で、結構前になんですけど、神世紀勇者参戦のタイミングは、西暦勇者達の雲行きが一気に怪しくなったあの戦いで、と言ってましたよね?
つまり、そういう事です。
さて、四国が再び危機に陥ったと言われたものの、しかしバーテックスの襲来とは案外のんびりしているものである。
四国外から戻ってきてから数日。大社は勇者達の持ち込んだ情報を元に公開する情報、隠蔽する情報、改竄する情報を取捨選択し、人々にとって耳障りがいい報道をする事にした。
曰く、生き残りの痕跡があった。曰く、バーテックスは減少傾向にある。曰く、人類は本土を取り返す事ができる。
あぁ、いい報道だ。耳障りが良い報道だ。
で。
「これ、なんて大本営発表?」
「言うな。関係者みんなが言いたくても黙っていることだ」
何と言っていいのやら。苦笑しながらテレビを指さした杏の肩をそっと若葉が叩いた。
やってる事が完全に大本営発表のソレである。お前らそれやった結果最悪な所まで戦争を引っ張って負けたのを覚えてねぇのか、と言いたくなる歴史の繰り返しの瞬間を勇者達は見ている気がした。
しかし、大本営発表が悪い事でしかないという事はない。
四国民に希望を与え、暴動などを防ぐ効果もあれば、バーテックス信仰者等に圧力をかける結果にもなる。そう、悪い事だけではないのだ。負けなければそれは大体現実になる訳で、期限を設けていないのだからゆっくりとやって現実にしたらいい。
だって戦うのは選ばれし国民ではなく勇者なんだもん。
「まぁ、四国は広いもの。こうやって希望を届けるのも大事だとは思うわ。嘘は言ってないんだし」
と、視線を逸らしながら言う歌野。
というのも。生存者の痕跡があった、というのはバリケードの破壊跡等。つまり、生存者がそこに元々居た、という状況的証拠があるので、生存者が既に死んでいるという事実を隠蔽すれば何も嘘は言っていない。だって惨劇開始から数週間後の生存者の痕跡はあったんだもん。
バーテックスから本土を取り戻すのだっていつかやるのだから嘘じゃないもん。バーテックスの総数だって今まで戦ってきた数よりも少ないんだから減少傾向にあるんだもん。
そんな事をドヤァと言ってみせれば嘘か真か確かめる術を持たない者達は騙されるしかない。
何も嘘は言っていない。隠し事はしているけど。
「まぁ、そこら辺の民衆操作やプロパガンダは私達のあずかり知らない部分よ。勝手にやらせておきましょう」
だって自分達が何か損するわけでもないし。
椅子で寝転んでゲームをやる千景においおい、と若葉と球子がツッコミを入れるが、彼女が歯に衣着せぬ事を言うのはいつもの事だ。特にそれ以上何か言う事もない。
バーテックスが進行してこないのならこっちは好き勝手言うだけだ。
ゴロゴロしながら、鍛錬もしつつ、勇者達の日常は過ぎていく。
****
いつの間にか季節はもうすぐ春に。気が付けば千景は中学のカリキュラムを全て終え、高校のカリキュラムに手を付けようとしていた。
「まさか藤にぃと園ねぇに会う前に最後に会った二人の歳を越えるなんて……」
二人と再び会った時はどんな風になっているのかが段々と予想できなくなってきた。もしかしたら社会人数年目の二人と大学生になった自分が出会う可能性だって無きにしも非ず。
そんな時まで戦いたくなんてないが。遊ばせろ。
ちなみに、千景は一応高校は普通科のカリキュラムを選び、大学にも通いたいとは思っている。思っているが、大学生活まで勇者を引っ張ったらどうなるか分かった物じゃない。
「まぁ、なんだ。千景もこれで義務教育が終わったという事だな」
「これって学歴どうなるの?」
「香川県立大社中学校卒業、香川県立大社高等学校入学とかじゃないですかね」
「名前が適当過ぎてリーフ生えるわ」
まぁ、世間一般的にはもうすぐ春休みという季節なのだが、勇者達にとっては鍛錬の時間が増えるだけなので長期休みの恩恵があまり感じられなかった。
が、あの惨劇を迎えてから三度目の春。折角四国防衛も順調なのだから何かしないわけもない。ここ一か月はバーテックスの侵攻もないし、比較的緩やかな日常を過ごせているから、自然と思考が遊びたい盛りな方向へとシフトしていく。
「んじゃ、春休みになって桜咲いたら花見するぞ! 団子食ってジュース飲んで遊ぶ!」
「ついでに千景の進学祝いか。どれ、ここは一つ、乃木家の秘蔵の酒をだな」
「若葉ちゃん……? 分かってますよね……?」
「うっす」
「まぁ、適当にみんなで花見でどんちゃん騒ぎね。いつも通りに」
「いつも通りにみんなでワイワイだね」
結局勇者なんてこんなもんである。
思考回路のネジが数本外れた奴らで構成された集団なんてとりあえず楽しけりゃそれでいいのである。頭あっぱらぱーで楽しけりゃそれ以上のことは無いのである。
とりあえず花見の約束をしてこの日は別れ、そして暫く経ってから。
――勇者達の端末が、一斉に鳴った。樹海化の合図を行うために。
「さて、楽しい気分になって花見だ花見だとやっていたらコレだ。空気読まない豆腐のバケモノ共には天誅を下さねばな」
「てんちゅーでござるぅ」
「なんか友奈が知能溶けた感じの顔で知能が溶けた感じの声出してるけど気にせず倒すぞ!」
球子の言葉におー、と勇者達がいい感じに知能が溶けた感じの声で賛同する。
こいつら気が抜けきってやがる。
だが、それもバーテックスの姿が見えるまで。白い壁が見え始めた辺りで徐々に勇者達の知能も復活を始め、顔つきも戦闘に合わせてキリっとし始める。
さて、勿論戦闘は切り札は極力の使用を禁止。みんなでイケイケドンドンぶっ殺せー、なスタイルなのだが、敵軍の観察をしていた杏がバーテックスに違和感を感じる。
「……何か隠してますね。多分、最初から進化体が数体飛び出してきます」
「一ヵ月二ヵ月の間が空いたからな。数の補充をしてきたんだろう」
しかし、初手進化体程度、最早勇者達にとって敵に非ず。
槍と銃剣を持つ千景と歌野が中心に立ち回れば進化体バーテックスなんて他のバーテックスと同じように一撃で倒す事が可能だ。
故に、白い壁の中から進化体バーテックスが五体姿を現した瞬間、千景と歌野が飛び出し、それに随伴して若葉と高嶋が駆け、球子と杏は援護のために少し距離を置きつつもそれを追う。
そして、接敵。
「鏖殺よ!」
「バレットパーティ!!」
千景の槍が閃き、歌野の銃弾が戦場を舞う。それだけで進化体バーテックスが一瞬にして倒され、残りは通常のバーテックスのみになる。後は勇者達が突っ込み、杏と球子がその援護をするだけでバーテックスは一時間も経たない内に殲滅する事ができるだろう。
一、二ヵ月ぶりの戦闘がこれだ。なんだか拍子抜けだが、だからと言って油断してたら食われて死にましたー、なんてのは洒落にならない。丹精込めて一体一体ひき肉に変えていく。食えたもんじゃねぇ。
こうして職人たちがバ肉を丹念に一匹一匹から作り出している最中だった。
残りのバ肉候補は十体も居ないという時。あーこりゃ楽勝でしたわーというムードを出していた勇者達の上に影が差した。
「え? 影?」
それにいち早く気が付いた高嶋が上を見て、固まった。
「え、どうしたの、高嶋さ……」
「何でお前も固ま……」
「いや、ホントになにがあ……」
「わっほい……」
「SUPRISE MOTHER FUCKER」
ちなみに、反応は上から千景、若葉、球子、歌野、杏である。最近口が悪いぞ伊予島。
しかし、現に勇者達の頭上。
そこには、巨大なバーテックスが浮いていた。
丸亀城の戦いの際に現れた巨大なバーテックス。アレとはまた姿形が違う物の、しかしそれと似たようなバーテックスがそこには居た。
サソリの尻尾のような物を携え、勇者達を見下ろす存在。それが、バーテックスを引き連れて浮いている。
「いやいや嘘嘘嘘ちょっと待ってちょっと待って意味わかんないこんなの絶対おかしいけど全員後ろに向かって全力疾走ぅぅぅぅぅぅ!!」
杏の悲鳴にも似た指示。それに従い、全勇者達が何も言わずに必死に後ろに向かって全力疾走していく。あの若葉ですら今回ばかりはヤバいと感じて刀片手に全力で走るレベルだ。
直後、バーテックスの尻尾のような物が高速で地面を薙ぎ払い、その風圧で勇者達の軽い体が吹き飛ばされる。しかし、吹き飛ばされた先でなんとか着地。そのまま振り返って改めて三十メートル級の巨大バーテックスを見ながら唖然とする。
誰だ楽な戦いとか言った奴。やべーのが出てきやがったぞオイ。
「ど、どうやって倒す」
「前は融合が甘い部分を叩きましたけど……」
「パーフェクトにコンプリートしてるわよあれ」
「プレイヤーのステータスの何十倍も高い敵をポンっと出すタワーディフェンスってただのクソゲーじゃない!!」
「お、落ち着いて、ぐんちゃん……」
「理不尽なのは分かるけどな? な?」
三十メートルのバーテックス。前回は矢のような物を発射してきたが、今回はどうやら武器は尻尾だけらしく、目立った遠距離攻撃はしてこない。
しかし、あの尻尾。その先端は針のように尖っており、人間一人のどてっぱらに大きな風穴を開けることは容易だろう。そんなものをくらってしまっては、確実に一発お陀仏で天国か地獄か転生のルーレットにかけられてしまう。
試しに杏が矢を飛ばして攻撃してみるが、かきーん、と弾かれる。
「ハハワロス」
思わず杏が片言で呟く程度には今回はヤバイ。
杏の矢が何もできずに弾かれるという事は、若葉の生太刀も、高嶋の天の逆手も、球子の旋刃盤も弾かれるという事。恐らく、通じるのは千景の槍と鏡、そして歌野の銃剣だけだ。
そんな小さな得物で、手数も劣っている状態で切り札を使わずアレを倒す。
なんて無理ゲーだオイ。
「だったら、タマがやってやる!! 『輪入道』!!」
「タマっち先輩!?」
だが、それなら切り札を切るだけだ。
球子が輪入道の力をその身に下ろし、炎を纏う旋刃盤を投げつける。切り札によって強化された勇者の力で投げられた旋刃盤はそのまま巨大バーテックスに直撃し、炎の渦が巨大バーテックスと、随伴していたバーテックスを包み込む。
勝った。アレに耐えられるはずがない。
そんな球子の確信は、炎が消えた直後に無傷で現れた巨大バーテックスにへし折られた。
「お、おい、切り札だぞ……? それも、タマの最大火力でぶち込んだってのに……」
切り札で無傷。その事実は勇者達を一瞬で絶望させるには十分すぎた。
明らかにスペックが違いすぎる。進化体バーテックスの時点で既に勇者とバーテックスの間には相当なスペック差があるというのに、それが更に開いてしまった。
切り札では埋めようがないレベルで、開いてしまった。
戻ってきた旋刃盤を手にし、しかしもう一度と構える球子。だが直後。
「攻撃にばかり気を使わない!!」
叫びながら千景が球子の前に出て、巨大化させた鏡を地面に突き刺し、それを全身で支える。
直後、千景の突き刺した鏡に途轍もない衝撃が加わり、思わず千景が鏡越しだったというのに一瞬でかなり遠い位置まで吹き飛んでしまう。
その衝撃の主は、バーテックスの尻尾の先端の針だった。それが、咄嗟に前に出た千景の鏡に激突し、千景を突き刺しが甘かった鏡諸共吹き飛ばした。鏡には傷一つ付いていないが、何回もガードする事は、恐らく適わない。
きっと、球子の旋刃盤で何度もガードしようものなら。
「ならば、私が行く! 尻尾に刺されなきゃ問題ないのなら、容易い!!」
「ちょ、若葉さん! あまり猪ガールしたら!!」
ここは自分が突破口を開く。なるべく攻撃を避ける事を重視して戦えばいいのならば、そうそう死にはしない。そう決断し、飛び出した若葉と、それを追って同じく飛び出した歌野。
その二人を見て千景もなんとか立ち上がって加勢しようと後ろの方から走ってくるが、その前に戦況は動いてしまった。
「薙ぎ払いは、わたしが防ぐわ! だから、若葉さ――」
「ん? どうした、歌――」
銃剣を持っているから。武器のスペックなら負けていないから。
そんな慢心にも似た心で若葉の前に出て尻尾の薙ぎ払いを銃剣で歌野が受け止めた。受け止めたが、直後に歌野の声が掻き消える。
それに若葉が反応した次の瞬間、若葉の声も掻き消え、そして二人の姿が一瞬勇者達の視界から消える。
消えた二人が次に現れたのは、勇者達から少し離れた場所で巻き起こった砂埃の中だった。
「わ、若葉さん、歌野さん!!?」
思わず杏が声を荒げるが、返事は返ってこない。
二人は重なった状態で地面に叩きつけられ、そのまま全身から血を流しながら気絶している。
武器を盾にして受け止めれば問題ない。そんな慢心にも似た心でバーテックスの薙ぎ払いを武器で受けた歌野だったが、その結果は歌野自身がその攻撃の威力に耐えきる事ができず、まるでテニスのスマッシュで一直線に地面へと叩きつけられるボールのように、二人纏めて地面に叩きつけられた。
その結果が、若葉と歌野の気絶による戦線離脱。
最悪だ。最悪のパターンだ。
幸いだったのは、針が当たっていない事だろうか。しかし、それは不幸中の幸いというもの。二人を早く回収しないと、最も最悪なパターンが目の前で起こってしまう。
即座に切り札を使用している状態のままの球子と杏が二人の元へと駆けつけ回収に回る。
「大丈夫ですか、二人とも! すぐに後ろに――」
「避けろあんず!!」
二人を担いで後ろに運ぼうとした瞬間、球子の悲鳴にも似た忠告。それに従い視線をバーテックスの方にやり、咄嗟に体を逸らせば、針が自分の足を掠って突き抜けていった。それは球子も同じようで、旋刃盤での防御が間に合わなかったのか、尻尾の先端を足に掠らせながら何とか攻撃を避けていた。
もし球子の声が無かったらと思うと、ゾッとする。
しかし、攻撃は避けた。後は二人を運ぶだけ……
「えっ、あれ……?」
「あ、足が……!」
だった。
だが、二人の体はその作戦に反し、力を失って地面に膝をつく。切り札までもが強制的に解除され、二人は若葉と歌野のすぐ側で立つ事ができない。
どうして、と考えた結果出てくるのは、一つの要素。
毒。相手がサソリの尻尾を持っているのなら、毒を持っていてもおかしくはない。神経毒か麻痺毒かは分からないが、アレは確実に掠る事すら許されなかった類の毒。実戦で掠ろうものなら、死が確定するほどの、受けてはならなかった攻撃。
「う、嘘だろ!? そんな都合いい事あるか!!?」
「でも、逃げないと! なんとか、バーテックスの攻撃が届かない所に!」
例え切り札がまだ解除されていなかったとしても、旋刃盤に乗る事ができなきゃ意味がない。故に、ここは這ってでも逃げるしかない。
逃げるしかないのだが、尻尾を自らの元へと戻し再び突き出そうとしているバーテックスを見て、息が止まる。
駄目だ、死ぬ。
絶望が確信と変わったその瞬間、視界の端から桜色が飛び込む。
「勇者ッ!! パァンチッ!!」
切り札すら使う余裕すらなかった高嶋が四人の前に立ち、全力の拳を突き出された尻尾の針に向かって叩き込んだ。
天の逆手から嫌な音が聞こえるが、それでも高嶋は全力で踏ん張り、尻尾を押し返そうとする。が、素のスペックで負けている高嶋にそれを押し返す事なんてできるわけもなく。
「う、うぅぅ……ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何とか針の軌道を上空に逸らしたものの、高嶋自身が吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。吹き飛ばされた高嶋はうつぶせの状態でなんとか起き上がろうとするが、腕へのダメージが酷すぎる上に受け身を取る間もなく全身を地面に叩きつけられたからか、立ち上がる事すらできない。
勇者一人が自分を使い潰すつもりで戦っても、一撃を逸らす事が限界。例え高嶋が切り札を使っていても、この結果は変わらなかっただろう。腕へのダメージがもう少し軽減した程度だ。
だが、高嶋まで吹き飛ばされたという事は、杏と球子、そして若葉と歌野を守る者が居なくなったという事である。
つまりは、死。
再び収縮し、突き出される針に、二人は顔を青くしながらも、せめてもの抵抗代わりに旋刃盤を掲げるしかできず――
「勇者部六箇条一つ!! なるべく諦めないッ!!」
針が旋刃盤ごと球子達を貫く寸前、紅の影が後ろから飛び出し、着地と同時に鏡でバーテックスの攻撃を防いだ。しかし、その威力に右腕のアタッチメント耐え切れず壊れ、鏡が後ろに向かってすっ飛んでいく。だが、攻撃は確かに一回防いだ。
そう、最後の戦力である千景がここで何とか間に合ったのだ。
「ち、千景さん!」
「大丈夫よ、私があなた達が復活するまで、守ってあげるから!!」
槍を地面に突き刺し、今度は両手で鎌を構えてもう一度突き出される針に向かって振るう。
掬い取るように、相手の攻撃の威力を利用して下から上へと切り上げ攻撃の軌道を上へと逸らすが、その攻撃の威力が高すぎたがために、鎌が空へと舞い上がる。しかし、まだ槍がある。
「勇者部六箇条、一つ!!」
槍を両手で構え、もう一度突き出される針に対して刺突を完全に合わせて攻撃を相殺し、そのまま針を砕いて見せる。だが、その針は即座に生成を始め、千景の槍は針の刺突の威力によって手からすっぽ抜け、後ろへとすっ飛んでいく。
だが、諦めない。
もうすぐで吹き飛んだ鏡が戻ってくる。
だから。
「駄目です千景さん! 逃げてください!!」
「避けろ千景! 避けてくれ!!」
「ぐんちゃん!! だめぇ!!」
「成せば大抵!!」
再生を終え、再び千景へ向かって突き出される針は、鏡が戻ってくるよりも早く突き刺さりそうで。
でも、諦めない。きっと鏡は間に合う。
鏡はこっちへと向かっているのだから、何とかなる。
だから。
それに。
こんな所で。
この程度で。
あの約束を。
もう一度あの二人と会うという約束を。
散らすわけには、いかない。
だから――
「なんとか――」
針が、目前に迫り。
光が舞い降りて。
――よく頑張ったね、ちーちゃん――
――後は任せな――
「――なる、ものなのよ。こういうのはね」
未来の希望が、あの日から変わらない大きな背中が、千景の目の前に現れた。
ぐんちゃん(あっ、切り札使っておけば死にかけずにみんなを回収できたんじゃ……黙っておきましょう。多分言わなきゃバレへんバレへん)
と言う事でわかうたがスラムダンクされ、あんたまが膝に矢を受けてしまい(違)、たかしーがピンボールされた所で援軍が二人。ダリナンダアンタイッタイ!!
スコーピオン……というか、完全に御霊があるであろうバーテックスってたかしーの酒呑童子が無いと倒せないレベルな上に、神世紀勇者の攻撃でも再生のせいで決定打にならないっていう頭おかしいスペックしてますから、まぁ西暦勇者達に倒せるわけもなく。
タマっち先輩の輪入道で傷一つ付かなかったのは、単純にスコーピオンの再生速度が輪入道の炎を上回ったという事で。