遊戯王VRAINS もう1人の『LINK VRAINSの英雄』 作:femania
PV的なやつです。
小説でPV的なものって、とこれを見てる友人には言われましたが、この手の情報ちょい出しが好きなのです。
お付き合いいただければ幸いです。
第3シーズン 予告
――続く戦い、すでに過去の平穏はなく、命を失うことも日常となった――
「……マスターは、死んだのでしょうか?」
光の世界が陥落し、一年が経過しました。
未だに私は問い続けます。
そして帰ってくる言葉は、
「分からない」
だけ。もう、これで300回目です。
エデンの本拠地である水の世界も、表の街は既に戦場となり、アトランティスのみが残る状況。私は、マイケルさん、ブルームガール先輩とは離れ離れになり、アトランティスに監禁されています。
きっと私のことを快く思わない人は多いでしょう。
エデンの人は敵である私のことを丁重にもてなしてくれました。
アトランティスの外に出ることは叶わなかったけれど、それでも、衣食住の環境にかんして、捕虜になっているとは思えないほど待遇でした。彩さんがそうしろと命じてくれたそうです。
その間、エデンの人たちの話をずっと聞いてきました。故郷がない、もうこの世界しかないと嘆く人たち。
それでも私は、マスターのものです。マスターが協力すると言わない限り、決してエデンに協力はしません。
向こう側が怒って殺されても構わない。私はマスターを裏切ったりはしません。マスターが今も生きていると信じて私は待ち続けます。
いつか、必ず帰ってきてくれると。
「エリー、一緒ににいを探しに行かない?」
「え……」
「脱出しよ。ここ。ほら、にいのデッキもある」
「でも、そんなことをしたら、エデンを裏切るってことに」
「気にしないで。それよりも、ほら、にいの前のデッキ。ファイアウォールもいる。エリー、貴方に預けておくから、にいに会ったとき、一緒に返しましょう」
それが私の旅の始まりでした。
マスター、今、迎えに行きます。
――ある者は姿を消し、ある者は戦う覚悟を決め、牙を研ぐ――
あの日、彩は外道に堕ちた。もはや自分の理想のためならなんだってする悪そのものだ。
あれから1年。
最近はほぼ毎日エデンの戦士かイリアステルと戦っている。
イリアステル連中はそのデュエルの腕で、万を遥かに超えるエデン討伐軍とエデンを同時に相手して、今でも80名近くの戦士が生き残って猛威を振るっている。
たった10人、いくらエデンと戦っている最中だとしても、解放軍、エデンともに3割の戦力を消費して、ようやく10人。このままじゃイリアステルが独り勝ちになりそうなのが怖い今の状況だ。
エデンに関してはまだ、幹部クラスのデュエリストが全員健在。
一方でエデン討伐軍は、幹部クラスのデュエリストを含めすでに4割失っている。
それでもまだ負けたわけじゃない。
俺は誓った。
これまで死んでいった者たちすべてに。
どんな手を使ってでも必ず勝って、元の世界で幸せを掴むと。
解放軍にいる誰しもが故郷を愛し、故郷に戻りたいという人間だったから。
俺はいろんな奴の、元の世界での夢を聞いた。そしていろんな奴の夢が途切れ、断末魔と共に涙を流す奴を見た。
そんな奴らに寄り添って、いつもこう言われるのだ。
「お前は負けるな」
と。
だから、俺は、どんなに打ちのめされようと、修業を続け、いつか、夢をかなえるのだ。
彩をぶん殴ってでも連れ戻し、遊介を探し出し、あのふざけ合った日々に戻る。
そして、3人でプロデュエリストになる。
「遊介、お前は今どこにいるんだ」
――この戦争の果てに何を見つけ、どこへと行くのか――
私は正しかったはずだ。
この世界に間違いはないとは言えない、それは認める。
けれど、間違いは正せばいい。この世界には未来があるのだから。
でも、エデンにいる人たちには、故郷に帰っても未来はない。それは、たとえイリアステルを滅ぼしても変わらない。
そんな彼らは口をそろえて言う。
「この世界で、みんなと一緒に暮らしたい」
私はとても嬉しい。エデンは物騒な組織だけれど、みんなが互いに思いやりを持っているから、居心地の良い居場所になっていることが。
過去は変えられないけれど、未来は変えられる。
この世界で、過去を捨てて新しい生活をすることはできる。
イリアステルが滅べばこの世界は終わりを迎える。ならばヌメロンコードの力でこの世界を永続させれば、イリアステルが作ったこの世界のルール、デュエルを命懸けで行うというルールを取り払い、真に平和な世界をつくれば、それでみんな悪いようにはならないのだ。
確かに、元の世界に戻りたいという人もいるのは知っている。
しかし、ソレが叶えば、帰る世界がある人はいいだろうが、ない人には死ねと言うのか。
それが敗者の代償だというのか。かけがえのない命を滅んだ故郷で無駄に散らせと言うのか。
だから、私は負けられない。
「彩」
「何よ偽遊介」
「辛かったら、代わるぞ?」
目の前には、私がエデンのリーダーになってからずっと私を支えてくれた初期メンバーのみんながいた。
「ありがとう、でもいい」
「最近、いろいろ背負いすぎなんじゃないか」
「いいの。これくらいなんてことない」
私は立ち上がって歩き出す。
再びエデン討伐軍などとほざく、賊軍を屈服させに行く。
……本当は誰かに任せたいけれど、そうもいかない。
リーダーたるもの、誰よりも働いて他の模範の成らなければ。
――嘘だ。これは建前だ。
本当は、少し、やりすぎたかな、と後悔している。
「遊介、お願いだから、姿を見せて……」
薫が時折見せる悲しそうな顔を見て、ブルームガールがあれから笑わなくなったを見て、私は一刻も早く、彼に会いたいと願う。
――渦巻く恨みを、感情をすべて飲み込み――
俺は、何をしているんだろうな。
「マイケル」
脱獄してから早半年、
「なんだ?」
「遊介、見つからないな」
「ああ、連中の手がかかっていないのはこの辺りのはずなんだけどなぁ」
「俺もう疲れたよ」
「悪いな、闇の世界がここまで苛烈だとは、遊介の奴、あの時よく生き残ったもんだ」
今日も2人、闇の世界を歩き続ける。
俺は、馬鹿だ。
デュエルも、あのカードを使わないと半端な強さだし、年長者だったのに、あのチームを助けてやることも、代わりに犠牲になってやることもできなかった。
どうしてこうなった。
どうしてこうなった。
どうしてこうなった。
ずっと、自分に問い続けている。
もっとうまくやれたはずだ。なぜなら俺は、遊介やブルームガール、エリーよりも年上で人生経験が豊富な大人なのだから。
俺はあのチームが好きだった。
少人数だけれど、それが逆に良かった。気の合う仲間が集まったチームだった。
大変じゃないとは言わないが、あのチームで、人生で初めてできた友たちの為ならなんだってできると思ってた。
実際はそうはならなかったわけで、こうして無様に追われる身なのだが。
……一番きつかったのは、以前ブルームガールを見た時だ。
俺には分かる。
アイツはきっと、遊介のことが好きなのだ。
でも、アイツは今、苦しんでいる。そして、俺に何度も言うのだ。
裏切ってしまった。嫌われしまった。と。
実際、そうも見えるかもしれない。あの日、遊介が彩と戦う必要はなかった。仮に戦うにしても、解放軍と一緒に来れば、晒し者になることはなく、違った結末もあっただろう。
しかし、俺からすれば、それは仕方のないことだった。
俺達が光の世界に戻った時点で、こうなる運命だったのだ。
俺はむしろ、自分の意志をおさえ、俺たちの命を保障するために汚れ役になったあいつを心から尊敬する。
汚れ役は俺がやればよかったのに。とたまに思うのだ。
そうすれば、少なくとも、今のあいつのように、死んだ目で日々を過ごすことにはならなかったはずなのだ。
失敗は必ず取り返す。
そのためにも、俺はまず遊介を見つけるのだ。
「マイケル、前、前!」
「うお……あれは」
「見つかったら今日潰れるぞ……、逃げよう。今日こそはここで体力0とか」
「ああ、勘弁だな。ためには遊介捜索に集中させろっての」
まてぇえ! と迫ってくる闇の世界のバーサーカーデュエリストから逃げ続ける。
――戦いは非情に、その想いを黒く塗りつぶしていく――
ああ。
私は。
どうして生きているんだろう。
……だめだ、心を強くもって。
私が人質だからこそ、脱走したマイケル達は生きていられる。エリーや他の人が生意気を言っても、殺されない。
彩が悪い人間ではないとは信じたいが、殺されないとは限らない。私一人が、エデンの人質として遊介を裏切り続ければ、他のみんなは助かる可能性が上がるのだ。
マイケル達が万が一で死ぬまでは、自分で命を絶つわけにもいかない。
「ブルームガール、今日は水の世界へ。公務です」
「はい」
心を凍らせろ――何も考えるな。
もう、私に何かを考える資格はない。
ただ、罰が下るのを待つだけだ。
でも、ずっと、捨てられない気持ちがある。
遊介。
ごめんなさい。
あの日、裏切りました。貴方を。
辛い思いをさせることになったと思います。
貴方が命を賭けて勝ち取った、光の世界を、私のせいで滅ぼしました。
もしもあなたが私を恨んでいるのなら。
殺しに来るまで、私は待っています。
――地獄を変えたいと願うものは、ずっとその時を待っている――
「死んだよ。君の――は」
その言葉を聞いてから、どれだけの時間が経っただろうか。
ここは戦場だ。死体は残らない。だから、そんな形でしか、仲間の死が知ることができない。
ずっと聞こえるのだ。お前のせいで、死んだ。そんな声が。
寝ても悪夢しか見られない。こっちに来てと、知っている顔が俺を地獄へと引っ張る夢。
すまない。
そっちにはまだ行けそうにない。
俺にはまだやるべきことがある。
目の前に屍を積みあげて、俺は死んだだろう、彼らに誓う。
無念のうちに命を奪われた彼らに。
「……ああ、心配しないでくれ。俺は、お前達の恨みを代わり連中にぶつけてやる」
目の前に現れた敵。
「俺にはまだやるべきことがある。生き残る。もう一度あいつに会う。その望みを叶えるためならば、道を阻むものは……引き潰す」
――英雄の帰還を――
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「なんで彼女らを庇う。それに天城ハルト。貴様は、奴らの敵だろう」
「……ユートと瑠璃の頼みだ。消えてもらおう、万丈目準」
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「エデンに、この地に手出しはさせん。ここは、教えを受け、自分のデュエルを見つけ始めた門下生の学びの場だ。貴様に無様に命を取らせはしない」
「ほう……なぜそこまで彼らに入れ込むんだ?」
「俺は、愚かな戦いをずっと繰り返してきた。だが、弟は俺に新しい道を示してくれた。それはサイバー流を正しい形で、後世のデュエリストに伝えること。弟と抱いた最後の夢を……潰した貴様を殺すため、俺は最後のデュエルをすると決めた。この戦い、翔に捧げる。構えろ、イリアステルの統治者!」
「いいだろう。デュエルアカデミアの決戦、その続きと行こうじゃないか、丸藤君」
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「以前は混戦になって叶わなかったが、俺はお前を許したわけじゃない。行くぞ、ミハエル。今こそ奴を地獄に落とす」
「はい、兄さま」
「いいですね、その意気です。では、エクシーズ世界で果たせなかった戦いをしましょう。この私、かつてエクシーズ世界侵攻の総隊長だった、フォースミルが相手になります」
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「……お前も俺を阻むのか」
「今の貴方は、格好悪すぎます!」
「勝負して! このまま、私たち裏切るなんて、絶対に許さないんだから!」
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「いつか……決着をつける。そう言ったよな、シンクロ遊介」
「ここは俺の居場所だ。良助は、たとえ俺の知る良助じゃなかったとしても最高のダチだ。他にも今は、多くの親友がここにいる。お前が、これ以上を臨むなら。いつか約束した決着をここでつけようか」
「ああ、そうだな。俺は自分の望みを叶えるために、お前を殺すよ。シンクロ遊介!」
「やってみろ!」
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第3シーズン 戦いの犠牲
「え……アニメのVRAINSが終わる? そんなバカな……遊戯王は3年周期じゃないのか」
という心境の現在です。
アニメは終わっても、この連載は完走したいと考えているので、それまでお付き合いいただけたら幸いです。
この中で1人だけ、詳しく知りたい人を選んでください。
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シンクロ遊介
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エクシーズ遊介
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アゼル
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光津真澄