ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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初めてサブタイからハゲ関連の言葉が抜ける。

FGOぶん回したりゆゆゆいのストーリー見てたらちょっと投稿が遅れたんだぜ。孔明マーリンがいるから今までやってなかったアナスタシアをサクッと蹂躙できましたけど、まだ始めたばかりのゆゆゆいはハードで中々にキツいのが……。ぐんちゃんがウチのエースです。


おいスペシャルうどん食わねぇか

 今さらではあるが、現在四国は夏である。

 煮えたぎるような暑さ。日本の夏は蒸し暑いという言葉を体現するような暑さの中、風はいつも通りに勇者部に来た依頼の対処に回っていた。毎日毎日来る何かに悩みを持った人たちの相談に依頼。それらを個性豊かすぎる勇者部員に割り振り、一日の仕事を決め、確実に依頼をこなしていく。

 そうやって部長としての仕事をしている中だった。風は、自分の携帯にメールが届くのを見た。

 基本的に勇者部員達との連絡はNARUKOから。他のクラスメイトや友達との連絡は他の、今携帯にインストールしていない人はいないレベルのSNSから。メールを使うのは、大赦との連絡の時だけだった。

 それ故に、風はメールの着信を見て息をのんだ。

 もしかして、この目の事や樹の声、友奈の味覚の事が分かったのか。それとも、勇者として何かさせられるのか。

 前者であってくれ。そう思いながらそっと携帯を手にし、メールを開く。

 その内容を見た風は、ある意味では度肝を抜かれた。かなり驚いた。

 だが、すぐに風は勇者部員達がその日はフリーであり、依頼を待っている状態であるのを確認し、風はそのメールに返信をした後、NARUKOの勇者部グループで発言した。

 

『今週末に海行くわよ! しかも! 費用は全部大赦持ちだから遊び放題食べ放題よ!! 予定を空けておけい!!』

 

 風のその発言に、勇者部員の間で衝撃が走った。

 海へ遊びに行く。しかも、費用は全て大赦持ち。遊び放題。ついでに水着等の必要経費も大赦が負担するとまで風は説明した。

 それに飛びつかない年頃の少女達&ハゲではなかった。

 

『マジですか!? 大赦も太っ腹ですね!!』

『これはぼた餅を作らざるを得ない』

『ktkr』

『樹ちゃん後輩、最近自分のキャラ放棄してね?』

『樹が純真無垢な後輩だと思っていた時期があたしにもありました』

『二人には特製スペシャルうどんをお見舞いしてやる』

『出たな怪人スペシャルうどん』

『出たな紫の錬金術師』

『先輩方ぁ。あなた達にわたしはどぉんどんお見舞いしていきますよぉ。選んでください。直接訪問か、それとも部室か。いくぞぅわたしは。うどんが腐らないうちに。どーも皆さん。知っているでしょう~? 犬吠埼樹でございます。おい、ス ペ シ ャ ル う ど ん 食 わ ね ぇ か。他の皆さんもおいでぇ。うどん茹でるぞぉ。辛いかい? 料理の腕を思い知らされるわたしはもっと辛いんだよぉ。残さず食えよぉ。そうだよ、あなたも食えよぉ。そしてそれが終わったらわたしは大赦に飛ぶんだぁ。大赦さ~ん。知っているでしょう~? 犬吠埼樹でぇございます。ス ペ シ ャ ル う ど ん 食 わ ね ぇ か』

『樹ちゃん後輩怒涛のコピペ改変。ってかそのタイプ速度可笑しいだろおい』

『え、ちょまっ、なんかいt』

『え? 三好さんや? 一体何が?』

『そう言えばさっき樹が家から出ていったわよ~?』

『あっ……(察し)。俺ちょっとどこかへたかとb』

『これはお見舞いされたわね……』

 

 きっと今頃スペシャルうどんをお見舞いされた夏凜とハゲ丸が倒れているんだろうなぁと思いながら、やり遂げた顔をして帰ってきた樹を風は迎えるのであった。

 

 

****

 

 

 そして週末。

 勇者部員達は海へとやってきた。他の客もいるが、大赦から旅館の手配も料理も費用も何もかもを支給されているのはこの勇者部だけだろう。

 

「海だぁーーッ!!」

「ひゃっほーーッ!!」

 

 そして友奈と夏凜が更衣室で水着に着替えた直後にそのまま海へと突貫していく。その様子を同じく水着に着替えた美森(ズラ装備)が見守り、それに遅れて風と樹が更衣室から出てくる。

 それをパラソルとレジャーシーツをセッティングし、椅子も設置したハゲ丸が出迎える。

 

「おっ、悪いわね」

「まぁ男手ですしこれくらいなら喜んでやりますよ」 

 

 ここに来る前に自販機で買ってきていた水を飲みながらハゲ丸がパラソルの下に腰を下ろすと、樹がその隣に腰かける。一瞬ハゲ丸はそれにビビる。

 この間、夏凜の家から瞬間移動してきてスペシャルうどんを食わせてきた張本人だ。体が反応しないわけがなかった。が、なんとか平静を取り戻し、再び水を口に付ける。樹はどこからか取り出したうちわで自分を仰ぎながらぼーっと水平線を見つめている。

 

「樹ちゃん後輩は行かないのか?」

 

 ハゲ丸の言葉に樹はプラカードを取り出し、それにマジックペンで文字を書いてから見せる。

 

『もうちょっと経ってから行きます』

 

 流石に海辺でスマホなんて使ったらスマホが水没してしまう可能性がある。故に、スマホは置いてきてこの防水性で簡単に文字が消えるプラカードを使い会話を試みた。見逃してしまう可能性もあるが、それでも携帯が水を飲んでしまいお陀仏になってしまうよりは遥かにマシだ。

 ハゲ丸はその言葉を聞いてから一つ頷いて樹に自分の財布から金を取り出して手渡した。

 

「かき氷買ってきてくれないか? 樹ちゃん後輩の分と、犬先輩の分は奢りでいいから」

『ゴチになります!』

「おっ、悪いわねハゲ丸」

「いいんすよ、これくらい」

 

 最近キャラ崩壊が激しい現金な後輩は金を受け取るとプラカード片手に海の家へと走っていった。

 その様子を見送ってからハゲ丸は近くで準備体操をしている風に視線を移す。身長は中学生の女子としては高い方で、スタイルも全然いい方である彼女が準備体操をしている様子は、どうにも思春期の男子には目に毒とも、眼福とも言える光景だった。

 気づかれないうちに風から視線を外したハゲ丸はそっと友奈達の方へと視線を移す。友奈と夏凜は結構沖の方ではしゃいでおり、美森は海用車椅子から防水カメラを向けて友奈達を激写している。

 だが、そんな彼女たちを見て、ハゲ丸はどうしても罪悪感に苛まれている。

 満開の後遺症の事。友奈の味覚、風の目、樹の声。それは全部、銀の言葉によれば治らないという。ハゲ丸の後遺症だけは万が一の可能性を秘めているが、他の三人はその万が一すら無いのだろう。

 それを知っていながらも、話せない。話せるわけがない。銀から口止めされているのもあるが、それよりも。自分の言葉で彼女たちが絶望してしまう瞬間を、見たくない。ヘタレとも言われそうなハゲ丸の内心は誰にもバレる事はなく。ただ水平線にその悩みを込めた視線を飛ばすだけだった。

 

「何よハゲ丸。しけた顔して」

「いえ、この間のスペシャルうどんのダメージが……」

「ホント、何が入ってたのよ……」

 

 そんな視線がバレたとしても、こうやって言っておけばどうにでもなる。

 だが、ハゲ丸を心配して向けてくる風の視線に。風の片方しかない目の視線に、どうしてもハゲ丸は罪悪感を感じてしまう。

 だからか。耐え切れずに立ち上がったのは。

 

「ちょっと水着に着替えてきます」

「え? 樹戻ってきちゃうわよ?」

「男なんてすっぽんぽんからのすっで着替え終わるんで心配ご無用ですよ」

 

 ハゲ丸はそう告げると一度更衣室へ向かい、すぐに着替えてパラソルへと戻ってきた。

 丁度その時に樹も戻ってきたのか、両手にかき氷を持った樹が風にブルーハワイ味のかき氷を手渡していた。ハゲ丸はイチゴ味を選び、樹はレモン味を選んだ。日差しの照っている砂浜でかき氷は丁度いい冷たさを与えてくれる。シロップの味は同じだが、香りと色がこれはメロン味だと認識させてくれる。

 風、ハゲ丸、樹と並んでかき氷を食べていると、急に樹が頭を抱えた。

 

『><』

「なんだその文字……あぁ、頭痛いのか」

 

 いきなり見せられたプラカードに不等号二つで謎の記号が書かれていたが、それが今頭が痛くて困っていますという顔文字的な物なのだと理解すると、ハゲ丸はそれも風物詩だと言って自分のかき氷に口をつけた。

 直後、ハゲ丸も頭を押さえた。

 

「何よ二人とも。情けないわあああだだだだだ……」

「人の事言えるんすかあんたぁ!」

『><』

 

 三人で頭を抱えながら頭痛が去るのを待つ。

 結局頭の痛みが引いたのはそれから十数秒後で、ようやく頭がいつも通りに戻った三人は懲りずにかき氷を口にする。やはり夏と言えばこの痛みとこの冷たさである。

 そうして風が一足先にかき氷を食べ終えたと同時に、一通り泳ぎ終えた夏凜が海水を滴らせながら戻ってくる。

 

「ほい、水」

「サンキュ。気が利くわね」

 

 風から水を受け取ってそれに口をつける夏凜。

 そのスタイルは樹よりはいいかもしれないが、友奈よりも小さく。そして風や美森なんかと比べてはいけないレベルの差があった。樹が冒険が始まったばかりの勇者であったなら、夏凜が最初のイベントを終えた勇者で、友奈が大体中盤くらいの勇者。風がラスボス直前の勇者で美森がすべてのイベントを完全攻略した勇者であろうか。もう風と美森のスタイルは中学生とかそんなレベルじゃない気がする。

 ハゲ丸の夏凜に対する哀れみの視線は気づかれなかったのか、夏凜は何も言わない。が、代わりに空になったペットボトルがハゲ丸の額に当てられた。

 

「風、こっちは準備できてるわよ」

「おっ、じゃあ行きますか!」

 

 風が立ち上がり、夏凜が一息ついてから準備は万全だと頷く。

 何をするのかを説明したら、単純に泳ぎの競争だ。どっちが早く目的地まで行けるかという至極単純な物。

 

「讃州のマーメイドと呼ばれたアタシをナメるんじゃあないわよ!!」

「言われてんのか、樹ちゃん後輩」

『まっさかカーニバル』

「そんな祭りは存在しない」

 

 そんなどうでもいい事を話した直後、風がいきなり「よいどん!!」とか叫んで海へと駆けていく。それに一拍遅れて気が付いた夏凜が風を全力で追いかけ、二人が海へと飛び込み、中学生にしては速いと言える速さで一気に沖へ向かって泳いでいく。

 それをようやくかき氷を食べ終えた樹とハゲ丸が見守り、樹がプラカードに何かを書く。

 

『行かないので?』

「え? あぁ、海に入るとズラと着け毛一式が外れる可能性がな……」

 

 ハゲ丸のズラは乗っているだけだ。衝撃や風でも吹っ飛んでいく可能性があるのに海に潜るなんてしたら、黒色の塊が新種のクラゲとして確認される事だろう。そして、少し離れたところにはハゲが浮かんでくる。

 そんな事になったら自殺物なのでハゲ丸は海に来ても浅瀬で我慢する。泳ぐことはしない。

 しかし、そんな事を樹に言おうものならどうなるかなんて分かりきっている。

 

『ほらほら行きましょうよ』

「おい止めろ樹ちゃん後輩。洒落になってねぇから。おい」

 

 樹は邪悪な笑顔を浮かべながらハゲ丸の手を引っ張る。

 美少女後輩に腕を掴まれて若干の幸福感を得れるが、彼女の力に従って海に行こう物ならハゲ丸のハゲがこの空の下晒されることになるだろう。

 このままではどうにもならんと、ハゲ丸は一旦辺りを見渡し周りの目が向いていないのを確認すると自らズラを取り、片手で構える。そして、叫んだ。

 

「太陽拳ッ!!」

 

 同時にハゲ丸のハゲが真夏の太陽の光を反射し樹の目を焼く。

 一瞬で視界を奪われた樹はそのまま後ろへと下がり、太陽によって熱せられた砂の上に足を下ろしてしまい、相当熱かったのかそのまま辛抱溜まらんと海へ向かって走っていった。

 ふっ、他愛もない後輩め。とハゲ丸はズラを頭の上に戻して座る。

 太陽拳ってやっぱ万能だよなぁとハゲ丸は走ってそのまま沖へと沈んでいった樹を見ながら考えていた。なお、泳げない樹はそのまま海の底へと沈んだため、友奈による救助があったとかなかったとか。




正直樹ちゃん後輩のスペシャルうどん食わねぇかでやり切った感がある。

ゆゆゆのPCゲームやりたい……やりたい……
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