を履いているのか、生足が見えているが左足には思いっきり包帯が巻いてある。

 中二病ファッション。それもかなり痛い中二病ファッション。こんなのを誰かに見られようものなら数年後には黒歴史となっていてもおかしくない程の中二病ファッション。それを美森がしているのだ。

 そんな美森を見て友奈がいつも通り振舞えるわけがない。

 

「おかしいのはこの世界よ。そう、裏で魔族がこの世界を牛耳るこの暗黒世界こそが最もおかしいのよ!!」

「あ、あの、とーごーさーん……」

「ようやく友奈ちゃんもそれを自覚できたのね。ならば私と一緒に魔界に潜む魔族を……うっ、右手が疼く!!? し、静まりなさい、私の右手!! まだ魔界の炎を解放する訳にはいかない……!! くっ、封印が……!! こうなったら禁じられし邪眼を使って再封印を施すしか!!」

 

 友奈の思考回路がこの時、完全に停止した。

 勇者部員はなんか見知らぬ人に置き換わっている上にちょっと増えてるし、見知っている人は全員もれなく性格やら何やらが変になってるし。

 これ、夢だね。

 友奈はそう頭の中で判断すると。

 

「あふん」

 

 変な声を出してその場でぶっ倒れた。

 そう、これ夢だから。夢であることに違いないから。

 そう言い聞かせて友奈は部室のド真ん中で倒れ、再び夢の世界へと旅立ったのだった――

 

 

****

 

 

「あー、友奈の奴気絶しちまったよ。流石に刺激強すぎたか?」

「あはは~。まさかこんなにもいい感じに引っかかってくれるなんてね~」

「……ちょっとバレかけた。けど、なんとか、なるものね」

「まぁ友奈って結構騙されやすそうだしな。ってか須美。お前の演技迫真すぎて笑いそうになったぞ」

「あら、迫真なくらいが丁度いいのよ」

 

 気絶した友奈を見ながら園子、千景、銀、美森、ハゲ丸の先代組+身内の五人が目を回してぶっ倒れた友奈を見て今までしていた演技をやめて素で会話を始める。

 そう、今までのは演技。友奈にドッキリを仕掛けようという園子の提案から始まり全員の悪ふざけにより完成したちょっと悪質なドッキリだ。

 

「あと防人組もお疲れ。わざわざこんな事のために呼び出しちまって悪かったな」

「いえ、別にいいわよ。暇してたし」

「人を騙すというのも案外面白いですわね。今度じいや辺りにやってみようかしら」

「いないでしょー?」

「ちょっと悪い事しちゃったな~って感じがしましたけど、今日はエイプリルフールですもんね」

「……新鮮で面白かった」

 

 そして急に登場した防人組は友奈を騙すためにわざわざ集まってもらったエキストラだ。部長、つまりは風枠として芽吹に出てもらい、他の防人達はいい感じに場をひっかきまわしつつ普段通りにしてもらう。

 最初は他にも友人知人を集めて勇者部の全員が入れ替わりドッキリ、なんて物を企画していたのだが、それだとなんだかつまらないので先代組と千景はいつも通りじゃない異常な状態で参戦し場を引っ掻き回すことにした。

 不良化した園子とハゲ丸。それに影響されてしまった千景。綺麗な銀。やべー奴に拍車がかかった美森。これが入ることにより場は更に混沌となり、結果友奈の思考回路がフリーズして気絶するに至った。

 ついでにどうしてこんなドッキリを今日、仕掛ける事になったかと言うと、それは単純にエイプリルフールだからだ。

 折角なら盛大にやろうよ! という園子の言葉に全員が悪乗りして嘘を吐くのではなくドッキリを仕掛けるという形になってしまったエイプリルフールの大ドッキリ作戦だ。ちなみに配役と脚本は園子が考えた。

 

「まぁ初めましてもあったがドッキリは大成功だな。まさかこんなにも上手く友奈がやられるとは思わなかったけど」

「予想以上に時間が余ったわね。本当は午後になる直前で私達が全員喧嘩して外に出て、午後になった瞬間あなた達が元に戻って何事もなかったように部室に入ってくる予定だったのよね」

「そうそう。それで帰る時にネタバラシして終わり―って感じだったんだけどな。どうすっかなぁ、この微妙な時間……」

 

 時刻はまだ午前。ここから友奈が起きるまで待って、午後になる前に起きたら友奈にまたドッキリを仕掛けなおすというのも有りなのだが、また同じ人間にドッキリを仕掛けると言うのもどこかつまらない。

 そう思っていると、美森があっ。と声を出した。

 

「どうせなら友奈ちゃんを起こしてから企画を説明して、夏凜ちゃん辺りに仕掛けてみる?」

『採用』

 

 そして美森が出した案に園子、銀、ハゲ丸。そして夏凜とは浅からぬ縁がある芽吹が悪い笑顔を浮かべながらゴーサインを出した。それに対して夕海子が溜め息を吐き、雀が苦笑。

 しずくはぼーっと何かを考えながら亜耶を膝の上に乗せており、もう膝の上に乗せられることに慣れた亜耶もぽけーっと天井を見ている。

 

「それよりも、ですわ! 勇者の皆さん、約束はしっかりと覚えてますわよね?」

「覚えているさ、弥勒さん。俺達五人が防人組にカツオ、うどん、ラーメン、みかんを使った豪華料理を夜にご馳走するっていう約束だろ? 任せろって」

「その準備も勿論済ませてあるわ」

「それに、アタシと須美、それからズラは料理に関しては自信あっからな。大船に乗った気持ちで夜を楽しみにしてな!」

 

 話についていけなかった夕海子が話に無理矢理混ざろうと報酬の話をしてきたが、それに関しては勿論何も問題は無い。藤丸家には今、彼女達の大好物の材料が大量に保管されているので藤丸家に向かったらすぐに料理に取り掛かることが可能だ。

 その言葉に夕海子は満足げに頷き、その間に園子が友奈の体を揺すって彼女を起こした。

 友奈は目を擦って上半身を起こしたが、先ほどと一切容姿が変わっていない美森たちを見て再び気絶しかけたが、すぐに園子がいつもの調子で話しかけた事により二度目の気絶は防がれた。

 

「……え、えっと。これ、どういう状況?」

 

 流石の友奈もそれだけじゃ全部理解できないので現状の説明を求め、美森たちはこの一連の流れはエイプリルフールのドッキリであること。自分達はどこもおかしくなっていない事。そして見知らぬ人たちは園子とハゲ丸の知り合いであることを告げると、友奈は心底安心した顔で胸を撫でおろした。

 

「よ、よかったぁ……ほんとよかったぁ……」

 

 友奈のかなり感極まった言葉に苦笑を返し、美森が改めて友奈に提案する。

 

「それで、友奈ちゃん。これから夏凜ちゃんを呼んで友奈ちゃんにした事をもう一回やろうと思ってるのだけど……どう?」

 

 その言葉を聞き、友奈はちょっと驚いたような顔をした。

 だが、直後ににやっとわっるい笑顔を浮かべ、美森が差し出してきた手を取った。

 

 

****

 

 

「うーっす。来てやったわよー。ったく、なんでこんな急に部室に呼び出しなんて」

「あら、夏凜。ちょっと遅かったじゃない。珍しいわね」

「そりゃ急に呼び出されたら……って、はぁ!!? あ、あんた芽吹!!? どうしてここに!!?」

「どうしてって……私は勇者部部長じゃない。何を言っているの?」

「えっ、勇者部……えっ、いや、ちょっ……」

「んだようっせぇなぁ!! 人が寝てんだからちったぁ静かにしやがれ!!」

「ひぃっ!? ……って今の声ハゲ丸!!? 一体何が……」

「……ちっ、うっさい煮干し」

「え? 園子……? ……へ?」

「……夏凜さんちーっす」

「あ、ちーっす……って千景!? その格好なんなの!?」

「……いつもの事っすよー」

「いや、んなわけじゃない!!? 一体どうしたのよホントに! なんか知らない奴もいるし芽吹がいるし、ハゲ丸と園子はグレてるし!!」

「夏凜さん。そんなに叫んでいると喉を傷めますよ?」

「あ、それもそうね。もうちょっと落ち着い……ってあんた誰!!? 銀よね!? なんか綺麗すぎない!!?」

「アタシはいつも通りですよ?」

「いや、絶対おかしい! 何かが決定的に違って……」

「そうよ夏凜ちゃん!! 今この世界は狂っている!! 機関による情報規制に魔界からの魔族の侵略!! この世界は混沌に包まれようとしているのよ!!」

「うわっ、東郷!!? ……って東郷!!? あんたその中二ファッションなんなの!!?」

「くくく……さぁ、夏凜ちゃん、今こそ私と共に暗黒聖戦士となって魔界の驚異を……うっ、右目が!! 邪神を封印した右目がうずく!! 今こそ邪王真眼を解放しろと邪神がぁ!!」

「あんた頭大丈夫!? いや、元から大丈夫じゃなかったわねごめんなさい!!」

「は? キレそう」

「うわっ、急に真顔になんないでよ怖いわね!! あーもう、一体何がどうなって……って友奈!! これは一体何なのよ! そんな隅で膝抱えてないで……」

「世界なんて滅んじゃえばいいのに……なんでこの世界ってこんなに存続してるんだろう……どうせならわたしごと巻き込んで消えちゃえばいいのに……あー、アンゴルモアでも降ってこないかなーヒヒヒヒ……」

「って友奈ァ!!? あんたも何があったのよ!!? ……ってリスカ跡!!? ちょ、これは……」

「あぁ素晴らしい!! 世界は破滅に満ちているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「いっだぁ!!? ちょ、東郷、あんた急にライフル取り出して殴りかかってこないでよ!! いだだだだ!!? ホントになんなのよこれぇ!!」

 

 この後滅茶苦茶弄った後に滅茶苦茶ネタバラシした。




友奈ちゃん、現実を捕えきれずに気絶してしまうでした。

最初は東郷さんならドッキリに参加なんて、と思いましたがあの人、ああ見えて結構ノリ良いのでドッキリとか普通にやりそうだなー。違和感ねぇなーと思って東郷さんを含めた先代組+防人組+ぐんちゃんによるエイプリルフールでした。

改めてどんな変化が起こったか書きますと、そのっち&ハゲの不良化、ぐんちゃんも不良化、ミノさんが綺麗に、わっしーが痛すぎる中二病に。今までとは別方面にぶっ壊れていたせいで流石の友奈ちゃんも対応しきれなかったという事で。

正直わっしーの台詞は結構ノリノリで書けた。あとこんな事言いだしても違和感ないと思うの、あの人。普段の行い故にね?

あと、前回のアンケート、IFが銀、須美、しずくの三人分しかなかったので今回改めてIFだけでアンケート取りたいと思います
一応銀IF、須美IF、友奈IFのその2に加えて美森IF、園子IFのその3が選択肢です。しずくIFは須美IFその2を書き終わり次第……という形にするか、気晴らしで書いたら投稿という形になります。また、夏凛と風のIFはまだ存在しないので思い付き次第最優先にさせて頂きます。樹IFその2は書いてほしいという方がいらっしゃいましたら活動報告のネタ募集の所に一言書き込んでいただければ
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