遊戯王VRAINS もう1人の『LINK VRAINSの英雄』 作:femania
・小説初心者で、連載小説初挑戦です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品なので、遊戯王アニメシリーズのキャラが登場することもありますが、設定が違うので元と性格や行動が違うことがあります。
・過去にアニメシリーズで使われていたデッキを本人ではなくこの作品のオリジナルキャラが使うことがあります。また、使用されるデッキはエースモンスターはそのままにデッキをアレンジしたものになっていることがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・人物描写はスキップしています。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・オリジナルのカードも使ってます。
・作品はほぼオリジナル展開です。
これでOKという人はお楽しみください!
いやあ、デュエルって書くの大変だなぁ(今更)
7月26日追記 訂正箇所があったため訂正しました。
フィフテル 手札1 LP1000
モンスター ⑤ オーダートークン
魔法罠 ⑥ セカンドオーダー「暗黒の太陽」 ⑦ セカンドオーダー「尽きぬ生贄」
⑬ 命と力の契約 伏せ1
(フィフテル)
□ ■ ⑥ ⑦ □ 魔法罠ゾーン
⑤ ⑤ □ ⑤ ⑤ メインモンスターゾーン
□ ⑧ EXモンスターゾーン
□ □ □ ⑨ □ メインモンスターゾーン
□ □ ⑩ ⑪ ③ 魔法罠ゾーン
(遊介・零児)
ターン6
遊介・零児 LP5700 手札 零児3 遊介0
モンスター ⑧ サイバース・アクセラレーター ⑨ デコード・トーカー
魔法罠 ⑩ ターゲット・アルゴリズム ⑪ アタッチドファイル
③ DDD極智王 カオス・アポカリプス
「私のターン!」
赤馬零児はがカードをドローし、手札を4枚にした次、その効果は宣言される。
「墓地の、The supremacy SUNの効果を発動する! 手札のカードを1枚墓地へと送り、墓地のこのカードを特殊召喚する! 蘇れThe supremacy SUN!」
再び太陽は昇った。
そして、その灼熱は、すべての生命を絶命させる。
「セカンドオーダー、暗黒の太陽の効果を発動する! フィールド上のモンスターをすべて破壊し、1体につき800ポイントのダメージを与える!」
遊介が展開した戦いの布陣はすべて崩壊し、さらにその代償がLPへのダメージとなって迫る。
言葉を発するはずもない。デュエルでのダメージを直接感じている今の遊介は、LPダメージ4800という、過去最高鋒の攻撃を直に受けている。体に走る痛みは、痛烈さを思い起こさせる叫びをすることすら許さない。
遊介・零児 LP5700→900
もはや風前の灯となった命に、止めを刺す1枚を、フィフテルが披露したのはその瞬間。
「トラップカード。『セカンドオーダー・反逆の暁星』を発動! 発動ターン、LPが低いプレイヤー、つまりお前らのモンスターは、メインフェイズ1終了時に全員が攻撃表示となる。この時リバースモンスターの効果は発動されない。そしてバトルフェイズ、LPが低い方のプレイヤーのモンスターは、攻撃可能な場合必ず相手モンスターに攻撃しなければならない。ただし、モンスターを召喚しないでやり過ごすことはできない。このターン、LPが低い方のプレイヤーがモンスターを場に残さずメインフェイズ1を終了した場合、俺がデュエルに勝利する」
赤馬零児は発動されたトラップにより、自らが置かれた状況を正しく言葉にした。
「貴様には元々オーダートークンと暗黒の太陽の合わせ技もある。どのみち、このターンで止めを刺さなければ、我々が負けるということか」
フィフテルは、ニヤけた顔で、
「その通り。お前らに超えられるか? 攻撃力6000を」
と一言。その表情は、明らかに自身の勝利を信じている者がするものになっていた。
それも当然だろう。フィールド上には攻撃力が6000もあるモンスターを待機させている。そしてセカンドオーダー『尽きぬ生贄』の効果で壁役のモンスターも呼ぶことができる。そして、先ほどの罠でダイレクトアタックができるモンスターでの突破も封じた。さらに向かい合っている相手はこのターンエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。強力なモンスターを呼ぶことすら制限されている状態だ。
いわば将棋で言う王手を宣言したに等しい。
「さらに俺は、墓地の『セカンドオーダー・ラグエイルの呪杖』の効果。このカードが墓地に存在するとき、お互いのスタンバイフェイズ、俺はLPを500回復していく」
フィフテル LP1000→1500
圧倒的にフィフテルの有利。しかし、赤馬零児はここまでの流れに対し対し一言。
「そうか」
ただ冷静に、状況を見極め、新たなる一手を打とうとする。その目には、諦観を思わせる意思は一切感じられない。
「私は、スケール10のDD魔道賢者ニュートンをペンデュラムスケールにセットする。これでスケールは4と10。よって、レベル5から9までのモンスターは、手札からペンデュラム召喚可能!」
「やる気なのか。この状況で」
「当然だ。私はランサーズのリーダー、そして隣の彼は光の世界のエリアマスター。共に守るべきものを持ち、それを守る大きな責任を背負っている。生半可な覚悟で戦いなどしないし、敗北などあり得ない!」
赤馬零児の場に、ペンデュラム召喚の条件は整った。ペンデュラム召喚はエクストラデッキだけでなく、手札からモンスターを召喚する力もある。相手が発動した、エクストラデッキ封じの効果は受けない。
「我が魂を揺らす大いなる力よ。この身に宿りて、闇を斬り裂く新たな光となれ!」
口上と共に降臨する、新たなる王は、これまでの王たちとはまた違う、ペンデュラムモンスターの王。
「ペンデュラム召喚。降臨せよ。すべての王を超越し得る異次元の覇者。DDD死偉王ヘルアーマゲドン!」
天空に描かれた召喚陣から、現れ出でたのは、人型ではない、恐怖を人に植え付ける異形の王。
DDD死偉王ヘル・アーマゲドン レベル8 攻撃表示
ATK3000/DEF1000
「もとより、逃げるつもりはない。このターンですべての決着をつけよう。私は魔法カード『DDDの異動辞令』を発動! 自分フィールド上に『DDD』モンスターがいるとき、フィールド上の『DD』カード1枚をデッキに戻し、デッキから新たな『DD』モンスターを手札に加える。私は、魔道賢者ニュートンをデッキに戻し、デッキから、DDケルベロスを手札に加える。その後、私はLPを1000回復する」
遊介・零児 LP900→1900
「……へへ」
フィフテルの笑みは止まらなかった。
絶体絶命の中、それでも全く闘志が揺らぐ気配のない目の前の男が、次に何をするのかが楽しみで仕方がない。命を賭けた勝負の中で、相手が何をしてくるか分からない。次はどのような形で自分を驚かせてくれるのかが楽しみで仕方がない。
「そして私はペンデュラムスケールに存在する、カオスアポカリプスの効果を発動する。墓地のDDモンスター2体を除外し、このカードを特殊召喚できる! 私は、墓地のサイフリートとエグゼクティブテムジンを除外!」
そして今まで、ペンデュラム召喚の軸となっていた王が、戦いの場へと姿を現した。
DDD極智王カオス・アポカリプス レベル7 攻撃表示
ATK2700/DEF2000
「2体並べた程度で」
「この程度では終わらん。LPが初期状態の半分以下になっている場合、私は永続魔法、『地獄門の禁忌契約書』を発動!」
「地獄門の契約書じゃなくてか?」
フィフテルの問いに零児は答える。
「そのカードを強化したものだと考えればいい。ただし、コストも膨大だ。エンドフェイズにこのカードがフィールド上に存在すると、そのターンに手札に加えたモンスターの攻撃力の合計分のダメージを受ける効果がある。しかし、代償の分、強力な効果を発動できるのも事実。このカードは1ターンに1度、デッキから異なるDDモンスターを2体まで手札に加える効果を持つ」
既に手札に加えるモンスターは決まっていたようで、デッキを確認してから迷った様子は見せなかった。
「私はデッキからDD魔道賢者二コラとDDD制覇王カイゼルを手札に加える。そして、この効果を使用した時、私のフィールド上のDDDペンデュラムモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力を、今手札に加えたモンスターのレベル×300ポイントアップする。制覇王のレベルは7、二コラのレベルは6。よって、13の300倍、3900攻撃力をアップする。ただし、この効果を使用した後には、私は新たにモンスターを特殊召喚できない」
そして赤馬零児はその契約書の効果を、カオス・アポカリプスに使用した。
DDD極智王カオス・アポカリプス ATK2700→6600
「てめ、なんだそのカードは?」
フィフテルがまた赤馬零児に向け言葉を発する。しかし、その表情は驚きに満ちているように見えた。
「らしくないじゃないか、そのカード。俺が知っている赤馬零児は、もっと確実で完璧なデュエルをする男だ。そんなお前が、なぜそんなハイリスクなカードを入れてんだ。確かに効果が強力だが、その契約書の破壊を封じられるだけで、お前にはバカみたいなダメージが行く。解せないな?」
「確かに、ハイリスクハイリターン、とは本来避けなければならない行為だが、時にリスクを背負ってでも、未来を取らなければならないときもある。そうしなければ、組織が衰退するか、死ぬかと言うときは特に。私にとってはまさにこれは禁忌契約。しかし、ランサーズとして、私の仲間が多くの危機を乗り越え成長したところを見て、私も思ったのだ」
赤馬零児は、榊遊矢の方を向く。
「彼は多くの苦難と挫折を乗り越えてきた。エンタメデュエルは受け入れられず、独りよがりで、くだらないものだと多くの批判を日々受け続けている。しかし、彼は今も折れていない。彼はエンターテイメントが一つの形だけではないことを学び、相手と呼吸を合わせなけれなければならないことを学んだ。多くの強敵との戦いの中で」
次に赤馬零児は光津真澄の方を向く。
「彼女はかつてはとても弱かった。デュエルがじゃない。強敵と戦うことへ恐怖していた。しかし、ここまでの旅で、勇気を手に入れた。戦う勇気を。確かにランサーズには必要不可欠な素質だが、それを手に入れるのには多大な時間がかかる。だれしも負けたくはないものだ。特に生死がかかっているならなおさら。私は彼女は誇らしく思う」
そして再びフィフテルの方を向く。
「他にも、私の仲間が成長を見せ続けている。管理者としてこれほど誇らしいものはない。そして、それと同時に、私もまた己を見直す機会を得た。貴様の言う通り、やり方を変えればリスクも増える。それは私の好むところではない。しかし、成長のないデュエリストにも未来はない。敵は次元をも超える超越者たちの軍団、ならば、私も強くならなければ、仲間に示しがつかない」
何かを思い出したのか、赤羽零児は一瞬笑った。
「そういえば……私が尊敬するデュエリストが、こんなことを言っていたな。何かを成し遂げたければ、勇気をもって前に出ろ。今思えば、綺麗事のように聞こえるそれも、確かに間違ってなどいない言葉だった。我々ランサーズは行く先を恐れながら、常に進化していく。全てはお前達を倒すために」
赤馬零児のフィールドに、ペンデュラムスケールは存在しない。ペンデュラム召喚自体は1ターンに1度だが、スケールのセットは何度でも行える。
「私は、DD魔道賢者二コラと、DDケルベロスをペンデュラムスケールにセッティング!」
新たなペンデュラムカードは効果の発動のため。
「DDケルベロスのペンデュラム効果! フィールド上のDDモンスター1体を選択し、そのモンスターのレベルを4に、その攻撃力と守備力を400アップする! カオスアポカリプスを選択」
DDD極智王カオスアポカリプス ATK6600→7000 レベル8→4
「さらにDD魔道賢者二コラの効果を発動する! 手札のDDDモンスター1体を墓地へ送り、フィールド上のレベル6以下のDDモンスター1体の攻撃力を2000上昇させる」
DDD極智王カオス・アポカリプス ATK7000→9000
「これで……」
自分ではどうしようもなかったこの状況を赤馬零児は1ターンで逆転した。遊介はその手腕とデッキの持つパワーに驚愕する。
赤馬零児は特に満足することもなく、
「バトルだ」
戦いを宣言する。
「来るか?」
「これで、あの忌々しい太陽を葬ることができる。私がバトルを宣言することにより、君の特殊勝利条件は果たせない。私はカオス・アポカリプスで、The supremacy SUNを攻撃!」
その宣言に躊躇はない。極智王の攻撃力は6000という力を持つ敵を圧倒する9000。この攻撃が通れば戦いは終わる。
――通ればの話だが。
相手はイリアステル。その攻撃を易々と通すのならば、次元を超えた先で勝利し続けるような存在になってはいない。
「墓地の『セカンドオーダー・マグノリアの呪杖』を発動する! 墓地のこのカードを除外し、相手の攻撃を無効にして破壊する! この効果に対し、相手はカードの効果を発動できない!」
満を持しての攻撃を無慈悲に止めるフィフテル。
逆転の一手となるアポカリプスは、フィフテルが持った杖により消滅した。
「どうした? こんなもんか? 赤馬零児!」
イリアステルの男は、勝利を確信した。そして、思いきり歯を見せ笑顔を見せる。
しかし、何も表情を変えることなく、零児は行使される効果を宣言する。
「死偉王ヘルアーマゲドンの効果を発動する。フィールドのモンスターが破壊されたとき、自らの攻撃力を、破壊されたモンスターの元々の攻撃力分だけアップする・アポカリプスの元々攻撃力は2700。その攻撃力をヘルアーマゲドンに加える」
「たとえそうだとしても、ヘルアーマゲドンの攻撃力は5700どまり。俺の太陽の攻撃力には敵わない!」
DDD死偉王ヘル・アーマゲドン ATK3000→5700
その通り。このままでは通らない。そしてヘルアーマゲトンもまた攻撃を強制される。次のターンまで生かすこともできない。
今度こそ王手。フィフテルは自身の勝ちを確信した。
しかし、赤馬零児はそれでも、悔しそうな顔も、敗北を恐れる顔もしなかった。
「……私の攻撃はまだ終わっていない」
「は?」
零児は遊介の方を見る。
「君のカード、使わせてもらう」
「ああ」
わざわざ遊介の方を向いたのは、そのカードが遊介が仕掛けた次への布石だったから。そしてそれを使うのは赤馬零児。まさに同盟の結晶ともいえる共同戦線が成し得た一手である。
「私は墓地の、『アタッチドファイル』の第2の効果を発動する。バトルフェイズ時、墓地のこのカードを除外し、私はフィールド上のモンスター1体を選択して発動する。墓地のサイバース族モンスター1体を攻撃力を0にして特殊召喚し、選択したモンスターをサイバース族へと変更する! 墓地のサイバースアクセラレーターをヘルアーマゲドンの隣に呼び、ヘルアーマゲドンをサイバース族へと変更する!」
「な……!」
フィフテルは、その目的に気づき、笑みが消える。
その後の効果は、遊介が説明した。
「サイバースアクセラレーターの効果は覚えているな? このカードのリンク先のサイバース族モンスターの攻撃力を2000ポイントアップする効果を持つ。そして幸いにも、このカードのリンク先は右と左にもある。ちょうど、サイバース族モンスターになったヘルアーマゲドンがいるな」
赤馬零児は続けた。
「サイバースアクセラレーターの効果により、ヘルアーマゲドンの攻撃力を2000ポイントアップする!」
DDD死偉王ヘルアーマゲドン ATK5700→7700
「やべ……」
フィフテルは墓地を確認する。
元々このデッキは杖を主体にするのではなく、あくまで太陽を主軸に置いたデッキ、元々防御のための杖はそれほど多く入れていない。故に、デッキからカードを墓地へ送っていても、運悪く、墓地に守る手段がないこともある。
まさに今がその状況だった。
「これが同盟の成果と言えるだろう。運よく君を倒せそうだ」
「うワァァァ。赤馬……零児、やるじゃねえか」
「バトルだ。私はDDD死偉王ヘルアーマゲドンで、The supremacy SUNを攻撃!」
ここまでのすべての行動に意味があった。それゆえの勝利へつながる一撃が放たれる。
イリアステルを名乗るその男に、最後の攻撃を放った。
「ヘルテンダクルウィップ!」
黒く分厚く、禍々しい死の鞭が生成され、そして踊り狂う。その太陽が粉砕するまで。
(勝)DDD死偉王ヘル・アーマゲドン ATK7700 VS The supremacy SUN ATK6000 (負)
「ウオワアアアァァァァああああ」
最後の一撃を堂々と叫びながら、フィフテルは甘んじて受けるしかなかった。
フィフテル LP1500→0
デュエルは終わり、フィフテルは保有ライフを失って立ち上がる。
赤馬零児には勝利への満足感はないようで、特に顔が穏やかになることはなかった。
一方で遊介は、今のデュエルでよく勝てたものだと顧みていた。恐らく一人ではとてもではないが勝てなかっただろうと思う。
「遊介」
赤馬から一言。
「感謝する。このデュエル、ともに戦ったからこそ勝てた。私の勝利ではない、我らの勝利だ。1500ポイントは君が持っていくといい」
「え、でも、それじゃ光の世界が逆転するぞ?」
「我々ランサーズは風の世界に執着があるわけではない。だが、君は違うのだろう? 私は、君が光の世界を守るために戦っているのを知っている。ポイントは、持っていて意味のある人間に与えるのが最適だろう」
「なら、ありがたく頂戴しますよ」
デュエルディスクに1500ポイントが振り込まれ、光の世界がギリギリ安全圏内へと入ったことを確認した。
一方で赤馬零児は再び、フィフテルを見る。残りライフが4000になった表示を確認し、口を開く。
「私の仮説だが、イリアステルと言えども、この世界のルールには縛られているように見える。その保有ライフ、本物だな?」
「その通り、アルター様は酔狂な人でね。俺達もプレイヤーの一人として、命懸けの楽しむよう命じられた。おかげで俺の保有ライフは残り4000。もっと、この遊びのデッキで楽しみたかったぜ」
「遊び……?」
遊介は、その言葉を嘘だと思いたかった。
しかし、ソレをフィフテルは真っ先に否定する。
「当たり前だろ。こんな弱いデッキでイリアステルの幹部やってられるかっての。まあ、でもやっぱりロマンのあるデッキはいい。杖を使うのも面白いが、こうしてモンスター同士の削り合いってのが、まさしくデュエルの醍醐味だと思うんだよ」
フィフテルはへらへらと笑いながら敗者とは思えない堂々たる態度で大声を出す。
「今回は勝ちを譲るぜ、イベント戦大勝利おめでとう。またいずれ会おうぜ。今度は俺らの本拠地とかでな。でもまあ、次負けたら死ぬし、さすがに次は本気で戦わなくちゃなぁ。今度は俺も負けねえぞぉ! はははははは!」
腰につけた球体を手に持ち、フィフテルは地面に叩きつける。
目くらましのフラッシュ・バン、激しい光から身を守るため目を閉じるランサーズとプレイヤーズの諸君。
次に視界が開けた瞬間、フィフテルは姿を消していた。
「あれで本気じゃないって……」
遊介はうなだれる。そしてデュエルの疲れから腰を落とした。エリーが心配そうに駆け寄ってくる。
赤馬零児は後ろで控えていたランサーズに何かを指示したが、それを頭に入れる余裕も今の遊介にはなかった。
「マスター、飲み物です。後始末が何かあれば、私たちに任せてください」
「ああ、エリーありがとう」
そう言いながらも、遊介は、これから来るだろうイリアステルとの戦いに一抹の不安を感じていた。
土の世界。
「……く……」
まっつんこと良助は、敵を前に膝をつく。
「いやあ、強かった強かった。アルター様がなかなかやると聞いて、本気で来て正解でした」
良助のLPはまだ十分残っていたが、この一撃を耐える余裕はない。目の前には、セカンドオーダーの力で、攻撃力が20000まで跳ね上がっている、セカンドオーダーのモンスターがいた。
セカンドオーダー・輪廻の管理者
リンクマーカー 上 左上 右上 右下 下 左下
ATK4000/LINK6
「ようやく、追いつめたのに、ここでその化け物呼ぶのかよ……!」
「ご安心を。あなたはまだ保有LPが4000残る。次戦うまでに、どうして負けたのか考えておくことですね?」
良助 LP4000→0
炎の世界。
巨大な爆発が起こった。
その後、ジャックの行く末は知れなくなった。
水の世界。
「まったく、なかなかやる……」
「そっちもね」
リボルバーとイリアステルの戦士、サーディスの戦いは激化する。
共にLPは半分以下まで減り、手札も、モンスターの攻撃力も互角。これまでは。
「ところで、貴方は、これから光の世界と解放軍に勝負を挑むとか?」
「それが何?」
「ふふふ……残っていると良いですね……」
次の瞬間、戦況は一気に変わった。
あるモンスターがその場に現れた瞬間。凄まじい威圧と共に、その竜は顕現する。
戦いは決着した。
エデンのチームメイトたちは、全員が一斉に水の世界から脱出することとなった。
そして、光の世界。
「……今あいつはここにいねえよ」
「そうですか。では待たせていただきましょうかね。あなたには眠っていてもらいましょう」
目の前には時戒神サンダイオン。そのモンスターは戦闘終了後、相手に4000のダメージを与える効果を持つ。
(無茶苦茶な相手だぜ……)
ヴィクターの今のデッキでは、とても相手にならない敵。
相手の使う、すべてのモンスターがヴィクターの戦う土俵である、戦闘で無敵の効果を持ち、さらに戦うだけこちらが消耗していく。
「では、待たせていただきましょうかね。ここで、遊介君を」
「野郎……!」
「バトル、サンダイオンで、邪帝ガイウスに攻撃。私のサンダイオンは現在攻撃力0ですが」
「戦闘破壊無効、ダメージ0だろ。嫌って程聞いた……!」
「そのとおり、では効果ダメージ4000で、お別れですね!」
(クソ、クソクソクソクソ……!)
身が燃えるほどの怒りと、自身の弱さを呪いながら、ただ目の前の絶望に嘆く以外に道はない。
「てめえ……! 次は絶対に負けねえからなぁ!」
ヴィクター LP1700→0
遊介たちが、何とか身に迫るイリアステルの敵を倒した一方で、各地で、イリアステルとの戦いに決着がついていた。
そのデュエルを見た多くのデュエリストが驚愕する。
トップクラスのデュエリストを相手に圧倒のデュエルを見せたイリアステルは、まだ遊びのデッキだったことを。
すこし時間が空いてしまい申し訳ありません。
先週投稿したつもりが、つもりのまま、投稿していませんでした。新しい話を投稿しようとした今日気が付いたので、今日はこの話を投稿させていただきました。
既に次回の話は書き上がっていますが、連投はせず、少し間を置きたいと思います。
イリアステルの唐突な襲撃のデュエル。
赤馬零児の圧倒的なデュエルを少しでも美味く表現しようとは思いましたが、相手が悪かったですね。
少しギリギリの勝負になってしました。
もっとも、このデュエルで遊介君に、まだまだ自分が弱いということを自覚させるにはいいデュエルになったのではないかと思います。このデュエルは、零児がいなければ勝てないようにはしています。
執筆の舞台裏ですが、零児と書くとき、パソコンがなかなか変換を覚えてくれないのが面白かったです。
零児と書こうとしても、礼二だの、零時だの、例示だの、挙句の果てに〇児だの。まともに出た時の方が少なかったような気がします。
地獄門の禁忌契約書はいわゆる、架空デュエルでおなじみの強欲な壺その他類似効果の代わりですね。たまにやってみたくなるのが強力なドロー・サーチ等効果。しかし、さすがに壺系統は安直だったので、少し変えました。ここは見逃してください。お願いします……。
さて、いよいよ次回がボスバトル、となりそうなのですが、1回だけブルームガールのデュエルを挟みます。相手は秘密です。一応布石は、ここまでで打っておいたので、予想しながら待っていてください。
もしかすると、次回も今回ぐらいに長くなるかも……。
(アニメ風次回予告)
光の世界に危機が迫る。ヴィクターからきた緊急メールの中で、敗北の二文字が遊介を追い詰める。危機にに立ち向かうため、ブルームガールたちはランサーズの援軍と共に急いで拠点へと向かう。しかし、予想もつかない方向へと動きはじめた。
「これで、彼を助けてもらえるのなら……!」
次回 遊戯王VRAINS~『もう一人のLINKVRAINSの英雄』~
「魅惑的な取引」
イントゥ・ザ・ヴレインズ!