遊戯王VRAINS もう1人の『LINK VRAINSの英雄』   作:femania

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注意事項

・小説初心者で、連載小説初挑戦です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品なので、遊戯王アニメシリーズのキャラが登場することもありますが、設定が違うので元と性格や行動が違うことがあります。
・過去にアニメシリーズで使われていたデッキを本人ではなくこの作品のオリジナルキャラが使うことがあります。また、使用されるデッキはエースモンスターはそのままにデッキをアレンジしたものになっていることがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・人物描写はスキップしています。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・オリジナルのカードも使ってます。
・作品はほぼオリジナル展開です。

これでOKという人はお楽しみください!

第2シーズン最終回です。
長めになりましたが、お楽しみ頂ければ幸いです。
投稿は

前編 本日

中編 30日

後編 31日

にします。


26話 決戦――そして(前編)

風の世界を出た頃にブルームガールが1人、合流地点にいた。

 

Dボードが出かけた時と違うものだったことに遊介は疑念を抱く。

 

しかし、ささいなことだと今は無視することにした。

 

「みんなは?」

 

何より遊介が心配だったのは仲間の安否だった。せっかく赤馬零児が通信デバイスを渡したにも関わらず、連絡は全然来ない。

 

彼曰く、もしかすると罠にはめられたのかもしれないとのこと。遊介を先に行かせたのは、叛逆軍を扇動させて状況を動かそうと企んでいるかららしい。

 

遊介もそれを待ってから後を追おうとしていたが、そこにようやくブルームガールが入った。しかし、内容は穏やかではなく至急来てほしいとのこと。

 

こうなれば遊介もさすがに仲間の身を案じずにはいられない。

 

ブルームガールへの問い。それに対し返ってきたのは、次の一言だった。

 

「エリーが……人質に取られた」

 

「何……!」

 

「このままじゃ戦うにも戦えない。どうすれば……」

 

「……とりあえず、向こうに行きながら考えよう」

 

「それなら、一時撤退しているところがあるの。そこに合流しましょう」

 

「……ああ、分かった」

 

遊介は何故か今のブルームガールがおかしいような気がしねてならない。

 

声が震えているし、どこか何かに怯えているようなそんな雰囲気で、これほど弱弱しい姿は初めてかもしれない。少なくとも遊介はそう思う。

 

「大丈夫?」

 

「え?」

 

ブルームガールの声は裏返る。そんな驚くようなことを聞いたつもりは、遊介には全くなかったのだが。

 

「その、なんか、体調悪い?」

 

「平気よ。ほら行くわよ」

 

本人がそう言う以上仕方がないか、と思い、遊介はそれ以上追及はしなかった。ブルームガールについて行き、遊介は光の世界へと向かう。

 

ブルームガールが抱く真意を、遊介は知ることはない。

 

***************************

 

 

間違っているとは分かってた。

 

これまでの道が正しいなどとは思ってはいない。

 

脅迫、蹂躙、その他、外道とも思われることにだって手を染めてきた。

 

それもすべてエデンに勝利をもたらすため。

 

イリアステルに故郷を完全に滅ぼされ、その世界で生きていくことができなくなった人々が求める最後の楽園。この世界を永続させるためならば。

 

これからもきっと、間違いを重ねていく。

 

それでも、彼らを見捨てられない。その気持ちだけは確かにある。今まで何のために生きるのかなんて考えたことはなかったけれど、この世界に来たのも遊ぶため、がきっかけだったけれど、今は、心からエデンを守りたいと思う。自分のデュエルの腕がみんなの役に立つのなら。大好きなデュエルで誰かを助けられるのなら。

 

たとえどんな困難が待っていようと、誰と戦おうと、その意思を貫く覚悟はある。

 

 

 

いろいろな人から、残してきた故郷の話を聞く。

 

イリアステルに襲撃される前の幸せな時間と、襲撃されたときに広がった地獄を。

 

世界の終焉。

 

白い服を着た集団は、街を堂々と歩きながら笑みを浮かべ人を殺していく。

 

これは願いを叶えるための尊い犠牲だと、あまりにも簡単に人の命を奪っていくのだ。

 

血のパレード。

 

大道を占拠し、列をなし、人の死を祝っていく死神の集団。手を振り子供たちに恐怖を与え、見世物で大人たちを絶望へ叩き落し、大きな音と共に、命を吸い上げていく。

 

やがてヌメロンコードが起動すると、その世界から命は消える。そこに在るのは人類がたどり着く荒野。あらゆる生命が否定され死ぬしかない世界。

 

そしてイリアステルは、自分達だけ、次の世界へと旅立つ。

 

残された者には、ただ、この世界への招待券が渡された。

 

そして、その世界で人は徐々に数を減らし、最終的には絶滅するしかなくなっていく。

 

 

 

この世界は希望だと皆語る。この世界に来るしかなかった人々の希望だと。

 

私がその話を聞くたびに、悲しみを覚えることはない。同情などあり得ないと私は思っている。苦しみは、経験した人間にしか分からないものだ。

 

私は、同情はしない、一緒に悲しむつもりはない。その代わり、彼らの剣になろうと決めた。

 

この世界を守る剣に。何とか生きようと必死になっている人々を守る剣になろうと決めた。

 

……正直に言うと、私は猪突猛進なので、相手を迎撃する剣と言うよりは、相手へと向かっていく銃弾と言った方が正しいのかもしれないが。

 

なんでもいいのだ。私が彼らにとっての戦うための手段になるのなら。

 

『死んだよ。もう死んだ。友達も家族もみんな死んだ。俺はたった1人生き残って、無様に生き残って、ここに来た。死にたくなかったから。……そう、死にたくない。そんな奴らがここにはいっぱいいる。そんな奴らの居場所にしたい。エデン、楽園をつくろう、ここに。もう死ぬ心配なんてないって笑って言えるような居場所。俺はこのチームがそんな場所で会ってほしいと思う』

 

チーム名を満場一致でこれに決めてから、私の覚悟は決まった。

 

――でも、でも、薫ちゃんもいるし、悲しませたくないし、せめて、遊介や良助には一緒に居てほしい。

 

それだけは私の我が儘、さすがに親友を殺すまでの勇気はない。だからできる限りやってみよう。

 

プライドを崩そう、追い込もう、屈服を要求しよう。

 

心が折れて、何もかもどうでも良くなるくらいまで敗北させよう。

 

そうすれば、きっと――

 

「来たわね」

 

デュエルディスクに映るブルームガールを見て、私は、遊介との戦いを覚悟する。

 

***************************

 

 

 

光の世界にたどり着く。

 

やはりイリアステルの襲撃もあり、外を歩く人はいないのを確認する。

 

そういえば、とブルームガールに遊介は尋ねる。

 

先ほどまで、戦況を詳しく報告していたのだが、これから先、どこに向かうべきなのか。そして、敵はエリーを人質にとり何を考えているのか。その2つについては何も言わなかった。

 

敵の目的、と考え始めると、ふと、遊介の頭にはアルターの顔が浮かぶ。

 

『エンターテイナーは人々に驚きを与えるものだ。尋常な精神など、持ち合わせているわけがないだろう?』

 

そんな言葉を平然と言い放つ奴の手下が敵なのだから、尋常な考えかたで考えること自体が間違いなのだろうと思った。

 

(おおかた俺を弄ぶのが目的だから、俺を釣りだすのが目的なんだろうけどな)

 

そう思いながらも一応、ブルームガールに確認する。

 

「敵の目的は?」

 

「え、それは……その」

 

「何か言えない事情が?」

 

「言うわ。あなたよ、遊介。あなたと戦いたいって」

 

「なんで俺なのかな……」

 

ブルームガールが嘘を言っている様子はない。先ほどまで抱いていた疑念は気のせいかと、遊介は少し安心する。

 

「あなたがリーダーだからでしょ。光の世界の」

 

「それはそうだけど、強さなら、ブルームガールやマイケルとかの方があると思うけどな。強い奴と戦いたいならそっちの方がいいとは、思う。まあでも、逃げるつもりはないけど」

 

「ないんだ」

 

「だって、逃げるのは格好悪いだろ」

 

「……変わらないね。そんなあなただから……まあ好きなんだけど」

 

「好き?」

 

「なんでもないわ。それで、これから向かうところなんだけど。……どうしよう、傍受されているかもしれないから、言っていいのかな」

 

「それは……その」

 

歯切れの悪い回答のまま、街の上空へととうとう差し掛かってしまった。敵が籠城している中で、その拠点となっている土地の上空を飛ぶのはいかがなものかと思う。

 

そんなことも気が付かないブルームガールではない。

 

「いいのか。こんな堂々と飛んでて?」

 

問いを投げたものの、ブルームガールから返答はない。

 

やはり何か――と思った時に、デュエルディスクにメールが届く。

 

ブルームガールからだった。

 

なぜ、そう思う前に、遊介はメールの内容を見る。

 

中には一言。

 

「ごめん」

 

何に対して謝っているのかは分からない。しかし、添付されているファイルを開いた瞬間、信じられない光景が画像として何枚も目に入る。

 

そこには無様に負ける、味方の光景、そして人質として囚われている光の世界の子供、そしてエリーと、もう一人の少女の姿があった。

 

どこかで見覚えがあるその少女は、遊介にはすぐに見当がついた。

 

遊介の妹、薫だ。しかし、以前、薫はエデンに囚われていると言っていた。

 

「エデン……?」

 

次の瞬間、下から風邪を切る音がする。凄まじいスピードで近づいてきている何か。明らかに遊介を狙ったものだった。

 

「く……!」

 

悪い予感を一瞬抱いた遊介だったが、そんなことを考える暇もなく受ける襲撃。

 

遊介は緊急旋回をして、後ろに下がる。

 

そして、ブルームガールと遊介の間に割って入った人影があった。

 

「ありがとう、ブルームガール。約束通り、皆さんの命は保証します。私の命と誇りにかけて」

 

「約束、通り?」

 

遊介が乱入者の存在を尋ねる必要はなかった。

 

彩。チームエデンのリーダー。

 

「先輩には、貴方を釣りだす役目を押し付けたの。私たちの新しい仲間として」

 

デュエルディスクの画面を見せつける。

 

その中にブルームガールの姿があり、所属チームが2つ記されていた。

 

自分のチームと、そしてエデンの名。

 

それが示すのは、ブルームガールが相手の言いなりに、つまり裏切ったという事実。

 

「勘違いしないでね。何も先輩は昔から裏切者だったわけじゃない。でも、貴方がいなかったから、代わりに私と戦って、負けて、人質を取られて。みんなの命を保障する代わりに、私たちの仲間になって貴方をここに連れてくるよう、私がお願いしたの」

 

「何……?」

 

「遊介、後はあなたを倒す。それで私は光の世界に完全に勝利することができる。あなたはすべてを失う。それで終わり。この前決まった勝負は私の勝ちってこと。どう? このスピーディーな決着は?」

 

問題はそこではない。遊介にとって問題は、人質を彩にとられていること。そんな外道な戦法を彩がとっているということ。

 

「……順番に訊こう」

 

「いいわよ」

 

決して快い気分ではないが、あらゆる情報が一気に押し寄せてきたため、遊介は今の状況を整理して気持ちを落ち着けるために、質問を要求。それが受理された。

 

「俺がお前に聞きたいのは3つだ」

 

「ええ」

 

「まず、なんでお前はここにいる」

 

「イリアステルの襲撃は一斉にだった。そしてその実力は結構。あなたも風の世界で赤馬零児と戦ったみたいだけど、よくわかるでしょう?」

 

「それを知っている理由を聞きたいところだけど、イリアステルの襲撃とお前の襲撃になんの関連性がある」

 

「光の世界が心配だったのよね。そろそろ第2の拠点が欲しいなって思ってたから。光の世界は大丈夫かなって思って、ついでに弱ってるところを襲っちゃおって。だって、イリアステルとのデュエリストとの戦いで弱っている奴と戦えればなんか勝ち目が上がってそうでしょ? そしたら驚いたわ。あろうことか負けてるし。遊介、外に出ちゃってるし。だからついでにイリアステルを倒してここを占領して、遊介を迎え撃つって形にすれば、光の世界と戦うこともできる。それも圧倒的有利に。今の現状を見ればそうでしょう?」

 

当たり前のようにイリアステルを倒してと言っていたが、風の世界での戦いを経験した今それが彼女の強さを物語っている。

 

「2つ目は?」

 

「……どうして光の世界を狙う」

 

「1つは反逆軍と戦うため。そのために豊かな土地が必要だった。どのみちすべての世界を奪おうっていう算段だし、だからって炎の世界とかだと、侵略しても食糧問題とか改善しなさそうじゃない。やっぱり、豊かな土地を狙わないと。せっかく侵略しても、チームメイトへの恩恵がないでしょ。ただでさえ一番最初の侵略なんだから」

 

ここまでなんの悪びれもせず、当たり前のように光の世界を奪おうという話をしている彩。

 

遊介は黙る。

 

それは怒りによるものだった。

 

喧嘩をするのは何も反対はない。意見が対立したなら戦うしかないとは覚悟していた。

 

しかし、それはあくまで個人同士の戦いと思っていた。光の世界を賭けてまで、この世界に多大な迷惑をかけてまで行うものではないと思っていた。

 

自分だけではなく他人に迷惑をかけることが遊介には許せなかった。そんなもの、ただの戦争だ。遊介は喧嘩は許容しても、仲間にまで被害の及ぶ戦争を認めた覚えはない。

 

「戦争だもの、遊介?」

 

彩はそんな遊介の心を読んだように言う。

 

「戦争? 俺とお前の喧嘩が?」

 

「いいえ、これはエデンと敵対するチームを滅ぼすための戦争。元々敵対するチームは完全に滅ぼすって決めてたし、貴方との以前の問答は、あくまできっかけに過ぎない」

 

「そうかよ。だからお前は光の世界を滅ぼすつもりで」

 

「滅ぼしたければ、いつでもできた。いくらあなたたちが頑張っても、光の世界は弱い者の集まりでしかない。あなた達を倒すだけの兵力は以前からあった。でも、それはだめ、せっかくの綺麗な世界を壊すのは本意じゃないし、虐殺は趣味じゃないの。戦うのは最低限。相手から得られるものを最大限得られるように手を尽くす」

 

「それが、今回の襲撃と人質作戦か」

 

「ああ、もちろん人質はあなたのチームメイトだけじゃないよ? ここに住むすべての人を人質にとった。理由は当然、貴方を釣りだすため。そこまですればあなたは逃げない。必ず私と戦うためにここに来る」

 

一度失笑し、彩は答える。

 

「あなたは、逃げ出すなんて格好悪いことはしない。正義の味方を名乗っていなくても、貴方は逃げたりはしない男。私はそれを知っている。友達だから、ずっと見てきたもの」

 

遊介はそれに返す言葉はなかった。

 

その代わり、3つ目の質問を投げかける。

 

「なんで……みんなを巻き込んだ。そうまでして俺と戦いたい理由はなんだ」

 

「もちろん。あなたのすべてを奪うためよ。まずはLP。デュエルで倒してあなたを次負ければ死ぬところまで追いつめる。次に拠点。私の認めない心休まる場所はすべて滅ぼす。次に仲間。あなたの仲間を全員洗脳でも、脅迫でも、何をしてでも奪いつくす。後は……」

 

流暢におぞましいことを言い始める彩に、遊介は純粋な疑問を投げかけた。

 

「俺の仲間を巻き込んでまで、どうしてそこまで手の込んだことをする?」

 

「決まってる。これ以上邪魔されたくないから。あなたの心を徹底的に折ろうと思って。抵抗する意思をなくせば、私はあなたを殺さないで済む。素晴らしい平和的な解決でしょう? 親友同士の殺し合いなんてしなくていいんだから」

 

目が本気だった。少なくとも遊介にはそう思えた。

 

だからこそ、なおのこと、遊介は目の前の彩がさらけ出す野望に恐ろしさと怒りを感じる。

 

彩は確かに遠慮を知らない人間だった。しかし、彼女にどんな心境の変化があればここまで本気で、このようなことをやろうと思いつくのか。もしかすると、今まで影に隠れていただけで本当は、こんな残虐な一面を持ち合わせていたのか。そんな恐ろしさ。

 

そして怒りはたった1つだ。

 

送られた画像の中に存在する、屈辱に塗れた顔を浮かべたヴィクター、苦しそうに暴れるマイケル、何かに怯えるエリー、そしてもう目も合わせてくれないブルームガールを見て。

 

「お前は、俺だけでない他のみんなに手を出した。それは、喧嘩の範疇を超えている。絶対にあってはならないことだ。俺が光の世界を守ろうとしたのは、住民の為だけじゃない、ここが好きな俺の大切な仲間のためだ。そんなあいつらの願いを潰して、自分の願望をかなえる傲慢な今のお前は、好きになれない」

 

「いいよ。もとよりそのつもり。私は謝罪を求めないし、貴方が怒りを感じるのにも文句はない」

 

「どうして、そこまでする? エデンの思想は前に聞いた。だが、お前をそれほどまでに動かすものはなんだ!」

 

「これは戦争、さっきそう言ったわよね? 故に私を動かすのはエデンの理想そのものよ。そしてその邪魔をするあなたを無力化する」

 

「エデンにどうしてそこまで入れ込む! そのために、こんな外道な戦法を取ってまで勝利を得て、お前は満足なのか。それが正しいことでも、格好いいことでも思ってるのか?」

 

「……遊介は知らないからそんなことが言えるのよ。エデンにいる人たちがどんな人たちか。まあ、別に知ってもらおうなんて考えてない。説得なんて生温い手を使うつもりもない。私は自分の願いを叶えるために、遊介と戦う。あなたのチームのすべてを奪う。エデンの全チームを屈服させる戦いの火ぶたをきる」

 

彩はデュエルディスクを構える。戦わないという選択肢はないと示すために。

 

「私はその理想を叶えると約束した。私には見捨てられない。この世界しか残っていない人々を。私にとって、その人たちを守ることが、自分にとって格好いいことだと思っている」

 

彩の声に一切の迷いはなく、彩の目に一切の曇りはない。

 

彼女は本気だと分かる瞬間だった。

 

「さあ、遊介、ここからは決闘をしよ? どうせもう分かり合えない。どちらかの願いの道を潰す以外に道はない。そもそも、私を倒せなければ、ここから先へは進めない。エデンに囚われたみんなを救うこともできない」

 

遊介は結局落ち着いていられなかった。

 

画像の中に見える、苦しむ光の世界の仲間、同じチームの仲間は決して良い顔をしていない。

 

ずっと光の世界を守ってきた彼らは、今の現状を納得しているはずがない。

 

ならば、光の世界で過ごした期間が短くても、それ故に光の世界に戦う資格があるか疑わしくても、目の前で、うつむいているブルームガールが抱いているであろう、悔しさを晴らし、光の世界を、自分たちの故郷を守るために戦うのは、きっと間違いではない。

 

遊介はそう思いデュエルディスクを構える。

 

「やる気になったのね? 言っておくけど私はルールブレイカーを持ってる。光の世界でのあなたのルールは通用しないわ」

 

「みんなを人質にとるような今のお前を、俺は許せない」

 

彩のデュエル申請を迷いなく承諾する。

 

「遊介、言っておくけど、あなたはこれに負けたらすべてを失うよ? 住民は光の世界を守れなかった愚かなエリアマスターだってあなたを評価する。当然よね? 守れなかったんだから。そして、仲間も失う。言っておくけど、私、人質を解放する気ないよ。拠点も、自分の正義も失う。だって、私たちが勝てば、貴方に抗う資格も力もなくなるもの。それでも、このデュエルを受ける?」

 

「なら、今更やめる気あるのかよ。元々俺を倒すためにここに呼び寄せたんだろ。お前にデュエルをしないっていう選択肢はない」

 

「もちろん。デュエルで遊介が弱者であることを証明する。人望も奪ってあげる。そうやって全部に負けたあなたはきっと、私に縋りつくしかない」

 

「そうはならない。デュエルには勝たせてもらう。今から解放軍も来る。全面戦争だ。お前と言う要がいなければ、まだ、勝ちの目はあるかもしれない」

 

「なら、頑張って戦ってね、遊介。さあ、勝負よ。互いの全力、そのすべてを賭けて。ルールはフィールドをマスターデュエルと同じにするスピードデュエル。お互いのすべてを賭けて戦いましょう!」

 

「俺はここを勝ち通る。お前らの好きにはさせない。俺だって、この光の世界が好きだ。そこでみんなで過ごすのが大好きだ。みんなが守ってきたその努力を無駄にはさせない。奪わせるつもりはない!」

 

互いに保有LPを4000分賭ける。

 

今回は特殊なデュエル、フィールドはマスタールールを使う一方、スキルがありの、真に互いの持てる力すべてを使うデュエル。

 

二人は向き合った。

 

遊介は自分達の故郷と友を守るため、そして彩への失望を籠めて。

 

彩は、自分の正義を貫くため。

 

互いの信念を賭けた戦いが始まる。

 

「スピードデュエル!」

「スピードデュエル!」

 

 

 

遊介 LP4000 手札5

モンスター

魔法罠

 

彩(リボルバー) LP4000 手札5

モンスター

魔法罠

 

(彩)

□ □ □ □ □   魔法罠ゾーン

□ □ □ □ □   メインモンスターゾーン

  □   □     EXモンスターゾーン

□ □ □ □ □   メインモンスターゾーン

□ □ □ □ □   魔法罠ゾーン

(遊介)




中編で6ターン分、後編の前半がデュエルパートの予定です。
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