ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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今回でカプリコーン・バーテックス戦まで行こうとしたけど無理でしたぞ!! FGOのイベントに疲れたから書き始めたら丸々一話書けてしまいましたぞ!! 古戦場から逃げた結果ですぞ!!


部位を剥ぎ取られるハゲ

 銀とハゲ丸、そして園子がキッチンに立っている。

 既に時刻は昼。家の中の半分近くの私物や物をダンボールに詰め込む事に成功したため、一旦昼休憩として昼食をとることとなった。とは言っても、この三人は途中からずっと仕事と称して私事をしていたため休憩を要するほど疲れてはいないのだが。

 だがしかし。だからこそこうしてキッチンに立ってうどんを調理しているわけで。

 ハゲ丸が家から持ってきたうどん玉(自作)を使ったうどんはそこまで調理に時間を要することはなく、強いて言うならば天ぷらを作るために油を温める所と、それを使って天ぷらを揚げる所に時間を要している。かき揚げやサツマイモ、カボチャ等の様々な具材を衣を纏いし者へと変身させて油の中へと沈ませている。

 

「なんか久々だな。銀と一緒にキッチンに立つなんてさ」

「最初は何時だっけ……あ、そうだ。さっきまで話してた合宿後だ」

「え? そうだったの?」

「そうそう。あれは確か……銀が家事に集中するから、まだ赤ん坊だった金太郎と遊びたい盛りの鉄男の世話を頼まれたときだっけか」

「そうだな。で、飯作るときだけこっち来てもらって」

 

 当時はまだうどんを自作する事しかできなかったハゲ丸。

 しかし、銀とキッチンに立つようになってから須美や園子とも共に立つようになって、須美お得意のぼた餅を教わり園子に料理を教えて、その他の料理は銀から教わって。そして、独学でジェラートの作り方を学んだ。

 その始まりとなったのが、合宿の後。三回目の戦いを直後に控えた時。須美と園子が銀がどうして待ち合わせのギリギリ、もしくは数分過ぎた後にしか来れないのかという原因を探ろうと三ノ輪家まで態々尾行に来た時だった。

 

「……ん? ズラ。お前何作ってんだ」

「雪見だいふくの天ぷら」

「人ん家のアイスで本格的スイーツ作ってるんよ……」

「ってかそれアタシが隠してた雪見だいふくゥ!!」

 

 ちなみに雪見だいふくの天ぷらは食後にみんなで美味しくいただきました。

 

 

****

 

 

 銀の遅刻癖というのは中々に凶悪だった。

 学校の行事にも、私的な待ち合わせにも。果てには特訓の時でも。銀は大きくはないが小さな遅刻を繰り返している。何度怒られても苦笑して謝るため、怒ろうにも怒れない。自分が悪いのは分かっているが……と言った表情をする銀に、たかが十分や五分程度の遅刻で本気で怒れるわけがなく、というものだ。

 そんなある日。桂は銀に呼ばれた。

 というのも。その日は銀の家事が忙しいらしく、弟達の面倒を少しでもいいから見てくれないか、という物だった。銀自身、少し男勝りで弟たちと気が合う部分が多いのだが、やはり性別の壁というのは大きく、鉄男のテンションだったりについて行けない時がある。そのため、弟達と同性でついでに自分と歳が同じな桂に白羽の矢が立ったわけだ。

 勿論、桂にそれを拒む理由はなく了承。その週の週末に桂は銀の家にお邪魔する事になった。その手に大量の遊び道具やDVD等を持って。

 

「よう、銀。ちょっと遅かったか?」

「完璧だ。じゃあちょっと鉄男と金太郎を頼めるか?」

「はいよ。任せな」

 

 銀は頭に三角巾を装備し、エプロンまで装備した完全に家事に専念スタイルを取っており、掃除機を手にしていることから、今から本格的に掃除を始めようとしていたところだった。

 桂が銀の家に上がり、入っていい部屋と入ってはいけない部屋を確認してから初めて鉄男と顔を合わせる。

 

「……誰?」

「オッスオラ桂。銀の友人だよ」

「……彼氏?」

「鉄男、それだけは無いから暫くコイツと遊んでてくれ」

「酷くね……?」

 

 再び正面切って男として見ていない宣言をされたハゲ丸であったが、仕方ないと口にして鉄男に持ってきたものの一つを見せた。

 それは今や化石とすら言える物ではあったが、しかしそれ故に超高騰している物である。

 

「んじゃ鉄男くんや。ちょっとスマブラやろうか!!」

「え、マジ!? なんで持ってんの!!?」

「ふふふ……良家に養子入りした人間をナメるなよ?」

 

 三百年前に発売された、友情破壊ゲーとも言えるスマッシュブラザーズ。今現在では既に絶版状態でダウンロード販売もなく現物は相当少なくなってしまったため超高騰しているゲームではあったが、桂は養子入りした際にこのゲームが眠っていたのを偶々見つけたのだ。

 桂家の両親の子供時代はゲームはあまりやらず、外で遊ぶことが好きだったようでこのゲームに関しては完全にノータッチ。欲しいのなら貰ってやってくれとまで言われたので桂の私物となった物だ。ちなみに、これは藤丸家に戻ったハゲ丸が記憶を取り戻してから、一度取りに行ったためハゲ丸の手元にある。

 少し話は逸れたが、評判だけは聞いていてもプレイできる機会なんてなく、三百年前のプレイ動画や、時々上がるプレイ動画を見るだけだったソレを見せつけられるというのはかなりの衝撃だった。ちなみに、任天堂の作ったゲームやキャラには未だに根強い人気がある。

 

「早くやろうぜ、桂兄ちゃん!!」

「はいはい。その前に金太郎くんの面倒も見なきゃだから先にやってていいぞ」

「やったぁ!!」

 

 鉄男にスマブラを手渡す。これで暫く鉄男の方は目を離していてもいいだろう。あとは金太郎だ。

 今、金太郎は居間のベビーチェアに座っていると銀は言っていた。なので鉄男の後ろをついて歩き居間に入ると、そこにはハイハイでどこかへ行こうとしている。危なかった……と冷や汗を少しだけかきながら金太郎を抱き上げる。

 

「おーよしよし。ちょっと大人しくしててくれよぉ」

 

 抱き上げてから金太郎を膝の上に乗せてどこかへ行ってしまわないようにする。

 するのだが。

 

「……?」

 

 金太郎の視線は桂の頭に向いている。

 あれ? なんだかこれヤバいかも、と思い自分の頭……というよりもカツラを守ろうとした瞬間。金太郎の手が先に動いて桂の髪の毛を毟り取った。

 あっ。と声を漏らす桂。しかし、この現象は既に頭の中で想像していた。すぐさま桂は予備のカツラを自分のカバンから取り出して自分の頭の上に乗せる。が。

 

「……これ、後で返してくれんのかな」

 

 カツラを毟り取ってきゃっきゃと笑顔で振り回す金太郎に不安を覚える。

 このカツラ、このまま金太郎が返してくれないんじゃないかと。新しい玩具を手にしてはしゃぐ金太郎に、暫くは大丈夫だな、と安心してから、金太郎を抱きかかえたまま鉄男の隣に座る。鉄男は早速スマブラをプレイしていた。

 

「どうだね鉄男くん」

「ちょっと難しいけど面白いよ。ってか金太郎の持ってるそれ何?」

「親父のカツラ」

「えぇ……」

 

 桂の一言で彼の父親がハゲているという事になってしまったが、これもコラテラルダメージだ。カツラテラルダメージだ。大義のための致し方ない犠牲なのだ。こうして桂のハゲは隠されるのだ。

 鉄男が一戦終わった後で桂も乱入。掃除機の音が響く中、二人でスマブラに興じる。

 

「うわっ、桂兄ちゃん強すぎ!」

「そりゃ持ち主だからな。俺のソニックは強いぞ?」

「ぐぅぅ……金太郎! 妨害してくれ!」

「ははは、赤さんがそんな簡単に命令を……うわっ、マジでコントローラー握ってきやがった!? ちょ、やめっ、アッー!!?」

 

 桂の操作するソニックが、金太郎の妨害を受けて一時的に謎の動きを繰り返し始める。そして、鉄男がそのソニックに攻撃を当て続けそのまま吹き飛ばす。

 が、鉄男も金太郎もそれで楽しそうなので桂的には悔しくも残念でもない。二人が笑顔で居てくれて、銀に何の迷惑も掛かっていないのなら十分だ。そのままスマブラに興じる事一時間弱。金太郎はいつの間にか桂のカツラを握ったまま寝ており、鉄男は途中から気づかれない程度に手を抜いていた桂に連勝できて満足気だ。

 金太郎を起こさないように寝かせてから、桂は一旦休憩とコントローラーを置いた鉄男に、持ってきたものの入っている紙袋の中からまた一つ暇つぶし用の物を取り出して見せる。

 

「ほれ鉄男くん。ゲームが疲れたならこれなんてどうだ?」

「え? あっ、これウルトラマンのブルーレイ!?」

「しかも全話入りのボックスだ。どうだ、見たいか?」

 

 桂が取り出したのは、ウルトラマンメビウスのブルーレイボックスだった。

 鉄男位の歳ならまだウルトラマンや仮面ライダーを、周りが子供っぽいと言うから見ないという程ではないだろうと判断した桂が持ってきておいたのだ。ちなみに、他にも特撮物やロボット物のブルーレイは持っているが、その中でも特にとっつき易いだろうと思って持ってきたのがこれだ。

 

「うん!」

「じゃあ暫くこれ見ながら金太郎の事頼むな。起きたら教えてくれ」

「わかった!」

 

 そして桂の予想通りブルーレイを受け取ってウキウキ気分で一話から再生にかかる。これを貸しておけば暫く銀の負担も減らすことができるだろう。

 金太郎を側において鑑賞に入った鉄男を見てから桂はそっと居間を出て銀の元へ。

 

「あれ? ズラ、二人は?」

「鉄男くんは俺が持ってきたブルーレイ見てる。金太郎は寝てるよ」

「お、マジか」

 

 銀は、丁度掃除を終わらせたのか掃除機を片付けている所だった。

 銀的にはもうちょっと桂があわただしく二人の世話をしている物かと思っていたためここまでスムーズに二人の世話を終わらせていることは意外だった。

 

「んで、何か俺に手伝える事あるか?」

 

 そして手の空いた桂は、あちらの方で何か問題が発生するまでの間、銀の家事の手伝いをしにかかる。

 銀はえ? と間抜けな返事を返した。

 

「いいのか?」

「まぁ、ここまで来たらできる限りは手伝うよ」

「マジか、助かるよ。じゃあ昼飯作るの手伝ってくれないか?」

「飯か……うどんしか作れないけどいいか?」

「むしろ十分。今日の昼飯は天ぷらうどんの予定だったからな」

 

 そして二人はそのまま昼食のうどんの調理にかかったのだった。

 

 

****

 

 

「そういえばハゲって最初はあんまり料理得意じゃなかったわね」

「思えばここでうどん作った事が切欠だったわ」

 

 銀、園子、鉄男、金太郎が他の部屋で作業している中、美森とハゲ丸が同じ部屋で食休みをしていた。

 今行っている作業はあまり他所の家の人が触れていい物ではなかったため、一旦三ノ輪家と三ノ輪家によく入り浸っていた園子が作業に当たっている。その作業が終わったらまた分散して作業する事になる。

 その僅かな間ではあるが、美森とハゲ丸が二人きりになる時間が生まれた。

 その結果は、先ほどまで銀や園子と話していた事の続きを話すと言う暇つぶしだった。

 

「で、あの時お前らっていつから俺達の事を見てたんだ?」

「ハゲがゲームしている時だったわね。そこら辺からそのっちと一緒に見てたわ」

「そんな時から見てたのかよ……いくら春だからって言っても外暑かっただろ」

「そのっちが日傘を持っていたから助かったわ」

 

 須美と園子が三ノ輪家を覗いていたと知ったのは、そのすぐ後だった。

 天ぷらうどんを食べた昼食後、桂と銀が外に出かけて買い物をしている最中に様々なトラブルに巻き込まれた二人を、見ていられなくなった須美と園子が乱入して手助けして、その後イネスのジェラートを食べて休憩している最中に銀と桂がちょっと言及してみた結果、園子がポロっと言ったのである。

 ハゲ丸からしたら、日傘なんていう女子力の一部が塊になったような物を園子が持っていたと言う事実に多少なりとも驚愕したが、それは今は置いておく。

 

「で、その後はバーテックスと戦って……いやぁ、あの時の須美ちゃんは可愛かったなぁ……可愛かったなぁ!!」

「ぐっ……! このハゲっ……!!」

「いててて、蹴るな蹴るな」

 

 ハゲ丸が美森に蹴られることも厭わず言った事。それは、銀と桂が買い物に出かけた先で須美と園子が合流してすぐ後に起こった事から連なる事が当てはまる。




古戦場から逃げたいけど、逃げたところでFGOのイベントをやらなければいけないという。

全然FGO回ってなかったんで合計30万程度しか集まってないんですよね……残り日数で百万ずつ集められるのか……

もう夏休みも二週間きりましたが、この夏休みの最中にクリアしてやると張り切って買ったテイルズが未だに手つかずで、まだラタトスクの序盤という……なんかラタトスクの戦闘がシンフォニアよりも難しいような……

とりあえず回想は次回へと続きますぞ!!
……長くなりそうだから区切れる所を増やすために回想形式にしたのに、もしかしたら回想にした意味がなくなるレベルでクッソ長くなるんじゃ……
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