ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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全部のせ勇者パンチ

 神世紀勇者全員の満開の解除。それは、敗北を意味していると言っても過言ではない。

 先代勇者達に加え防人達は地面に叩きつけられ、風、樹、夏凜は樹海だった所へと落下した。そして、友奈はあろうことかビームにより神樹様の付近に叩きつけられた。

 それを西暦勇者達は何とか回収したが、友奈に至っては場所が遠すぎるため回収が間に合わない。それに、回収した神世紀勇者達も大なり小なり傷を負っており、傷を作り慣れている先代組と防人組に夏凜はまだしも、実戦においては精霊バリアのお陰で戦闘不能になるほどの傷を一度も負った事が無い犬吠埼姉妹がかなり消耗しており、最早闘志だけで立っているような物だ。

 

「あれだけの戦力を揃えても、まだ神殺しには至らないのか……!!」

「園ねぇ達が天の神を必要以上に警戒する理由、今になってようやく分かったわ」

「あはは……流石に全員で満開したら万が一にも、程度には考えてたんだけどね~……まさか真正面から潰されるなんて」

「あんにゃろめ……アタシ達の時は遊んでたに違いないわ……! じゃなきゃあの時のアタシ達なんて瞬殺だったでしょうに……!」

「なんか手はないのかよ……!」

 

 未だに闘志尽きない勇者達は武器を構えるものの、既に神世紀勇者達に天の神を打倒するための切り札は無い。その手にある武器だけでは、天の神の物量も、防御も、何もかもを貫くには値しない。

 まるでこちらの絶望を楽しむかのように見下し、攻撃すらしてこない天の神を睨み上げても、天の神は一切動かない。

 何か手は無いか。その言葉に、誰もが押し黙る。

 この状況を打倒できる何かがあるのなら、既にそれは切っている。少しでも可能性を増やすために行った努力は。芽吹の用意した強化装束と防人組が持ってきた千景砲というイレギュラーを用意し、それを初手で切ったのにも関わらず。

 天の神には、至らない。

 あの畜生に、至らない。

 だけど、探る。何か手は無いか。

 天の神を打倒するための手段が、何か――

 

「――大満開」

 

 園子が、呟いた。

 大満開。かつて友奈が神樹様と共に起こした奇跡の満開。

 確かにアレがあれば、天の神をも打倒する事が可能かもしれない。力の尽きかけていた神樹様ではなく、全盛期とも呼べる神樹様と力を合わせた大満開なら。

 

「大満開って……」

「無茶よ! そんな奇跡を頼ったところで、起きなきゃ何の意味も無いわ!」

 

 だが、大満開は奇跡の形態。

 それを算段に入れるという事は、奇跡という不確定事象を作戦に入れ、それの起動を条件に入れた作戦を立てる、という事だ。

 その極低確率な物に縋ったところで。縋ったとしても、起きなかったら。

 

「奇跡は頼る物じゃない。起こすものなんだよ」

 

 しかし、夏凜が口にした反論は、園子の言葉に追いやられる。

 

「にぼっしー達は起こしてきたはずだよ。自分達の手で、計算外の奇跡を」

 

 それを、園子は知っている。

 二度と戻らないと言われた散華を元に戻した。大満開だって起こしてみせた。それは、紛れもない奇跡だ。頼って起きた物ではなく、自分達が手繰り寄せ掴み取った奇跡。

 友奈が中心となり、自分達で起こして見せた奇跡だ。

 ならば、今回も。

 

「ゆーゆは不幸中の幸いだけど、神樹様の近くに落ちた。なら、ゆーゆを神樹様の中に連れて行けば。ゆーゆならきっと、あの時と同じ奇跡を起こしてくれる!」

「……ったく、そう言われるとこっちも何も言えないわ。だって、友奈だものね」

 

 友奈なら奇跡を起こせる。

 そう言われてしまえば、本当に起こせる気しかしなくなる。

 散華を取り戻す切欠も、大満開の切欠も。全部、友奈が中心となり、友奈が手を繋ぎ、そんな友奈を信じた仲間達の絆が起こした奇跡だ。

 ならば、自分達が友奈を信じ、友奈と手を繋ぐことを忘れなければ、友奈が奇跡の中心となり友奈が奇跡を起こせるはずだ。

 友奈が中心となり、仲間達全員で起こす奇跡が。

 

「だったら、どうすればいい。お前たちが結城を信じるのなら、私達もそれを信じよう。その奇跡を起こすための条件となろう」

 

 そして、自分の子孫の友奈を信じた言葉に、若葉が乗った。

 若葉が乗れば、他の西暦勇者全員がそれに乗る。友奈が大満開を起こすだけの時間を稼ぐために。

 

「ご先祖様……なら、わっしー。前と同じように、ゆーゆと一緒に神樹様の中へ……」

 

 友奈と共に奇跡を起こすなら、美森が最適だ。

 故に、美森を友奈の元へと行かせようとしたが、園子の視界に青色の羽根が落ちてきた。

 その羽根の主を目で追えば、そこには自分達をこの世界へ誘導した青い鳥が。その青い鳥は、そっと高嶋の頭の上に乗り、頷く。件の高嶋や青い鳥を見た西暦勇者達は急に現れたソレに驚くが、正体を知っている神世紀勇者達は何が言いたいのかを察した。

 

「……分かった。なら、たかしー。ゆーゆを起こして、そのまま神樹様の中に入ってきて」

「えっ、わ、わたしが? わたしよりも、東郷さんの方がいいんじゃないの?」

「理由は言えない。けど、きっとたかしーがいいの。だから、たかしーがゆーゆを神樹様の中に導いて。後はきっと、頭の上の幸せの青い鳥が何とかしてくれるから」

 

 園子の決意に満ちた言葉と、神世紀勇者達の視線。そして、園子の言葉を信じろと視線を送る西暦の仲間達。

 これを裏切れば、それは勇者じゃない。臆病者だ。

 奇跡が何だ。それを起こすための火付け役程度、勇者ならできて当たり前だ。

 勇者は根性。行かねばなるまい。

 

「分かった! わたしが結城ちゃんと一緒に神樹様の中に行く!」

「うん、たかしー。ゆーゆを、この世界を……わたし達を、お願い」

「任せて! だから、絶対にみんなも死なないで。わたしがその大満開っていうのを結城ちゃんと一緒に起こしてくるまで、絶対に一人も死んじゃだめだよ!」

「おいおい、友奈。お前は誰に物を言っているんだ? ここにいる仲間達は全員がダーさんよりもしぶとく、生き汚いんだ。あんなクソッタレな神程度に殺されるくらいなら、ここにはもう居ないさ」

「だから、高嶋さん。私達の命をあなたに預けるわ。預けた以上は勝手に取っていかないから安心して友奈さんの元へ走って」

「確かに預かったよ。この預かった命、この戦いが終わるまで絶対に返さない。返さないし無くさない。絶対にみんなにそのままそっくり返すから。だから、行ってくる!! 走るよ、一目連ッ!」

 

 高嶋が一目連を呼び出し、強化された力で友奈の元へと走り出す。

 それを見送ってから、勇者達は空を見上げる。そこには、いつの間に用意したのか分からない自分達を一撃で殺せる攻撃の数々が、本来見上げれば見える筈の空の割合よりも多く空中にひしめいている。

 

「友奈に命を預けた以上、この身に命はない。私達の命は友奈が握っている。ならば、何が起きても死にやしない! 友奈が私達の命を手ずから返すその時まで、戦い抜くぞ!!」

「構えなさい、みんな!! ここを乗り切ったら明日はアタシの奢りでうどんパーティーよ! 全員腹いっぱいになるまで食わせてやるわ!! 勝手に死んだら一生うどん抜きの刑よ!!」

「防人隊も生き残るわよ! わたしが隊長である限り、誰も殺させないし死ぬことも許さないわ! 死んだ奴はあの世で体のどこかの穴をわたしの銃剣の鞘の刑よ!!」

「メブだけなんかお仕置きがギャグチックなのはわたしどうかと思うなぁ! あっ、みんな多分ここに居ると爆撃で死ぬからあっちに全力疾走!!」

「これチュン助に指示させておけば誰も死なない疑惑ない~?」

「それは俺も同感だから先代組は俺を盾にする用意をやめようか? あっ、ヤバいマジで爆撃降ってきた! おいお前等離せ逃げるぞって間に合わねぇぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」

「あいつ凄いな。一人で天の神の攻撃弾いてるぞ」

「そういう乃木さんも私の神獣鏡勝手に使わないでくれない?」

 

 なんかちょっと締まらないが、そこも勇者らしいと言えば勇者らしいだろう。

 しかし、攻撃には一撃でも当たろうものなら確実に死ぬ。そんなものが絨毯爆撃のように降ってくる。

 そんな絶望的な状況の中、勇者達は友奈達が奇跡を起こすための時間稼ぎとして地上を走り回る。友奈なら奇跡を起こしてくれるに違いない。そう信じて。

 

 

****

 

 

 背後から聞こえる攻撃の音を聞きながら、高嶋は走る。

 きっとみんなは生きている。そう信じて、携帯で友奈の場所を逐一確認しながら走り続ける。

 みんなが友奈を信じた。ならば、自分も友奈を信じて走るだけ。

 あの絨毯爆撃の中では、きっと生き残れても十分。いや、五分も持てば十分なくらいだろう。即死攻撃が人一人分の隙間も無く襲ってくるという状況を高嶋も遠目で確認しているため、それは実感している。

 地上を散開しながら移動し、攻撃を上手く避けている仲間達をレーダーで確認しながら、誰かの反応が消えない事を願い走る。

 全身痛いはずの体で足に全力以上の力を込めて自分の限界を超えて走り、三分程度でなんとか友奈を発見する。

 

「結城ちゃん! 起きて、結城ちゃん!!」

 

 ここで起きなかったらビンタ。それでも起きなかったら勇者パンチの刑。

 それを頭の中で考えながら友奈の肩を掴んで揺らせば、友奈は小さなうめき声と共に少しだけ目を開け、高嶋の顔を見た。

 

「たかしま、ちゃん……?」

「よかった、気が付いた! 大丈夫? 立てる? まだ戦える?」

「う、うん、まだ、だいじょうぶ……って、天の神! 天の神は!?」

 

 目覚めてすぐは意識が若干朦朧としていた友奈だったが、すぐにここがどこか、自分がどうして気絶していたかを思い出すと、高嶋の手を振り払って飛び起き、空を確認する。

 そこには、未だに天の神が健在。しかも元気に攻撃の絨毯爆撃を降らせている。

 

「み、みんな!」

 

 自分以外の全員の満開が切れたのを友奈は確認している。

 そんな中であの絨毯爆撃に晒されたらどうなるか。そんなの考えたくもない。故に、そのまま絨毯爆撃されている場所へと走って向かおうとしたが、それを高嶋が手を掴んで止める。

 

「結城ちゃん、そっちじゃない!」

「どうして!? みんなが戦っているのに!」

 

 みんなを助けたいのに止めてくる高嶋。

 すぐに行かないとみんなが。そんな焦りから高嶋の手を振り払おうとしたが、高嶋の手は振り払えない。

 

「結城ちゃん、わたしと一緒に神樹様の所へ行くよ」

「神樹様の、所に……? どうして?」

「大満開。結城ちゃんなら、それを使えるって園ちゃんが。みんながそれを信じたから」

「園ちゃんが……!?」

 

 その言葉を聞いて、ようやく友奈が足に込める力を抜いた。

 もうあの場所へ向かうようなことはしないだろう。高嶋が手を離せば、友奈は天の神の方ではなく神樹様の方を見た。

 大満開。それを起こせると、園子が言った。

 みんなが、それを信じた。

 ならば。

 

「……分かった。行こう!」

 

 行くしかない。

 大満開を起こすしかない。

 

「やっぱり結城ちゃんは話が分かるね。心配なのはわたしも一緒だから、急ぐよ!」

「うん!」

 

 頭に青い鳥を乗せた高嶋が友奈と共に神樹様の元へと走る。

 園子が言った。みんなが信じた。ならば、それを実現しなければ勇者じゃない。結城友奈じゃない。

 不思議と大満開が起こせないんじゃないかという不安はない。むしろ、園子が言いみんなが信じたのなら起こせない筈がないという自信まである。その自信を勇気と変え、信頼と変え、みんなはあの即死攻撃の絨毯爆撃を生き延びていると信じ、走る。

 そして、神樹様の元へと辿り着き、そこへ飛び込んだ。

 

『神樹様っ!!』

 

 飛び込んだ先は、かつて友奈が取り込まれたあの暗い無重力空間。何かが無ければ、上も下も分からないような無重力空間。そこに飛び込み、頭を上に向けて友奈が叫ぶ。

 

「お願いします、力を貸してください!! わたし達と一緒に、天の神を倒しましょう!!」

 

 友奈が叫び、それを高嶋が見守る。

 だが、神樹様は何も言わない。

 それでも友奈は叫ぶ。

 

「神樹様!! お願いです!! 今もわたしの仲間が天の神と戦ってるんです!! みんなを助けたいから……この時代の人達を、仲間を、誰一人として死なせたくないから!! だから、お願いします!! 一瞬だけでも、一秒だけでも! わたしに、力を貸してください!!」

 

 しかし、神樹様は答えない。

 友奈の胸の思いをぶつけても、神樹様は答えない。

 それでも友奈は叫び続ける。神樹様、お願いしますと。一瞬だけでも、一秒だけでも。大満開を使い、天の神を倒すチャンスを。

 

「神樹様から見てみれば、わたし達は確かに弱いです! 生身じゃ星屑一体も倒せないくらいに弱くて脆弱で……汚い所もあって、醜い所もあって、庇いきれない所だって少なくない。でも、わたし達は神樹様に守ってもらうだけの存在じゃない!! 神様と手を繋いで、共に世界を生きる仲間として生きていける!! ずっと守られるだけのわたし達でいないためのチャンスを、明日を生きるチャンスをください!! 人間は、神樹様が消えてしまったとしても生きていける!! わたしはそれを三百年後の未来で見てきた!! だから、お願いします!! 守られるだけじゃなく、共に戦う勇気を認めてください!!」

 

 それでも、神樹様は答えない。

 信じ上を向く友奈。このまま時間が過ぎてしまえば、と俯く高嶋。

 だが、そんな彼女が顔を上げた。

 

『大丈夫だよ、結城ちゃん。その声は、しっかりと神樹様に届いているから』

 

 自分の声が真上から聞こえてきたから。

 顔を上げても未だに青い鳥が乗っている感触はあるが、その青い鳥から浮き出たであろう桜色の光が、何もない所を漂っている。

 

『神樹様も、こんな所で終わりたくない。神様として、人を守ってきた神として、与えられた力だけでこの世界を守ってきた勇者達のため、未来からやってきた心優しい勇者達のために、こんな所で終わろうなんて思っていない』

「もしかして、あなたは……」

 

 その声、その光。

 何となく、高嶋はその正体に感付いた。

 だが、何も言わない。

 それは、姿を消してまで喋っている彼女にとってはきっと無粋で。そして、一刻も早い奇跡が欲しい身としては、追及すべきことではないから。

 

『あの時はあなたの横に神樹様の一部であるわたしが居たから、それができた。でも、今は居ない。だから、迷ってたんだよ。どうやって結城ちゃんに力を与えて一緒に戦おうか』

 

 その姿が、徐々に徐々に変わっていく。

 ただの光から、牛鬼へと。

 

『だから、それをわたしがもう一度果たすよ。神樹様の一部であったわたしが』

 

 その牛鬼から、白色の管が伸びて友奈と高嶋の体を包み込み始める。それに驚いた高嶋であったが、不思議な事にそれを振りほどこうなんて気は起きなかった。

 暖かくて柔らかい光に包まれ、友奈がそっと目を閉じる。

 彼女の体の半分近くが緑色に染まり、徐々に徐々にその姿が変わっていく。

 満開よりも神々しく、神様よりも神様らしく、人よりも人らしく。

 

『結城ちゃんの覚悟を、神樹様は受け取ってくれた。神樹様の覚悟を、結城ちゃんは受け取ってくれる。神樹様はね、人間の事が大好きだから。大好きだから過保護なの。でも、結城ちゃんの見せた勇気は、囲んで守るものじゃない。共に歩んで成長させるべきものだから』

 

 そして、神樹様があの時と同じように花開く。

 その中心から光の繭に包まれた友奈が飛び出し、その繭に桜色の光が集っていく。

 神樹様の力を、希望を。高嶋友奈の祈りを、願いを込めたその光が集い、あの時の奇跡をもう一度引き起こす。

 切り札よりも力強く、満開よりも神々しく。繭が開き空に山桜の光が大きく咲き誇り、その中心からはかつての奇跡を再びその身に纏った友奈が勇者の数だけの宝珠が埋め込まれた天の逆手を手に、高らかに叫ぶ。

 

「大・満・開ッ!!」

 

 そんな彼女の叫びに呼応するかのように、花開いた神樹様から虹色の花弁が舞い散る。

 その花弁は天の神の攻撃を全て受け止め、散華させていく。同時に、ボロボロで今にも死にそうだった仲間達の元へも降り注ぐ。

 西暦勇者達は体の中の穢れが消えていく感覚と体力がある程度戻る感覚に驚き、そして笑い立ち上がり、神世紀勇者達は満開ゲージが上限まで復活したのを確認し、芽吹も自身の強化装束が再び纏えるようになっているのを確認して笑いながら立ち上がる。

 

「流石友奈ちゃんね。サラッと凄い奇跡を起こしてくれる」

「だからこそ、あの時のように置いて行かれるんじゃなく、隣で戦える!」

「回復したなら出し渋るなんて真似はノーセンキューだ!」

「行くわよ、みんな!!」

『満開ッ!!』

「強化装束!」

 

 神世紀勇者達が満開し、空へと浮かび上がる。

 勇者達の花が咲き乱れ、その花の中心に大満開友奈が並び立つ。あの時は短時間しか維持できなかった大満開も、神樹様の力がまだ全盛期に近い状態である以上、かなり長い時間維持する事ができる。

 同時に、他の勇者の満開と精霊バリアも神樹様が散華し尽さない限りは絶対に解ける事が無い満開へと進化している。

 

「みんな、お待たせ。神樹様はわたし達をまた信じてくれた。だから、今度はわたしだけじゃなくて、みんなにも力を貸してくれてる。これなら、万が一の負けもあり得ない!」

「時間制限は神樹様がその力を使いきるまで……でも、この状況でそこまで持久戦もする気はないし~、実質勝ちは貰ったような物だね~!」

「覚悟しなさい、天の神。わたし達勇者と防人はこうなってからが本番よ!」

 

 芽吹の言葉を皮切りに、天の神が攻撃を召喚する。それを確認した勇者達が飛び立ち、天の神の攻撃を相殺し始める。

 たった数分前にパワー負けした攻撃も、工夫と経験を元に弾き、打ち消し、消し飛ばす。更に友奈がどうしても仲間達がカバーしきれない部分を超高速で飛び回り、その拳一発で粉砕していく。

 空を飛び交う九つの光を天の神は鬱陶しく思ったのか、攻撃の裏で超極大の火球を生み出し、それを神樹様の方へと発射する。きっと、友奈であろうと相殺するには苦戦するであろうその火球を、満開勇者達は一切気にも留めない。

 何故なら。

 

「瞬迅怒濤! 大天狗ッ!!」

「剛力無双! 酒呑童子ッ!!」

 

 頼れる仲間達が、まだ居るから。

 

「たかが火の玉なぞ!!」

「防げない道理なんて、無いッ!!」

 

 天狗の羽根を羽ばたかせ大太刀となった生太刀を振るう若葉と無双の怪力を誇る腕を持つ友奈の一撃により、大満開ですら苦戦するであろう火球が打ち砕かれる。

 

「結城! 一度下がれ! お前は最後の一撃のために力を溜めろ!!」

「そのための道を、わたし達が作るッ!!」

「ゆーゆ、ご先祖様の作戦通りに!」

「攻撃なら俺達が防いでやる! 俺達と神樹様の全力、見せつけるぞ!!」

「分かった!!」

 

 最初と同じだ。他の勇者達が道を作り、拳の距離に置いて最強の威力を叩きだせる友奈をフィニッシャーとし、他の勇者達がそれを貫き通すための道を作る。そのために友奈が電撃のような速度で後退し、神樹様の元まで一気に下がり切る。

 その前に満開勇者達が立ちふさがり、更に空を飛べる若葉もそれに混ざる。

 

「みんなの想い……この一撃に全て込めるッ!!」

 

 友奈の想いに応え、二つの天の逆手が融合し、片腕のみに変化する。そこに埋め込まれた勇者の数の分だけの宝珠が、次々と光を発し始める。まるで、勇者達の想いを、力を、全てを込めるように。

 天の神すらも一撃で砕く希望を込めた神殺しの一撃。これを受けてはマズいと考えたのか、天の神が勇者全員を貫かんとスコーピオンの尻尾を飛ばしてくる。

 

「防人隊! 意地を見せるわよ!!」

「あいあいさー!」

「ド派手なのぶち込んでやるぜ!!」

「優雅に華麗に美しく、そして派手に、参りますわ!!」

「ついでにわたし達のパワーも込めて!!」

「奇麗な花火、咲かせちゃいましょか!!」

「わたし達の花により散るがいい、天の神よ!」

 

 それを、芽吹の両腕のライフルから放たれた砲撃と歌野、雪花、棗の精霊の力をも込めた特大の千景砲により迎え撃つ。

 三人の満開勇者の攻撃と混ぜ合わせ増幅させてもその尻尾一本すら砕けなかった砲撃。だが、絶対に貫き通すという意思を込めた二つの砲撃は、スコーピオンの尻尾をいとも簡単に吹き飛ばし、蒸発させる。

 だが、天の神の攻撃はこれだけでは終わらない。

 次は当たればダイヤモンドですら一瞬で両断するほどの水圧を込めた放水により勇者達を細切れにせんとする。

 

「水を防ぐのは俺達の仕事だ!!」

「絶対に通さないよ~!!」

「私も手伝うわ!! 奇跡を起こすわよ、七人御先!!」

 

 藤丸の小型の鏡が一つに集まり、超巨大な神獣鏡となる。園子も船に付いている矛と自分の槍を組み合わせて巨大な傘を作って展開し、その船に相乗りした千景が七人御先の力を使い分身し、その思いに答えた七人御先によって七つに分裂した神獣鏡と槍が組み合わさり、巨大な盾となる。

 それが放水を完全に防ぎ、明後日の方向へと受け流す。

 しかし、受け流されたのならば受け流せない質量により攻撃すればいい。今度は何十ものタコ足が一つに纏まり、ドリルのように回転しながら勇者達を貫かんとする。

 

「だったらわたしがまずは凍らせます! 雪女郎!!」

「凍らせたんならタマ達が砕く! 輪入道!!」

「力づくならアタシにも一枚噛ませてみな!!」

 

 銀の四脚の装置に杏と球子が乗り、杏が切り札を使って冷気の矢を放つ。それにより凍ったタコ足が球子が投擲した炎を纏った旋刃盤により半壊し、更に銀の四脚の先についている斧が半壊したタコ足を一気に砕いて見せた。

 質量攻撃を防がれたのなら、防げない攻撃を叩き込んでやればいい。

 脳を破壊しようと天の神はベルの音を鳴らす。人間に不快感を催し、そしてその脳が破壊されるように調整した音が戦場に響き渡り、勇者達が顔を顰める。

 だが。

 

「そんな音、わたしが止める!!」

「アタシ達の剣を使いなさい、樹!!」

「これはアンタが最適解よ!!」

 

 樹がワイヤーを射出し、投げられた大剣と四本の双剣を一つに束ね上げる。それをぶん回しワイヤーを切り離しながら投擲すれば、天の神本体に五本の剣が突き刺さる。

 初めてのダメージに天の神が驚き、そして同時に計算を見誤っていた事に気が付く。

 この勇者達は、既に脅威となっていることに。

 故に、一度体勢を立て直すために反射板を設置し、身を守ろうとする。

 

「それを許すと思っているのかしら? 国防砲はその程度の板を既に超えているのよ!!」

 

 それは悪手だ。何故なら、既に美森が控えている。

 彼女の青色の砲撃が反射板をいとも簡単に蒸発させ、天の神へと直撃し爆発する。

 計算外だ。

 こんな事あり得ない。

 たかが人間如きに負けるなど。

 神樹が直接出張ってきたのならまだ分かる。アレが人間を守る事を放棄して全力で戦いに来たのなら、分かる。だが、それを放棄せずに力を貸しただけの人間がここまで強いなど。

 あり得ない。

 それを証明するために、天の神は極大の針を飛ばす。

 これで人間ごと神々を木端微塵に吹き飛ばすために。

 

「止めて、みせるッ!! 勇者ァァァァァァァッ!! パァァァァァァァァァァァンチッ!!」

 

 それを、高嶋の拳が受け止めた。

 スペックで劣る西暦勇者の拳。スペックだけを見れば、高嶋の拳はその針に遠く及ばない。

 だが、高嶋には勇気がある。

 不可能を可能とする勇気がある。

 故に、スペックの差など完全に無視し、その拳は一切の傷を負うことなくその針を砕いて見せた。

 あり得ない。計算外。それを重ね合わせた結果、目の前の勇者達に恐れた天の神は火球を生み出す。

 自身が生み出せる中で最大の火球を。この地球の地表を幾度も焼き尽くせるような火球を。それを生み出し、神々と人々を幾度も焼き尽くさんと、放った。

 

「たかが火如きで、私達の積み上げてきた物を燃やし尽くせると思うなよ!!」

 

 それに若葉が迎え撃つ。

 乃木の剣。それが閃き、火球が二つに割れた。

 だが、同時に若葉の生太刀がその熱量に耐え切れずに刀身が燃え落ちる。同時に、若葉の体を包む光。

 生太刀を壊された事により、若葉に対し勇者の力の供給ができず、変身が解けかける。それを見た天の神はもう一度火球を、尻尾を、放水を、針を、タコ足、更には反射板までもを生み出し、若葉に放つ。

 まずは一人殺し、ペースをこちらの物とするために。

 

『ナメるなよ、天の神。言っただろう。人間はしぶといとな』

 

 だが、死ぬわけにはいかない。最後まで抗うため持ち手だけになった生太刀を握り、それを迎撃しようとする若葉の肩に青い鳥が止まる。

 それと目を合わせた若葉は目を見開き、同時に全てを悟った。

 この鳥の正体を。

 もしも未来から勇者達が来なかったら自分がどうなっていたかを。

 

「……そうか。お前は、そうなんだな」

 

 だが、それは既にもしもの歴史だ。

 この乃木若葉は、この鳥のようにはならない。

 ここで、天の神を下すのだから。

 

『あぁ。ここに至る事もできず、未来にバトンを渡すしかなかった者だ。それが悔しくてな。色々と持ってきた。色々と探ってきた。そして、連れてきた。お前なら、それを使えるはずだ。だから、使え。私が果たせなかった無念、お前が果たせ』

 

 青い鳥の姿が、変わる。

 あの時の無念を象徴するかのように。あの時斬れなかったものを斬るために。

 かつて彼女が握り、そして砕ける前に鞘に納めてしまった刀に……生太刀に。

 己の持っていた生太刀を鞘に納め、彼女の使っていた生太刀を手に握る。そこから感じる無念に、怒り。

 そして、希望と、絆。

 

「……わかった。お前がそれを望むのなら、私がそれを果たそう。だから、行くぞ」

 

 それを握り、名を呼ぶ。

 己に一度だけ、己の存在そのものを力に変えて貸してくれる精霊の名を。

 

「『乃木若葉』ッ!!」

 

 大天狗の力が完全に剥がれ、勇者装束だけとなった若葉の体に、新たな精霊が宿る。

 その姿はまるで青い大天狗。しかし、その刀は大太刀ではなく、普段の生太刀。いや、『乃木若葉』がかつて使っていた、天の神に突きつける事もできずに鞘に納めるしかなかったあの日の生太刀だ。

 それを両手で握り、構え、飛ぶ。

 空気を斬り裂くように飛び生太刀を握り、火球を睨みつける。それ以外の攻撃が迫ってくるが、それでも若葉は火球のみを睨みつける。

 何故なら、『乃木若葉』には頼りになる仲間達が居るから。

 

「三百年の時を越え、今ここにその力を示せ!! 『初代勇者』ッ!!」

 

 更に、名を叫ぶ。

 その名に呼応するように若葉の中から、五色の光が飛び出した。

 橙、白、桜、緋、青。その五つの光は互いを高めあうように時折くっ付き、そして離れ、姿が変わる。

 橙の光は一瞬だけ輪入道の姿を取り、白の光は雪女郎に。そして桜の光は酒呑童子に。緋の光は七人御先に。青の光は、大天狗に。それぞれが姿を変え、そして、次の瞬間には武器を握った少女達に姿を変える。

 神世紀から三百年前の西暦の時代に戦った勇者達の姿に。

 

『この程度の露払いは任せタマえ! 久しぶりに行くぞ、輪入道ッ!!』

『あの時の……三百年前の無念をここで晴らします! もう一度だけ、雪女郎ッ!!』

『あの時と同じように、三百年前と同じように、一緒に戦おう、ぐんちゃん! 酒呑童子ッ!!』

『えぇ、高嶋さん。あなたのために……私という存在を愛してくれているあの子達のために! 七人御先!!』

『決着だ、天の神!! あの時の無念、あの時の後悔、あの時の涙!! お前を打ち砕きそれを晴らす!! 大天狗ッ!!』

 

 かつて使った力を惜しげも無く使い、あの日、完成型バーテックスに負けた勇者達が、無念に散った勇者が、守るために散った勇者が、刀を鞘に納めることを強いられた勇者が、今、天の神という倒さなければならなかった存在の全力の攻撃と相対し、ぶつかる。

 あの日手も足も出なかった攻撃を更に強化した、人の身では決して打ち砕く事のできない神の攻撃が、人の身で行使した力と鍔迫り合い、そして、砕ける。

 炎が水を蒸発させ、冷気が尻尾を凍らせ砕き、拳が反射板を砕き、七つの鎌が針を砕き、大太刀がタコ足を細切れに変える。

 あの日、天へと届かせる事ができなかった一撃が、天へと繋がる道を作ってみせた。『初代勇者』の一撃は、確かに天の神へと届いた。届かせてみせた。

 しかし、五つの光はその力を行使してから若葉の方を一度だけ見ると、消えていく。まるで、自分達の役割はこれで終わりだと言わんばかりに。

 それを示すかのように、若葉が纏う青い切り札も光となり消え始める。だが、まだ飛べる。

 『乃木若葉』が与えた天へと至るための力は。天を斬り裂く力は。刀はある。

 

「そしてこの太刀、この勝利! この場に居ない彼女に捧げよう!!」

 

 そして、最後の力が。祈りの力が、最後に若葉を空中で踏み込ませ、刀を振りかぶらせる。

 その瞬間、ふと紫色の光が若葉を包んだ。

 若葉の事を見守り、そして祈る事しかできなかった少女の祈りが、この瞬間、この一撃に若葉に確かな力を与える。

 自分だけでは。『乃木若葉』という存在だけでは出す事ができない、神をも斬り裂く祈りの力を。

 

「一閃ッ!」

 

 踏み込み、暖かな光と共に天を睨み。

 そして、神を斬る。

 

「緋那汰ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 空中での驚異的な踏み込みが……いや、一人の少女の祈りが起こした神をも斬り裂く聖なる斬撃が、生太刀に一切傷を付ける事無く火球を二つに割り、更にそれだけでは終わらなかった斬撃が天の神へと届き、その姿を両断する。

 天の神に目に見えて分かるほどの傷が……いや、致命傷が刻まれる。

 祈りの力が、人間の意地が、想いが、絆が。今、天の神の命を確かに削った。天の神が撤退を決め彼女達が生きる時代には手を出さずまた数百年後の未来にリベンジをするために雲隠れをせんとする。

 そう、これは敗北ではない。次に繋がるための撤退だ。人を滅ぼす次の一手だ。それを打つのだ。

 ――それが許されるか?

 幾万幾億の人を焼き尽くし無情に殺し、命を弄ぶかのように身勝手を振るい、自身よりも下級生物だからとそれが自らに追い付く事を拒否し滅ぼそうとした存在の命乞いを見て放っておけるか?

 ――否。断じて否。

 お前は。天の神は。

 

「許すものか……逃がすものか……!! 貴様には何十億もの人々の報復を受けねばならん理由がある!! 逃さぬ理由がある!! だからお前は……貴様のような悪逆無道の命は!! ここで、死ねッ!!」

 

 精霊の力を無くし落下しながらも若葉は叫ぶ。

 あの悪逆にて悪辣にて最悪の神を許してなるものかと。

 それに答えるかのように、期待するかのように、彼女が口にした言葉が、呪いが、質量を持ち天の神をその場に拘束する。若葉の言葉に同意し頷いた何十億もの魂が、天の神が羽虫を殺すかの如く潰していった命の数々が若葉の言霊に答え天の神をここで殺すために撤退を許さない。

 

「決めろ、結城ッ!! 何十億の命と魂を込めたその拳でかの悪逆無道の神の命を断てッ!!」

 

 落ちていく事を気にかけず。

 この先に勝利があると信じ、叫んだ。

 その叫びは、彼女の力となる。

 

「みんなの想い! 希望! 明日! 未来! 後悔も絶望も呪いも、未来を望んだ全て人達の何もかもをこの拳に乗せてッ!!」

 

 その踏み込みは、正に雷神の如く。天の神の苦し紛れのビームを拳一つで粉砕し、雷の如き速さで天の神の懐まで接近し、その拳を構える

 

「全部のせッ!! 勇者ァッ!! パァァァァァァァァァァァァァァァァンチッッ!!」

 

 そして、天の神は。

 砕け散った。

 花が、舞った。

 その花は、勇者達の視界を覆い、そして――

 

 

****

 

 

 気が付くと、そこは丸亀城だった。

 勇者達はそこで円を書くように寝かされており、見上げる空は清々しい青空。自分の腕を見てみれば、勇者として纏った力は健在で。誰からともなく息を吐くと、誰かは溜め息を。誰かは同じように息を。誰かは安堵の声を漏らした。

 

「……終わった、のか」

「終わったね」

「掴み取ったのね。私達の未来を」

「長かったですねぇ」

「ざっと四年くらいか? そう思うと長かったなぁ」

 

 西暦勇者が……初代であり、最後の勇者達が声を上げる。

 

「そうねぇ。なんやかんやでアライブしちゃったわねぇ」

「あれからこうなるなんて。いやはや、人生分からないもんですなぁ」

「全くだ。まさかまたこの青空を見られるなんてな。空もいいものだ」

 

 四国外から来た勇者達も声を上げる。

 

「まぁ、なんだ。やる事やった事だし……骨付き鳥でも食いに行くか。助っ人達もどうだ? いい店を知ってるんだ」

「ほんとー? なら一緒に行こー」

「緊張感も無くなってお腹空いたもんね~。食べよう食べよう~」

「んじゃアタシもご同伴しますかね。どっこいしょっと」

「年寄り臭いよ、お姉ちゃん」

 

 若葉が立ち上がり、服の上に乗っていた花弁が落ちる。それを皮切りに未来の勇者達が、西暦の勇者達が次々と立ち上がり、服の上に乗っていた花弁が落ちる。

 ふと遠くを見てみれば、そこには神樹様がいる。花が咲き、まるで人類の未来を祝福するかのように花弁を散らす神様が。

 

「……これからは一緒に、力を合わせて。もうちょっとだけか末永くかわかりませんけど、どうかよろしくお願いします、神樹様」

 

 駆けてくる二人の巫女と、急に空に開いた謎の切れ目から落ちてきた一人の巫女を迎え入れる勇者達の声の中、高嶋は神樹様の方を見ながらそっと呟き、一人だけ骨付き鳥パーティーからハブられないためにちょっと駆け足で勇者達の輪の中に混ざるのだった。

 

 

****

 

 

「……全く、一人で気楽に眠ってたら……急に、叩き起こしてきて……いい迷惑、だったわ……」

「すまないな。だが、力を貸してくれて助かった。やっぱり、千景は頼りになるな」

「…………うるさい」

「あはは、ぐんちゃん顔真っ赤だよ~?」

「き、気のせいよ高嶋さん!」

「ったく、お前等は本当に仲がいいよな。ほら、タマ達にもそろそろお迎えが来たみたいだぞ」

「今日からは、あっちでもずっと一緒ですよ。あの時みたいに、わいわい楽しく遊びましょう」

「……えぇ、そうね。まさか、三百年後に私の事を……愛してくれる人が現れてくれるなんて。世界って、どうなるのか……分からない、ものね」

「そうだな。私も死しても尚、仲間達と会えるとは思わなかった。さぁ、ひなたが空の上で待っている。そろそろ私達も逝くとしよう」

「空の上、か……」

「大丈夫だよぐんちゃん! もうわたし達はずっと一緒だから! 空の上で、ずっと、ずっと。気が済むまで一緒に遊ぼう!」

「……えぇ。気が済むまで、ずっと、みんなで一緒に」

 

 その日、神世紀の空に五つの魂が昇っていった。

 彼女達は異なる世界への道を再び開き、己の無念を晴らし、仲間達と出会い。

 死した後に、救われたのであった。




〜件の骨付き鳥の専門店にて〜

勇者&巫女『………………』
店員(えっ、なんで勇者様達は凄い疲れた表情で無言のままただひたすらに骨付き鳥食べてるの……?)
勇者&巫女『…………………………』
店員(怖い怖い怖い怖い)

〜その後、満腹になった勇者達は金を払って去っていきましたとさ〜


という事で天の神戦、無事に決着。これにて西暦の世界はバーテックスに怯える事無く、そして神世紀となる事も無く、新たな歴史を歩み始めました。

昨日の後書きにて語ったとある事、というのが今回若葉に力を貸した精霊こと、正史の歴史を辿った若葉でした。このシーンはのわゆ編を書き始めた当初……というか、実は勇者の章を書いていた辺りから、のわゆの最後は精霊『乃木若葉』を使った若葉の活躍と大満開をしたゆーゆの二人を書くことを決めていて、約一年半という長い期間を経てようやく書くことができました。

いや、本当に長かった。まさかのわゆ編を書き始めた当初はここまで長くなるとは思わなかった。まぁ、原作の後編の最序盤まで+オリジナル展開ですから、長くなるのは当たり前ではあったのですが。
ちなみに、大満開が出てきたシーンですが、本来はもっと静かな感じで、こう、ネクサスやアグルみたいな神秘的なものをイメージして書いていたのですが、ゆゆゆいでゆーゆが思いっきり叫んで大満開してくれちゃったので頭を抱えながらその演出を参考に大満開と叫ぶゆーゆを書いてみました。

それとここでようやく言えるのですが、ゆーゆIF等でちらっと出てきた過去に戻って~とかは勿論ここの事を指しています。なので、実は大人組のIFではのわゆ組が出演可能なのです。
まぁ、ネタバレ回避のために今まで出演は控えてもらっていたんですけどね……
もしもこの先、夏凜IF2とか風IF2等を書く場合はのわゆ組も出演するかもしれません。

という事で長々と語りましたが、次回がのわゆ編エピローグであり、ハナトハゲの実質最終話な話となります。
それではまた明日、お会いしましょう。
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