ハナトハゲ   作:黄金馬鹿

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今回からはぐんちゃんも混ざって日常的な話ですぞ。

仮面ライダーウォズの変身音がどうしてか頭にこびりついて離れない。あのOPで怪文書披露したやべーやつめ……(別人


いつも通りにいきましょう

 結局の所、千景は勇者部の名誉部員としてカウントされる事となり、現状勇者部は正式には八名のままだが名誉部員が一人混じった合計九人となった。一応名誉部員というだけなので千景に対し勇者部の活動に混ざるような強制は無い物の、千景は二週間もすればボランティアに結構な頻度で参加する事となった。

 その理由は。

 

「……ちょっと、体重が……ご飯が美味しくて……」

 

 禁煙成功したオッサンみたいな事を言っているが、今まで手作りのご飯なんて食べてこなかった千景にとって藤丸の料理は今まで食べたどんな食事よりも美味しく、結構な量を食べてしまった。

ついでに園子も結構な頻度……それこそ二日に一回とかその頻度で彼の家に食事を食べに行くので千景も勿論それについて行き食事をご馳走になり、ついでに部室でも色々と食べているので千景の体は成長期という事もあり栄養満点愛情満点の料理によって徐々に……となってしまった。

 小学生とは言えもう思考回路は立派な女の子。そんな千景が運動を兼ねてボランティアに積極的に参加するようになるのに時間はかからなかった、のだが。ボランティアをした先で小学生な上に一番小さいという事もありお菓子などを貰う事がそこそこある千景の体重は差し引きトントンみたいな感じになっていたりいなかったり。

ちなみに友奈と樹の重い愛情を受け止めている組が唯一の理解者だったりもする。二人とも体重と体型の維持に必死なのだ。

 と、こんな感じで千景の混ざった勇者部はそういった細かい問題を除けばほぼほぼいつも通り。マスコット枠が一人増えた感じだ。

 そんなある日の休日。

 

「なんつーか、今日もこれまた珍しい組み合わせだな」

「あー、確かにそうですね。わたしとハゲ先輩の二人だけもあまり無いですし、そこに千景ちゃんが混ざってますからね」

「……ゲーセン組」

 

 樹、千景、ハゲ丸の三人は偶々暇だったのでゲーセンにでも行こうという事になり、三人でゲーセンに訪れていた。

 ハゲ丸は先日、亜耶にメダルを四桁単位で渡した通り、そこそこの頻度でゲーセンに来てはメダルゲームを中心にやっており、樹はアーケードの、特にガンダム系のゲームを好んでやっている。対して千景は、アーケードゲームもメダルゲームも触っており、その殆どで好成績を残すゲーマーっぷりを発揮している。

 千景が住んでいたあの村から一番近いゲーセンのスコアの一位にはパンチングマシーンなどの肉体を使うようなゲーム以外は全てCシャドウとなっているのは完全なる余談だ。

 

「さて、んじゃ俺はメダル増やしてっから、二人は適当に遊んで来い。金無くなったらメダルやるから」

「りょーかいです。それじゃ、千景ちゃん。介護お願い!」

「わかり、ました……」

 

 そして千景と樹が共にガンダムの筐体があるコーナーへと歩いていき、ハゲ丸は一人メダルゲームの方へと行きメダルを引き下ろす。

 千景と樹の二人は丁度筐体が二つ空いているのを見てからそこに隣り合って座り、百円玉を投入し、千景は新品の、樹はいつも使っているデータ登録カードを認証させて協力プレイでプレイを開始する。

 

「……樹さん。藤にぃを……ハゲ先輩って、呼ぶの……どうしてですか?」

「え? 普通にハゲてるからだけど……」

「……髪、あるのに?」

「あれ? 知らないんだ。まぁその内分かるよっとと!?」

 

 そんな感じで会話をしながら二人で……というか千景が敵を蹂躙していく。

 この前作の家庭版を既に千景は予習済みなので、環境機体を調べて武装を調べれば後は実戦でどうにかこうにかする事はできた。

 ちなみに千景のお小遣いは園子から嘘八十パーセントの事情を聴いた彼女の両親から与えられており、園子よりは確かに少ないが、しかし小学生が持つには十分すぎるほどのお小遣いが千景に与えられているのでお金の心配はほぼほぼしていない。

 そんな事はつゆ知らず、あまり負けたらお金が溶けるので足を引っ張らないようにと樹がなんとか頑張る物の、環境機体でクソゲーを押し付ける千景がその前に全てを蹂躙していくため、最早樹はいるのかいらないのか分からない程になっていた。

 

「大丈夫……全部私が、倒すわ……!」

「頼もしいけど年上として情けないよぉ~……」

 

 千景ことCシャドウと樹こと歌う木霊はほぼほぼ千景のおかげで連勝に連勝を重ね、三十分ほどで連勝の上限に達し、二人は一旦休憩という事で席を離れた。

 

「千景ちゃん、ホントに上手いね。流石元帥……」

「……前もってたカード、使えないから証明……できないけど……」

 

 一応西暦版のこのゲームでもトップクラスだった千景にとって、神世紀と時代が変わってもゲームシステムが根底から変わっていないのなら樹と同程度の腕しかない相手を蹂躙する程度、難しい事ではなかった。

 環境が変わってもゲーマーとしての腕に一切衰えは無し。それどころか栄養失調気味だった千景が栄養を得て健康的になった上に精神的にもかなり安定しているので彼女はこっちに来る前よりも強化されていると言っても同義だった。

 

「でもこのまま寄生しているのもなぁ……千景ちゃん、後で色々と教えてくれないかな……?」

「別にいい、けど……まずは半覚……吐くこと。流石にE覚全抜けは……擁護、できない……」

「で、ですよねー……」

 

 そんな事を話しながらも再び席に座った二人はまた改めてゲームをプレイするのだった。

 それから二時間くらい経った頃、二人は連勝に連勝を重ねて満足げな表情をしながらメダルをほんの少しだけ増やす事に成功したハゲ丸と合流するのであった。

 ちなみにその後、千景の手によってハゲ丸のメダルは倍以上まで増えた。やはり千景は勇者部の中でゲームの腕は最強なのであった。

 

 

****

 

 

 これまたあくる日。この日は勇者部全員が園子の実家にお邪魔していた。

 これだけ聞くとかなり突拍子もない事ではあるが、その理由は友奈にあった。

 それは友奈が美森に発した言葉から始まった。

 

「東郷さん、今度一緒に服買いに行こ~?」

 

 友奈にとっては友達とのお買い物。美森にとってはデートのお約束である。それを美森以外の誰も聞かなかったらまだこんな事にならなかったのだが、運が悪いのか良いのか分からない事に、美森の側には園子が居た。

 友奈のその言葉を聞いた瞬間、園子の顔が輝き、美森の顔がやっちまったと言わんばかりの表情になった。

 

「それならわたしにお任せあれ~!」

 

 目をしいたけにした園子がそう言い、あれよあれよという間に予定は決められていき、結果的に友奈と美森は園子の実家にお呼ばれされた。

 ついでに。

 

「……どうして皆まで」

「こんな面白そうなイベントをアタシ等が逃すと思うか?」

「ですよねぇ……」

「わたしはみんな一緒で嬉しいよ!」

 

 勿論こんな面白そうなイベントは勇者部内で一気に拡散され、結果的に勇者部が全員参加の一大イベントと化したのであった。ちなみに、ハゲ丸だけはその日のお昼を作る役として召集されたので一応大義名分はあったりする。

 そんなこんなで着いた園子の実家。階段を上り見えた大きな門の前では既に園子と千景が何故か女中さんの格好をして待っていた。園子は笑顔だが、千景の顔は恥ずかしいのか少しだけ赤い。

 

「待ってたよ~。ささ、入って入って~」

「ど、どう、ぞ……」

 

 生き生きとした園子と恥ずかしがる千景。どうやら千景の方はあれよあれよという間に園子の手によって着替えさせられたらしい。美森がどうしてそんな恰好を……と呆れているが、銀はそんな突拍子もない園子には慣れているのか苦笑するだけ。彼女達の親友はエキセントリックなのである。

 そんなエキセントリックな親友の後ろを着いていけば、二人にとっては懐かしい、銀が着せ替え人形にされた思い出の衣装部屋に到着した。

 

「ここに来るのも二年ぶりね」

「あの時は須美だけが着せ替え人形に……」

「記憶を改竄しても無駄よ?」

 

 と、銀が思い出を改竄しようとしていたが、美森の携帯にはバッチリと二年前に彼女が撮影した着せ替え人形と化した銀の姿があった。颯爽と銀がそれを奪いにかかるが、美森がそれを残像を出しながら移動して躱し続ける。

 

「この人達に……常識なんて、もの……ないのね……」

 

 それを見た千景が悟ったような表情をしたのだが、園子もハゲ丸も何も言い返せないので悟らせたまま放っておくことにした。

 

「よし、そんじゃあ今から友奈の服選んで、一番似合ってた人が優勝よ!!」

 

 そして、風がいきなり友奈の服装選び選手権の開催を宣言し、信号機トリオと銀が友奈の服を選ぶために広い衣裳部屋のクローゼットの中を確認しに散っていった。

 残されたのは友奈、美森、園子、千景、ハゲ丸の五人。

 

「んじゃ、ちーちゃんは俺と一緒に行動って事で」

「わかったわ……」

 

 ハゲ丸も千景という特別アシストを連れて服を見に行ったので残ったのは友奈、美森、園子の三人となった。三人は用意されたお茶を啜りながらお茶菓子としてぼた餅を食べつつみんなが服を持ってくるまでの間を暇に過ごしていた。

 

「そういえばゆーゆっていっつもわっしーと服を買いに行ってるの~?」

「いつもじゃないよ。でも、基本的にお母さんか東郷さんと一緒かなぁ。わたし、服選びのセンスが悪いらしくて」

 

 と、言いながら友奈はこの間自分で買ってきた、今着ているTシャツを指さした。そのTシャツはお世辞にも女の子らしいとも言えない感じのTシャツで、真ん中にかるしうむと書かれており、その下にはにぼしらしき小魚の絵がでかでかと。

 端的に言ってしまえば残念。そんな感想を持ってしまう友奈のTシャツだが、美森的にはどんな服を着ても可愛いのでオーケー。しかし園子からしたらもう少しどうにかしようよ~といった感じ。

 

「友奈~、衣装合わせするからこっち来なさ~い」

「あれ~」

 

 そんな友奈ではあったが、唐突にやってきた風に首根っこを掴まれぽよんぽよんと跳ねながら更衣室の方へと消えていった。更衣室周辺には既に夏凜や樹も居たのでもう既に全員、服を選び終わった後らしい。

 更衣室へ消えていった友奈を見て、美森は何も言わずお茶を啜るだけ。

 

「わっしーはいいの~?」

「正妻の余裕というやつよ」

「うっわ~。この人もう結婚してる気満々だよ~」

「最近のそのっち、言葉に毒が混ざりすぎてないかしら……?」

 

 言うまでもなく美森の自業自得なのだが、本人はその辺を理解しているのだろうか。暫く待っていると、まずは樹の選んだ服を身に付けた友奈が更衣室から出てきた。

 

「わたしは森ガールな感じにしてみました。わたしの好みも入っちゃってますけど」

 

 更衣室から出てきた友奈は、上下で白と茶に分かれたワンピースを一枚着て、その上からケープを一枚羽織った、樹自身が好んでいる森ガールなファッションスタイルだった。

 普段は動きやすい服を選ぶ友奈としては新鮮な服であり、美森も目の保養となったのか残像を残しながら友奈の写真を撮っている。どうやら結構お気に召したらしい。

 そして次は風の番。

 

「アタシはガーリッシュな感じにしてみたわ。森ガールな友奈も新鮮だったけど、こっちも新鮮でしょ」

 

 風が選んだのはガーリッシュな服装。ワンピースの上から一枚薄手の上着を着た、樹の選んだ森ガールと同じように友奈の可愛らしさを前面的に押し出したような服装だった。これには美森もニッコリ残像を残しながら撮影開始。

 

「じゃあ次はあたしだけど……あんま期待はしないでよね」

 

 と、言いながら夏凜が渡した服装は、樹と同じように夏凜自身が好んで着るどカジュアルな服装だった。

 ショートパンツと長袖の服に、その上から半袖の上着を一枚だけ。こんな格好をした夏凜、よく見た気がするとは勇者部全員の意見。ただ一人だけ、なんだか二人がペアルックに見えたからか真っ黒なオーラを出すクソレズの姿があったそうな。

 そして次は銀。

 

「アタシもカジュアルな感じだな。でも、夏凜みたいなのじゃなくてもうちょっと大人っぽい感じに仕上げてみた」

 

 銀が選んだのもカジュアルな服装だったが、夏凜のように動きやすさにも重点を置いた格好ではなく、Gパンに長袖のストライプの服。その上からロングコートを一枚着た、冬真っ盛りな今の季節でも十分に暖を取りつつ、ちょっと手を加えてお洒落も可能な少し大人っぽいイメージを残す服だった。

 美森も残像を残すほどではないがそこそこの速度で友奈の写真を撮っている。

 そして次は千景&ハゲ丸チーム。

 

「私は……あんまり服とか、選ばないから……適当に……」

「俺も女の子の服とか分かんねぇし、適当に選んでみた。一応ちーちゃんの意見重視って感じだな」

 

 と言いながら用意したのは、千景が特に着る手間も選ぶ手間も少ないのでと好んで買っては着ている黒と赤が基調のワンピースだった。ハゲ丸も色々と選んだのだが、特にピンとくるものが二人にはなかったので、結局は千景の意見を重視した赤と黒のワンピースとなった。

 しかしそのワンピースにも色々とリボンやら何やらが付いていたりするのでシンプル過ぎるという事も無ければ派手すぎるという事もなく、大人しい少女といった感じの印象を与える服装だった。

 

「それじゃあ次はわたしの番だよ~」

 

 これで服を選びに立ったメンバーの分は終わったので、次は園子が動いた。

 園子は予め用意していたらしい色々な服の中から適当に何枚かをチョイスすると、それを友奈に渡して着替えてもらった。

 

「まずはB系なゆーゆ~。カッコ良さげな感じにしてみたよ~」

 

 一枚目はシャツの上からオーバーオールを一枚着たB系ファッション。これには美森もニッコリ。恐らくこの格好で外を出歩いていつも通りな天然人たらしを披露すればそこそこの少女が毒牙にかかる事だろう。

 

「次はふわもこ姫系だよ~」

 

 二枚目は園子の言った通り、白色が基調のふわもこな感じの姫系ファッションだった。

 先ほどとは打って変わってだが、友奈の可愛らしさが押し出されているので美森もニッコリ。

 そして最後。

 

「最後はバニーガールで~す!」

「ぶっはぁ!!?」

「とうごおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

「この鼻血の吹き方、前に見たなぁ……」

 

 最後の三着目はバニーガールだったのだが、それを見た瞬間美森が大量の鼻血を吹き出した。何だか二年前に見た感じの鼻血の吹き方だったが、銀はこれ以上気にしないことにした。

ちなみに、ハゲ丸の目は園子に予め潰されており、悶絶するハゲ丸を千景がそっと看護していた。

 そして友奈がバニーガールから何故か着ぐるみに着替えた所でようやく美森の鼻血が収まり、貧血気味にでもなったのかフラフラしながら美森が額の汗をぬぐった。

 

「バニーガールな友奈ちゃん……その破壊力、恐るべし……!!」

「わっしー特攻だよね~」

 

 もしハゲ丸がバニーガールな友奈を見ていたら美森辺りからもっと酷い攻撃が飛んできていた事だろう。目を抑えながら立ち上がったハゲ丸は目を潰すんなら外に追い出せや、と園子の頭に手刀を一発落した。

 そして最後はやはり。

 

「それじゃあ最後は私ね。友奈ちゃん、これなんてどうかしら?」

 

 友奈の事を一から十まで。それこそ本人が知らなさそうな事まで知っているであろう犯罪者予備軍……というか捕まってないだけで犯罪者な事を大量にしてきたクレイジーサイコレズ、美森の番だった。

 そんな美森が渡す服に一瞬全員が身構えたが、渡された服は案外普通。それどころか友奈の好みを一直線にとらえた服装だった。

 赤色のワンピースと青色のフード付きの上着。動きやすさを重視しつつも可愛らしさを押し出した服は友奈の好みにバッチリと合っていた。

 

「わぁ~! これすっごく良いよ、東郷さん!」

「ふふっ。この勝負、私の優勝ね。みんな友奈ちゃんの好みを取り入れるって事を忘れていたみたいだし」

 

 そう言いながら残像を残して撮影を開始した美森に反論できる者がいる訳もなく、結局この勝負は美森がぶっちぎりでの優勝となったのだった。

 

 

****

 

 

「なぁ、須美。お前が最初にそういう事言ったらみんな友奈の好みに合わせた服を選んだんじゃね?」

「そうねぇ。みんなが楽しんでいる所に水を差すのも悪いでしょ?」

「本音は?」

「美味しい所だけを掻っ攫っていければいいなって思っただけよ」

「はぁ……ほんと、あんときの可愛らしい須美ちゃんは一体どこへ行ったのやら」

「人は成長する物よ、銀」

「明らかにダメな方向に成長してんだろ」




レディースのファッション、複雑な上に服の種類も多すぎィ!! 調べても分かんねぇんだけどぉ!!?

まぁ、そんなワケで今回はゲーセンに行く樹ちゃん&ぐんちゃん&ハゲの話と、勇者部所属ぷにっとから友奈のファッションショーの話でした。ちなみにかるしうむTシャツは実際に作られていたり。

多分、書いている時間よりも服を調べている時間の方が長かったです。でも結局よく分からないんで適当に書きました。マジで名前とか分かんない。知り合いとかに聞いてみるべきだったかなぁ……

まだまだ日常編は続きますぞ。のわゆ本編はもう暫く待つのじゃ。
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