遊戯王VRAINS もう1人の『LINK VRAINSの英雄』   作:femania

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注意事項

・小説初心者で、連載小説初挑戦です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品なので、遊戯王アニメシリーズのキャラが登場することもありますが、設定が違うので元と性格や行動が違うことがあります。
・過去にアニメシリーズで使われていたデッキを本人ではなくこの作品のオリジナルキャラが使うことがあります。また、使用されるデッキはエースモンスターはそのままにデッキをアレンジしたものになっていることがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・人物描写はスキップしています。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・オリジナルのカードも使ってます。
・作品はほぼオリジナル展開です。

これでOKという人はお楽しみください!

第2シーズン開幕です。
ちなみにファイアウォールドラゴンが1月から禁止になるそうですが、この話ではまだまだ使っていきます。
だってあんな登場させといて1回のみの登場というわけにはいかないという事情が……。
どうかここだけは守護竜を恨まず、暖かな声援とともにで活躍を見届けて頂ければ幸いです。


第2シーズン 戦いの宿命
14話 帰還(前編)


炎、水、風、地、光、闇。属性をモチーフにした6つの地域がついにプレイヤーの手に渡った。3日前、海堂セイトが闇の世界のエリアマスターを倒し、その世界を支配したことで。

 

これを受けてイリアステルは、まるでその瞬間を待っていたかのように、新たなイベントを開催した。

 

端的に言えば七つの世界によるエリアの奪い合いとなる。

 

この世界にいるプレイヤーは、6つのエリアのうちどのエリアの味方をするかをイベント開始時に決める。そして、自分で決めた世界とは違う他の世界の味方をしているデュエリストを倒すとイベントポイントとして1点をゲットできる。また中央のバトルシティはイリアステルの区域として扱われ、イリアステルからはついに、セカンドオーダーのカードを持った、精鋭を7人世界に解き放った。それらは倒せば50点。そしてそれぞれの世界のエリアマスターを倒した場合1000点を獲得できる。ただし、この期間は、エリアマスターを倒しても、勝者が新たなエリアマスターにはなれないことに気をつけなければならない。

 

これに加えて、各人は1日1回、他のチームの味方をする相手とデュエルを行わないと、保有ライフが1日につき1000減っていくというペナルティが発生する。これでどこかに隠れてやり過ごすという方法がとりにくくなる。

 

今回各人がイベントの目的は2つ。まずはポイントの確保。可能な限りポイントを稼ぎ、今後の自分の戦いを有利にすることに直結するものだ。

 

ここで稼いだイベントポイントを使い、各地の交換所で役に立つアイテムを交換できるようになる。商品は以下の通りだ。

 

・ルールブレイカー 5点    賭け禁止区域でも、保有ライフを賭けたデュエルを行える。

・透明マント    10点    デュエルを挑まれたときに使用して、その場から逃げられる。効果は合計10分間使用可能。

・サポートシステム 各種20点  デュエルを始める前に使用することで、そのデュエルにおいて特殊な効果を使用できる。

 

 ○先行ダメージ   相手に2000ポイントのダメージを与えた状態でデュエル開始

 ○スキルサイン   スピードデュエル以外のデュエルでも、スピードデュエルで使っているスキルを使用できる。

 ○封印の黄金箱   あらかじめ指定したカードをデュエルが始まって3回目の自分のターンに手札に加えることができる。

 ○隔離フィールド  このデュエル中、相手は手札、または墓地でのカード効果を発動できない。

 ○1キル予防     お互いが最初のエンドフェイズを迎えるまで、互いが受けるダメージはすべて0になる。

 

そしてもう1つは己が味方をする世界を勝利に導くこと。イベント開催期間は一ヵ月。その間他のエリアの味方になっているデュエリストを倒し続けポイントを稼ぎ、自分が味方をしている世界にイベントポイントを集めることで貢献する。

 

最終的に、それぞれのエリアで、稼いだ合計のポイントを数え、全デュエリストの総合取得数で数えて、一番多いポイントを稼いだエリアに所属するデュエリストには全員に、いずれ来る最終決戦で有利になるアイテムが支給され、逆に一番少ないエリアのデュエリストは、最終決戦で不利なハンデを負うことになり、さらにそこのエリアマスターはは、勝者である1番のエリアのエリアマスターに無条件でエリアを譲渡しなければならない。

 

各デュエリストがどのようにして勝ち馬に乗るか、もしくは自分のチームを勝たせるかを考えながら、積極的に戦いに身を投じなければならないイベントになる。当然保有ライフの賭けでデュエルは行われるため、命賭けでも、勝てば勝つほど有利になり、逃げることにほとんど利益のないシステムになっている。

 

そして最後に、

 

「いずれ君たちと我らイリアステルは戦う運命にある。それがこの世界の運命を決める最終決戦になるだろう。それはいつになるのか、それは未だ明かせないが、君たちは今から備えなければならない。さあ、この先、生き残るための最初の一歩だ。君たちの勇気ある行動こそが、君たち自身の明日を保証することになる」

 

というメッセージも付け加えられ、イベントはいつもと同等、もしくはいつもにまして盛り上がりを見せている。

 

 

 

「マスター。大丈夫ですか?」

 

本来は光の世界の原住民であるエリーは今、光の世界を離れ、エリアマスターである遊介とともに、バトルシティ上空をDボードを使い飛んでいた。

 

「ふわぁ……」

 

お手本のようなあくびを披露したエリアマスターを気遣うのは、昨日までの激務で眠そうにしているのを心配してのことである。

 

闇の世界の攻略は、なんとも無謀なことにたった4人で行われた。遊介、エリー、そしてその二人をさらった、ヴィクターと海堂セイト。なんとも相性が悪そうなチームで闇の世界で激しい戦いに挑んだのだ。ちなみに海堂セイトとヴィクターが、なぜ一緒に現れたのかについては、ヴィクターも海堂もそんなことどうでもいいだろうとはぐらかすばかりだった。

 

闇の世界での戦いが激しいと評する理由は、闇の世界の特徴に関係する。

 

闇の世界は、初期に高度なプレイングをするプレイヤー達が集まり、とにかくデュエルを楽しもうというと、お互いライフを賭けずに、エリアマスターの攻略も興味を示さず、デュエルを何度も何度も行っていた。それをきっかけには闇の世界には実力者が単にデュエルを楽しむ世界として知れ渡り、我こそはと、実力を示したい者。強い奴と戦いたいというものが集まり、まるで毎日大会が行われているかのような熱気で、多くのデュエリストが戦っている。

 

ただし、なぜかいつの間にか、闇の世界はちょっとした狂喜に包まれることになった。多くのデュエリストは、朝起きてデュエル、ご飯食べてデュエル、デュエル、デュエル、お昼ご飯の後デュエルデュエルデュエル、そして夜ご飯を食べてデュエルデュエルデュエル、で一日を終える人間が数多く、そこら中でデュエルが行われ、普通に歩ていると5秒でデュエルのお誘いが来るという、デュエル祭りが毎日行われているようなところになってしまった。

 

つまり闇の世界にいる間は、暇ならとにかくデュエルを挑まれ、一日デュエル漬けというのもあながち嘘じゃないという毎日を送ることになる。

 

そんな世界に不本意に放り込まれた遊介とエリー、そしてここまでの熱気を予想していなかった海堂とヴィクターは、闇の世界でのデュエル漬けの洗礼を受け、3週間ほどは悲鳴を上げるしかなかった。そしてそれに慣れ、いよいよ闇の世界のエリアマスターに挑もうと闇の世界を進む間も、常に戦いを挑まれ、全く攻略が進まなかった日も多い。そしてとうとう狂ってしまった海堂セイトが、

 

「寝る必要はない! とにかく進むぞ」

 

正気か? と訊く遊介に対し、ヴィクターも、そしてまさかのエリーもそれに賛成。ちなみに、エリーは度重なるデュエルの疲れで狂ってしまった状態だったためと考えられ、早く帰りたいという思いがかなり大きくなっているが故の賛成であり、反対一票の遊介に抗う方法はなかった。

 

闇の世界の攻略にかかった時間は1か月半、最後に海堂がエリアマスターを倒すことで闇の世界の攻略は終了した。しかし、遊介にはさらに災難が襲い掛かる。

 

「いつかの約束、覚えているな? さあ、戦うぞ」

 

攻略で疲れがマックスの状態で、さらに海堂と戦うという恐ろしい宣言を言い渡された遊介はエリーとともに逃亡を決意し、闇の世界を必死に駆け抜けて、ようやく昨日、闇の世界からの脱出に成功したのだ。しかし、残念ながらその世界から追手が現れ、海堂との戦いを見たいという酔狂な追手との戦いを切り抜けて、ようやく今に至る。

 

「エリーこそ……大丈夫か」

 

「私は、マスターが無事なら、それで」

 

「もっと自分を大事にしたほうがいい。あの時も頭おかしくなってたんだから」

 

「うう……その……あの時は、申し訳なく」

 

「まあ、最終的にはそれで良かったと思うんだけどな。あのまま、普通の暮らししてたら1年間幽閉されてた可能性もあるし」

 

それに、あながち悪くなかったと、遊介は今振り返って思っている。

 

闇の世界と聞き、最初は恐ろしい人間たちがいっぱいいるようなイメージを持っていたが、実際にいたのはただのデュエルが好きな人達だった。デュエルには本気で挑むが、その他については非常に優しく、他人である自分たちのデッキや戦術について、アドバイスや意見をくれたりする人も少なくなかった。結局はそれが遊介たちを強くし、そしてその強くなった遊介たちとさらに熱いデュエルをするという結果につながるという循環になっていたのだが。

 

しかし、そんなこともあり、自分でカードや戦術を考えていた頃よりも凄まじい躍進があった。

 

「でも、エリアマスターとして戦力面の自信がなかったからさ。あそこで戦ったおかげで少し勇気が出た。俺はあの変な闇の世界で戦ったんだってさ」

 

「皆さんお強かったですね。最初の頃は手も足も出ませんでした」

 

「同じく……ハルトと戦った時はとても幸運だったんだなって思ったよ」

 

不意に視界に下の様子を映した遊介の目。バトルシティでは、至る所で戦いが繰り広げられている。それはいつものことだが、やけにその数が多いような気がした遊介は、デュエルディスクで最新のイベント情報を見ようとした。

 

「今はイベントの最中のようですね。昨日から始まっているようです」

 

「まじか、全然知らなかった」

 

「そうですね。闇の世界の皆さんは特にイベントにも興味を示していませんでしたし、あまり気にしませんでしたね」

 

「今回はどんなイベントなんだ?」

 

「……」

 

「エリー?」

 

何か良くないことが書いてあると思い、遊介は慌ててイベントの告知を見た。

 

なるほど、とエリーが黙った理由が分かる。これは光の世界の危機だと。

 

これまではチームメイトが光の世界の治安を守りながら遊介の帰りを待っていてくれた。しかし、相当な疲れを見せているのは電話越しでも遊介は把握している。それに加えて、このようなイベントが始まれば明らかに今戦っている4人は壊れてしまう。

 

何とかその前に帰還し、たった一人でも戦力として加わって、負担を減らさなければ、と遊介は思った。

 

本当であればせっかく外の世界に出たエリーを連れて一晩だけ観光と休憩をはさむ予定だったのだが、エリーもこのようなイベントの中ではそんな気分にもならないだろう。遊介はそう思い、

 

「旅行、今度にみんなで行こうか?」

 

とエリーに提案する。

 

「すみません、せっかく気を使って寄り道を計画してくださったのに」

 

「いや、こんなイベントだと心配だろう?」

 

「はい。光の世界は、故郷ですから」

 

「俺もちゃんとエリアマスターとして守るから。何も心配いらない」

 

エリーの前ではエリアマスターとして格好つける。それももう日常茶飯事なので遊介は慣れている。

 

「はい! では急ぎ帰りましょう!」

 

エリーの嬉しそうな顔を見て自己満足をした遊介は、Dボードのスピードを上げる。自然にスピードを上げ始めたエリーに置いて行かれないようにするためだ。

 

エリーも闇の世界での修業を経て頼もしくなった。当然前も十分勇敢な少女だと遊介は感じていたが、今はそれ以上に、頼りがいのある子になったものだと思う。その分自分はそこまで成長していないのではないかと思うと、遊介は内心情けなさを抱えていた。

 

光の世界は、もうすぐ見える。バトルシティをあと少しで越えるところだ。

 

『警告、警告』

 

聞きなれない音がディスクから流れ遊介はビビッて体を一瞬震わせた。

 

「なんだぁ?」

 

『エリアマスター。急接近する人影在り、ディスクを構えています』

 

「追手か? まだあきらめていなかったのか」

 

早速逃げようとさらにスピードを上げようとしたが、

 

「マスター、前から来ます!」

 

後ろに気を取られて、前方の上を意識していなかった事が仇となり、挟み撃ちという最悪の展開になる。

 

「エリー、降りるぞ!」

 

「ダメです、下にも」

 

「はぁ?」

 

包囲されている。距離的にデュエルを仕掛けられる距離ではないが、ここからどの方向に行っても激突は避けられない。

 

相手側は明らかな今日協力体制である。遊介はこの時点で追手の可能性をなくした。闇の世界の追手には、この手の連携はできない。そもそもそんな動きをDボードでするには相当な訓練が必要になる。

 

一機、前から、一機、後ろから戦闘距離範囲まで迫ってくる。よく見ると二人とも同じ服を着ていた。

 

「解放軍……?」

 

世俗には疎い闇の世界でも、エデンと解放軍の噂はよく届く。二つの巨大組織は、今は全面戦争中だとの話であることは遊介も知っている。そして解放軍が、あまり人殺しを後ろめたく思っていないような連中であることも。

 

「マスター……」

 

「エリー。後ろを警戒していてくれ」

 

「分かりました」

 

遊介はエリーの真正面に出て、前から迫る敵の警戒をする。

 

しかし、その警戒心はすぐに驚愕へと変わった。

 

「サイバースの遊介。なるほど、さすが俺。似てるな」

 

目の前に同じ顔が現れたのだ。遊介はドッペルゲンガーの伝説を思い出し、命の危機かもと縁起でもないことを考えてしまった。

 

しかし、どうせ死ぬならと開き直り、現状を確認する。

 

今襲い掛かってきているのは明らかに解放軍。しかし、偶然見つけたにしては、この人数はおかしい。つまりこの連中は明らかに遊介を狙ってきたということ。

 

「なんだよ偽物」

 

「お前も……まあ、お前ならそう言うよな」

 

「不服ならなんて呼べばいいんだ?」

 

「シンクロ世界の遊介だし、シンクロ遊介って呼んでいいぜ、俺もサイバース遊介って呼ぶからさ」

 

リンクじゃないのか、とツッコミを入れたいところだったが、今はそんな状況でもないため喉を通過させなかった。

 

「なんで俺たちを狙うんだよ」

 

「イベント中だし? 点数稼ぎだろう?」

 

「にしては、人数がずいぶん多いな。偶然見つけたって感じじゃないけど?」

 

「……バレたか。まあ、そりゃね。でも目的を素直に言うと思うか?」

 

「いいや。どうあれ、シンクロ遊介を名乗る偽物が俺を狙いに来ているのは分かった」

 

エリアマスターの討伐は1000点獲得、というイベントの内容を考えれば、ふらふらとDボードで飛んでいるエリアマスターほど狙いやすい相手はいないだろう。

 

「でも、こんなところで貴重な戦力を投入していていいのか? 解放軍はエデンに対して劣勢だって聞いたぞ?」

 

「なんだよ、煽るのか?}

 

「煽るつもりじゃないけどさ。俺なんかに構うんじゃなくて、エデンのボスを倒して一泡吹かせるのに使った方が最終的に有益かもよ?」

 

「いいや。そんなことはないさ。ここでお前を倒してから、向かえばいいだけのことだ。それに……」

 

もったいつけるように間をおいて、

 

「今解放軍は、光の世界を潰して、自分たちのものにしようと躍起になっているところだ」

 

と、どうあれ遊介が、解放軍と戦わなければならない理由を提示する。

 

「そんな……」

 

エリーが言葉を失いかけるのも無理はない。光の世界の状況は、ブルームガールが連絡の後に現状報告をメールで送ってきたので遊介もエリーも知っている。現状は光の世界は、デュエルが苦手な人や、死ぬのが怖く己の研鑽を放棄した人間が数多く逃げ込み、前の事件でほとんど死んだ大人の原住民の代わりをすることで成り立っている節があり、戦えるデュエリストは少ない。そんな中で、いかに半壊したと言っても解放軍に狙われれば、迎撃は厳しいと言わざるを得ない。

 

エリーの故郷が壊される。

 

それはせっかく命を賭けて守った遊介にとって、とても見逃せるような話ではない。

 

「俺もお前を倒してから合流する。でもその前にこのイベントをきっかけに帰ってくるだろうと見張ってたのは正解だったな。早速1000ポイントいただこうか?」

 

と、シンクロ遊介はデュエルを申請した。

 

遊介はこの男に訊きたいことはまだある。なぜ解放軍いいるのか。光の世界を狙う理由は何なのか。イリアステルを止めるために協力はできないのか。などなど。

 

しかし、すでに向こうがやる気であり、さらに逃げられないこの状況を何とかしなければ、始まらない。

 

何より、たくさんお世話になってきた仲間が今最大の危機を迎えているならば、逃げるわけにもいかない。

 

「光の世界、そう簡単に渡すと思ってるのかよ」

 

「はぁ?、お前がそれを言うのか?」

 

そもそも、遊介は先ほどからシンクロ遊介が勝利する前提で話が進んでいるのが気に入らなかった。

 

そしてそう思っている理由は、遊介の想像以上だった。

 

「まさかお前、俺に勝てると思ってるの?」

 

「やってみなきゃわかんないだろ?」

 

「そもそも逃げてた時点で察しはつくけどなぁ」

 

それは逃げてんじゃなくて拉致されたんだよ! と反論しようとしたが、

 

 

「そもそも、天城ハルトだっけ? あんな雑魚に苦戦している時点で勝負は見えてる」

 

 

等と言われてしまったら、反論の前に心が穏やかではいられなくなる。

 

「雑魚?」

 

「当然だろ。俺だったらあの程度の相手100回やって95回は絶対に勝てる。エクシーズ世界の人間はあんなに弱いのか? って目を疑ったほどだ」

 

それは、ハルトだけでなく、瑠璃やユートなど、自分の仲間を侮辱されたことと同義だ。そして己に対する侮辱を踏まえ、遊介はこれでことを穏便に済ませるつもりはなくなった。

 

「それで俺も弱いと?」

 

「ああ、これで俺は1000点もらったも同然だ」

 

「そうか。そう言うことなら、俺は断りはしない」

 

「さすが俺。じゃあ、惨たらしく負けてもらって光の世界を明け渡してもらおうか」

 

問答無用ではなかったが、意味はなかった。

 

結局戦うことになった遊介だが、しかし、別にそれはそれでいいと思った。侮られたままというのが腹立たしいということもある。

 

しかし、それよりも、遊介も思っていたのだ。

 

「お前のような奴に負けているようじゃ、エリアマスターも務まらないからな」

 

「言うね。なら、有言実行頼むぜ。LPは4000賭けだ。デュエルの方法は、せっかくDボードに乗ってるんだし、スピードデュエルで行くか?」

 

「いいよ。どうあれ、俺は勝つ」

 

「その言葉忘れるなよ。後で泣きながら前言撤回してもらうぜ、サイバース遊介くん!」

 

遊介は後ろを見る。

 

エリーは心配な面持ちでこちらを見た。しかし、向こうもデュエルを挑まれている模様で、

 

「エリー、こっちの心配はするな。そっちガンバれ!」

 

とエールを送る、エリーは頼もしい顔で頷き返し、自分のデュエルに戻った。

 

こちらも頑張らなくては、と自分に活を入れ、ディスクを構える。

 

「スピード」

「デュエル!」

 

遊介の新たな戦いは、まさかの異世界との自分が相手で始まった。

 

(後編へ続く)




あとがきは後編の後にまとめて書いています。

後編もぜひご覧ください!
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