Fate Grand Order / Singularity of eighth to fourteenth 作:No.72
「それで、聖杯はどこにあるの?」
「現皇帝が持っておる。この特異点は街が落ちていないのは聖杯の力が大きいゆえ、おそらくそれを奪えればこの特異点は修復出来るであろう。まぁ、皇帝が召喚したサーヴァントが何騎かいるから、それも倒す必要があるがな。」
「ネロさん、現皇帝はやはりコンスタンティノス11世ですか?」
「本人がほとしさんど何も話さないので詳しくはわからないが……、おそらく違う。なにせ少女の姿をしておるのだ。」
『うーん、じゃあ誰なんだろうなぁ。ところで、その皇帝は政治をどうしているんだい?』
「全くしていない。この街は今、いわゆる無政府状態に陥っている。治安は安定しているがな。」
「それで、話したらどうにかなるようなものなの?」
「まず無理だろうて。あと戦闘になっても勝ち目はない。」
「え?」
「ただ、彼女は本当に大事なものを自分の手元ではなく自室に置く癖があって、聖杯もそこにある。だから皇帝を引きつけているうちにこっそり聖杯を奪おうと言うのだ。」
「なるほどね。じゃあ、私とマシュで引きつけるからネロが取ってきてよ。」
「え?!いいのか?!裏切るかもしれないのにか?!」
「そもそも私たちあの宮殿の構造分かんないし、それにネロを信じてるから。」
「はい、ネロさんお願いします。私たちが歩いていては怪しまれてしまうかもしれませんし。」
「うー、そこまで言われたらやるしかあるまい。では警告しておくぞ?皇帝は倒せぬ、負けることもないだろうが面倒だ、絶対に戦闘はするな。」
「わかりました。忠告ありがとうごさいます!」
「着いたぞ。」
「ここは?かなり崩壊しているけど?」
『位置的には コンスタンティノープル大宮殿だが帝国末期には使われていないんじゃなかったっけ?』
「ブラケルナエの宮殿が完全に壊されてしまってな。今は比較的崩壊の少ないこっちにいるのだ。」
『ちょっと待って、そこの衛兵、全員使い魔じゃないか!』
「この街に今いる兵士は全員召喚されたものだ。意思とかはなく、命令に従って行動する。今回は私がいるので通してもらえるだろう。」
「本当にありがとうね。」
「さて、既に皇帝には面会の申し入れをしておいた。私はここで聖杯を取りに別れるが、あとは任せておけ!10分ほどで済むだろう。」
「皇帝のサーヴァントは?ここにいない?」
「全員出払っておる。知ってる限りはな。」
『いや、この建物には一つ、サーヴァント反応があるんだけど。』
「それはだな……、現皇帝だ。」
「皇帝はサーヴァントだったんですか!」
「そうだ。さらにその宝具の性質ゆえ、皇帝は倒すことはできない。さきほど勝ち目がないと言ったと思うが、そういうことだ。」
『とすると、ここには現皇帝しかいないことになる。アサシンは?』
「アサシンか……、召喚されてから見たことはないな。」
「わかった!こっちも気をつけて、出来るだけ引きつけておくよ。」
「では!またの!」
そして、この特異点の主、皇帝の座する場所へと到達した。椅子に一人、皇帝が座っているだけで、あたりには護衛の姿すらない。
「…………。」
「…………。」
(どうしましょう先輩。皇帝が寡黙過ぎて話をきり出せません)
(とりあえず時間が稼げればいいから。)
(そうですね。)
(こういう時どういう風に話せばいいんだろう。)
「あの、皇帝陛下、本日はこのように時間を割いていただいて………」
そして、ついに会話をきりだしたその時、
「時間稼ぎならこれにておしまいですよ?」
「誰?!」
「皇帝じゃない!」
『気配遮断?!アサシンか?!』
「彼女の名誉の為に言っておきますが、彼女、つまりネロは貴方がたを騙していたわけではありませんよ。そもそも彼女は私を知りませんしね。」
『どこから話しているんだ?今音源から位置を特定中だが……、』
「不意打ちに警戒します!」
「ネロが裏切っていないなら、彼女を待とう!それまでは時間稼ぎを継続しよう。」
「あ、聖杯なら今は皇帝が直接持っています。ので、彼女は無駄足ですね。」
「えっ。」
『皇帝の側に聖杯反応有り………まずいぞこれは。』
そこへ…
「すまん、そなたら!まさか計画が漏れていたのか?」
「ネロ!皇帝の他にサーヴァントが!」
「なんだと!すまない、それに気づけなかった私の失態だ!」
「貴女も来ましたか、では隠れる必要もないので、姿を現しますね。」
そして「気配遮断」を解かれ、サーヴァントが目の前に現れたその見た目は………
「私と………同じ?」
「ネロさんが2人に?」
『霊基パターン、ネロとほぼ一致………間違いない、そのサーヴァントはネロ・クラウディウスだ!」
「はい、お初にお目にかかります。サーヴァント・アサシン、どうやら貴女達にとってはそちらの私の方が馴染みが深いようなので便宜的にネロ・クラウディウス・オルタと名乗っておきましょう。」
「私の………オルタ、だと?」