ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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そういえばゆーゆのマッサージで話を書いていなかったなぁと思ったのでゆーゆのマッサージの話を投稿。

マッサージの毒牙はあの子に……!?


ゴッドハンドゆーゆ

 もうすぐ二月も中旬に差し掛かろうと言う時。その日、ハゲ丸は一人学校内の調理部にて簡単な菓子作りや美味しいうどんの作り方などを臨時講師として教えるという依頼を終わらせて残りの時間を部室で過ごそうと思い、ついでに作ったこの冬ピッタリの鍋焼きうどんを手に部室へと出向いた。

 今日部室内にいるのは友奈、夏凜、銀の三人。美森は園子とペアで、風は樹とペアで行動しており、友奈、夏凜、銀の赤トリオは三人で行動していたのだが、ハゲ丸が依頼をこなしている最中に早めに終わったから部室に居ると友奈から連絡を貰ったので、どうやら三人の依頼はかなり早めに終わったらしい。なので、丁度いいと思い四人分の材料をぶち込んだ鍋焼きうどんを片手に部室へと訪れたのだが、部室のドアを開いたハゲ丸は思わず絶句した。何故ならそこには。

 

「ぎ、銀!? お前なんで椅子をベッドにして寝てんだ!?」

「お、おう……」

 

 入ってすぐに銀が義手を外した状態で椅子をベッドにしてぐったりとしていた。まるで海岸に打ち上げられたアザラシの如くぐったりとしていた銀だったが、その表情はナニかされたかのように恍惚としていた。正直に言えば情けない表情だ。

 特に誰かから襲撃を受けたわけではないだろう。仮に受けたとしても武闘派三人が揃っているこの部室に殴り込みをかけるのはただの自殺行為だ。ならば、一体何が。そう思い銀がこうなった理由を探そうと思い鍋を机の上に置いたのだが、直後に声が聞こえてきた。

 

「これで終わりっと!」

「あひゃああ!!? がくっ……」

 

 友奈の声と夏凜の声。それを聞いた瞬間、ハゲ丸はこの教室で何が起こったのかをすぐに理解した。

 部室の奥の方へと移動してみれば、そこには劇でやられ役をやる事が多い夏凜とハゲ丸が受け身の練習用に使っているマットの上でうつ伏せで力なくアザラシ化している夏凜とそんな夏凜に跨っている友奈の姿が。

 それを見れば一体この場で何が起こったのかはすぐに理解ができた。

 

「なんだ、マッサージしてたのか。あっちで銀がぐったりしてたから何事かと思ったぞ」

「あ、ハゲ丸くん。実は銀ちゃんが肩凝ったって言ってたから肩のついでに全身マッサージしてあげたんだ」

 

 友奈のマッサージは最早兵器レベルだ。彼女にマッサージをされた者は例えどれだけ女子力が高かろうとだらしない姿を見せ、その体の凝りの一切が取り除かれる。そしてそのマッサージを受けた者は例外なく天国を感じる事ができたと告げる。

 そんなゴッドハンドを持つ友奈のマッサージだ。特に普段から家事や子守りで体が凝りまくっているであろう銀と友奈のやることなす事全てに弱い夏凜ではこうなる事は最早必然とも言えた。

 友奈に一言労いの言葉をかけてから夏凜をそのまま放置し、ハゲ丸はぐったりしている銀の腹の上に乗って友奈と自分の分のうどんをよそい、二人でうどんを食い始めた。

 

「ぐえぇ……」

 

 なんか下からカエルが潰れたような女子力皆無な声が聞こえてくるが知った事じゃない。うどんの匂いを察知した夏凜が何とかマットから這い出ようとしてくるが友奈のマッサージによりダウンした夏凜は哀れ途中で力尽きた。

 

「話にゃ聞いていたが凄い腕だな……」

「えへへ~。マッサージは得意だからね」

 

 あの夏凜すらこんな事にするのだから得意と言う次元を超えているような気がしないでもないのだが、まぁこの際は考えない事にする。そろそろ座布団代わりにされている銀の抵抗が結構マジな物になっているので一度だけ立ち上がると、銀がハゲ丸の下から這い出てきた。

 

「ズラぁ……後でボコる……」

「まぁまぁ。ほら、うどん」

「許した」

 

 ゾンビのように這い出てきた銀ではあったが、ハゲ丸が差し出したうどんに全ての事を一瞬にて許し、置いてあった義手を軽い音を立てながら装着し、食べ始めた。うどん県民はうどんには逆らえないのである。

 

「俺は一回も友奈のマッサージ受けた事ないけど、そんなに凄いのか?」

「あれ? ハゲ丸くんにした事なかったっけ?」

「ほら、俺ってお前らが海に遊びに行ってる時所用で抜けてたから」

「そういえばそうだっけ」

 

 友奈が一番最初にマッサージの腕を披露したのは最初の散華前、夏凜を連れて勇者部で海に遊びに行った時だ。その際に友奈のマッサージの腕が露見したのだが、その時の様子を友奈が撮っていたためハゲ丸にも友奈のマッサージの腕が凄いという事は一応知っていた。それを実際に目にするのは初めてなのだが。

 とうとう夏凜が至福の表情で気絶したのを見て、やはり怖いもの見たさでハゲ丸も徐々に気になってきた。しかし態々頼むのも厚かましいかと思ってその気持ちを抑えてうどんを食べる。

 

「あ、どうせならハゲ丸くんもする?」

「え? いいのか?」

「うん。ハゲ丸くんだけしないのも何だか仲間外れみたいだし」

 

 とか思っていたら友奈の方からマッサージを申し出てくれた。特に態度にも出ていなかったため完全に友奈の善意百パーセントの提案だったため断る理由もなく、友奈の言葉にすぐに頷いた。

 地面で寝ている夏凜を椅子で作ったベッドの上に寝かせ、ハゲ丸はマットの上に学生服の上を脱ぎ、中に着ているシャツと学生服の下だけを着て寝転がる。

 

「んじゃ、友奈。お願いするわ」

「はいはーい! それじゃあ本気でいっくよー!」

 

 友奈が張り切った声を出してハゲ丸の肩に手を当てた。

 最初はくすぐったいレベルでソフトタッチ。まるで羽で擽るかのように優しく。くすぐったかったが、その内それも徐々に気持ちよさに変わり、何となく眠くなってくる。

 

「男の子のマッサージは初めてだし、ちょっと試しながらやるねー」

「おー……っほぉ!!?」

 

 直後、ハゲ丸を今まで感じたことのない極楽が襲った。

 

 

****

 

 

「ふぅ。結構凝ってたから念入りにやってみたよ!」

「ぐへぇ……」

「うわぁ……ズラがここまで煤けた顔してんの初めて見た……」

 

 友奈のマッサージはそれはもう極楽そのものだった。まだ男としての意地で情けない喘ぎみたいな声は出さなかった物の、思わず声が漏れてしまう程の極楽浄土を感じてしまっては終わった後、いつもの表情をキープする事ができなかった。

 暫くハゲ丸はマットの上に転がされていたが、暫くしてから自力で立ち上がり、いつの間にか復活してうどんを食べていた夏凜の横に腰を下ろした。

 

「うわー、肩とか背中とかめっちゃ軽い……」

「わかるわ。マッサージしてもらった後ってすっごい体軽いのよね。してもらってる最中がアレだけど……」

「それな。特に義手の方の腕って案外疲れるけどマッサージ受けたら」

 

 風や美森ですら極楽浄土故に喘いでしまう程の友奈のマッサージ。それになんやかんやでちょろい夏凜が耐えられるはずもなく。

 これは確かに気持ちいいが、あまり人にはオススメできない事を実感し、軽くなった肩を回し動きやすくなった首を回してから空になった鍋に蓋をする。今日一日は部室に充満するうどんの匂いは取れる事がないだろうが、まぁそれはいつもの事なので気にする事ではないだろう。

 

「好評のようでわたしも嬉しいよ~」

「まぁ偶にしてもらう分にはいいかもな。夏凜と銀は……まぁ人が居ない所でな?」

「その発言、一歩間違えればセクハラだかんな? まぁ自覚はあるから何も言い返せねぇけど……」

 

 マッサージの光景を見せずに声だけを聞かせれば確実にいかがわしい事をしているようにしか思えない。ハゲ丸の方はまだ聞かれても何とか誤魔化せる程度だが、夏凜と銀のは明らかに人様に聞かせちゃダメな声だった。

 さて、うどんも食べてマッサージも受けて心も体も充実した所でもう一時間もしない内に下校時刻だ。鍋を返してきて後片付けをして帰る準備をしないといけない。ハゲ丸が立ち上がると同時に、部室のドアが開いた。

 

「ただいま~。依頼終わったよ~」

「今日の依頼はちょっと骨が折れたわ」

 

 入ってきたのは依頼を終えた園子と美森だった。どうやら今の今までずっと依頼をこなしていたらしく、美森の顔には若干の疲労の色が見える。対して園子は笑顔なので疲れているのか元気なのかが判別できない。

 が、二人……というよりも園子を見た瞬間、銀とハゲ丸が悪い笑顔を浮かべた。

 丁度ここにラスト一人、友奈のマッサージを受けてない者がいるじゃないかと。

 

「おう、お帰り園子。早速だけど友奈のマッサージでも受けてみないか?」

「さっき俺達も受けてみたけどすっごく気持ちよかったぞ」

 

 と、言いながら二人が園子を両隣から拘束。逃げられないようにした状態でマットの上へと連行を始める。

 いきなり連行された事に園子が困惑しているが、二人が何をしたいのか気が付いた美森も悪い笑顔を浮かべて友奈に近づく。

 

「友奈ちゃん。そのっちったら最近、大赦の方で忙しいらしいのよ。だから、マッサージしてあげてほしいの」

「え? そうなの? なら気合を入れてマッサージしてあげるよ!」

「ちょ、え? マッサージ? ミノさん、ズラっち、わっしー? なんでそんなわっるい笑顔浮かべてるの? ねぇ話聞こう? まぁまぁじゃなくて人は話をしないと意見を交わせない生き物なんだよ?」

 

 園子の抗議なんて聞かず、ハゲ丸と場所を交換した美森が銀と協力してマットの上に寝かせ、その上に友奈が跨る。未だに状況の理解が完全にできていない園子は困惑の表情をずっと浮かべている。

 

「いや、そのわたしマッサージとかは特に……」

「それじゃあいきなり全力で行くよ! えいっ!」

「ひゃあんっ!?」

 

 そして困惑していたがために何の準備もしていなかった園子の背中に友奈の手が伸び、彼女のツボを押したところで園子の珍しい声が漏れた。すぐに口を抑えて怪訝な目で旧友共の方を見る園子だったが、その旧友共はすっごい悪い笑顔を浮かべた状態でニヤニヤしている。

 こ、こいつら……! と園子の内心が尋常じゃなくなるが、それを友奈のゴッドハンドは逃がさない。彼女のゴッドハンドは対象をほぐしつくすまで逃がさない。

 

「おっ、凝ってるねぇ園ちゃん。じゃあこっちも改めて気合入れないと!」

「ちょ、ちょっと待とうゆーゆ! これなんか変にきゃうっ!?」

 

 流石の園子様でも友奈のゴッドハンドの前では無力のようで揉まれる度に可愛らしい声が口から漏れる。その様子をニヤニヤしながら動画で記録する銀と写真を撮る美森。そろそろマズいから寝ていましょうねと夏凜にボコられ気絶したハゲ丸。

 

「じゃあ次はこのツボをっと!」

「あっ、ゆー、ゆぅ……! やぁぁ……はず、かしぃぃ……」

「園ちゃんすっごく凝ってるなぁ……よいしょ、っと!」

「にゃあっ!? あうぅ……あっ、ひっ、ふぁあぁ……んぅっ、にゃぁっ……」

 

 園子の嬌声が響く。明らかにマッサージではなく何か如何わしい事をしているような感じになっているが、友奈はそんな事に気が付かないし、それに気が付いている園子も友奈のマッサージの前では無力だった。

 そんな声出したら行けないと分かっていても出してしまう。余りの心地よさに思わず声が漏れてしまっている。

 

「こことか結構凝ってる、よね!」

「ひぐっ!? そ、そこは……」

「こんなに硬くなって……もうちょっと自分の体を労わらないと」

「そ、んなこと……あっ!? ひぃ、あぁぁ……」

 

 園子の体に友奈の指が食い込んでいく。その度に園子の嬌声が響き、勇者部室の中で若干いやらしい感じの雰囲気が流れる。

 そろそろ止めないと本格的に色々とマズい気がしてきたが、それでも止めることは無い。何故なら園子がここまで煤けた表情をするなんてまず無いからだ。

 

「やっ……そこ、もうぅ……」

「そんな事言って、園ちゃんの顔、気持ちよさそうだよ?」

「そうぅ……だけっ、あぁっ!?」

 

 友奈の指が園子に食い込むたびに園子からは嬌声が漏れていく。

 凝りが解され今までマッサージチェアなどでは得られなかった快感が園子を襲う。

 

「でも、これならすぐに解れそう……!」

「やぁ!? ゆ、ゆーゆ、もうほんとに……!!」

「それに、もっとこうして!」

「んいぃ!?」

 

 もう駄目だ。理性では抗っても体が友奈の指を求めてしまっている。

 これ以上自分に醜態をさらさせないでくれ。そう思う反面、しかしもっともっと凝りを解してほしいと友奈の指を求める。

 

「あんまり時間も無いから一気にこうやって……!!」

「あっ!? それらめっ……! もうたえられ……!」

「そぉれ!!」

「イィィっ!?」

 

 そして園子は友奈のマッサージの前に倒れ、そのまま煤けた表情で光の無い瞳で天井を見ていた。

 そんな園子の痴態は銀の携帯と美森のカメラに見事に収められているのであった。

 

 

****

 

 

「ありがとね~。おかげで体がすっごく軽いんよ~」

「園ちゃんが満足できたならよかったよ! でも、東郷さん達は……」

「あぁ、あれはお仕置きだから気にしなくていいよ~?」

 

 そしてマッサージは無事終わり、暫く園子は年頃の女の子がしちゃダメなような恍惚とした表情をしていたのだが、復帰して早々に園子は軽くなった体で旧友共にお仕置きを仕掛けた。

 美森は現在進行形で窓の外でミノムシみたいな状態で吊るされ、銀は先ほどどこかに連れて行かれたっきり戻ってこない。そしてハゲ丸は冷蔵庫の中に収納されて今ももがいているがついさっきから静かになった。まぁ死ぬ事はないと分かっているので友奈もそれ以上の詮索はしなかった。ちなみに夏凜はそんな修羅と化した園子を見てそっと退散していった。

 

「それじゃあゆーゆ、もう帰ろっか」

「え、それなら東郷さん達を」

「大丈夫大丈夫。マッサージのお礼とかしたいから二人で帰ろ?」

「そ、園ちゃんがそう言うなら……」

 

 そして友奈と園子の二人は部室から出ていった。寒空の下ミノムシ状態の美森と現在進行形で冷蔵庫で冷やされているハゲ丸を残して。

 

「……寒いわ」

『……俺も』

 

 ちなみに銀はこの数時間後、学校の敷地内の木の下に埋められているのを誰かが発見し掘り返されたが、美森とハゲ丸は翌日までこのまま放置されていた。

 その仕返しとして園子がマッサージを受けている最中の動画と画像が勇者部内に出回り、また三人が折檻を受ける事になるのだが、それはまたどうでもいい話だ。




まさかこの小説を書いている中でそのっちの喘ぎ声っぽい台詞を書く事になるとは思いもしなかったよ。ちょっと前にR-18のオリジナル書いていたのが変な所で役に立った……w

という訳で今回は友奈ちゃんのゴッドハンドのお話でした。とりあえず誰かを喘がせたかっただけ。そのとりあえずで犠牲となったそのっちと男がマッサージ受けるところなんて誰得だよという事でカットされたハゲ丸くん。当たり前だよなぁ?

なんか久々にエロが書きたくなったようなならなかったような。なんか要望とかあったらそのっちのマッサージの所とかちょっと加筆するかも。

次回は特にネタが思い浮かばなかったらのわゆ編に入るための話を一つ書いてレギュラーキャラに一人とあるキャラをぶち込むかも。まぁこの話を先にやったところで特に困ること無いからね。
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