ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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今回から一気に天の神戦へと近づいていきます。

にしても、連続投稿は皆さんに一日ごとに最新話をお見せできるという良さがありますが、前書き後書きの話題が尽きてしまうというデメリットがあるのが痛いですね……

ゆゆゆいのブライダルイベントのシズクが女の子の表情してるの可愛くないですか?


国戻し

 作戦名『国戻し』。

 国産み、国造りと日本神話の中で繰り広げられてきた、国……いや、世界に対する儀式とも言える物。それにより新たなる時代を作り出す。

 国戻しとは、そのための人間が神の力を用いて行う新たな儀式だ。

 バーテックスより奪われた国土を全て手中に戻し、この国を対怪異国家とする。それが、この国戻しの目的だ。

 そのために使われるのは、その身に神の力を宿せる少女達と少年。聖遺物とも呼べる武器を持つ西暦勇者達を基点に、それを人造聖遺物とも呼べる各々の武器と神樹様の力の断片とも呼べる過去の妖や偉人、精霊を召喚した神世紀勇者達が間に入り構築のサポートを行い、更に中心に神獣鏡を手にする千景とハゲ丸、そして美森を配置する。

 それにより、神獣鏡元来の力である禍払いの力と聖なる力である神の力を掛け合わせ、更にそれを円滑にサポートするため、巫女でもある美森を二人の中心に置き、彼女の祈祷によりそれをサポートして超規模の対魔結界を短時間に、そして強固に構築する。それが国戻しの簡単な全体像の説明である。

 

「な、なんだか難しいね……」

「こう見ると、そう思うわよね。でも実はそうでもないのよ。アタシ達がやる事はいたって単純。指示された場所で精霊を呼び出してその場で待機するだけ」

「残りの難しい事は全部ひなたん達がやってくれるからね~」

「そうなんですね」

「ついでに言うと、ここに居ない東郷と亜耶もあっちの巫女に混ざって体を清めているわ。滝に打たれるのは辛いってぶつくさ言ってたわ」

「俺さ、東郷に戻ってからのアイツを見てから、未だに巫女さんできるってのがすっげー納得いかないっつーか、巫女さんってもうちょっとこう……亜耶ちゃん後輩みたいなのが適任と言うか……」

「それひなた達の前でも言えるの?」

「……ごめん。黙るわ」

 

 銀の一言に黙ったハゲ丸だったが、美森が巫女と言われても何と言うか、アレが巫女したら邪念とか色々と混ざって大変な事になるんじゃなかろうかとついつい疑ってしまう。

 とは言っても、実際に美森が巫女として色々とできるのはつい最近ひなた達と混ざって巫女の仕事を軽くしていた時に証明済みなので、気にしない事にする。

 神樹様の基準は結構ガバガバなのだと。

 ハゲ丸が黙ったところで作戦概要を勇者と防人に話し終えた風と園子は他に質問は? と質疑応答の時間を取るが、特に質問は無し。今回の作戦は勇者と防人は基本的に指定された位置で突っ立って自衛をするという物。防人は勇者としての力が弱めであるため四人一セットで最も勇者の力を必要とする場所の要となるため、妨害が入る事が懸念されるが、防人四人が揃えば神世紀勇者二人分以上の戦力を軽く叩きだせるので特に懸念はない。

 

「けど、なんだか申し訳ないわね。私の強化装束が間に合っていればもうちょっと作戦も楽になったでしょうに……」

 

 しかし、その中で芽吹は申し訳なさそうな表情を浮かべていた。

 先日も話題に出た芽吹の強化装束。簡単に言えば防人版満開とも言えるそれは結局今日までに間に合わなかった。あと数時間もあれば調整も完了し実装が可能なのだが、それが間に合う前にあちら側の示した作戦開始時刻が来てしまう。

 一人でも遅れれば作戦が成功しないというシビアな状況なので、芽吹の強化装束は見送られる結果となった。それをやはり気にしているようだ。

 

「そんなの平気よ。いざという時はあたし達の誰かが満開してどうにかするから」

 

 だが、勇者達にとってその程度の不測の事態など不測足り得ない。

 結局相手を倒しながら死ななければいい話だ。例え各地に散らばろうと、今さらバーテックス如きに手こずる勇者と防人ではない。

 

「……そうね、夏凜さん。もしもの時は、任せるわ」

「どんと来なさい。代わりに、そっちの一番大変な場所は任せたわよ」

「任されたわ。防人として、必ずその場所は守り切って見せるわ」

 

 隣に座る芽吹と夏凜が拳を合わせ、その光景を見た他の勇者と防人も気合が入る。

 唯一雀だけがあわあわしているが、隣のシズクが騒いだら分かってるよな? うん? と言わんばかりに肩に肘を置いて威圧しているので雀は騒がない。ちゅんちゅん。

 これにて作戦のブリーフィングは終了。後は過去に行くだけ……なのだが。

 

「……一つ、みんなに言っておくね」

 

 園子が、今まで誰も口にしていなかったことについて触れる。

 

「この戦いは、天の神の逆鱗に間違いなく触れる事になる。もしかしたら、この作戦中に天の神が出てくるっていう事も十分にあり得るの。もしそうなった場合は、全力で戦うけど……もしも負けたら」

 

 この時代に、あの時代の大切な人たちだけを連れて逃げてくる事。

 それが、この作戦に参加するために絶対に頷かなければならない条件だ。

 残酷だと思われてもいい。無責任だと叫ばれてもいい。人でなしだと突き放されてもいい。だが、これだけは絶対に譲れない。

 あの時代の天の神は、戦わなくてもいい存在だ。本来戦わない存在だ。それと戦って勝つのならまだしも、命を落とすくらいなら、自分達が本来関わらなかった時代の人達を見捨て、自分達の時代へと閉じこもる。それを容認しなければならない。

 だが、勇者達は分かっている。天の神と相対したら確実に勝てないと。

 満開勇者三人が抜群のチームワークを発揮しても勝てなかった。大満開というスペック値が不明の神という領域にその足を踏み入れた存在ですら、撃退が精一杯だった。

 それをこの場に居る神世紀勇者八人の満開で倒せるか、と言われれば、断言できる。

 倒せないと。

 

「……だ、大丈夫だよ! あの時も何とかなったんだから、絶対に大丈夫!! 成せば大抵なんとかなるんだから!!」

 

 だが、そんな中で友奈が一人、声を上げた。

 あの時最も天の神という存在の規格外っぷりを思い知ったであろう友奈が。

 彼女がそう言うと、どうにもその通りになってしまいそうだ。

 

「もう、ゆーゆ。結構真剣な話なんだよ~? ……でも、そうだよね。成せば大抵なんとかなっちゃうからね。あんまり暗い話はこれ以上しないようにしよっか~?」

 

 だが、絶対に勝てないかと言われれば、答えはノーだ。

 もしもウルトラCが起きてこの場に居る全員が大満開でもしようものなら、確実に天の神をぎったんぎったんのぼっこぼこにする事ができる。友奈なら、そんなウルトラCを起こしてしまいそうだ。

 それに、作戦前にあまり士気が下がるようなことを言っても仕方がない。そう吹っ切れた園子は降参、とでも言わんばかりに両手を上げて話を切り上げた。

 

「それもそうね。んじゃ、過去に行ってもういっちょ世界救っちゃいましょうか!! 勇者部、ファイト―っ!」

『おーっ!!』

 

 そして神世紀勇者を代表した風の掛け声に防人も含めた勇者達が声を上げ、拳を突き上げる。

 さぁ、ここからが正念場だ。

 

 

****

 

 

「それでは、国戻しの最終確認です。みなさん、霊脈と立ち位置を示した地図を確認してください」

 

 丸亀城に集まった勇者達が、己が持つ地図を確認する。

 四国から関西圏までを示したその地図には、数本の青色の線とその上に重なるように書かれた己の名前がある。一応全員が自身の端末にどこへ行くべきかピンを指しているが、オリジナルがこの地図なので、こっちを見る方が確実である。

 そのため、全員がこの場では地図を持ち、改めて自分が行く場所を確認している。

 

「作戦としては単純に、みなさんにそこに行ってもらうだけになります。ですけど、途中でバーテックスの襲撃も予想されます。なので、この作戦は相当辛いものになると思います」

「そこに着いたのをこちらで確認しましたら、結界の構築を開始します。そうなったらこちらの勝ち、みたいです」

「指示はわたし達が神託を貰って随時行います。結界も作戦中は相当強固な状態になるので、皆さんは後ろの事は考えず、自分の身の安全を優先してください」

 

 それが、最後のブリーフィングの内容だった。

 今回の国戻しの対象地域は関西全般。和歌山、大阪、奈良、兵庫、京都、滋賀、三重となる。その中心である大阪には美森、千景、ハゲ丸が向かい、それ以外のメンツはそれぞれ散らばる形となる。

 到着時間もかなり疎らになるであろう今回の作戦。勇者達が如何に素早く移動し、如何に素早く結界の構築を開始するかが大きな問題だ。特に、滋賀や三重へと向かう勇者が遅れれば遅れる程、和歌山や大阪で結界の基点となる勇者達の負担が大きくなる。故に、一番重要なのはスピードだ。万が一の場合は神世紀勇者が満開を使ってでも移動し、迅速に作戦を終了させる必要がある。

 

「それでは皆さん、大橋の方へ。作戦開始時間になると同時に行動開始です」

「どうか、皆さんに神樹様の加護を――」

 

 水都の言葉と亜耶の祈りを聞き、勇者達が丸亀城から飛び立つ。

 小さくなり、そして消えていった背中を見送った巫女たちは感傷もすぐに終わらせ、大社の用意した車に乗り神樹様の元へと急ぐ。

 そして大橋へと着いた勇者達は地図と端末の方を見比べ、この後途中まで一緒に行動するメンツごとに別れていた。

 

「滋賀はアタシと樹、棗ね」

「和歌山が防人組四人と杏さんと球子さんね。」

「三重組はわたしと高嶋ちゃんだね!」

「京都はわたしと農業王だね~」

「で、兵庫は私と夏凜か」

「そこに大阪組の私達三人が途中までは混ざるわ」

「よろしくやろうぜ、余りもの同士さ?」

「なんでそんなに卑屈なのかね、ミスシルバー?」

 

 大まかに纏めて大阪までは全員一緒だ。だが、そこから散会するため、その後は全員別れる事になる。

 琵琶湖があるため水中戦が発生する事が考えられる部分に棗と相性がいい犬吠埼姉妹が。三重にはほぼ同一人物とでも言いたいのか言葉を交わさなくてもコンビネーションが取れるダブル友奈。狭いがかなり激しい襲撃が予想される京都には園子と歌野の二人が。兵庫にはいつでも京都の援護に行けるようにとスピード特化であり攻撃力特化でもある若葉と夏凜が。そして何故かちょっと卑屈な銀とそんな銀に苦笑する雪花が三重、大阪、和歌山、滋賀に援軍として行けるように奈良に配置された。

 そして、大阪には基点となる美森、千景、ハゲ丸の三人。

 それぞれの負担が大きく、それに加えて移動完了までに大阪組が到着してから少なくとも二、三時間以上はかかってしまうため、もし大阪にバーテックスが集中した場合は作戦がマトモに進行しない可能性だってある。

 かなり危うい綱渡り状態とも言える作戦だが、やらなければ未来は切り拓けない。

 やるしかない。

 

『皆さん、準備はいいですか?』

 

 そんな勇者達の元にひなたからの通信が来る。

 ワイヤレスのイヤホンを耳に取り付け通話モードにしっぱなしの携帯を通信機代わりとしている勇者達はそれに返事を返し、準備は既にできていることを知らせる。

 

『こちらの合図と同時に作戦を開始してください。わたし達には待っている事しかできませんが……』

『それでも、きっと皆さんが無事に帰ってこれる事を信じています』

 

 水都と亜耶の言葉に頷き、改めて気を引き締める。

 ここから先は今までのような防衛戦ではない。人間の活動範囲を広げるための一手だ。

 絶対に失敗はできない。絶対に、誰かが欠けるなんて事は許せない。

 

『それでは……作戦、開始です。どうか、ご武運を……!!』

「あぁ。任せてくれ、ひなた」

 

 ひなたの祈りに一切の怯えも恐怖も持ち合わせていない若葉の勇ましい声が返され、生太刀を鞘から引き抜く音が響き渡る。

 

「さぁ、西暦の世に集いし勇者達よ!! 今こそ反撃の時だ!! 剣を持て、槍を持て、拳を携えよ!! 奴らが矮小で弱き存在だと見縊った我等が力、今こそ見せつける時だ!! 進め、斬れ、討てッ!! 勝利は既に我等が手中にあるッ!! 勇者、出陣ッ!!」

『おーっ!!』

 

 若葉の鼓舞に勇者達が応え、神世紀勇者達がそのスペックを活かして西暦勇者達よりも先に結界の外へと飛び出す。

 その瞬間、目に入ってきたのは十二体のバーテックス。

 十二星座の名を冠するバーテックス達だった。

 普通であれば、恐れる。もしもこれが進行してきていたのならば、冷や汗を掻く。

 しかし、今の勇者達にとって十二体のバーテックスなど、雑魚に過ぎない。

 

『邪魔だっ!!』

 

 バーテックスの先制攻撃をハゲ丸が全て防ぎきる。友奈のレーザーの如く放たれた炎が二体のバーテックスを左右に分割しそのまま御霊すらも真っ二つに斬り裂く。美森の青い弾丸がバーテックスの体内の御霊を外殻ごと貫く。風の大剣が二体のバーテックスを横一文字に御霊ごと斬り裂く。樹のワイヤーが二体のバーテックスを纏めて御霊ごと捻り潰す。夏凜の双剣が目にも止まらぬ速さでバーテックス二体を一瞬で解体し御霊を爆破する小刀で砕く。銀の双斧と園子の槍が二体のバーテックスを纏めて微塵に砕く。

 まさに無双。士気もテンションも上がった勇者部には倒すための時間制限が存在しないバーテックスなどただの雑魚でしかない。

 

「流石だな、未来の勇者達は。私達も遅れぬように全力でアレに追いつくぞ!」

 

 その光景を視界に収めた若葉は、そんな彼女達に後れを取らないため、この時代の勇者達を引き連れ、前を走り敵の殲滅を担当してくれている神世紀の勇者達の背を負った。

 

 

****

 

 

 最初に所定の地点に到着したのは美森、千景、ハゲ丸の三人だった。

 この三人の力は共鳴する形で増幅させ禍払いの結界を張るため、千景とハゲ丸が美森を中心に、数メートル程度離れる程度で済む。

 そのため、端末で自分達の所定の位置をしっかりと把握した三人は走るのを止め、その場で足を止めた。

 

「よし、ここだ!」

「わたしはすぐに祈祷の準備をするわ。千景ちゃん、ハゲと一緒に周りの警戒をお願い」

「えぇ、任せて。みんなは、私達の事は気にせずに自分達の位置に向かって。この作戦、絶対に成功させるわよ」

 

 霊脈が通る、大阪の中心地へと辿り着いた勇者達の内、美森達が足を止め、即座に美森が地面に向かってライフルの弾丸を放ち、地面に穴を穿つ。更にすぐにひなた達からの通信越しの指示を聞いて地面に巨大な陣を描き始める。

 ライフルを棒代わりに描くそれは、僅かなズレも許さない。弾丸で穿った場所を支点とする陣を書いている間、千景とハゲ丸は彼女の描く陣を消さないように距離を取り、各地に散会しようとする勇者達に気を付けて、と声を投げかける。

 

「あぁ。任せてくれ。みんな、ここからが正念場だ! もしも無理だと察したら、すぐに連絡をする事。この作戦は一人が無茶をしたら成功する物も成功しなくなる!」

「悩んだら相談を胸に各自散会よ!」

「ここで死んじゃったら作戦失敗な上にみんな悲しむからね~。いのちをだいじに、だよ~」

 

 リーダー達の言葉を聞き、勇者達が散らばった。

 勇者達が散らばってから二十分も経たない内に美森は陣を描き終わり、その中心に神樹様の種とも呼べるものを一つ埋めた。それにより陣が機能し始め、美森の描いた線が青色の光を放ち始める。

 

「これで大丈夫ね。二人とも、もうこっちに入ってきても平気よ」

「おう。しっかし……こりゃすげーな。一応ファンタジーは一頻り見てきたけど、こんな風に地面が光るのを見るのは初めてだ」

「本当に東郷さんって巫女の素質があったのね……」

「千景ちゃん?」

 

 この陣は結界の中心であり要だ。

 きっとバーテックスはこれを破壊しに来るに違いない。それが大社と勇者達の総意である。しかし、何の因果かこの陣の近くに居なければならないのは守る事に関しては誰よりも上を行くハゲ丸と彼の守りさえあればどんな敵だろうと撃ち貫く美森。そして、二人の勇者の武器を巧み扱い、防御も攻撃も得意な千景の三人だ。

 だからこそ、この作戦の要は他の地へと走っていった他の勇者だと言われていた。この三人なら敵が来てもきっと問題はないから。

 だが、陣の完成から一時間が経ったのにも関わらず、敵襲は無かった。

 

「……来ない、わね」

「どういう事だ……?」

「乃木さん、高嶋さん。そっちはどう? こちらは特に攻撃が無いけれど……」

『千景か。いや、こっちも特にバーテックスは見当たらない。まさか星屑一つ居ないとはな……』

『こっちもだよ、ぐんちゃん。なんだか、気味が悪い……』

 

 気味が悪い。

 その言葉が恐らくこの状況には一番合っているだろう。

 何せ、本来想定されていた敵襲が一切来ないのだ。まさかバーテックスが全面的に白旗を上げて陣取り合戦を諦めた、という事だろうか。

 いや、物量に任せることができるバーテックスがそれをするのも意味不明だ。

 通信を聞きながら千景と美森。そして移動中の園子や杏もどうしてこんな事になっているのかを考えるが、まさか理由を当てられる訳も無く、そのまま移動が続く。

 そして。

 

『こちら奈良組。所定の位置にたどり着いたよ』

『滋賀組も到着したわ』

 

 まず奈良と滋賀の勇者達が所定の位置に到着した。

 そして。

 

『和歌山組、到着よ』

『三重組も到着したよ~』

『兵庫組、到着だ』

『京都組も到着したんよ~』

 

 なんと、全ての勇者達がバーテックスと接敵せずに所定の位置に到着したのだ。

 これには流石に全勇者が気味悪さを感じた。しかし、このまま結界を張ってしまえばこちらの物だ。結界を張り樹海化が成功したら勇者達は何のリスクも無く神樹様の手により丸亀城内にある小さな社の前に転移する。

 そして進行があれば樹海化が始まり、再び防衛戦が始まる。そして合間を縫って再びこうやって国戻しを繰り返す。

 もしも機を見て各個撃破を企んでいるのなら、それは間違いだ。

 こうして全ての勇者が所定の位置に着いた今、既に儀式の八割は完了している。後は、巫女と鏡を持った二人の仕事だ。

 

『東郷さん、国戻しを始めます!』

「分かったわ。二人とも、打ち合わせ通りに!」

「おう!」

「任せて!」

 

 ひなたからの合図が来た。これが来たという事は、霊脈の上に勇者達が立ち、結界を張る準備が完全に完了したという証だ。

 その声を聞いた瞬間、大阪の陣の上に立つ美森と神樹様の前で膝を付く巫女の三人が大社の巫女達のバックアップを受け、結界構築のための祝詞を唱え始める。

 

『――――』

「ちーちゃん、互いに合わせるぞ!」

「藤にぃに合わせられない理由なんてないわ!」

 

 祝詞が唱えられると共に地下の霊脈が活発化し、地面から青色の光が空に向かって放たれ始める。この力が結界を構築する力となる。

 その基点であり、力の源となる概念が込められた聖遺物は、神獣鏡。

 二人が腕から神獣鏡を切り離し、それを空へと飛ばす。二枚の神獣鏡は大きな円を描くように空へ向かって飛び、ある程度の高度に至るとそこで滞空しながら空中で陣を描くように飛び始める。

 二枚の鏡が描く陣。その軌跡に青色の光たちが吸い込まれて行き、二枚の鏡が結果的に巨大な陣を空中に展開した。それにより空と地上に陣が生まれ、二枚の鏡が空中の中心へ。そして、地上の陣の中心には美森が膝を付く。

 ここまで来たら神獣鏡組の仕事は完了だ。後は鏡をその場に維持するだけ。

 そして、美森が膝を付く場所。神樹様の種を植えた場所からは小さな双葉の芽が発芽する。

 

「よし、発芽したって事は!」

「成功ね!」

 

 それを見ていた千景とハゲ丸が声を上げると同時に、祝詞を唱え終わった美森が立ち上がり、陣の上から急いで退き、そのまま距離を取り始める。それを見た千景とハゲ丸も二人で一緒に美森の後を追う。

 その瞬間。

 

「始まるわよ。神樹様の分霊による結界構築が」

 

 美森がそう呟くと同時に、先ほど発芽した芽が現実的にあり得ないスピードで成長を始め、一分も経たない内に大樹へと成長した。

 どこぞのジブリ映画のような成長っぷりに思わず唖然とするが、なんとなく千景はその大樹に懐かしさを覚える。その懐かしさの正体が諏訪の雰囲気に似ている物だと気が付いたその時、空に浮かんでいる陣に大樹が触れ、光が弾けた。

 弾けた光は薄く広がっていき、そのまま関西全域を覆い隠す。その光は他の地に散らばる勇者達にも見え、同時にその光が新たな結界の構築と作戦の成功を意味する物だと察し、歓声が上がった。

 

「……土地神様、また私達のために結界をクリエイトしてくれたのね。今度、お供え物に野菜でも持って行かないとバチが当たっちゃうわね」

 

 唯一歌野だけがそんな事を笑顔で呟いた。

 そんな彼女の言葉に答えるように広がった青い光は透明になり、同時に鏡が二人の手元に戻って樹海化が始まる。

 その樹海化で、いつもは力の温存のために滅多にやらない勇者達の樹海化時の転移によって勇者達が結界の中心となった大阪組の元へと集結した。

 

「おっ、神樹様も粋な事をしてくれるな。にしても、これで作戦成功か」

「やったー! これで関西の奪還成功だね!!」

「おう! ここからタマ達の反撃が始まるんだ! あの腐れ豆腐共をこのままこの星から追い出してやる!」

 

 若葉、高嶋、球子が声を上げて喜び、そこに神世紀勇者達も混ざって喜び合うが、その中で一部の勇者達……軍師や指揮官系の勇者達は渋い顔をしていた。

 杏、園子、風、芽吹。更に千景の五人が別に集まり、この現状についての話を始める。

 

「園子先生、これって……」

「作戦が成功したのは喜ばしい事ではあるんだけど~……きな臭いよね。フーミン先輩もそう感じたんですか?」

「えぇ。あの天の神がこんな簡単にこっちの侵攻をそう簡単に容認してくれるかしら……あの悪辣な天の神が」

「本当に今回の件は妙よ。そりゃ、世界全土を見たら関西なんてちっぽけだけど、逆にちっぽけな場所を襲い続けた天の神がこんな事を許すなんて……」

「……分からないわね。陣取りゲームでわざわざ相手に陣を明け渡すなんて。罠を仕組んでいる様子もないし、こちらとしては得られるものが多すぎるのに……本当に意味が分からないわ」

 

 千景もよくそう言った陣取りの戦略ゲームはやる。

 だが、そういう時に自分の陣地を明け渡す理由なんて、その陣地が今の自分達にとっては維持コストに見合っておらず、保持するだけで戦力の低下を引き起こす時やそこに罠を仕掛け取り返す事を前提とした時くらいだ。

 故に特に罠も仕掛けず関西全域というこれからの足掛かりになる場所を明け渡すなんて意味が分からない。

 一体、何が。

 軍師と指揮官達が頭を悩ませている時だった。

 

『――――』

 

 ふと、歓声を上げていた勇者達が静かになっているのに気が付いた。

 うわっ、急に落ち着くなと言いたくなる程静かな勇者達に思わず五人が勇者達の方を見るが、彼女達は空を見上げている。

 そこに何かあるのかと空を見上げた。

 ――空が、割れていた――

 

「なっ……!?」

「そ、空が、割れて……」

 

 千景と杏がその光景を見て言葉を失う。

 だが、園子、風、芽吹はその光景に見覚えがあった。

 空が割れ、出てくるもの。

 それは。

 

『天の、神……』

 

 ――天の神。

 三百年後まで人類を脅かす存在の降臨だった。

 

「ま、まずい……まずいよ! みんな、しっかりして!! こうなった以上は、戦うしかないよ!!」

 

 考え得る限り最悪のタイミングだ。

 みんなが浮かれてこれからの事に安心した直後の絶望。一応準備こそしてきたが、こんなタイミングで唐突に出てくるなんて思っても居なかった。

 だが、今分かるのは戦わなければ何もできずに死ぬという事。

 

「構えなさい、みんな!! あの時と同じよ! あっちから出てきたんなら好都合! 親玉倒して、この時代を救って、大団円で未来に帰るわよ!!」

 

 園子の言葉に続き、風の激励が入る。

 勇者部部長の。神世紀勇者達にとっては火付けとなる言葉。それを聞き、天の神に恐怖したままの勇者部なんて、居る訳が無い。

 

「……そうだ。天の神が何だ! 大満開が無くっても、わたし達勇者は一人じゃないんだ! 一人じゃないから、その力を掛け合わせて何倍にも増やして戦える!! 天の神だって、殴り飛ばせる!!」

「そうね。あの時は私は直接対峙してなかったけど……所詮は空中の鏡。私の弾丸が届かない理由なんてないわ!」

「あの時は負けちゃったけど、今回はこんなにも仲間がいる! だから、負けない!」

「ったく、このあたしがビビるなんて……らしくないったらありゃしないわ。今度こそ完成型勇者の意地を叩き込んであげるわ!!」

「あんときゃ満開できなかったから遅れを取ったが、今回は満開がある! 仲間も増えた! なら負けねぇ!!」

「あの時は援護しかできなかったけど……でも、今回は違うわ。私達は防人であり勇者! 行くわよ、三人とも! あの時落とせなかった引導を、ここで落とす!!」

「お前が出てきたってやる事は変わらねぇよ。来いよ、不細工な神さん! 俺が居る限り、みんなに指一本たりとも触れさせねぇ!!」

 

 見ただけで分かる圧倒的な存在に神世紀勇者達は各々の武器を構える。

 その光景を見た若葉は唖然とした表情を収め、笑いながら武器を構えた。

 

「そうか……私としたことが、何をしていたんだ。親玉が、あの時の仇が直接出向いたんだ。ならば、やる事など一つしかあるまいよ……私の大切な物を壊さんとするのなら、お前のその(タマ)を先に壊すだけだ。神をも討つ乃木の太刀、しかとその目に焼き付けろ!! 行くぞ、勇敢なる者達よ!!」

 

 若葉の鼓舞に西暦の勇者達も我を取り戻し、武器を構える。

 そうだ。相手が神だからってなんだ。こっちにだって神様が付いている。それに、頼もしい仲間達が居る。

 ならば、負ける道理なんてない。

 負ける理由が無い。

 勝てる。

 勝ってみせる。

 

「さぁ、想定していなかったが最終決戦だ。各自、絶対に生きて帰――」

 

 ――だが、そんな希望を持つことを悪辣な神は許さない。

 

『ッ!?』

 

 神世紀勇者達が、目を見開いた。

 同時に、膝をついた。

 

「ま、まずっ……!?」

「うそ、でしょ……!? そんな、これから、なのに……!?」

「こんのっ……性悪の小物のくせに……っ!!」

 

 膝を付いた神世紀の勇者達が苦しそうに声を吐く。

 まさか攻撃が来たのか。そう思い周囲を見渡すが、特に攻撃された痕跡はない。強いて言うならば、空の割れ目が更に開き、そこから赤色の鏡のような物。つまりは天の神の本体が現れているくらいだ。

 

「このっ……!! 正々、堂々と……!!」

 

 友奈が歯を食いしばりながら立ち上がる。

 ――だが、そんな抵抗は無意味だった。

 

「まに、あわ……――」

 

 美森の姿が、光と共にその場から消滅した。

 

「えっ……? と、東郷、さん?」

 

 その光景に千景が呆然とするが、更に悲劇は続く。

 

「せめて、一太刀っ……――」

「くそっ、こんな時に退場なんて……――」

「あと、少し、なのに……――」

「こりゃ……参ったわね……どうしようも、ないか……――」

「異物は退場……そういう、事ね……――」

「うぅ……メブぅ……――」

「流石にこれには、逆らえない……そういう、事ですわね……――」

「クソっ……こりゃしずくが悲しむな……――」

 

 更にそれに続き、夏凜が、銀が、樹が、風が、芽吹が、雀が、夕海子が、しずくとシズクが、光と共に消えていった。

 まさに異常な光景。だが、それ以上に絶望する光景だ。

 天の神討伐の頼みの綱でもあった神世紀の勇者達が目の前で消えていく。その絶望感は、とてもじゃないが許容できる範囲の物ではない。

 

「ちー、ちゃん……!! 逃げるんだ……! 俺達が、また来るまで、生きて……――」

「また、来るから……! 絶対に、間に合ってみせる、から……――」

「藤にぃ! 園ねぇ!!」

 

 そして、千景に希望を与え続けた園子と藤丸も、彼女に手を伸ばしたまま、光と共に消えていった。

 だが、友奈だけは光に包まれながらも立っている。苦しそうな顔をしながらも、立っている。

 

「嫌だ……!! こんなところで、諦めたくない……!! だから、せめて、一撃だけでもッ……!!」

 

 唯一彼女だけが光に対抗して天の神へ向けて飛び立った。

 

「勇者ァ……!! パンチッ……――」

 

 だが、その拳が天の神へと届く前に彼女の姿も光と共に消え去った。

 神世紀の勇者達が、一人残らず、光と共に消えていった。

 

「そ、そんな……馬鹿な……」

「ど、どうすんだよ……どうすんだよこれ!!」

「せ、戦力が一気に半分以上も減るなんて……そんな、こんな事って……」

「藤にぃ……園ねぇ……」

 

 若葉が呆然とし、球子が取り乱し、杏が絶望し、千景が失意に呑まれる。

 あれほど期待していた神世紀の勇者達が、目の前で光と共に消え去った。その絶望が大きく、あの若葉ですらすぐに立ち直れない。

 いや、若葉だからこそ立ち直れない。最も仲間達の事を信頼し、仲間達と戦い、仲間達を守り守られてきた若葉だからこそ、自分が何もできずに仲間達が消えていくのをその目に収めてしまい、簡単に立ち直れない。

 そんな西暦勇者達に向かって天の神は嘲笑うように火球を飛ばす。

 レオ・バーテックスの物よりも大きく、灼熱な火球を。

 絶望に呑まれた勇者達はそれを見ても動けず、火球は迫り――

 

「一目連ッ!!」

 

 その前に、高嶋が精霊の力を纏い火球へ向かって飛び込んだ。

 

「疾風ッ! 勇者パンチッ!!」

 

 台風の如き風の力をその手に纏った高嶋の一撃が火球と激突し、高嶋の天の逆手を焼きながらも風の力が火球をかき消した。

 精霊の力を使った一撃で、互角。いや、一目連という風を扱う精霊の力で火球をかき消すだけで相当力を使い、相当押された。それも、この火球は恐らく天の神の切り札でも何でもない。

 精霊の力を使った一撃で、通常攻撃と互角。

 だが、今はそれでいい。

 

「若葉ちゃん! アンちゃん! わたしは、これからどうしたらいい!?」

 

 拳を構え、天の神と相対しながら高嶋が叫ぶ。

 

「わたしはあんまり作戦とか考えられないから……拳を構える事しかできないから、分からないけど! でも、二人ならどうしたらいいか、教えてくれる! いつもそうだったから! だから、わたしはどうしたらいい!? わたしは、あの神様をどうやって殴り飛ばしたらいい!?」

 

 高嶋は、絶望していなかった。

 この状況でも、あの天の神に勝つことを考えている。

 なんとも高嶋らしい。

 ――だが、邪魔をするなら邪魔をする者からとでも言いたいのか、天の神は火球ではなく超弩級の針を空中に召還して高嶋を串刺しに……いや、吹き飛ばさんと射出してくる。

 それを見た高嶋は即座に拳を構えるが、そんな彼女を守らんと三人の勇者が飛び立つ。

 

『どっ、こい、しょおおおおおおおおおおお!!』

 

 三人の内二人……歌野と雪花が針を横から全力で殴り、軽く軌道を変える。

 更に。

 

「沖縄の古武術にはこういう物もある。破ッ!!」

 

 その後ろに構えていた棗が超高速で迫りくる針の側面にヌンチャクを当て、そのまま絡めとって受け流し、針を見当違いの方向へと弾き飛ばした。

 

「歌野ちゃん、せっちゃん、棗さん!」

「全くもう、若葉さん。あなたがあの程度の神様にビビるなんてナンセンスよ?」

「そうそう。あたし達のリーダーなんだから、しっかりしてもらわないと」

「このままじゃ、勝てるものも勝てないぞ。撤退するでもこのまま抗戦するでも、こちらは従う。この戦場のリーダーは、お前たちだ」

 

 その言葉を聞き、若葉がようやく呆然としていた表情を軽く引き締める。

 そうだ。未来の勇者達は確かに消えたが、死んだわけじゃない。もしかしたら天の神の手によりどこかに放り出されたのかもしれない。

 むしろアレがそう簡単に死ぬ奴らか。それどころか、あんな風に殺せるんなら自分達もそのまま殺されている。

 ならば。

 

「杏、どうする!」

 

 思いっきり杏の頬を張りながら聞いた。

 言いながらやっている事が滅茶苦茶すぎる。

 

「ぶっ!? いきなり顔を叩くなんてどうなんですか!?」

「呆けて居たからな。ほら、どうする。撤退か? それとも徹底抗戦か? 私としては徹底抗戦を推すが」

 

 流石に急に頬を張られてキレそうな杏だったが、このビンタでようやく思考が元に戻った。

 なんか釈然としないしイライラするが、すぐに作戦をはじき出す。

 そのはじき出した作戦とは。

 

「あーもう撤退ですよ撤退! あんなの相手にわたし達だけじゃどうしようもないのは変わりませんから、対策を練るために四国まで撤退します! きっと四国まで戻れば樹海化も解ける筈ですから!」

 

 撤退だ。

 さっきまでは神世紀勇者のスペックと自分達の切り札による援護で、なんて考えていたが、神世紀勇者が消えた以上、いったん撤退して体勢を整え、それ専用の作戦と罠を仕掛けるしかない。

 じゃないと多分一分もしない内に死ぬ。

 

「そんなんでいいのかよ!? あんず、アレがそう簡単にタマ達を逃がすと思ってるのか!?」

「タマっち先輩黙って! 黙ってくれないとその口塞ぎますよ! わたしの口で!」

「えっ? …………えっ?」

「ほら千景さんも、いい加減に戻ってきてください! 撤退しますよ!! 皆さんも、撤退です! 切り札を使ってでも全員無傷で撤退する事が命令です!」

「ラジャー! 殿は切り札を使ったわたしがやるから、急いで撤退するよ!」

「ついでにわたしも殿をしよう。ある程度なら受け流して見せる」

「そんじゃこっちはバックへ向かってラナウェイ!!」

「あっち行ったりこっち行ったり忙しいったらありゃしないよ」

 

 今ここで戦うのは悪手という言葉に、西暦勇者達が一目散に逃げていく。

 しかし、天の神は時折攻撃してくるだけで、西暦勇者を見逃した。

 果たしてそれは攻撃する余力が無いのか、それとも逃げ惑う勇者を見て楽しんでいるだけなのか、いつでも殺せるからという意思表示なのか……

 

「確実に遊んでますね、あれ。わたし達なんてその程度って事なんでしょう」

「だが、あちらがナメ腐っているのならそれでいい。後でその慢心が間違いだったことを気づかせるだけだ」

 

 杏と若葉は天の神の行動を冷静に分析しながら、そのまま四国へと戻った。

 こうして、初の攻勢作戦である国戻しは、成功こそしたものの天の神の出現により防衛に失敗。更に勇者達の撤退を見送った神樹様の分霊は結界を保持するのではなく四国の結界をより強固にするため、結界を破棄して消えたのであった。




天の神「お前等もしかしたらこっちを倒してくるかもしれないから消えてもらうやで」
神世紀組『やっぱこの神クッソ狡い!!』
天の神「邪魔者いなくなったから舐めプやで」
西暦組『この神の性格がクッソ悪い事だけは理解できた』

国戻し成功!! ……かと思いきや、そこからやっほー天の神。やっぱこいつ狡いわ。

さて、最終決戦と思った矢先に消えてしまった神世紀組。絶望的な盤面ができあがってしまった西暦組。ここからどうやって逆転するのか。

それはまた次回。
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