電脳戦機IS 〈CYBER TROOPERS -Infinite Stratos-〉   作:魚狗

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ISコアってあんな真球で簡単に取り出せちゃうものなんですか(驚愕)。
この作品では八面体クリスタルと外装ボックスということでお願いします。


Ver. 4.0 encounter

再起を誓った僕にはまず初めにしなければならないことがあった。

解析班のメンバー(仲間たち)に僕の秘密を伝えることだ。

正体を知られることで生じるリスクは計り知れないが、懸命に解析作業を行っていた彼らの中で僕だけが『答え』を知っていて高みの見物をしていたことを、どうしても謝罪したかった。

僕がISと同じ技術が普及した世界からの転生者であるという告白はさすがに皆を驚かせたが、ISで少しくらいの超常現象に慣れてしまった彼らにとっては信じることができない事実でもあったようだ。

彼らは決して僕を責めたりはしなかった。それは相変わらずISに隠された電脳暦の知識でも計り知れない多く秘密を解明したいという想いと、宇宙に出てISの可能性を広げたいという夢を共有して、信頼ができたいたことが大きかった。

また彼らはISの研究が兵器利用という方法論ばかり先行していることへの憤りも大きく、ISコアそのものの研究ができる居場所を欲していたことも行動を共にしてくれる助けになった。

 

さて、実際に僕らが復活するために乗り越えなければいけない問題は山のようにある。

その最も大きな問題がVコンバータはなぜ動作しないのかということだ。

DN社でのし上がり、男も使えるVRを開発して宇宙に進出することを考えていた僕にとってこれは致命的すぎる誤算であり、そのせいで大幅な方針転換を強いられることになったわけだ。

 

原因自体はすぐに判明した。この世界の人間のバーチャロン・ポジティブ(VP)が著しく低いため、そして僕がIS適正とVPを混同していたためだった。

今まで自由に扱えるVクリスタルがなかったためVPの計測が行えなかったが、VR化ISの試験時に計測した脳波データから、改めてほとんどの人がVコンバータを起動できるレベルのVPを持たないことが分かった。また、IS適正と電脳暦でのVPをS~D(D以下起動不能レベルとする)でランク分けするとその分布がよく似ていたために、僕が誤認に気づけなかったのだ。全く、先入観とは恐ろしいものだ。

ただ、希望がないわけではない。

偶々DN社を訪れていた代表候補のナターシャが起動できたことは僥倖だった。彼女はAランクのVPを有していた。専用機のコアと特異的に深く接続していることが知られていたが、どうやらそれはVPの高さに起因する可能性が高いことが分かる。

ともかくバーチャロン現象に耐えられる人間は0ではない。それが分かっただけでも十分に希望が見いだせるというものだ。

 

いると分かれば見つけ出す以外はない。そのために稼働を続けているIS適正診断キットに細工をした。今や僕にはIS適正診断のデータを自由に閲覧する権限はないので少々強引な手を使わせてもらった。ゲーム機のアップデート情報にハッキングを仕掛け、診断パルスにVP計測用のものを紛れ込ませた。その後転送されるデータも随時ハッキングして収集して解析していった。

 

また、こちらも少々非合法な手段も使いながら世界の情報を集め続けた。

今の僕らにとって必要なのは自由に動ける『移籍先』だ。それも、得体のしれない存在でも良い待遇で雇ってくれるような、切羽詰まったような連中を見つけなくてはならない。時は第二回モンド・グロッソ開催まで半年を切ったところ。世界には慌ただしく動き、また不穏な空気が流れている。

何かが起こる確信はあり、またそれに乗ずるほかに僕らには道がなかった。

 

果たして、獲物は網に掛かかり、僕らが羽ばたく助けになる風は吹いた。

 

 

~~~~~~

 

 

時は世界がまさにモンド・グロッソの開催に涌く頃。僕は束の元を訪ねて以来、2度目の日本の土を踏んだ。

発見したVP保有者のうちの一人は正直予想だにしないものだった。

―VP値Sランク。

電脳暦でもマシンチャイルドと呼ばれるVRパイロットのために造られた人造個体以外では中々お目に掛かれないVP値。しかも、間違えなく彼は『僕側』の人間だ。

 

解析班から連れてきた部下に見張らせていた彼は、駅前のアミューズメント施設で友人とゲームで対戦中のようだ。

「おわっ!?ちくしょ~~また負けた!相変わらずつえぇなぁ、お前……」

「お前の攻めが分かりやす過ぎなんだよ……もうちょっと工夫しろ」

「はぁ……そろそろ帰るか?」

「そうだな」

 

ちょうどよく彼は帰宅するところのようだ。

友人と挨拶を交わし……待てよ、あっち彼もどこかで見たような……?

おっといけない、ともかく彼の後を追わねば。

 

繁華街から離れ人気がなくなったところで声を掛けた。

 

「君。大沢翔君だね?ちょっといいかな?」

 

大沢翔(おおさわ しょう)。中学二年生。体の線は細いが体力に問題はなく、学業も優秀。中学生ながら様々なゲーム大会で高い戦績を持つ。

振り返ってぎょっとした表情を浮かべられる。突然外国人に流暢な日本語で話しかけられれば、日本人なら誰でも驚きもする。しかも名前を呼ばれたのだからなおさらだ。

 

「どなた……ですか?」

「実はこういうものなのだけど……」

「ファラー……さん……あぁ……」

 

名刺の僕の名と社名を見て彼は怪訝な顔を通り越して警戒心を露わにする。僕のことは知っていたらしく、軍事産業も担うDN社のIS開発者が声を掛けてきたと分かれば当然の反応だ。これ以上警戒される必要もないから、ずばりと真実を伝えた。

 

「でも、君にはサッチェル・マウスのアイザーマンと言った方が分かりやすいかな?」

「なっ……!?」

 

ビンゴ。予想以上の驚きっぷりに思わず笑ってしまう。

 

「本物……なんですか……?」

「くくく……嘘とは言えない体験を、君もしてるんじゃないかい?」

 

いつの間にか自分の素性を知られてしまっていたことに苦々しい表情をしながらも、彼はこちらをまっすぐ見つめている。

 

「ともかく場所を変えよう」

 

 

「それで……本当に電脳暦のアイザーマン博士なんですか?」

「冗談に聞こえるかもしれないけど、嘘は言っていないよ。向こうで実験に失敗してしまって……、CISに放り出されたと思ったら転生していたよ……」

 

翔はもう驚くことはなく、むしろ頭の中が整理できて合点がいったという顔になっていた。

 

「……やっぱりISはVクリスタル技術だったか……」

「おや、察しがいいね。となると君も……」

 

電脳暦出身なんのかと聞こうとして言葉を遮られた。

 

「あ~いえ……俺も転生しちゃったんですけど……実は電脳暦出身じゃないんですよ……」

「……なんだって?」

「俺は……あなたの世界を描いたゲームがあった世界から来たんです」

「…………」

 

まさか、さらに違う世界からやってきた者がいるとは思わなかった。その上であのVP値とは……今度はこちらが驚かされる番か……。

話によると彼は現在とほぼ同じ西暦2000年前後の世界の出身。その世界では『電脳戦機バーチャロン』があくまでゲームとして稼働していて、彼はその中毒的なプレイヤーだったらしい。

それから彼の知っていることと電脳暦の情報を照らし合わせたが……。

 

「……驚いたね……これほど正確だとは……」

「そう考えると創作のインスピレーションって、平行世界から来るものなんですかね?」

 

ムーンゲート発見以降の電脳暦の変遷や僕の経歴に至るまで、翔の知る情報に概ね間違えはなかった。作者が感じ取った平行世界の姿が作品になるというのは本当にあるものなのだな……。

 

「それで、博士は俺をどうしたいんです?」

 

改めて真剣をして表情で問いかけてきた翔に、こちらも気を引き締めて本題を語る。

 

「率直に言うよ。ISを改造してVRを作るからパイロットになって欲しい。VPのある人間がこの世界には何故かほとんどいないんだ」

「……単なる戦争屋になるのは俺にも抵抗があります……。貴方の目的を教えてほしい」

 

VRは兵器だ。人殺しになるのをごく普通の人間だった彼が躊躇しない訳もない。さらに彼はそれを見世物にしていた電脳暦も知っている。僕の真意を測りかねるのも無理はない。

 

「安心してくれ、世界中を戦場にする気はないよ。僕の願いは宇宙に行くこと。ISを宇宙に上げ、本来の役目を果たさせることが当面の目的だよ。ただ、それが成るまで地球で起こる様々な問題に対処するには純粋な力もいる。ISを悪意を持って使う人間や、電脳暦でもあったことを防ぐためにね」

「……やはり、あいつら(・・・・)が来たらISでは厳しいですか?」

「無理ではないだろうけど、知っている者が対処した方が被害は減らせるだろうからね」

 

それを聞いた翔の顔にもう迷いはなかった。

 

「……わかりました。俺なんかで良ければ力を貸させてください。正直、転生(こうなって)しまったことに意味があるなら、それを確かめるにはVRに乗る以外ないでしょうし……それに……」

「それに?」

「やっぱ、純粋にあいつ(・・・)と飛びたいって想いもありますしね。作ってるんでしょう?」

「もちろん。期待してくれよ」

 

来たるべき時のために当然ながらVRを開発してきた。ここで僕はかつて手がけたVRをベースにIS規格に設計し直す方針をとることにした。完全新規で作るには人手も予算も時間もないし、VRで培った技術や戦術はIS相手にも十分通用するはずだ。それにこの世界で彼らが駆ける姿を見たいという想いも彼と同じように強かった。

 

「それにしても君は『知ってる人間』だって分かりやすくて助かったよ」

「そりゃ、ユーザーネームをCYPHER42とかしてれば気づきますよね、ははは……」

 

その後細かい段取りをして彼を自宅に送り届けた。僕もその足で次の目的地へと向かうことにした。

 

「それじゃあ翔、四日後向こう(アメリカ)で落ち合おう。急な話で本当に悪いね」

「いえ構いませんよ。博士はこれからどちらへ?」

「ほかの適正者のところへね。後二人当てがあって、一人は日本人だよ」

「へえ……どんな人なんです?」

 

「それは後でのお楽しみだよ。もちろん話に乗ってくれれば……だけどね」

 

 

~~~~~~

 

 

「皆集まったね」

 

DN社研究所のラボの一つ。ここは社で僕の権限が自由に許される唯一の場所だ。

その一室。厳重に盗聴対策されたミーティングルームに、元ISコア解析班の10人全員が集まっていた。

 

「まず、僕らの新しい仲間を紹介しよう」

 

部屋に3人の男たちが入ってきて、簡単な自己紹介を始める。

 

「大沢翔です。博士とは少し違いますが僕も転生者です。よろしく」

 

次は老年の落ち着いた雰囲気日本人。

 

藤原秀郷(ふじわら ひでさと)だ。あー……」

「彼は日本で剣術道場で師範をしていて、相当の腕前だよ。しかし、彼は探すのに苦労したよ」

 

言葉に不慣れな師範に変わって、紹介を引き継ぐ。師範のVPはBランク。そんな彼はISと意外な関わりがあった。

 

最後は栗毛に強面のスラブ系の青年。

 

「アレクサンドル・イグリンスキー……アレクでいい。元ロシア特殊部隊で狙撃手だ。まあ、一つ頼む」

 

VPはCランクながら元軍人であるアレクのような実戦経験のある人物が見つけられたことは幸運だった。

 

見つかった適正者は今のところ7人。先の3人以外のうち3人はナターシャを含む各国代表だった。もう一人はなんというか……少々手を出しにくい存在だったので今回は回避させてもらった。先進国中心にゲームをプレイした推定2億人調べてこの数なのだから、適正者は意外に少なくはないかもしれない。

 

「彼らの詳しい紹介はまた後で、作戦が成功してからすることにしよう。それから……」

 

「改めて、僕はクリス・アイザーマンだ。ここに人類とVクリスタル技術の発展のための組織『サッチェル・マウス』の設立を宣言する」

 

 

「それじゃあ作戦の説明に入ろうか。簡単に言うとだね、いくつかの国のコアをまとめ頂く」

「ちょっと待てよ……あんた世界に喧嘩売るつもりか!」

「まあ待ちなよ」

 

さすが元軍属、唐突な言葉から情報を瞬時に判断したアレクが声をあげる。主に国家に配分されているコアを奪おうものなら、そんな不穏分子は世界中から銃口を向けられることになる。

 

「言葉が悪かったね……正確には“借りる”かな」

「どういう意味かな?」

同じく状況を飲み込めていない秀郷も後に続く。

 

「今モンド・グロッソに合わせたように世界の情勢が不安定になっているのは分かっているね。その原因を作っているのがおそらく、亡国機業と呼ばれる秘密結社だ。アレクは聞いたことがあるんじゃないかい?」

「あぁ……その実態が未だ掴めない謎の組織って程度だが……そいつらが動いていると?」

「そう。そして現在進行形で緊迫している場所がある。そこに僕らを売り込みコアを貸してもらう。さてVRの売りは何だい?」

 

「男も使えること……ですか?」

「その通りだ、翔。ISが女性しか使えないことが火種になっている場所がある。そこを狙うのさ」

 

~~~~~~

 

アラビア半島。

サウジアラビア、カタール、UAEの三国の首長が、神妙な面持ちでテレビ会談を行っていた。

その議題は、この三か国で同時に発生したISによるクーデターについてだ。

 

元々イスラム教を根幹として成立していたこれらの国々において、女性しか扱えないISは長年様々な論争を引き起こし、社会情勢も悪化していた。

それでも近年になってようやく各国一機ずつフランス・デュノア社からラファール・リヴァイヴのライセンスを受け、一応のパイロットも各国軍に在籍している。

しかしその実体は完全にお飾りであり、訓練も碌に行われず飼い殺し状態、IS推進派の言動を躱すためだけの存在であった。

 

その不遇のIS三機とIS推進派、さらにISの登場で国民の間で拡大した民主化・近代化運動勢力が結託して各国政府に反旗を翻したのである。しかし、そういった民衆勢力と軍閥が密な連携で動いているのも不自然で、何者かに扇動されているのは明らかだ。

その黒幕が亡国機業。亡国機業が関与していると思われるIS関連の施設や人物への襲撃事件はここ最近度々起こっているが、手際が見事であまりに実態が掴めないという共通点から、今回も亡国機業が関わっている可能性が高い。モンド・グロッソ開催時期を選び、さらに同時に蜂起させたのも近隣からの介入を絶つためだろう。

今のところクーデター側も実力行使は避けたいようで要求を突き付けるだけで攻撃は行わず、政府側もIS相手に容易に手を出せず、一週間睨み合いが続いている。しかし、一触即発の状態であることには変わらず、何かあれば……亡国機業が引き金を引かせれば史上初のISによる殺戮が起こる可能性もある。

 

 

そんな追い詰められた首長たちの前のディスプレイの画面が突然乱れ、見知らぬ白人の青年の顔が割り込んできた。

 

「な、なんだ!」

「君は何者だ!?」

 

トップレベルのセキュリティーに守られた専用回線へのハッキングに動揺し声を荒げた。

 

「まあ落ち着いてください。私はDN社のクリストファー・アイザーマンと申します。本日はあなた方に良い商品を紹介しようと思いましてね」

「なんだと……」

「駐屯米軍も動かずISを無力化できる戦力にお困りでは? これはあくまで私個人としての商談ですが、このような物はどうでしょうか?」

 

「馬鹿な……」

 

映像が切り替わった画面を目にした首長たちが言葉を失った。そこに映し出されたのは翔があのVR化ISを起動させる映像だった。この直前にIS格納庫に侵入して宣伝用にこの映像を撮影しておいたのだ。

 

「これは私が作製した試作機です。御覧のように男性も操縦できます。IS以上に高い適正が求められますが現在パイロットが三名いますので、コアをご用意して頂ければ一日程度で出撃出来ます。もちろん商品の方は既に完成型で、性能は現行ISを遥かに上回るものを擁してあります」

 

各国数個ずつ獲得していたコアは使用する予定もなく倉庫の肥やし同然で、幸い反乱側に抑えられることもなかったため用意するのは簡単なはずだ。魅力的な話にぐらついてきた彼らの心にもうひと押しを加える。

 

「ISが女性にしか使えないことにもお困りだったのでは?他国のしかも女性の手を借りるというは保守派や原理主義者がうるさいでしょう。クーデターは我々が鎮圧いたします。あなた方はその戦勝を手土産に、この混乱の責任を彼らに押し付け、検討されている改革を実行しては?」

 

以前から国内の混乱を重く見ていた現在の首長たちは、既に時代に合わなくなった国家体制の刷新する計画を共有していた。それは今まで保守勢力の反抗も多くて進展してこなかったが、このクーデターはその糸口となるまたとない機会だった。適当な要求に折れることも考えていたが、相手の影に亡国機業がいることを彼らも察知しており、そんな輩相手に和睦という選択は取れなかった。

鎮圧が必要条件であるここで男性の扱うISというのが必要となってくるのだ。男性使用のISで鎮圧すれば、戦後に起こるだろう「女性が使うISはそのものがやはり危険だ」という論調を「男性が使用ISもいるなら問題ないのだろう?」と抑え込むことができる。その上で、「混乱の原因は古い社会制度のせい。国家の危機を救ってくれた英雄は男女平等のより良い国の発展を支持してくれている」と言って回れば、保守勢力のトーンダウンは間違いなく、スムーズに改革が進められるだろう。

 

「……君は一体何者だ? これはDN社としての話ではないのだろう?」

 

完成すれば大々的に報道されるであろう男性が使用できるISの話が全く表沙汰にならず、その開発者はこんな危ない橋を渡らせる決断を迫られている。首長たちはそんな異常事態を理解できずにいた。

 

「私は冷遇されている一研究者にすぎませんよ。私たちも新しい時代を開く切っ掛けを待っている存在です。ISコア持ち去ったり、クーデター側に加担しようなどとは思って言いませんのでご安心を。そんなことをして逃げ延びれると思うほど馬鹿ではありませんしね」

 

それに淀んだ時間の中で喘いでいた首長たちも似た空気も感じ取ってくれたのだろう。

 

「そちらの要求は?」

 

セールスは成功、交渉のテーブルについて頂けた。

 

「まず自由にISの研究できる環境の提供。そこで開発した技術は当然あなた方の財産となります。次に先の三機については継続してコアを借与して頂いて一定の使用権限を許可していただくこと。勿論彼らにも国防任務は行ってもらいますよ。それともう一つ――」

 

「なるほど…………いいだろう」

「良いお返事を頂けたことに感謝いたします。既に紅海の港の倉庫に偽装した機材コンテナを搬入してありますので、IS施設に運んでおいてください。それから申し訳ありませんが迎えの飛行機の方を何とかお願いいたします。そちら行の便はすべて欠航してしまっているもので」

 

「全く抜け目ないな君は……。承知した。そちらに駐機している機体をすぐに動かせるよう手配しよう」

 

 

通信が切れたところで一部始終を見ていたメンバーたちから歓声と拍手が上がった。浮かれるのは早いけれど、大きな前進だ。

 

「お疲れ様です。なんか、あの時みたいなことになっちゃいましたね」

「あの時とは立場が逆だし随分穏便ではあるけどね」

 

翔の言葉に今と同じように自分が起こした行動を思い出す。

 

「あの時?」

「??」

 

意味が分からないと顔を見合わせるアレクと秀郷。彼らには電脳暦時代のことをじっくり話していないので、その意味を理解できていないようだ。彼らにはあとで話すとしよう。

 

 

かつて第六プラント、サッチェル・マウスで不遇の時を過ごしていた僕は、研究の自由を確保するためのクーデターを起こした。正規軍の艦隊を取り込みVRを提供、他のプラントを襲撃して物資強奪、対立勢力に保護を申し出て存続を容認させる……。今思えばかなりの大立ち回りを演じたものだ。

 

そして、その第二幕がいよいよ開演する時が来た。




ここでオリ主登場です。アイザーマンはパイロットってガラじゃないんで仕方ないね。
次回はようやく戦闘です。やっとです。すまぬ…。
さっき動いてる会長見ました。ミステリアス・レイディがやっぱりエンジェランに見えて仕方ない…。

※追記
本作ではモンドグロッソを一年遅らせています。というか後でミスに気が付いた。
なので千冬は一夏入学前年途中からIS学園に勤務。
本筋とは関係ないので間延び防止ということで一つ…。
これもアイザーマンってやつの仕業なんだ!
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