この世全ての善   作:りおんぬ

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魔神さん出なかったのでエリちゃんのファンやめます


Glorious Servants and more

「うっわぁ……」

 

思いつく限りで下から何番目かの事態だった。なんてこった。

というか、あれです。アーチャーはやっぱり抑止さんでした。そんな訳で、この緊張し尽くした場を緩めるべく一言。

 

「……見せ筋」

「ぐはっ!」

「アーチャー!?」

「っ、気を付けてくださいシロウ! あのサーヴァント、三騎士の対魔力を貫通する程の術の使い手です!」

「え? いや、あれは単純に痛いところを突かれただけじゃ……」

 

ぐだぐだとしているセイバー・アーチャー陣営に対して、ランサーは油断なくこちらを睨めつけながら口を開く。

 

「よお、()()()()。相変わらず見ててイラつく顔してんな」

「えっ、やっぱりこの『殻』じゃダメですか」

「……『殻』?」

 

不可思議な物言いに、ランサーが首を傾げる。その脇では、セイバーが「ルーラーだと!?」と驚愕し、そのマスターの少年が「ルーラー……定規?」と首を傾げていた。

そこへ、めそめそしているアーチャーを蹴っ飛ばしながら、マスターの少女が割り込んできた。見れば、その両手に宝石を構えて露骨に戦闘態勢だ。

 

「そう、私が訊きたいのはあなたの事よ! あなたサーヴァントでしょ!? どうして私にそっくりなの!?」

「どうしてって……それは、なんか丁度よかったので」

「はあ?」

「申し遅れました」

 

かつん、と踵で地面を叩き、純白の少女が一礼する。その見事な所作に、先程まで怒気に塗れていた少女はおろか、落ち込み気味だったアーチャーすらもご瞠目した。

そして、顔を上げた少女は告げる。

 

「サーヴァント・ルーラー。ゾロアスター教よりまかり越しましたスペンタマユと申します。以後お見知り置くと共に、間違っても私に宣戦布告なんてしないでください後生ですから!」

 

そしてそのまま半泣きで土下座に移行した少女──スペンタマユを見て、誰もがこう洩らさざるを得なかった。

 

「「「「「……なんだこれ」」」」」

 

■ ■ ■

 

スペンタマユが冷静になったあたりで、アーチャーのマスター──遠坂凛と言うらしい──が問う。

当然の如く、内容は現状に対する説明の要求だった。

そんな訳で、スペンタマユは当たり障りのないレベルで情報を開示。

 

 

「……はあ。それで? この聖杯戦争が色々と危ないから裁定に来たの? 私の姿を借りて?」

「まあそういう事になります」

「……なんであなたなの?」

「すいませんねルーラーなのにクソステで。大聖杯が汚染されてるせいで私くらいしか適任がいなかったんですよ」

「……本当なんでしょうね?」

「裁定者が嘘ついてどうするんですか」

「それもそうね」

 

続いて、ランサーが問いかけてきた。

 

「そもそも汚染っつーのはどういうこった。オレは聖杯からなんも聞いてねえぞ」

「自分にとって不利益なのに言うわけないでしょう」

 

それもそうか、とランサーが頭を掻く。

そして、何故か『汚染』という単語のあたりで冷や汗を流しながら顔を背ける騎士王が若干約一名。

……怪しい。カマかけてみよう。

 

「そう言えば抑止(アラ)えもんから、そのアーチャーが複数いる原因はどこぞのビーム撃つ剣士だと聞いたんですが」

「「「抑止(アラ)えもん!!?」」」

「ぶふっ!」

 

仮にも人類の守護者とまで呼ばれる超位存在(?)のあんまりな呼び名に、並み居るサーヴァントやマスター達が愕然とし、アーチャーが噴き出した。

そして、スペンタマユにじとっとした視線を向ける。

 

「……仮にも自分の上司をネコ型ロボット呼ばわりはどうかも思うが」

「だって重要な時にポンコツなのは一緒ですし」

「……、」

 

天を仰ぐアーチャー。

しかし実際事実なので始末に負えない。

そも、抑止力(アラヤ)がアンリの召喚を許可しなければこんな事にはなっていないのだ。結論、八割がた抑止力(アラヤ)のせい。残りの二割は聖杯を作った……なんだっけ、火蜥蜴、銭亀、不思議種? とにかくそんな感じの御三家のせい。

 

「まあそんな訳で、基本的に私はどこの陣営にも肩入れしません。ただし大聖杯がドロドロになった直接の原因は私がシバき倒しますのでそのつもりで」

「原因……アンリマユか」

「YES。というか、あれは宝具の性質が性質なので、私以外には相手にできません」

 

この世全ての悪(アンリマユ)』、その性質は『報復』。

『やられたらやり返す』が主軸の存在だ。というか、生前やられるだけやられた結果がこれなのだが。

現状この場にいる中では、スペンタマユは唯一その呪いを完膚なきまでにねじ伏せれる存在なのだ。

他の存在が下手に戦うと、呪いで足止めされた挙句に泥に食われるという最悪の展開になりかねない。

 

「じゃあ、私はこの事を教会の方に伝えてきます。そちらも、何かあったら教会へどうぞ。ま、私って異教徒なんですけどね! ミャハハ!」

「お、おう……」

「あ、それと。怪しいアーチャーのお客様を見つけたら可及的速やかに連絡下さいねー!」

 

それだけ言って、スペンタマユは走り去っていった。

ちなみに、『怪しいアーチャー』と聞いて皆が一斉に抑止の守護者の方を見つめたのはここだけの話。

 

「……おっと、心は硝子だぞ」




セイバー
筋力:B 耐久:C 敏捷:C
魔力:B 幸運:B 宝具:C

ランサー
筋力:B 耐久:C 敏捷:A
魔力:C 幸運:E 宝具:B

アーチャー
筋力:D 耐久:C 敏捷:C
魔力:B 幸運:E 宝具:???

キャスター
筋力:E 耐久:D 敏捷:C
魔力:A+ 幸運:B 宝具:C

ライダー
筋力:C(B) 耐久:E(D) 敏捷:B(A)
魔力:B  幸運:D(E) 宝具:A+
※()内のステータスは本来のマスターの場合

アサシン
筋力:C 耐久:E 敏捷:A+
魔力:E 幸運:A 宝具:??

バーサーカー
筋力:A+ 耐久:A 敏捷:A
魔力:A 幸運:B 宝具:A

(真アサシン)
筋力:B 耐久:C 敏捷:A
魔力:C 幸運:E 宝具:C

ルーラー(主人公)
筋力:D- 耐久:E  敏捷:A+
魔力:C-- 幸運:E++ 宝具:B+

A7・B6・C5・D4・E3の数値換算(±はそれぞれ0.3を足し引きする)で平均値を算出すると、
セイバー:5.5、C++
ランサー:5.33、C+
アーチャー:4.3~5.55(投影した宝具によって変動)、D+~C++
キャスター:5.05、C
ライダー:5.22(5.55)、C+~C++
アサシン:4.05(※宝具なし)D、
(真アサシン:5.17、C)
バーサーカー:6.55、A
ルーラー(主人公):4.77、C-

すっげえ低いステータスだな!
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