グラブル誰かに沢山介護してもらいたい(願望)
まぁそんな事は置いておきまして。今回は汚染も終わったのでのわゆ編に……ではなく。誰かからの汚染を忘れていませんか? ということで汚染を追加します。あとついでにちょっと今後のために小話を一つ。
この日、千景は一人ピンチを迎えていた。
何も大変なことではない。千景的には十分に大変なことだが、周りからしたら些細なことだし相談しても笑顔で放っておけばいいと言われるような案件。つまりは千景が知らなかったがゆえに起こっているピンチだ。
そのピンチとは、千景がたまたま入った園子の部屋。そこの本棚を見てしまったときに起こったものだ。
園子の持っている漫画を一つ借りようと思い無断で彼女の部屋に入った千景だったが、一冊本を取った後、その本の後ろに隠されていた本を一冊見つけてしまい、気になってそれを手に取ってしまったのだ。
園子が千景が来てからは大っぴらには読まなくなったBL小説を。
「こ、これって……俗に言う……BLじゃ……」
表紙には美青年が半裸で抱き合っている絵が。そしてタイトルもどこかそれっぽい感じのタイトル。園子が小説を書いているのは知っているし、そのための資料として色々な小説を持っていることも知っている。
だが、BL小説を持っているというのは予想外だった。一冊だけなら資料として持っているのだろうと納得できたが、表面の漫画や小説、ライトノベルを取り除いてみればその後ろからBL小説と漫画が出るわ出るわ。それもまだ十四歳の園子が読むにしてはあまりにも過激な……俗に言うエロ小説やエロ漫画。それから薄い本まで出てきてしまったのだから、もう決定的だった。
園子は腐女子である。それも、かなり重度な。
「……び、BLゲーも、やったこと……あるけど……」
一応、千景も世間一般的にはオタクと分類される少女だ。故に、BLというものがどういうものなのかというのは理解がある。
が、理解があるからと言ってそれについて多大な興味を持っていたわけではない。
何せ千景はまだ小学生。夢に夢見て恋したいと思っているお年頃の少女。性癖を青いのに歪められたのは否めないが、それでもまだピュアな部分が残っている少女だ。
そんな彼女が今までBLの深い部分に触れたわけもなく、そして誰もいない室内で見てしまったからには興味を持たないわけもなく。
「…………」
千景は適当なBL漫画を手に取ってその中身を読みふけった。
BLゲーは触ったことがある。だがそれは世間一般的にストーリー重視の名作と呼ばれる作品であり、千景はそのストーリー目的でしかBLには触れたことがなかった。
だが、園子がそこに収納しているのはストーリーがいい話からオカズとして使えそうな物まで千差万別。まだまだ好奇心旺盛なお年頃である千景にとっては未知の領域である存在。それに千景の手が伸びてしまうのも仕方ないことだった。
言うならば、河川敷に捨てられているエロ本。言うならば、誤って踏んでしまった広告の先にあったブラウザのエロゲー。例えるならSNSに投稿されてしまった過激な動画。例えるならコンビニの十八禁コーナーに置いてあるエロ本。
千景にとって園子が隠し持っていたBL漫画はまさしくそれだった。
知識はあった。知識しかなかった。そんな彼女は顔を真っ赤にしながらもBL漫画を読んでいく。少女漫画特有のヤケに鮮明に書かれた濡れ場やらで生唾を飲み込みながらもじっくりと読んでいく。
「す、すご……こんなのが……」
まだ千景には六年程早い内容で繰り広げられる男の世界。ようこそ男の世界へと誰かが言った気がするがきっと気のせいだ。
ドキドキと高鳴る心臓が鬱陶しく思えてしまう。だがそれ以上に今見ているこの漫画の内容に千景は惹かれていっている。
内容はどうであれ園子が選び取った漫画だ。それが駄作なわけがなく。
「ただいま~」
そしてちょうど物語も佳境に入り始めたあたりでこの部屋の主である園子が帰ってきた。
「ま、まずっ……」
そこからの千景は早かった。
即座に抜き取った本を本棚に詰め込み、そして目的の漫画を一冊手に取ると何事もなかったかのように漫画を片手に園子の部屋から出てきた。この間、僅か十秒。
「そ、園ねぇ……おかえり」
「あ、ちーちゃん、わたしの部屋にいたの? 何してたの?」
「ちょ、ちょっと……本を借りに……」
若干挙動不審な千景。その様子に園子が少しだけ目を細めたが、園子は何も言わずそうなんだ、とだけ言葉を返した。
「わ、私は部屋に戻るから……」
そしてすぐに千景はそれだけ園子に告げるとそのまま自身の部屋へと戻っていった。
それを見届けた園子は何も言わずに自分の部屋に入ると、自身の本棚へと視線を向けた。本棚は千景が来てからカモフラージュとして普通の漫画を前面に置いているが、その奥には様々なBL漫画や小説が置いてある若干の魔境。
千景は本をしっかりと戻した急ぎながらも丁寧に、ちょっとだけ雑に。
「……ふーん」
園子は一言だけ呟くと、自身の机の上に置いてあるパソコンのスリープモードを解除してwordを開き小説を書き始めた。
果たして園子が何を察したのか。それは園子だけが知る。
****
「じゃあちーちゃん。わたし、一時間か二時間だけ出かけてくるから、お留守番だけよろしくね?」
「う、うん……」
翌日。園子はどこかに出かけるらしく、軽くおしゃれをして玄関から出て行った。
どうやら昨日のことに園子は気が付いていないらしく、千景は勝手にBL本を読んだことがばれなくてホッとしているが、同時にチャンスだと思った。
園子がいないのなら園子の本棚を更に漁って昨日途中で読むのをやめてしまった漫画の続きを読むことができる。
家主が家から出て行って暫く。足音も離れていき気配もなくなったと確信した千景はすぐさま園子の部屋に潜入した。園子の部屋の中は昨日とほぼ変わりなく、強いて言うならばごみ箱の中に中身が入っていないお菓子の袋が増えている程度だろうか。
だがそんなものを見るために千景はこの部屋に入ったのではない。目的は昨日途中で読むのを止めざるを得なかった昨日のBL漫画の続きだ。
「えっと……たしか、ここ……」
昨日の記憶通りに千景は一冊本を抜き取ってその裏側を見た。
だが、そこに千景の目的の本はなく、別の本があるだけだった。別にそれを読んでもいいのだが、千景的には昨日読んでいた漫画の続きが第一優先で読みたい。故に探し始めるが、見つからない。
もしかしてどこか変なところに入れてしまったのではと思い色々と漁るが、しかし見つからない。
「ど、どこに……」
園子が読んで別のところに入れた可能性だってある。なので千景は念入りに探そうとする……のだが。
「ちーちゃんが探してる本はこれかな~?」
「あ……うん。それ…………へ?」
後ろから声を掛けられそれに答え、本を受け取ったところでようやく千景はどこかおかしいのを理解した。
今この部屋には千景一人しかいないはずである。そして今聞こえた声は園子の声であり、園子は今出かけているはずである。だと言うのに今千景には園子の声が聞こえてきて、千景はそれに答えて普通に本を受け取った。
ゆっくりと後ろを振り返れば、そこにいるのは自分の姉替わり。つまりは園子。
これが意味することは。
「そ、そそそそそ園ねぇ!!?」
「わぁ、ちーちゃんのそんな声初めて聴いたかも~」
本棚に激突しそうなほどに園子から距離を取りながらうろたえた声を出す千景。しかし園子はそんな様子の千景を見てニコニコと笑顔を浮かべるだけ。千景からしたらいつの間にか園子が家の中にいて、しかも自分の秘密を速攻で暴いてきたので内心は全く穏やかではない。
顔を真っ赤にしながら息を荒くする千景。対して園子はもうにっこにこだ。何を考えているのかわからない程度にはニコニコしている。
「やっぱりちーちゃん、昨日もわたしの部屋でBL漫画読んでたんだね~?」
「ち、ちがっ、そうじゃ、なくて……」
千景の隠ぺいは完ぺきとは言えないが常人なら騙しとおせる程度にはしっかりとした隠ぺいだった。
しかしそれが園子に通じるわけがなかった。彼女はしっかりと千景がどの本を読んでいたのか、どのようにして隠ぺいしたのかを本棚の中の本の動きから完ぺきに予測し、千景が読んでいたであろう漫画のシリーズを丸ごと抜き取って自分のカバンの中に入れて外へと出かけた。
あとはパソコンのモニターを消し、本体の方は電源を付けたままにしてwebカメラで部屋の中の映像を携帯で見て、千景が本棚を漁り始めたあたりで気配を消して部屋の中に舞い戻り、千景にそっと自分が抜き取った漫画を差し出した。
なんともまぁ計画的な犯行である。
「恥ずかしがることじゃないよ~? ホモが嫌いな女の子なんていないんだから~」
「い、いや、だから……」
「だいじょうぶだいじょうぶ~。わたしが手取り足取り色々と教えてあげるからね~?」
そして千景は――
****
「ねぇ、藤にぃ」
「ん? なんだ、ちーちゃん」
「この漫画見てて思ったんだけど……」
「ん? 銀から借りた少女漫画か? いったい何をだ?」
「その、ね? やっぱり男の人は男の人同士で、女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの」
「園子ォ!! テメェもかァ!!」
「やべっ、逃げなきゃ!!」
千景は、立派に腐女子になりましたとさ。
ちなみに、この後しっかりと銀がアフターケアをしたので千景が変なことを口走ることはなくなった。
園子と一緒にBL漫画とBL小説を嗜むようにはなってしまったが。
****
先日は少しばかり大変だった。
千景にいらんことを教え込んだ園子を適当な木の根元に植えて千景の変なことになってしまった思考回路をなんとかしてある程度修正し、腐女子化してしまったものの元通りにはできた。が、そこに割いた労力は相当なもので、流石のハゲ丸もこれには少しばかりの疲労感を覚えてしまった。
そんなことがあってから数日後のハゲ丸の家。そこではあまり珍しくもない女子会がこの日は開かれていた。
「ふーん。芽吹の方も色々とあったのね」
「三好さんの方こそ。まさか勇者になってからそんなに色々とあったなんて知らなかったわ」
この日は先日のエイプリルフールで久々の再会を果たした夏凛と芽吹。そしてそんな夏凛についてきた友奈と居候の座敷童組、亜耶&しずくの計五人で行われていた。
先日のエイプリルフールの時はあれこれありすぎて普通に会話をしている暇はなかったので近況報告やら親睦を深めることはできていなかったのだが、一応何かあった時のためにと夏凛と芽吹が連絡先を交換していたことから、今回の女子会の開催は決行された。
「一月に会ったときは会話してる余裕なんてなかったし、この間はうやむやで終わったしで話なんてできなかったものね。全く、大赦も勇者と防人で協力体制と取らせておけばまだ色々な問題が楽に終わったかもしれないってのに」
「まぁ防人になった当時の私が組んでも絶対に足を引っ張っただけだから、全部が全部間違いだったとは言えないわね。コンプレックスやら互いの事情やらで当時はピリピリしてたし」
「それもそうね。まぁこうしていざこざもなくお菓子食べながらお茶を飲める世の中を作れたから今更言っても仕方のないことね」
夏凛と芽吹で積もる話はそこそこある。
何せ夏凛は勇者として戦い抜く数か月の中で様々な苦悩とぶち当たった。特に満開の事と天の神との決戦までの事。そこら辺のあれこれは本当に大変だった。
もう大赦滅べと言ってしまう程度には大変だった。
そして芽吹の方もまた色々とあった。防人たちとの和解や国造り、壁外での戦闘だったり亜耶が生贄にされかけたり。それもこれも大赦のせいだったが、今は何とかそれもどうにかなって防人たちは一人も命を落とすことなく平和な日々に身を置けている。
「ほんっと。面を向けては言えないけど、友奈には感謝しかないわ。友奈がいなかったら私は確実に暴走しまくってたから」
「私もね。亜耶ちゃんが居なかったらここまで上手く防人たちを纏められなかったかもしれないから」
今テレビを見ながらぽけーっとゆるふわな雰囲気を出している三人の方に視線をやって二人は小さく笑う。
「……ってかハゲ丸のやつ、サラッと同年代の女の子二人と同居してんのよね。色々と大丈夫なのかしら」
「彼が亜耶ちゃんやしずくに手を出すほど度胸があるとも思えないし大丈夫よ。というか出したら殺す」
「芽吹のストレートな殺害宣言初めて聞いたかも。まぁ、こうなるに至った経緯とかも色々と聞きたいし、時間もあるからゆっくりと話しましょうか」
「えぇ、そうね。私もまだ勇者については色々と聞きたいことがあるし」
そうして家主不在の女子会は過ぎていき、藤丸家には数人の少女の笑い声が響くのであった。
ちなみにハゲ丸はその時、園子の家にお邪魔して千景に料理を教えていた。この日は無水カレーなんて作ってみて将来千景がかっこつけれるスキルをつけさせたとか。
はい。というわけでそのっちからの汚染としてちーちゃんが腐女子化しました。クソレズで腐女子とかいう青と紫の悪い所を集めきったやべーやつになりかけているちーちゃん。果たして高奈神はこんなちーちゃんを見て何を思うのか。そして若バードは子孫が仲間に対して行った汚染を見てどうするのか。
なおこの時点でのわゆ組は勇者部に汚染されたちーちゃんとワザリングハイツ伊予島、若葉ガチ勢上里さんを身内に抱え込んでいるので恐らく勇者部並みにヤバい事になっております。というか多分若葉ちゃんも壊れる予定だから下手するとタマっち先輩と高奈ちゃんのストレスが加速する可能性。
次回はどうしようかなーとか思いながらそろそろIFルートを全員分書かないとのわゆ編に入ってもIFルートを書くことになりそうなのでそろそろアンケートを参考にIFルートを書こうかなーと。
それではまた次回お会いしましょう。