サブタイトルは汚染開始と書いてようこそ勇者部へ。と読む。
今回で本当にぐんちゃん中心な話は一旦終わりになると思います。ぐんちゃんよ、これが勇者部だ。
千景を園子が家に迎え入れ居候とした事は、実は千景が風呂に入ってすぐの時に勇者部共有のSNSにて通達された。隠しておく事でもないし、園子にも少しばかり考えがあったからだ。
直後に風呂落ちした園子の代わりにハゲ丸がその経緯を八割方隠蔽して説明した。その内容は、園子の昔の……それこそ美森や銀と会う前に一度だけ会った事のある遠い親戚の子が今回の神樹様の消失による煽りを受けてネグレイトされていたため、園子が自ら引き取ることにした、という感じだ。かなりオブラートに包んだ上に過去から拉致してきたなんて事は一言も言ってないので、風呂から出た千景にそこら辺の話を合わせてもらう事になったのだが、千景自身過去から来たなんて言えないのですぐに了承。自分の設定を何とか暗記した。
その日、園子は千景を抱き枕にして安眠に入り、千景は最初は甘んじてそれを受け入れていたが、園子の涎が思いっきり顔に垂れてきた辺りでちょっとイラッときて園子からそっと離れたのは蛇足だ。
そして翌日。
「それじゃあちーちゃん。昨日説明した事覚えてるよね?」
「えぇ……園ねぇ達の授業が終わるまで……ここで勉強、よね……」
「そうそう~。大赦っていう組織の人に家庭教師をお願いしてるから、その人に勉強を教わってね~」
「……やっぱり勉強は、しなきゃダメなのね……」
「さすがにね~? で、終わったらわたし達の部活に合流だよ~」
「……コミュ障には……辛いわ」
千景と園子は同じ通学路を歩くこととなる。まだ千景は小学五年生なので流石に讃州中に編入という訳にもいかなければ戸籍やら何やらの準備ができていないので小学校に編入させることもできない。
なので、千景の戸籍の偽装が園子の手によって終わるまで千景は園子の家でとある大赦の職員に家庭教師をしてもらう事となった。
そして勇者部の部活が始まる時に合うように讃州中学に来て勇者部の部活に混ざることとなる。それが平日の千景の一日になると言った感じだ。
小学校に編入できないため、もしかしたら合法的に園子の部屋で四六時中ゲームに励めるかと思ったらこれだ。ちょっとばかり千景のテンションがその時は上がったのだが、直後にその代案として家庭教師をつけると言われたのでそのテンションは一気に下降したのは言うまでもない。
園子による千景の一日の予定のすり合わせを終わらせると、丁度その時に園子の部屋のインターホンが鳴った。はいはい~、と園子がちょっとご機嫌な声を出しながら玄関のドアを開けると、そこには仮面を被り、神官のような恰好をした一人の女性が居た。
「ご要望に応じて参上しました」
「もう、安芸先生ったら~。前みたいに接してって言ってるのに~。仮面も取ってって言ったでしょ~?」
「……わかりました」
その女性の事を園子は知っているらしく、名前を呼んだ。千景が思わずその仮面にビックリして物陰から様子をうかがっていると、女性はその仮面を取った。
その下から現れたのは片目を眼帯で隠した眼鏡の女性……園子の恩師であり元神樹館小学校の教師、安芸先生だった。大赦の職員でありながら園子が信頼でき、小学生の家庭教師ができる人材として安芸先生はこれ以上ない人材だった。なので園子の権力でちょちょいのちょいと安芸先生を家庭教師として動かすことにした。
なお、安芸先生は何故かボロボロで千景は思わず首を傾げた。
「まだ防人の子達から受けた報復の傷、治らないんですね~」
「……流石に千景砲の傷はそう簡単に治りません」
千景。その言葉に園子がうん? と首を傾げたが、多分漢字にすると泉慶とかそんな感じだろうと思い、園子は合鍵を安芸先生に渡すと入れ違いで外へと出た。
「じゃあ安芸先生、わたし達と同じ感じでちーちゃんの事、頼みますね~。あと、わたしにも前みたいに接してくださいね~? これはわたしの権力での命令ですので~。破ったら……分かってますよね~?」
「……はぁ。わかりました。全く、乃木さんには適う気がしないわ。そう言われると従うしかないじゃないですか」
「ふっふっふ~。強すぎる権力も使いよう、なんですよ~?」
「はいはい。早く行かないと遅刻しますよ?」
「は~い。じゃあちーちゃん、ちゃんとお勉強してね~?」
園子と安芸先生はかつてのように会話をした後、走って園子が讃州中へと向かう事によって会話は終わった。
そして園子の代わりに安芸先生が部屋の中に入り、靴を脱いで中に入り、おっかなびっくりしていた千景の前に立ってから目線を合わすと自己紹介をする事とした。
「初めまして。私はあなたの家庭教師をすることになった安芸って言います。あなたの名前は?」
「……郡、千景」
「郡さん、ね。短いか長いかは分からないけど、よろしくね?」
「……はい」
そんな感じで自己紹介をした二人は暫く世間話をした後、しっかりと勉強を始めるのであった。
ちなみに千景は勉強については優秀であり、案外早いうちにその日の内に教える予定だった事を教え終わってしまい、暇になった二人はパーティーゲームをしたりして残った時間を過ごしていたりしたのだが、きっと雇い主にバレると色々と面倒になるという事で二人だけの秘密となった。
千景が勉強を案外早く終わらせた背景には、千景がクイズゲームだったり歴史もののゲームの背景を調べたりで同年代の少年少女よりも知識量が多かったのが所以する。インドアな趣味も使いようである。
****
そして放課後。千景を乗せた安芸先生の車が讃州中の駐車場で待っていた園子とハゲ丸の前に止まった。
「あれ? 安芸先生?」
「ちーちゃんの家庭教師だよ~」
「それ、安芸先生の事だったのな。そりゃ園子も安心して預けられる訳だわ」
その時に安芸先生を見たハゲ丸とニコニコしている園子の間でそんな感じの会話が成されたのだが、安芸先生本人は丁度車を停車させている最中だったのでその会話を聞くことはなかった。
そして安芸先生の車から少しの私物をトートバッグに入れた千景が降りてくると、安芸先生も車から降りてきた。
「それじゃあ乃木さん。今日の私の仕事はここまでね」
「はい、ありがとうございます~。それじゃあ契約通り、この後は帰ってもらっても大丈夫ですよ~」
「じゃあお言葉に甘えて。しかし、まさか教え子が上司になって雇い主にもなるなんて二年前は思ってもいなかったわ」
「人生は分からない物ですよ~?」
困ったように笑う安芸先生だったが、自分の持った生徒が立派になった事には喜んでいるようでその顔には笑顔が浮かんでいた。その笑顔の中には大赦の職員となってから一度もなかった定時よりも早い時間での帰宅という現金な要素もあったりするのだが、それを園子が知る由もない。
立場は違うが、また教師として子供に勉強を教えられたことに達成感や満足感を感じている安芸先生はそのまま笑顔で車に乗り込むと、そのまま去っていった。そして駐車場に残るのは園子、千景、ハゲ丸の三人。
「しっかしまさか安芸先生が家庭教師かぁ……ちーちゃん、安芸先生との勉強はどうだった?」
「あっちの先生より……優しくて、教え方も上手かった……」
「あっちは底辺中の底辺で安芸先生は教師の中の教師だしな。俺達の恩師だし」
子供を苛める事に違和感を持たない教師と勇者を導いた教師なんて天と地どころか比べる次元が違う。
千景の言葉の背景には一緒にゲームで遊んでくれたり、一緒に昼食を食べに行く時、姉や母のように接してくれたことがあるのだが、まぁ園子に話すと確実に混ざりに来て色々としっちゃかめっちゃかになるのは目に見えているので園子も側にいる現状、こうしてオブラートに包んでお茶を濁すしかなかった。
二人は千景を連れ、校舎の中へと入る。千景は持ってきたスリッパに履き替え、園子とハゲ丸は上履きに履き替え部室棟に向かって歩いていく。千景は初めての中学校に視線を忙しなく動かしており、園子とハゲ丸はそんな千景がはぐれないように左右で千景を挟んで歩く。
「あれ? 乃木さん、その子は誰?」
「わたしの親戚の子~。勇者部に見学なんだ~」
「藤丸、まさかその子って攫ってきたんじゃ……」
「お前とは一旦お話が必要なようだなぁ!?」
そんな感じで校舎を歩いている中、千景の事を見つけた二人の知り合いが結構な割合で話しかけてきたのだが、その全員が最後は笑って頑張ってとだけ千景に言って去っていく。その頑張ってという言葉には勇者部という濃すぎる集団に気圧されないようにね、という意味が含まれているのだが、千景はそれに気が付かない。
先生にも既に話は付けてあるので先生が通ってもあぁ園子が話にあった、となる程度で特に何も言われない。これに関しては勇者部がやってきた事の功績とそれに対する信頼があるため、部外者を呼び込んでもその程度で済んでいる。
そんな裏もある話がありながら、三人は勇者部の部室へ。
「ここが勇者部の部室だよ~」
「……そういえば、勇者部って……何する部活なの?」
「ボランティア部みたいなもんだよ。人のためになる事を勇んでやる部だ。ほら、みんな待ってるし入っちまおうぜ」
勇者部の説明をかなり簡単に済ませたハゲ丸は特にノックもなく部室の中へと入る。
そして勇者部室の中では――
「よくもあたしのにぼしを食ったわねぇ!!」
「ちょ、ロメロスペシャルはやめぐえええええ!!?」
「そんなお姉ちゃんのお腹の上によいしょっと」
「いつきあんたああああああ!!?」
「おーおーやってるやってる」
「ねぇ、友奈ちゃん。今日のパンツの色は何色?」
「ピンクだけど……なんでそんなこと聞くの?」
「ちょっとしたアンケートよ」
「へぇ~、そうなんだ~」
「いや自重しろやクソレズぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
カオスが繰り広げられていた。
ロメロスペシャルを風に叩き込んでいる夏凜と、そんな風の腹の上に乗り更に風に対して苦痛を与える樹。そんな信号機トリオを肴にどこからか持ってきたポテチを齧る銀。そして友奈を騙してセクハラを決め込む美森。
あーもう滅茶苦茶だよ。少し目を離した間にいつものフリーダムが炸裂している勇者部に園子が顔に手を当ててやっちまったと言わんばかりの溜め息を吐き、ハゲ丸がセクハラを決め込んでいる美森の側頭部にドロップキックを叩き込んで吹き飛ばし、プロレスタワーを建築している信号機トリオ諸共吹き飛ばした。
そして千景はあまりのカオスに目が点になっている。
「いったいわねハゲ!! 私が何したって言うのよ!!」
「友奈にセクハラしてたろうがこのクソレズ!!」
そしていつも通りになる美森とハゲ丸。
ついでに。
「よくもやったわねハゲ丸ゥ!!」
「いったた……樹、一緒に八つ当たりよ!」
「いつものだね、お姉ちゃん!!」
「えっ、ちょ、お前らアレは俺のせいじゃねぇだろおおおぉぉぉぉぉぉおぉぉ……」
ハゲ丸が怒れる夏凜、とりあえず救出こそされたが八つ当たりがしたかった風、なんとなくで参加した樹の手によって窓の外へとフライハイした。いつもよりもスピーディーに窓の外へと飛翔したハゲ丸だったが、ようやくそれに気が付いた千景が再起動した。
「えっ……ふ、藤にぃ!?」
「ありゃ? もうお客さんが来てたのね。来たなら来たって言いなさいよ、乃木」
「あの空気で言えないよ~……」
窓から捨てられたハゲ丸を見て顔を真っ青にしながら開いた窓からハゲ丸が飛んでいった方を確認する千景。そしてハゲ丸が窓からフライハイするの何ていつも通りの事なので特に悪い事をしたという顔はせずに園子に話しかける風と、あーもうこれ駄目かもわからんね、と全てを諦めた顔をする園子。
いつもの勇者部のテンションに千景がついていける訳がないので、園子は千景を連れて行くから普段よりも控えめのテンションで、と言ったのにこれである。どうやら発端は風が夏凜のにぼしを食ってしまった事らしいが、美森については一切擁護ができないので美森が持っていたメモを奪い取ってゴミ箱にダンクする事でその怒りを一旦静めた。
「あんたが園子の言ってたお客さんね。アタシは現勇者部の部長、犬吠埼風よ。よろしくね?」
「え、あ、はい、よろしく……じゃなくて、今藤にぃが窓から……!」
「あー、いつもながら酷い目にあった」
「えっ!? 藤にぃ……えっ!?」
そして何事もなかったかのように自己紹介をする風に乗せられる千景だったが、すぐにハゲ丸が明らかに大怪我間違いなしのフライトをした事を話そうとしたが、直後にちょっとボロボロになっただけのハゲ丸が戻ってきた事で更に千景が困惑。
まさか兄代わりが部員達に殺人未遂されたと思ったら何事もなかったかのように戻ってくるという非日常的な日常を見て千景の頭がそろそろキャパオーバーを迎えようとしている。
「ちーちゃん。これが勇者部の日常だよ」
「……げ、芸人集団かなにか?」
あながち間違ってはいない千景だった。
****
そんな感じのゴタゴタが一番最初にあったものの、なんとか落ち着いてこれが勇者部という事を
その際に友奈が。
「えっと、確かぐんちゃんだったよね! わたしは結城友奈。よろしくね!」
「ぐん……? もしかして、苗字……?」
「あれ? だってあれぐん、って読むでしょ?」
「……一応、郡です。群とは漢字、違います……」
「あれぇ!? みんな、昨日聞いた時はそれで合ってるって言ってたよね!? もしかして騙したのぉ!?」
『面白そうだったし』
「ひどいよ~!!」
そんな感じのやり取りがあったのだが、それ以外は大体千景に自分の名前を教え、千景も改めて自分の名前をかなり言葉を詰まらせながらもいい終わり、ついでに趣味も紹介してから自己紹介は一旦終わった。
今日は千景が来るという事で依頼を入れなかったため、今日の仕事は千景との交流という事になる。これは園子から直々のお願いであり、恐らく今まで友達ができなかった千景をこの面白おかしい勇者部で楽しい気持ちにしてあげたいという言葉に全員が同意したことで普段は忙しい勇者部が全員今日一日、ここに集合する事となった。
こうして放課後、全員が暇な時間は二週間ぶり位なので、本当に久々に勇者部員全員がまったりできる時間だったりする。
「まさか園子にこんな人形みてーな親戚が居たなんてな。アタシ、初耳だわ」
「私もよ。それに、何だかこの子からは同族の気配が……」
「まぁ色々とありまして~。あと、わっしーは変な事教えたら………………」
「教えたら、何!? 何も言われないで笑顔なのが一番怖いのだけど!!?」
どうやら美森のレズ特有の同族感知に千景が引っかかったようだが、きっと美森から何か変な事を教えられることは無いだろう。だって何されるか分からないし。
そして件の千景は。
「え? 千景ちゃん、エクバやってるの? 階級は?」
「……一応、元帥」
「ひぇっ……こ、今度介護してくれないかな……? わたし、万年銅プレで……」
「いいです、けど……持ち機体は?」
「マックナイフだけど」
「ふっ……」
「鼻で笑われた!? マスク大尉カッコいいじゃん! っていうか千景ちゃんは!?」
「リガとアレックス。あと環境機体一通り。マックナイフなんてカモ」
「クソ機体かガチ機体しか乗ってない!!?」
どうやらそっち系の趣味で真っ先に樹と話が合ったらしい。ちなみにこうなった理由は樹がいつも通りプラモを作ろうとした際、千景がそれをジーっと見ていたからだ。
なお、今日樹が作っていたのはレッドフレーム改である。
コミュ障の人間特有の、自分の趣味に関しては結構話せるという特性が上手い事噛み合った上に樹とはこの中で一番年齢が近い事もあり、結構すんなりと友人同士になれたらしい。
そんな二人を見て、夏凜はにぼしとサプリを布教してみようと思い立ち、千景に話しかけに行った。
「ねぇ、千景。ちょっと……」
「あ、確か……Hi-νさん……?」
「樹ィ!!」
「やべぇ逃げなきゃ」
そして千景に余計な事を教えた樹が夏凜に追われて逃げ出し、そのまま部室の外へ。直後、樹の悲鳴に似た声が聞こえてきたので折檻を受けているのだろう。
なんだか騒がしいなぁ、とは千景の感想。
そうして困惑する千景の元にうどんが一杯届けられた。え? とうどんを差し出した人を見ると、そこには笑顔の風と銀が立っていた。
「まぁまぁ千景。うどんでも食って一旦リラックスしましょ?」
「騒がしい赤と緑がごめんな?」
勇者部の姉御担当である二人は自分の分のうどんも片手に千景の隣に座り。
「えっと……確か、女子力魔神さん、と……銀さん?」
「樹ァ!!」
風が千景から聞いた樹の悪戯に反応して外へと走って出ていった。直後に怒声が二重奏となり樹の悲鳴が更に聞こえてきたので思いっきり折檻されている事だろう。変に生意気になってしまった樹の自業自得である。
えぇ……と千景が再び困惑。流石にこのテンションにしょっぱなからついて行ける人間は恐らくこの世界に存在しないだろう。
銀の苦笑を聞きながら千景が貰ったうどんを一応食べていると、風の代わりに隣には美森が。そして正面には友奈と園子が座った。先代女子組+友奈が呆れた顔をしながらまたどうしてか持っているうどんを食べながら千景に話しかける。
「騒がしくてごめんなさいね?」
「い、いえ……」
「犬吠埼姉妹もアレだよなぁ。なんつーか、親しみやすいけど色々とネジが外れてるっていうか」
「外れてるのはイっつんだけだと思うけどね~」
「でもこれぐらいの方が楽しいよ?」
サラッと園子からやべーやつ扱いされている樹ではあるが、誰もそれについて触れないあたり共通認識なのだろう。
そのやべーやつ扱いされた樹が部室の外で折檻を受けている中、千景はうどんを啜りながらも勇者部の会話を聞いている。どうしてみんなでうどん食べているの……? と疑問を浮かべない事もなかったが、後日千景は勇者部が裏ではうどん部と言われているのを聞き、その理由に納得するのであった。
ハゲ丸がうどんを食い終わった後のデザートとしてケーキを切り終え、改めて自分の分のうどんを食べようとした。その時。
『あーっ! あーっ! 腕はそっちに曲がらないよお姉ちゃん!! 足はそっちに曲がりませんよHi-ν先輩!! ちょ、やめっ、いだだだだだだだ!!?』
樹のそんな声が聞こえてきた。
そして数秒の沈黙。千景がこれマズいんじゃ、と思ったその矢先。
「デンデデッデデレデンデデッデデレデンデデッデデレデンデデッデデレヘエーエ エーエエエーエーエエー ウーウォーオオオォーララララ ラァーアーアーアーナァォォォォ」
『!?』
「ぶっ!!? えふっげふっ!?」
樹が熱情の律動を歌いながら風と夏凜を従えて教室へと乱入してきた。まさかの熱情の律動に思わず千景がうどんを吹き出し笑いを必死にこらえる。
「オォォォォサウェェェアァァァァ アァァァァ アァァァァ アァァァァイェェェェェェェェェゥゥアァ…」
「ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー」
「アノノアイノノォオオオォーヤラロラロラロリィラロローラロラロラロリィラロヒィーィジヤロラルリーロロロー」
そんな千景を一瞬で犬吠埼姉妹&夏凜が変な踊りをしながら取り囲み、熱情の律動を歌いながらそのまま胴上げを始めた。どうやら熱烈歓迎の意味らしいが、人力で熱情の律動を歌いあげる三人にそろそろ千景の腹筋がブレイクされかけている。
樹はともかく、まさか普段はツッコミ役の風と夏凜が一瞬でボケに転じたため呆然としてしまう勇者部達。千景を胴上げして一通り熱情の律動を歌い終わった馬鹿三人はそっと千景を下ろすと、いい汗かいたと言わんばかりに額を袖で拭い。
「どうだった? アタシ達の歓迎は」
「馬鹿じゃねぇの?」
「ちーちゃんに変な事教えないの!」
銀からの辛辣な言葉と園子からの乱れ雪月花と無双三段をくらい、馬鹿三人は暫く気絶する羽目となった。
ちなみに、千景は暫くの間真顔で自分を取り囲んで情熱の律動を歌いきった馬鹿三人のせいで腹筋を破壊され、蹲って一人で盛大に笑っていたのだが、それはどうでもいい事だろう。
自分はロマサガ、3しかやった事ないです。当時中学生の自分にとって昔のRPGはクッソ難しかったです。
そんなワケでぐんちゃん合流編は本当にこれで一旦おしまい。次回からはまた日常的な話を数回挟んでから本格的にのわゆ編へと移行していきたいと思います。多分次回からの話は勇者部所属の話から幾つか抜粋してきたり、特典ゲームの話を抜粋してきたり、なんかオリジナルでやらかします。