ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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明けましておめでとうございます。仕事したりゲームしたりVの切り抜き見てたりしていたらいつの間にか一か月経っていました。社会人になってから一週間がマジで体感三日程度の時間で過ぎ去っていくんだが……

とりあえず今回はゆゆゆいにも無事巫女二人が参戦したという事で、それに触発されて美佳&真鈴の参戦話となります。

いやー、最初は美佳ちゃんとぐんちゃんの話的に、あそこで会わなかったらもう会う機会ないんじゃ……とか思ってたんですけど、なんとかいい感じに二人の関係を作ることができました。

とりあえず、そんなこんなで久しぶりの投稿です。どぞ


新たな仲間の参戦

 新たな仲間がやってくる。

 そんな神託が巫女―ズこと、亜耶、ひなた、水都の三人に下された。

 新たな仲間、というのは現状で合計四人程いるらしいのだがその四人全員が現状は非戦闘員だという。しかし、だからと言ってそのことに落胆する者は居らず、それなら盛大に新たな仲間達を歓迎しようという動きになった。

 四人中二人は現在色々な問題を神様達が解決している最中なのだが、残りの二人は既にこのごちゃまぜ時空でNPC的な立ち位置で存在している巫女二人が対象なのだとか。その二人というのが。

 

「うーっす、球子と杏ちゃん! 久しぶり!」

「新しい面子って誰かと思ったら真鈴か!!」

「お久しぶりです。確かに、ここ数か月こっちに居たせいでなんやかんやで会えてませんでしたからね」

「まぁ、アタシからしたらついこの間会ったばかりなんだけどね。ってか、こんな楽しい事してるんなら混ぜろっての」

「そこら辺は神様に抗議するしかないな。まぁ、こっからは真鈴も仲間だ!」

 

 まずその内の一人が西暦の時代で表にはあまり出てこなかったが、裏の方で勇者のサポートをしたり、ひなたのサポートをしたりと、縁の下の力持ちとして働いていた巫女の一人、安芸真鈴だった。

 彼女は勇者である球子と杏を見出した巫女として若干特殊な立ち位置に居た巫女なのだが、ひなたほど特殊な立ち位置には立てなかったので裏方のサポートに徹していたという裏話がある。そんな彼女がこれからは堂々の表舞台入り。時間がある時に真鈴と遊んだりしていた球子と杏は嬉しそうに真鈴の事を出迎えた。

 そして、もう一人。

 新たに仲間として加えられたもう一人も、奇しくも西暦の時代の巫女だった。

 その人物に対し、殆どの人物は親交が無かったのだが、意外な人物が一人、彼女の参戦に反応した。

 

「あら、花本さん? 新しく来る仲間ってあなたの事だったのね」

「はい。お久しぶりです、郡様」

「ちーちゃん、知り合いなの~?」

「えぇ。あっちに帰ってからすぐに、ちょっと色々とあってお世話になったのよ」

 

 千景と、ついでに巫女仲間としてひなた、水都と交友がある新たな仲間である彼女は、どこか余所余所しく出迎えてくれた面子に頭を下げた。

 そんな彼女を紹介するため、千景は一歩前に出て彼女の前に立った。

 

「彼女は花本美佳さん。勇者の力を持った私を見つけてくれた巫女で、私のコミュ力を鍛えるために話し相手になってくれた子なの」

「そんな……わたしはただ、巫女として……」

「それでも、よ。それに、私が食事を作り過ぎちゃったときとか、一緒に食べてくれたでしょう? いつか園ねぇ達にも紹介しなきゃって思ってたのだけど……合流してからはてんやわんやだったし、花本さん自身があまりうるさいのは好きじゃないみたいだから、機会を待ってたのだけど、結局このタイミングになっちゃったわ」

 

 新たな仲間、花本美佳は千景の事を見出した巫女だった。

 あの時、園子とハゲ丸が千景に己の武器を託して消えてすぐ。彼女は何かに惹かれるように千景が居る神社へと自転車を動かし、彼女の事を見つけた。

 槍と鏡を手に、そして鎌の穂先を手にしていた彼女を見つけた美佳は一瞬彼女が神様なんじゃないか、と誤解していたが、その後美佳の身柄は大社に引き取られ、同時に千景の身柄も大社へと引き取られた後に、美佳はこの世界の現状と、そして千景の事を知った。

 勇者、郡千景。そんな彼女を見出した巫女、花本美佳。そんなちょっと変わった関係だったが故か、千景は美佳とかなり早い段階で接触していた。

 

『えっと……確か、花本……よしか、さんだったかしら?』

『え……?』

『さっき名簿を見せてもらったばかりだから……えっと、よしか、さん? それとも、みか……よしよし……みよし?』

 

 そんなファーストコンタクトだったのだが、そのファーストコンタクトがあったからこそ、美佳は千景に酷く懐いた。

 と、言うのも。

 彼女の名前である美佳は何も知らなければ『みか』と呼ばれる事が多い。昔から『よしか』とは呼ばれず、『みか』と呼ばれ続け揶揄われた経験があったためか、彼女自身どこか自分の名前が初対面の時に正しく呼ばれる事は無いだろう、だなんて思っていたのだ。

 しかし、そんな彼女の前に千景は現れ、一発で彼女の名前の読み方を当てて見せた。

 

『あの……よしか、です』

『美佳さんね。よかった……間違えていたらと思うと……ちょっと、不安だったの』

『それは……いえ。あの、どうして読み方が分かったんですか……?』

『私も名前、間違えられる事があって……不快だと思う人もいるから……なるべく、気を付けるようにはしてるの』

 

 そんな、千景にとっては些細な。美佳にとっては大きなファーストコンタクトがあったからか、二人は時間が合えば時折会って遊びに行ったり話したり、偶に作り過ぎた夕飯をご馳走になったりと、仲の良い友人としての関係を築いていた。

 しかし、千景も美佳も何かと忙しい身。戦いが本格的に始まってからはあまり会えなくなり、全てが終わった後もなんやかんやで巫女側は軽く事後処理があり、その事後処理がようやく終わった段階で美佳はこのご都合時空に拾われる事無く今日まで過ごしてきたのだから、他のメンツが知らないのも無理はない事だった。

 一応、巫女として動いていたひなたと水都は彼女に何度かお世話になったことがあるので友人程度の交友はあるのだが。

 

「まぁ、そんなこんなあって偶に私の遊びに付き合ってもらったり、お茶したりしてたの」

「郡様や上里さん、藤森さんから未来の勇者の事は聞いてたわ。それと、郡様の姉代わりと兄代わりとしてバーテックスが来る前から郡様の事を守っていたお二人の事も」

 

 と、言いながら美佳は園子とハゲ丸の方を見た。

 その視線に敵視的な物はないが……ただ、なんかこう、負けないぞ! 的な……こう、ライバル染みた物を感じる。

 

「……お二人には負けませんから」

 

 更には、そんな事を言いながらそっと千景にくっ付いた。

 なんというか犬みたいな子だ。一度懐いた相手には徹底的に懐く的な。ただ、千景はそういうのに鈍いのか何なのかは分からないがどういう事か分からず首をかしげており、ハゲ丸もどうしてそんな事を言われるのか理解できずにお、おう……と生返事を返している。

 そして、我等が園子様は。

 

「ま、まさかの三角関係!? ちーちゃんはたかしーに、そしてよしよしはちーちゃんに……この一方的な矢印の三角関係、たまらないんよ!!」

 

 なんか言ってた。

 まぁ、間違いではないが。

 間違いではないが、美佳の抱く気持ちはどっちかと言えば憧れ的な物であり、ただ千景に懐いてもっと仲良くなりたいと思っているだけなので、某レズ共の持っているような気持ちとは少し違うのだが、園子様はそこら辺のアレコレはどうでもいいらしい。

 

「まぁ、これからは美佳さんも勇者部の一員という事ね。これからもよろしく、美佳さん」

「はい、郡様。全身全霊で郡様の役に立ってみせます」

「いや、そこまで力まなくてもいいのだけど……」

 

 ちなみに、千景的には美佳の事は可愛い後輩兼、お世話になった巫女兼、いい友人と思っているので、普通に美佳が勇者部という身内集団に合流してくれるのはうれしいと考えている。

 ちょっと力み過ぎている美佳に苦笑しつつも、とりあえず既に三十人近く居る勇者部メンバーに新たに二人の巫女の名前が追加されたのだった。

 

「――いやー、しっかし、勇者部も大きくなったわねぇ……」

「あと二人増えるらしいですし、もしかしたらまだまだ勇者部も大きくなるかもしれませんね」

「アタシとしては友人が増えてくれるのは嬉しいんだけど……そろそろ大赦に部費の請求してみるかぁ……あと、神様に部室の拡張も」

「もう全員入るとぎっちぎちですもんね……この部室……」

 

 ちなみに翌日、部室は内部の空間が歪められて今までの数倍の大きさになったため、部室の狭さで今後の事を憂いる事は無くなったとか。

 部費の問題はまだ解決していないが。

 

 

****

 

 

「まぁ、本格的な入部祝いとかはできていないけど、こういう時こそ無礼講。という事で花本さんの御所望の元、今日はゲーセンに来てみたわ」

「どうしてそんなに説明口調なの千景ちゃん」

「どうしてか分からないけどそうしろとガイアが囁いたのよ」

 

 大体を千景が説明してしまったが、美佳と真鈴がこの世界に来て暫く。千景は友奈、樹、園子、若葉、高嶋、赤嶺、ハゲ丸を連れて美佳と共にゲーセンに来ていた。

 どうしてこういう時なのにうどん屋ではなくゲーセンなのかと言えば、単純に美佳が希望したからである。

 美佳の希望は簡単で、千景がよく口にするゲーセンに一緒に行ってみたいというもの。千景のいい話し相手だった美佳はよく千景がこの日は何をやったとか、この日はどうしたとか、当たり障りのない事をよく聞いていた。そして、戦いが終わったら一緒にそういう事をしてみたい、とも。

 なので、今回は千景が口にする頻度が多かったゲーセンに数人で来てみたのだ。

 

「本当は釣りとかキャンプとかの方がいいんじゃないかって思ったのだけど、花本さんがこっちの方に興味津々だったから」

「郡様の趣味はゲームだと聞いていましたから。ですから、郡様の趣味がたくさん詰まっている場所に行きたいと思いまして」

「確かに趣味の場所というのには否定しないわ。あと、私達にはあまり畏まった言い方しなくてもいいわよ? 郡様、なんて今日日聞かないし……」

「ですが……」

「友達だし、無礼講なのだからフェアに行きましょう? あっちに居る頃は立場の関係上無理だったかもしれないけど、ここならそんな事気にしなくてもいいわ。プライベートまでそんな疲れる口調だったらこっちまで疲れちゃうわ」

 

 千景からしたら美佳は話の合う友達だ。しかし、美佳からすると勇者という立場で。ついでに言うと、個人的にも尊敬している人の一人であるので、どうにも名前呼びというのに気後れしてしまうのだ。

 だが、本人がそう言うのなら、こちらが逆張りし続けてもあっちに迷惑が掛かってしまう。本人も疲れると言っているし。

 だとすると。

 

「でしたら……千景様、と。すみません、これ以上はちょっと難しそうです……」

「いえ、それでいいのよ。これからちょっとずつ変えていきましょう?」

「は、はい!」

「……なんというか、飼い主と懐きすぎた犬みたいな感じだな」

「ちーちゃんとよしよし……アイデアが沸いてくるよ~!!」

「園子お前……とうとうちーちゃんにまで……」

 

 まぁ、園子が千景すら妄想のネタにしているのは高嶋との関係で既に分かっているもの。ハゲ丸はそれ以上何も言わなかったが、果たして本人がソレを知った時、園子への好感度はどうなるのか。

 多分あまり変わらないだろうけども。

 そんなこんなで千景と美佳の関係にちょっと進展があったところで、勇者達はゲーセンに侵入。入ってすぐに美佳があまりの騒音に思わず耳を塞いだが、ゲーセン初心者の様式美みたいなところもあるのでスルー。

 

「とりあえず俺と園子はメダル増やしてるわ」

「なんやかんやでズラっちってメダルゲームは結構上手いよね~」

「コツがあるんだよ、コツがな」

「じゃあ、わたし達はあっちのパンチングマシーンに行ってるね!」

「三人でパンチ力勝負だ!」

「今回ばかりは生身だからね。わたしの上腕二頭筋に勝てるかな?」

 

 そして入ってすぐに園子&ハゲ丸はメダルゲームコーナーに。そして友奈ズはパンチングマシーンの方へと向かっていった。多分パンチングマシーンの寿命は今日までだろう。

 すたこらさっさと自分達のやりたいゲームの元に移動していった五人を見送り、千景達四人はとあるゲーム……某エクストリームなガンダムのゲームなのだが、その筐体の元へと歩いてきた。

 どうしてかと言えば、至って単純。千景が樹に介護を頼まれたから。

 

「えっと……花本さんもやる?」

「あ、わたしは見てます。どっちかと言うと、ゲームはやるより見ている方が楽しい派なので」

「そう? まぁ、樹さんの気が済んだらみんなで遊べそうなゲームの方に移動しましょうか」

「それじゃあ千景ちゃん! 今日も介護お願い!」

「とりあえず覚醒はしっかりと通してもらえれば勝てるわ」

「うっす……」

 

 千景からの辛辣な言葉を受けつつも二人は筐体の前に座り、百円を筐体に入れる。

 その横で若葉までもが百円を入れた。

 

「乃木様もこのゲームをやるんですか?」

「あぁ、偶に千景に家庭版をやらせてもらってるからな。偶にはゲーセン版もやってみようかと。あと、私の事は若葉でいいぞ。現状乃木は三人いるからな」

「確かに……」

 

 若葉は千景の持っているこの作品の何世代か前の家庭版をエンジョイ勢程度に遊んでいるので、今回は千景についてきてアーケード版も触ってみようかと思いついて来たのだ。

 なんやかんやでこの野武士、結構色んな事に手を付けているのである。

 平和な世の中だ。色々とやってみたいお年頃なのだ。

 

「千景ちゃん、わたし低コ」

「なんでもいいわよ」

「じゃあ赤枠改」

「なら……鯖にするわ」

 

 とりあえず美佳は千景の後ろに立って千景の画面を見ておくことにした。

 暫くすれば対戦が始まり。

 

「わたしの横が最強なんだ! あ、逝く」

「樹さん!? 落ち着いて下がって樹さん! 覚醒は!?」

「ない! あー逝く逝く逝く」

「敵の覚醒が私に来るからちょっと下がって! じゃないと私が死ぬ!」

「わ、わかった! あ、逝く」

「くっ、相手がゼロじゃなきゃ……あー、ほんとあの変形特射ゴミ!」

「カットの横特……あっ、逝く」

「どうして格闘でカットに来たの!? って、相手また覚醒!? あっ、樹さんが殴ってたから!?」

「ど、どうしたらいいと思う!?」

「まだワンチャンあるわ! シルビが溜まったら樹さんが覚醒して前に出て試合を破壊すれば」

「あっ逝く」

「ちょっ、樹さん!? まだ逝っちゃ…………あっ」

「今日ちょっと逝き過ぎたなぁ……」

 

 美佳はそんな会話を後ろで聞きながら画面を見ている事しかできなかったが、なんか樹がやらかしていたのは会話で分かった。

 千景の機体が一回も爆散していないのは見ていてわかったが、それでどうして負けたのか美佳は分からない。まぁ、大体樹が悪いのだろう、と先ほどの会話もあったため脳内で勝手に決め付けておく。

 事実正解なので恐らく樹はこの事を言われても何も言い返せないだろう。

 

「……どうしたらよかったかな?」

「あの状況だと確実に私を落としに来るからあまり前に出ない方が良かったわね。まぁ、そもそもを言うと赤枠改があまり強くないから……あと逝きすぎ」

「ですよねー……とりあえず環境機に魂売ります」

「安っぽい魂ね……で、乃木さんの方は?」

「あぁ、なんか勝った。やはりスサノオは強いしかっこいいな。何よりも日本っぽい名前と装甲がいい」

「ほんっといいキャラしてるわよね……あの時のアルケーや騎士程じゃないけど」

 

 完全にゲームをやっていないので置いていかれている美佳だったが、美佳的には普段見れないゲームで相方に向かって叫んでいる千景が見れて満足である。お金も減っていないし。

 その後にも色々とあって。

 

「ウッキー! 今年は申年ィ!! あ、逝く」

「樹さんステイ! 今行っちゃいけないわ! 私ユニコーンなんだから今は守って!?」

「あー逝く逝く」

「ちょっ、逝くな逝くな逝くな!」

「千景ちゃん覚醒いる!?」

「すぐ吐いて!」

「OK!! あ逝く」

「流したらゲロビ当たらないかしら」

「それわたし逝くが!!?」

「えっ!? あれ負けてる!?」

「また逝き過ぎたな……」

 

 まぁ、大体こんな感じでわちゃわちゃして樹が逝き過ぎながらも二人は一時間ほどゲームをプレイしていた。ちなみに若葉は途中で目が疲れたと言って美佳と共に千景の後ろでゲームを観戦していた。

 そんな二人の前で急に逝ったりゲロビで仲間を焼いて負けたりと色々とやった二人は、結局大体勝率が五分五分程度になった辺りでゲームを切り上げた。あんまりやりすぎるとお金が無くなってしまうので、いい頃合いで止めておかないと今後が大変だ。主に風からのお小遣いでこういう事をしている樹は。

 千景は西暦の時代で既に遊び惚けれる程度のお金はもらえる事が確定しているし、現にちょっとずつ貰えているので特に気にしていないが。

 

「それじゃあ、次は……そうね、プリクラでもどう? 折角の花本さん参加記念だし」

「プリクラ、ですか? そんな、わたしなんかと……」

「どういう卑屈の仕方よ……友達なのだし、女の子ならそれぐらい普通じゃないかしら?」

「陽の者の発想だよねぇ。陰の者からしたらそんな発想なんて……」

「まぁ樹は確かに陰の者だからな。プリクラなんて縁のない物だっただろう」

「いや、冗談にマジレス返すの止めてくれません? 事実ですけど泣きそうなんですけど。勇者部入ってからはそこそこ陽の者だったと自覚してるんですけど」

 

 まぁ、実際に勇者部に入ってからの樹はどちらかと言えば陽キャ寄りではあったので樹の言葉も一応真実ではあるのだが。

 そして四人はそのままプリクラの筐体に入り……

 

「あれ、これってどうしたらいいのかしら」

「プリクラなんて撮った事ないしな……というかゲーセン自体行かないし。おい自称陽の者、頼んだ」

「あ、わたし陰の者なので……」

「えっと……ここをこうしたらいいのでは……」

「っ!? まさか花本さん、あなたは陽の者なの!?」

「プリクラの操作方法がここまでわかるとは……お前は私の名において終身名誉陽キャの名を授けよう」

「えぇ……」

 

 目の前に書いてある事を読んだだけなのだが、何故かそれで陽キャ判定をされた美佳は大困惑している。しかし、これこそが勇者部クオリティ。

 とりあえず美佳にある程度操作をしてもらってから写真撮影に。

 

「ポーズとかどうする?」

「あ、それならこれとかどうです?」

「あら、樹さんも偶には面白い事言うわね。それにしましょう」

「偶にはって言った? ねぇ、今偶にはって言った?」

「いや、プリクラってもっとこう、可愛い系の写真を撮るところじゃ……」

 

 ここに至っても美佳大困惑である。少なくともプリクラは面白い写真ではなく可愛い写真を撮る事を楽しむ物だと思っていたが。

 しかしそれを今更この三人が聞くわけもなく、結局美佳も混ぜてとあるポーズで一枚とる事に。

 そして撮った写真をある程度デコレーションして、最後にはこの一言。

 

「えっと、徒歩で来た……っと!」

「あの……確かこの画像ってわたし達視点でちょっと前に流行った画像だったと思うんですけど、どうして三百年後もこれが……?」

「一生ネットの玩具……ってこういう事なのかもしれないわね」

「そうだな、ネットの玩具その一」

「かもね、ネットの玩具その二」

 

 既にネットどころか世間に顔写真ごとプロフをばら撒かれている二人はもしも問題行動をしたらそのままネットの玩具行き、というのを改めて実感した。

 いや、やらかすもなにも、もう戦う事も無いので普通に生きていたらやらかす事は無いのだろうけども。

 とりあえずその後は四人で適当に写真を撮ってそれっぽくプリクラを楽しみ、現像された写真を四人で分けた。三百年経ってもそこら辺は自分の知っている知識と変わらないんだ……と三百年後の現実を飲み込みながらも一応、千景と撮った写真なので大事に鞄にそれを仕舞い、あとは前を歩く三人についていこうとして。

 

「あ、乃木さん、樹さん。二人は藤にぃの所に行っておいてくれないかしら」

「ん? 別にいいが、何かあったか?」

「いえ、ちょっとね。これ以上樹さんと一緒に居てゲーセン出禁になっても嫌だし」

「出禁になるほどチンパンジーした覚えはないが?」

 

 しかし樹の抗議は届く事無く、若葉と樹は一旦園子&ハゲ丸ペアの元へと合流しに行った。

 そして千景は改めて美佳の方を見て。

 

「さて、邪魔者も居なくなったし、二人でもう一回プリクラでも撮りましょうか」

「ふ、二人で、ですか?」

「折角初めて美佳さんと一緒にゲーセンに来たんですもの。記念よ、記念。普段はそんな事しないけど……偶には形に残る形でそういう事を祝ってもいいんじゃないかって思ったの。それとも、嫌だったかしら?」

「い、いえ、千景様と二人でならなんだって嬉しいです!」

「そう、それならよかった。じゃあ、あの五月蠅いのが戻ってくる前に写真、撮っちゃいましょうか」

 

 そしてこの日、美佳が千景と一緒に撮ったプリクラは彼女の携帯のカバー裏に貼られ、ついでに割としっかりとした写真入れに入れられ、大事に保管され続けた、とか。

 

 

****

 

 

 そして一方その頃。

 とりあえず帰宅するメンツを見送り、もうしばらく部室で遊んだりしていようと思ったメンツの一部は何故か麻雀卓を囲んでいた。

 と、言うのもこれは残ったメンツの一人、真鈴からの提案だった。

 

「実はアタシ、実家が雀荘で麻雀結構好きなんだよね。という事で面子募集」

 

 という言葉の元、とりあえず麻雀がある程度打てる面子が集まった。

 その面子というのが、園子(小)、風、夏凜という結構意外なメンツだった。

 

「なんていうか、意外だな。風と夏凜が打てるなんて」

「神世紀って結構麻雀が流行ってるんですか?」

「いや、ンな事ないわよ。アタシは両親が生きてた頃にちょっとね」

「あたしは勇者としての訓練中に誘われてね。ルールは知ってるくらいよ」

「わたしは乃木故に~」

 

 乃木故に。その一言で大体察せてしまう辺り、乃木という言葉からはかなりのパワーワードを感じてしまう。

 そんな事はさておき、風と夏凜はちょっとだけ。そして園子(小)はある程度打てるとの事だったので、真鈴はその三人と共に卓を囲んだ。

 

「さぁて、いっちょやったりますか」

「ふふふ~。このわたしに牌を持たせるとどうなるか教えてしんぜよ~」

「負けない程度にやりますか」

「えっと、手牌は……あーダルっ」

 

 手慣れた手つきで山から牌を持ってくる真鈴。対して園子はニコニコしながら牌を持ってきて、風も軽い手つきで山から牌を持ってきて、何故か右手にボーリングで使うような手袋を付けた。

 何故? と外野と真鈴が思う中、夏凜は静かに牌を持ってきてダルい、と言いながら肘置きに肘をついた。

 そして、東一局が始まる。それを杏は後ろを軽―く歩き、全員の手配を確認した。

 

(真鈴さんの手はあまり打点は高くないですけど、字牌がありますから鳴いて速攻を仕掛けられそうな手牌ですね。対して風さんは……うわっ、筒子ばっかり。このまま染め手かな? 夏凜さんは……良くもなく悪くもなく。ただ、化けそうな手牌。最後に園子ちゃんは……)

 

 杏はぐるっと他三人の手配を見て、最後に園子(小)の手配を見て驚いた。

 何故ならその手牌は。

 

(ど、ドラ4!? 配られた段階でドラが全部園子ちゃんの手牌になっているって事は……上がった時点で満貫確定!? しかも立直自摸なら跳満になるし、園子ちゃんはドラの他に發を三枚も持っている……この東一局、園子ちゃんが一番危険だ!)

 

 園子の手牌にはドラが四枚。

 この時点で満貫確定の相手からしてみればふざけるなと言いたくなる手牌。しかも、相手はそれが見えていない。例え河から園子の役が安いと判断できたとしても、振り込んだら最後満貫以上の放銃が確定してしまう。しかも、立直できれば園子の手牌は立直發ドラ4の跳満に一瞬で化けてしまう。

 そんな恐ろしい園子の手牌に恐れ戦いていると、園子は自分の番になって山から牌を取ってきた次の瞬間、そのドラ四つを倒した。

 

「カン」

「うわっ、ドラでカンした!?」

「満貫確定……か」

「ダルい……」

 

 ドラ四枚での明槓。それにより嶺上牌が園子の手元に送られ、そしてドラがもう一枚捲られる。

 捲られた牌は、白。

 更に嶺上牌として持ってきたのは、なんと發。

 

(の、乗った!? カンドラ全部乗った!!? って事はこの時点で發ドラ8!? 立直したらその時点で倍満確定!?)

 

 この時点で園子(小)の手牌は跳満確定。更に裏ドラ次第では更にドラが乗る可能性もある。

 そんな恐ろしい手牌のまま園子(小)は自身の牌を切り、そして順番が回っていく。思わず園子(小)の手牌に夢中になっていた杏だったが、大体七順程してから杏は他のメンツの手牌を見に行った。

 

(園子ちゃんはもうイーシャンテン……真鈴さんはまだ上りには遠そう。風さんは……あれ? なんか筒子が変な形に……一応役はあるみたいだけど、染めてるわけじゃないのかな? あとは夏凜さんの手牌はっと……)

 

 そして最後に覗いた夏凜の手牌は。

 

(……あれ、聴牌してる!?)

「んー……これいらないや」

 

 なんと、聴牌していた。

 しかし、夏凜はそれでも難しい顔をしている。そして真鈴の牌が捨てられ、次は夏凜の番。そして夏凜が引いてきた牌は、確かに有効牌の一つではある物の聴牌しているこの現状、園子(小)の満貫確定の手を潰すために早く上がらなければならない。

 だと言いうのに、夏凜は手元に来た牌と自分の手牌を見て悩んでいる。

 相当悩んでいる。

 その結果。

 

「……ダルっ」

 

 そう言いながら、有効牌を手元に、そして聴牌を崩してまで手牌の一つを切った。

 これには杏も驚きである。確かに逆転などをしたい時は休手で上がったらそのまま負けに繋がるため、一旦安手となる牌を切って、というのは考えられるが、今は園子(小)の満貫を潰したいハズ。

 だというのに夏凜は速度を重視していない。それに、今切った牌のせいで状況が悪くなる可能性だってある。

 そんな杏の内心を他所に、そのまま局は進んでいき、夏凜はその間もダルイといいながら次々と牌を手元に持ってきては悩みに悩んで切ってを繰り返し。

 気が付けば夏凜の手は園子の手に負けず劣らずの手牌となっていた。

 

(あそこからここまで手が高くなるなんて……)

 

 少なくとも満貫は確定。もしかしたら跳満にも届くかもしれないという手牌。しかし、ドラは無いためドラによる点数の後押しはできない。

 そんな中、今まで一番静かだった風が動いた。

 

「立直」

 

 立直だ。千点棒が卓の上に置かれ、風の切った牌が横向きに置かれる。

 そして、そのまま一巡後。

 

「自摸」

「げっ、一発!?」

 

 まさかの風が一発で上がった。

 そして倒された手牌は、何とも不思議な形をしていた。というか、あの手袋、ボウリングの時に見たことあるような……

 

「立直自摸一発断么九」

 

 ただの断么九が立直自摸一発で凄い事になった。

 結構高い手を潰された夏凜と園子(小)は軽く悔しがるんじゃないかと思ったのだが、二人とも特に何も思っていない感じで点棒を差し出した。

 そしてここからは普通の麻雀に戻る……かと思われた。

 

「ロ~ン。立直ドラ8~」

「ツモ。立直一発面前自摸一通一盃口」

「あっ、ツモ。立直一発面前自摸断么九平和」

 

 なんかもう滅茶苦茶だった。

 園子は毎回毎回手牌にドラが集まってくるし、夏凜は悩めば悩むほど手が良くなっていくし、風は筒子を使った待ちというか立直で異常なまでに早く上がるし。というか、基本的に立直したら一発で上がるのがもう明らかに異常だった。

 これには後ろで見ていた球子たちも苦笑いだ。

 しかし、真鈴もやられるだけじゃなかった。

 

「でぇい! ツモッ!! 小三元混一色!! ってなんで毎回ドラが来ないかなぁ!?」

「あっ、ドラならわたしが全部抱えてるんよ~」

「ま、毎度毎度意味わからん……!!」

 

 なんとか。なんとか真鈴も頑張ってはいるのだが。

 しかしドラ爆弾に加えて悩めば悩むほど何故か手が良くなっていくのと、筒子が絡むと異様に上りが早くなる……というかほぼ立直すれば一発で上がるバケモノ相手では分が悪かった。

 結果、真鈴は善戦したものの結果は四位。一位は園子(小)、二位は夏凜、三位が風という結果になった。

 

「あー、やっぱ久しぶりだと上手く行かないわねぇ」

「そうね。あたしも数年ぶりに打ったから腕が鈍ったわ」

「わたしは特にブランク無しだから調子よかったな~」

「勇者って麻雀でもやべー奴揃いなんかい……アイデンティティクラッシュされそう……」

「ま、まぁまぁ。今回の相手は多分ですけど……こう、声というか声帯というか魂的なのが影響した結果だと思いますから……」

 

 まぁ、この世界は園子がとある繋がりで急に光子格闘なんて身に付けてギャグのためにハゲなどに叩き付けるような世界だ。同じような繋がりで彼女達の麻雀の腕が天元突破してようと不思議ではないのだ。

 

「さて、真鈴参加記念の麻雀も終わったところでもういい時間だし、帰りましょうか」

「あ、ホントだ。もう空が赤いや」

「県外組も殆ど帰っちゃったし、先生に言われて外に放り出される前にちゃちゃっと帰っちゃいましょうか」

 

 そんな訳で、真鈴は得意な麻雀で若干の苦い思い出を作った物の、麻雀ができるメンツも結構いるらしいし、あの三人の麻雀の腕が天元突破しているだけで後は常識の範囲内だと杏から聞いたので、これから初心者を育てつつあの三人を打ち倒す事を目標に頑張ろうと決めて。

 なんだかこれから先、凄い騒がしい事になりそうだ、なんて思いながらも帰路に就くのであった。

 




実は当初はフライングしてふゆゆ組出そうかなーとか思ってたんですけど、とりあえず四月に放送されるちゅるっと終わるまでは待っておこうかなと。

で、いつの間にやらゆゆゆいちゅるっとの放送はあと二か月後という結構早めの放送が決定しましたね。これで放送が二クール後とかだったら待ちきれなかったんで、結構うれしいです。新年度はゆゆゆいとゴジラでスタートだ!!

そういうわけでこれからも更新頻度は増やしていきたいなーとは思っているのですが、最近ゼノブレ2やらニーアやらマイクラ(PC版)やら色々と買いつつマキオンやっているせいでなんか気が付いたら時間が無くなってるんですよね……完全在宅勤務故の時間の贅沢な使い方よ……

とりあえず今後は反省しつつ、PCのグラボ買い替えてPCでAPEXしたいなとか思っています。

そんなわけでまた次回、お会いしましょう。もしかしたら待ちきれなくてふゆゆ組とか出しちゃうかも。
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