遊戯王VRAINS もう1人の『LINK VRAINSの英雄』   作:femania

40 / 53
注意事項

・小説初心者で、連載小説初挑戦です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品なので、遊戯王アニメシリーズのキャラが登場することもありますが、設定が違うので元と性格や行動が違うことがあります。
・過去にアニメシリーズで使われていたデッキを本人ではなくこの作品のオリジナルキャラが使うことがあります。また、使用されるデッキはエースモンスターはそのままにデッキをアレンジしたものになっていることがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・人物描写はスキップしています。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・オリジナルのカードも使ってます。
・作品はほぼオリジナル展開です。

これでOKという人はお楽しみください!

オリジナルカード2枚でます。

「超重武者装留シールド・ガントレット」
効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 0/守 400
①自分メインフェイズに自分フィールドの「超重武者」モンスター1体を対象として発動できる。自分の手札・フィールドからこのモンスターを装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。②自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、このカードを装備している「超重武者」モンスターが自分フィールド上に存在するとき、自分のターンのメインフェイズの間およびバトルフェイズの間、相手は罠カードを発動できない。

「光の守護天使 ヴァルハミレニア」
LINK4 (リンクマーカー 上 右上 左上 下)
光属性/天使族/攻 2500
天使族モンスター4体
①1ターンに1度、墓地の天使族モンスター1体を除外し、このカードのリンク先にいるモンスターの攻撃力、守備力は除外したモンスターの攻撃力分だけダウンする。この効果は相手ターンでも発動できる。②自分フィールド上の天使族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力の数値が相手の守備力の数値を超えた分だけ、相手に戦闘ダメージを与える。③このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールド上の天使族モンスターは効果では破壊されない。


22話 光の世界の天使

権現坂 LP4000 手札1

モンスター ① 超重武者ビックベン―K 

魔法罠 ② 超重輝将サン―5 ③ 超重輝将ヒス―E

 

(権現坂)

② □ □ □ ③   魔法罠ゾーン

□ □ ① □ □   メインモンスターゾーン

  □   □     EXモンスターゾーン

□ □ □ □ □   メインモンスターゾーン

□ □ □ □ □   魔法罠ゾーン

(エリー)

 

 

ターンエンドの宣言はしていないものの、すでに迎え撃つ構えでエリーを見る権現坂。それを宣言の代わりとみなし、エリーは自らのターンを迎える。

 

「守備力3500……」

 

相手フィールドに堂々たる構えで立つ弁慶を見て、険しい表情をエリーは見せていた。

 

「臆したか?」

 

「まさか、この程度で恐れを抱くのであれば、私はここまでついてきてはいません」

 

 

ターン2

 

「私のターン、ドロー!」

 

エリーは声高らかに自身のターンを宣言した。

 

エリー 手札6 LP4000

モンスター

魔法罠

 

今引いたカードを徐に墓地へ送る。

 

「手札のヘカテリスを墓地へ送り、デッキから『神の居城―ヴァルハラ』を手札に加える」

 

そして手札に加えたカードを迷うことなく発動した。

 

「そして永続魔法『神の居城―ヴァルハラ』を発動」

 

「む……」

 

そのカードを見て権現坂が反応を示す。このカードに馴染みがあるような反応に見えた。

 

「そのカードは……」

 

「神の居城ヴァルハラは、私のフィールドにモンスターが居ないとき、手札の天使族モンスター1体を特殊召喚できる! 私は手札の、ヴィーナスを特殊召喚する!」

 

「ヴィーナス?」

 

エリーが召喚の宣言をした瞬間、天上に眩い光が迸る。そして威厳をもって舞い降りたのは白い翼、金の鎧を併せ持つ圧倒的な存在感を持った大天使。

 

The splendid VENUS レベル8 攻撃表示

ATK2800/DEF2400

 

「これは……」

 

最初から様子見をすることなく、上級天使の中でもかなり強力な大天使を呼び出したところ、エリーの本気度が窺える。

 

「ヴィーナスの効果! このカードがモンスターゾーンにいる限り、フィールド上の天使族以外のモンスターの攻撃力、守備力は500ポイントダウンします!」

 

超重武者ビックベン―K DEF3500→3000

 

「ほう……」

 

感心したような声を上げる権現坂。しかし、まだ自身のモンスターを破壊される段階ではないからか、まだ表情一つ変えない。

 

エリーもそれが分かっている。そして、ヴィーナスを呼んだのは威嚇のためではなく、当然目の前のモンスターを倒すためである。

 

「私は奇跡の代行者、ジュピターを召喚!」

 

次のエリーが呼び出したのは、興じんな肉体を持った天使。猛スピードで天上から舞い降りた。

 

奇跡の代行者 ジュピター レベル4 攻撃表示

ATK1800/DEF1000

 

「さらに私は魔法カード『おろかな埋葬』を発動。デッキから英知の代行者マーキュリーを墓地へ送ります!」

 

唐突に発動した今の魔法は単純に手札にあったから発動したわけではない。必要があったから発動したのである。

 

「そしてジュピターの効果を発動します。墓地の代行者モンスター1体をゲームから除外して、自分フィールドの天使族光属性モンスター1体の攻撃力をエンドフェイズまで800ポイントアップします! 私は、ヴィーナスの攻撃r力を800ポイントアップします」

 

ジュピターの効果により、ヴィーナスの力がさらに増幅する。

 

The splendid VENUS ATK2800→3600

 

「ほう……」

 

自身の武将の攻撃力を超える天使を前にしても、決して動じない権現坂。

 

何かあるのか、そう思うエリーだったが、それでも攻めなければ超えられない。

 

「バトル!」

 

エリーは自身が呼び出した大天使に攻撃を命じる。自身が天使たちを扱う女神の如く、自身の使いに命令を下した。

 

「ヴィーナス! 超重武者ビックベン―Kを攻撃! ホーリー・フェザー・シャワー!」

 

上昇し、金星の名を冠するプラネットシリーズの大天使が、一帯を眩い光で包み込む。光と共に放たれた翼の刃が光と一体化しているが故に、認知できぬまま、将軍はいつの間にか刃で貫かれ死に至る。

 

(勝)The splendid VENUS ATK3600 VS 超重武者ビックベン―K DEF3000(負)

 

相手は守備表示のため、この戦闘によってダメージは通らないものの、相手の将軍は消え去った。これにより、権現坂のモンスターはいなくなる。

 

次にダイレクトアタックをすれば確かな一撃となるだろう。

 

しかし。

 

権現坂は当然そのままで攻撃を通すわけもなく、

 

「俺は超重武者装留マカルガエシの効果を発動。守備表示モンスターが破壊され、墓地へ送られた時、このカードを手札から墓地へ送って発動。破壊されたモンスターを攻撃表示で特殊召喚できる。俺はビックベン―Kを特殊召喚! そして特殊召喚されたビックベン―Kは表示形式を変更できる!」

 

たった今、エリーが策を講じて破壊したモンスターがすぐに蘇る。

 

超重武者ビックベン―K レベル8 守備表示

ATK1000/DEF3500

 

「そんな……」

 

ヴィーナスの効果で守備力はさがるものの、

 

超重武者ビックベン―K DEF3500→3000

 

これでは続けて攻撃を行うことはできない。

 

エリーはこのターンの攻撃を諦めるしかなく、

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

自身のターンを終了せざるを得なかった。

 

「良い攻撃だった」

 

権現坂の言葉に、返す言葉をエリーは見つけられなかった。エンドフェイズに入り、ヴィーナスの攻撃力は元に戻る。

 

The splendid VENUS ATK3600→2800

 

エリー LP4000 手札1

モンスター ④ The splendid VENUS ⑤ 奇跡の代行者 ジュピター

魔法罠 ⑥ 神の居城ヴァルハラ 伏せ1

 

(権現坂)

② □ □ □ ③   魔法罠ゾーン

□ □ ① □ □   メインモンスターゾーン

  □   □     EXモンスターゾーン

□ □ ④ ⑤ □   メインモンスターゾーン

□ □ ⑥ ■ □   魔法罠ゾーン

(エリー)

 

 

 

ターン3

 

 

「だが、その程度の攻撃でこの俺のモンスターを破壊することはできん。まだまだお前を認めるわけにはいかんな」

 

「く……」

 

「さあ、今度はこちらの攻撃だ。俺のターン!」

 

権現坂は刀を抜刀するかのごとく、デッキからカードをドローする。

 

 

権現坂 LP4000 手札1

モンスター ① 超重武者ビックベン―K 

魔法罠 ② 超重輝将サン―5 ③ 超重輝将ヒス―E

 

 

今引いたモンスターを見て、権現坂は迷わずそのカードを使う。

 

「俺は超重武者装留シールドガントレットをフィールドのビックベン―Kに装備する!」

 

装備したのは、ビックベン―Kを強化するモンスターカードでありながらの装備カード。

 

「このカードを装備している限り、お前は俺のメインフェイズとバトルフェイズ中、罠を発動できない!」

 

「……そうですか」

 

弱みを見せなかったが、内心はエリーは焦っている。エリーが伏せていたのは、『次元幽閉』攻撃してきた相手を除外して、この状況を好転させる予定だったのだ。

 

「では、行くぞ!」

 

権現坂はそんなエリーの抵抗をものともせず、自らの弁慶に命じる。

 

「バトルだ!」

 

権現坂は大きな声で宣言する。

 

しかし、おかしい。権現坂のモンスターには守備表示モンスターしか存在しない。

 

「どうやって」

 

「当然ビックベン―Kでだ。超重武者は守備表示のまま守備力の数値を使って攻撃ができる!」

 

「え……」

 

さすがのエリーも、ルールを根本から無視したモンスターの存在に驚きを隠せなかった。

 

「ビックベン―Kで、貴様のヴィーナスに攻撃!」

 

ビックベン―Kはビックベン―Kは高く飛び上がった。そして墜落と共に、浮いている天使に向かい己の武器と己をぶつける。落下スピードはすさまじく、天使を容赦なく地面に叩きつけた。

 

(勝)超重武者ビックベン―K DEF3000 VS The splendid VENUS ATK2800(負)

 

風圧がエリーに襲い掛かる。

 

「うう……」

 

エリー LP4000→3800

 

攻撃は終わ――、

 

「まだだ! 俺はペンデュラムスケールのサン―5の効果を発動する! 超重武者が相手モンスターを破壊した時、もう1度だけ続けて攻撃ができる!」

 

「え……」

 

ヴィーナスが消えたことで、ビックベン―Kの攻撃力は元に戻っている。

 

超重武者ビックベン―K ATK3000→3500

 

「バトルだ、続けてジュピターに攻撃!」

 

ベン―Kは地面に拳を叩きつけ、凄まじい暴風と自揺れを起こす。暴風は並みの暴力を超えた衝撃をエリーに与え、彼女を庇ったジュピターは遥か先へと飛んで行った。

 

(勝)超重武者ビックベン―K DEF3500 VS 奇跡の代行者 ジュピター ATK1800(負)

 

エリー LP3800→2100

 

「く……」

 

モンスターの全滅、そしてLPの減少。自身に線る危機に焦りを覚える。

 

ペンデュラムモンスターの効果により、毎ターン迫る2回の攻撃をこれ以上潜り抜けるだけの方法をエリーは現状持ち合わせない。

 

「どうした、浮かない顔だな?」

 

権現坂はエリーに問う。

 

「この程度で音を上げているようでは話にならんぞ」

 

「当然、その覚悟はあります」

 

「ならば疾くベン―Kを倒せ。それができなければ、俺が次のターン、貴様を葬り去る」

 

このままでは権現坂の言う通りになってしまう。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

権現坂はエリーをまっすぐ見つめ、ターンの終了を宣言した。

 

権現坂 LP4000 手札1

モンスター ① 超重武者ビックベン―K 

魔法罠 ② 超重輝将サン―5 ③ 超重輝将ヒス―E 

    ⑦ 超重武者装留シールド・ガントレット

 

 

(権現坂)

② □ ⑦ □ ③   魔法罠ゾーン

□ □ ① □ □   メインモンスターゾーン

  □   □     EXモンスターゾーン

□ □ □ □ □   メインモンスターゾーン

□ □ ⑥ ■ □   魔法罠ゾーン

(エリー)

 

 

 

「大丈夫かしら……」

 

そばでエリーの戦いを見守るブルームガールと遊介。

 

この状況、一見権現坂がビックベン―Kを倒されれば終わりという劣勢に見えるが、今後の展開はエリーの手札によるものだと考えている。

 

それでも、デッキをオールモンスターでここまでのデュエルに仕上げるあたり、決して弱くはない。エリーには厳しい相手だったかと遊介は任せた自分を責めそうになった。

 

しかし、それが彼女に失礼なことであると思い出す。

 

今自分がすることは彼女を信じること。自分たちのために体を張って戦っている彼女の勝利を信じることだ。遊介はそう考えなおす。

 

このように戦うことを望んだのは彼女なのだから、その覚悟を受け止め、見守るのもまた。

 

「信じよう。それも仲間としての務めだ」

 

「……そうね」

 

 

 

エリーは目の前にそびえ立つ大きな壁を見る。

 

かつて、弱かった自分では、とてもではないが超えられない壁。

 

しかし、今のエリーは違う。本物のヒーローと出会えた今は、その勇気を見習い、自分が守りたいものを自分で守りたいと、憧れの背中を見ながら、そう憧れた。

 

そして、いつまでも憧れではいけない。

 

この状況を打破するカードを手にするため、エリーは祈った。

 

己のデッキに、勝利を。

 

 

ターン4

 

 

「私のターン……ドロー!」

 

エリー LP4000 手札2

モンスター

魔法罠 ⑥ 神の居城 ヴァルハラ 伏せ1

 

カードを引く。

 

そのカードを見る。

 

引いたのはレベル3の弱小モンスターだった。

 

しかし、それは確かに希望の1枚だった。

 

「私のフィールドにモンスターはいません。私は、神の居城ヴァルハラの効果で、アテナを特殊召喚!」

 

始めに呼んだのは、こちらも麗しき聖女たる高レベルの天使族。

 

アテナ レベル7 攻撃表示

ATK2600/DEF800

 

強力なモンスターではあるが、このモンスターでは、届かない。

 

しかし、本命はこちらではない。

 

「創造の代行者、ヴィーナスを召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス レベル3 攻撃表示

ATK1600/DEF0

 

「代行者ヴィーナスの効果! 500LPを支払い、自分の手札、もしくはデッキから神聖なる球体1対を特殊召喚します! 私は3回支払い、3体の球体を特殊召喚します!」

 

自身の命を削ることをいとわず、エリーは最後の希望を呼び出す。

 

エリー LP2100→600

 

神聖なる球体(ホーリーシャイン・ボール) レベル2 攻撃表示

ATK500/DEF500

 

神聖なる球体(ホーリーシャイン・ボール) レベル2 攻撃表示

ATK500/DEF500

 

神聖なる球体(ホーリーシャイン・ボール) レベル2 攻撃表示

ATK500/DEF500

 

フィールドにエリーが呼び出した4体のモンスター。

 

壁を作るわけでもない。全員攻撃表示だ。もとより、そのような生ぬるいことは考えていない。

 

エリーの目は既に、目の前の巨大な武将を倒すことだけに向いている。

 

「現れろ、未来を導くサーキット!」

 

その掛け声は、彼女にとってのヒーローの真似だったが、生半可な覚悟で使っているつもりはない。

 

「私は、フィールドに存在する4体の天使族モンスターをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン!」

 

上空に現れた召喚のサーキットに、4体の天使が飛び込んだ。

 

「光の、人々の希望を守る天からの守護者! リンク4、光の守護天使 ヴァルハミレニア!」

 

眩い金色の塔が顕現する。そしてその中に降臨した天使は、エリーのエースモンスター。金色の塔が薄れると共に、

 

「うわあ、綺麗」

 

ブルームガールが総評する、大きな六の翼と、金色の鎧を纏った天使の騎士がその姿を現す。

 

光の守護天使 ヴァルハミレニア

リンクマーカー 上 右上 左上 下

ATK2500/LINK4

 

「ほう……、新たな刺客か。だが、それでどうやってベン―Kを超える?」

 

興味がそそられたのか、権現坂は問いを投げる。

 

エリーの答えはこうだ。

 

「もちろん、この天使で」

 

エリーは呼び出した自身のエースの効果を躊躇うことなく発揮する。

 

「ヴァルハミレニアの効果を発動します! 墓地の天使族モンスターを除外し、このモンスターのリンク先に存在するモンスターの攻撃力と守備力を、効果で除外した天使族の攻撃力分だけダウンさせます!」

 

「ぬ……」

 

「私は、レベル8のザ、スプレンディットヴィーナスを除外し、ビックベン―Kの守備力を2800ダウンさせます! シャインオブプライド!」

 

天使の騎士は自身の剣を抜き放ち、その先端から集束させた光を解き放った。白いレーザーはビックベン―Kの脚を確実に貫き、その武者の仁王立ちを崩した。

 

超重武者ビックベン―K DEF3500→700

 

「ぬお……そんな効果が」

 

ようやく表情に変化を見せた権現坂。当然の反応と言えるだろう。己の武将がこれほどまで弱体化しているのだから。

 

そして、権現坂はその表情を驚きに変化させることになる。

 

それはエリーのバトルの宣言と共に言われた、一言によるものだった。

 

「バトルフェイズ。ヴァルハミレニアの効果で、フィールド上の天使族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与える!」

 

「なに!」

 

即ち、守備表示であるが故の戦闘ダメージ0が通じない。攻撃表示の時と同じようにダメージが通ることになる。超重武者の強みを潰す効果だ。

 

「私はアテナで、超重武者ビックベン―Kを攻撃!」

 

聖女は己の聖なる武器をもって、相手の武者へと向かう。迎え撃とうとする武者だが、先ほど脚に穿たれた穴によってまともな構えを取ることはできない。敗北は必須だった。

 

(勝)アテナ ATK2600 VS 超重武者ビックベン―K DEF700

 

「ぐおおお……!」

 

権現坂 LP4000→2100

 

戦闘ダメージをまともに受ける権現坂の周りの地面には、白の魔法陣が描かれた。

 

それこそ、ヴァルハミレニアの攻撃。エリーのエースたる守護天使が落とす、神の雷。

 

「光の守護天使ヴァルハミレニアで、権現坂さんへダイレクトアタック!」

 

「これは……むう」

 

権現坂にこの攻撃を防ぐ手段はない。

 

故に選んだのは、ビックベン―Kと同じ、仁王立ちだった。

 

「……来い! この一撃、俺は逃げも隠れもしない!」

 

覚悟を決めた目で最後まで堂々たる姿を見せた相手に、エリーは最上の敬意をもって、攻撃の合図を言い放った。

 

「ヴァル・インティグレイ!」

 

魔法陣に向かって、蒼の雷が降り注いだ!

 

ギュアアアアア!

 

風の世界の巨大な怪鳥をも唸らせる雷を、

 

「うおおおおおおあああああああ!」

 

権現坂は、己の宣言通り逃げずに受けきったのだった。

 

 

権現坂 LP2100→0

 

 

 

 

デュエルが終わり、若干ふらつく権現坂、しかしエリーの前に歩み寄り、

 

「見事なデュエルだった」

 

握手を求める。エリーはそれに確かに応えた。

 

「お相手、ありがとうございました!」

 

「こちらこそ。楽しいデュエルだった。礼を言う。機会があればまた相手になってくれ!」

 

「はい、喜んで!」

 

最近はいろいろと冷や冷やするデュエルが多かったため、遊介はこのようにデュエルで親睦を深める様子を見られたことが嬉しかった。

 

やはり、デュエルは人にいい結果をもたらす娯楽であることを再認識した。

 

そして、遊介は何よりエリーが勝ったことが純粋に嬉しかった。

 

「お疲れ、エリー」

 

ブルームガールがいち早く歩み寄り、頭をなでなでする。

 

「うわあ、やめてください、恥ずかしいです」

 

と言いながらエリーは遊介を見る。

 

「いいデュエルだったよ」

 

遊介がニコニコしながらそう評価したことが、エリーにとってとても嬉しいものだった。

 

「いやあ、負けた負けた。これは痛快だったな」

 

自身のデュエルを顧みる権現坂に、

 

「じゃあ、これで俺らの強さには納得してもらえたか?」

 

遊介が問う。

 

「ああ、とりあえずは納得した。これくらいの腕があれば、紹介しても問題あるまい。すぐに案内しよう」

 

「怪鳥アルスにか?」

 

「ああ、そこの大聖堂で、俺たちのリーダー、赤馬零児が待っている」

 

権現坂は遊介に、大聖堂へ連れていくという確約をした。

 

これで道は拓けた。

 

「ああ、ありがとう」

 

権現坂に礼を言い、すぐに仲間に知らせようとする遊介。

 

その時、

 

「権現坂……?」

 

少し離れたところから遊矢の声を、遊介は聞く。

 

既に、二手に分かれたもう一方の組が、こちらに来ていたようだった。

 

「ああ、遊矢……」

 

すぐに事情を説明しようと、遊介は手招きで遊矢を呼ぼうとした。

 

しかし、それは阻まれることになる。

 

「遊矢、遊矢なのか……!」

 

なんと、権現坂の目が急にうるうるし始めたのだ。

 

「ゆううううううううやあああああああああ!」

 

そして、権現坂は鉄の下駄をはいているとは思えない速さで走り始め、遊矢の元へ。

 

そして、遊矢に、

 

「遊矢、遊矢、ゆうやあああああああああ! 良かった。良かった。生きていたんだな! うおおおおおおお!」

 

嬉し涙を流しながら、熱い抱擁をしたのである。




今回のデュエルはいかがだったでしょうか?
超重武者は魔法も罠も使わないので簡単かと思いきや、意外とデュエル構成は大変だった気がします。一方でエリーの方は、典型的な天使族デッキにしました。これはエリーの部分を適当にしたわけではなく、今回使ったオリジナルカードをエースにすることは決めていたので、それにふさわしいデッキにしてみました。

早いもので5月ももう終わろうとしていて、いよいよ連載開始から1年が近づいています。
何か一周年記念的なことをしてみようかなと思ったり、速くストーリーを進めたいとも思ったり。なかなか悩みどころです。

さて、次回はいよいよランサーズとの対面です。
あらかじめ言っておくと、ランサーズのメンバーは本編と大きく違います。その目的も違うので当然と言えば当然ですが。

ここだけの話、クロスオーバーが楽しいタイプの人間として、ちょっと残念な結果となったアークファイブのリベンジができればと思って始めた連載なので、ランサーズの登場はかねてからやりたかったことの1つだったりします。

登場人物出しすぎじゃね? と考えている人もいると思いますが、ご安心ください。これ以上は敵側のモブしか増えません。(それでいいのか)

ランサーズにはもしかすると意外な人が登場するかも? お楽しみにお待ちください。


(アニメ風次回予告)

風の世界の頂上。そこで、数多の次元を旅した精鋭の戦士と出会う。光の世界を守るための交渉の矢先、その男は現れた。ペンデュラム世界に侵攻し、多大な被害をもたらしたその男に、2人のエリアマスターが立ち向かう。

「私の戦いに、ついて来れるか?」


次回 遊戯王VRAINS~『もう一人のLINKVRAINSの英雄』~

   「DDD」

   イントゥ・ザ・ヴレインズ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。