この話の展開が楽しくなってきたよ私‼︎
『…じゃあ僕はなんのガシャット使えばいいんだよ…』
『その点に関してはこのガシャットだ』
『…二刀流でもしろと?』
『このガシャットの武器は弓と鎌だ』
『チャンバラどこいったッ⁉︎』
〜とある一日の会話〜
耳に響くアラート音が鳴る中、二課司令部は行動していた。
「ノイズの反応を検知、場所は、……嘘だろッ、旧リディアン音楽院、カディンギル跡地ですッ」
「なんだとッ、それは本当か?」
「此方でも確認をとりましたが、同じくカディンギル跡地と出ました、本当だと思います」
「ならこれは、狼煙ってわけか…奏達を集めてくれ、作戦会議に移りたい」
「「「「了解ですッ」」」」
こうして日々、情報を纏め処理していくことで、日本の平和を守る為の活動を地道に支えていくのだ。決して日の目に当たる戦いが、全てではないのだ。
そうやって装者が集められ、ブリーフィングが始まった。
「師匠ッ、F.I.S.の人達を見つけたって本当ですかッ‼︎」
「本当だ……響君、翼、奏、クリス君……全員揃っているようだな」
「で、場所は何処なんだ旦那ッ」
「…カディンギル跡地だ」
「なんだとッ」
「彼奴ら、ふざけてやがる…くそッ」
装者達四人にとっての因縁の場所、ルナアタック事件が起き、フィーネと戦った所を言われて、様々な感想を述べる四人。
「…響君、君達はいくのか?」
「師匠ッ、勿論ですよ‼︎」
「そうか、翼、クリス君、奏…響君は謎の病原菌が体内に潜伏している状態だ…万が一の事がないように頼む…ッ」
「おっさん、そんなの言われなくてもあたりめーだろッ」
「そうです叔父様…私達は立花の事を助けます…最も助けられるほど弱くはないと思うがな」
「……りょーかい旦那、任せろ」
弦十郎の問いかけに三者三様の受け答えをする中、出撃の準備が整った……かくして、二課は敵の誘いに乗って決闘に向かったのであった。
一方その頃、武装組織フィーネでは、次のアジトに移る為の準備が終わったところだった。調と切歌は、マリアとゲンムの仲の悪さについて話し合っていた。
「…調、ついさっきまでは普通の仲だったデスよね?、あの二人」
「うん、私達がうまいもんマップを完成させている間何かあったのかな?」
二人の視線の先には、パーソナルスペースを必要以上にとるマリアと、その様子を見てやれやれとした顔を浮かべる黒髪の男がいた。
「…ひょっとしてー、ゲンムのヤツがマリアに告白して振られたにも関わらず、しつこくつきまとったとかデスかねー?」
「切ちゃん、そんな事があったら今もゲンムはしつこくつきまとっているはずだよ……そんな事があったら私達で辞めさせるけど」
「そうデスね、でも気になるデスッ」
二人は聞こえてない事を良いことに好き勝手な
「お二人とも、何を話しているのですか?」
「………貴方には関係ない。」
「しくじったヤツはとっとと行ってこいデースッ」
後ろから来たウェル博士に対する塩対応にも変わらず、ウェル博士は笑みを崩さずこう言った。
「私のやったしくじりなんかより、貴女方が勝手に申し込んだ決闘の方が余程ヤバイしくじりですよ…この僕にかかれば状況打開する為の手段になるんですがね」
「どうせムリデス、直ぐに私達に泣き寝入りするに決まっているデスよ」
「……うん、無理」
そんな二人の声が聞こえていないように件の人物は上機嫌で歩いて行った。
その影が見えなくなった頃、ゲンムは二人に近づいて来た。
「ゲンム、貴方も私達に何か用事?」
「はい、実を言うと私も今回の決闘に参戦するんです」
「ゲンムも参戦するんデスかッ‼︎、それなら安心デース」
先程のウェル博士とは打って変わってハキハキと喋る切歌と調。彼の人望のなさがここに良く現れていると思う。
二人の元気な様子に満足したのか、続け様にこう言った。
「君たちのマムが、どうもウェル博士を警戒しているようなのでね…ただのテロリストと変わらない行いするんじゃないかって……そうならないために私はいくことになった。」
「…ゲンム無事に帰って来てね」
「死んだりとかしないでくださいデース」
「大丈夫さ、私は死んでも蘇る不死身のような生き物だからね」
そう言うとゲンムはウェル博士の方向に向かいながら歩いていたが、ふと立ち止まり振り向いた。
そして、手を振った。
調と切歌は顔を見合わせ、手を振り返した。ゲンムはその様子を見届けて、背を向けたが次の角を曲がって見えなくなるまで手を振り続けた。
そしてその時がやってきた。
「待ってましたよ、シンフォギア奏者」
「ウェル博士ッ」
「決闘を申し込んだ彼奴らはどこに行ったッ‼︎」
クリスは二課の装者とフィーネの装者+仮面ライダーとの戦いになると思っていたが…肝心の決闘を申し込んだ人間がいないことに腹を立てて怒鳴り立てた。
ウェル博士は眼鏡をぐいっと上げた後
「まぁ、まずはこのノイズ達と戦いながら話を聞いてください」
♪正義を信じて、握り締めて♪
手にしたソロモンの杖で、あっちこっちにノイズを放つウェル博士。
クリスは舌打ちをした後、奏者達はそのノイズの殲滅に向かった。
響は得意の拳で、ノイズを一体ずつ粉砕。翼は『千の落涙』などの広域殲滅技を使い。クリスは『BILLION MEIDEN』のガトリング攻撃で撃ち抜いた。
そして奏は
「悪りぃけどな、テメェの話を聞く気はさらさらねぇんだよ」
「ッ、天羽奏‼︎」
「ぶっ飛ばされて寝込んでろッ」
「ヒッ、顔はやめてッ‼︎」
ウェル博士に接近し顔をぶん殴ろうとした。だがそれを阻止するかのように、ガトリングの弾が飛んでくる。
「…ゲンム、テメェも居たのか」
「君との勝負はまだついていないからね……そういうわけでどうだい?」
「どーせ断っても攻撃してくるよなッ」
奏はゲンム(彼女は後で知るがコンバットゲーマー)と戦うことになった。
奏はゲンムの二門ガトリングガンを動きまくることで回避していた。
槍を回転するように振り回して防御するという手段もあったが
(それで弾き飛ばした弾丸が翼達に当たるとまずいッ‼︎…それに彼奴はこの間の戦いで幾つもの隠し球を用意していた……だったらこのままそいつだけを使わせていた方がいいに決まってる。)
ゲンムの隠している攻撃手段を考えて攻撃には移さなかった。では、奏はゲンムを倒す気がないのかといえばそれも違って
(一撃だ……たったの一撃に殆どの力を費やして仕留めてみせるッ)
ゲンムを倒す為の最適な手段を思いついていた。実質これは正しいと思える考え方である。トランプでいうと、相手が強いカードを切るのを躊躇っている間に勝利する。奏はこれを狙っているのである。
(…ここまで回避に専念していると天羽奏は、一撃で私を仕留める可能性が高いな)
だが、そんな作戦はゲンムも思いつく。ゲンムは取り敢えず今は時間稼ぎを出来ればいいと考えている為に、奏の作戦に乗せられているだけなのである……この読み合いの勝負はゲンムの方が上手だった。
「何を企む、F.I.S.ッ」
「企てる?、人聞きの悪いッ、我々が望むのは全人類の救済ッ、月の落下で損なわれる命をできる限り救済することだッ」
深刻な戦いはDr.ウェルとの戦いだった。
翼がDr.ウェルに対して、敵の企みについて問い詰めると、帰ってきた答えは予想外の答えだった。
「なんだとッ」
「月のッ」
「そうだッ、各国は都合の悪い事実を隠して、自分達だけが助かろうと画策しているッ…そんな自分勝手の上層部に変わって私達が世界を救う英雄となるんだッ」
続け様に衝撃の事実を話し続けるウェル博士に、三人の奏者は足を止めてしまった。
………その様子を待っていたかのようにその笑みをさらに深くして、こう言った。
「私達の答えがッ、ネフィリム」
ウェル博士の発言と共に地中から、異形の生命体ネフィリムが出現する。その登場と同時にクリスを吹き飛ばして攻撃した。
クリスは気を失わずとも、身体は動かなくなった。
「雪音ッ…なッ」
慌てて雪音クリスを助けようとした翼をトリモチを口のような機関から放つノイズで攻撃され、雪音もろとも動けなくなった。
「翼さん、クリスちゃんッ」
「…さぁ行きなさいネフィリム…二人とも丸ごと食べるのですッ‼︎」
ウェル博士は勝利を確信したのか、その声色は限界を超えていた。
それを聞いた響は周りにいるノイズを次々と倒しながら、二人の元へと走って近寄り、ネフィリムと対峙しに行った。
「…やっぱりだッ、君は、誰かを守るための、拳でより多くの誰かをブッ殺してみせる訳だッ、調が言った通りの偽善者だッ‼︎」
(えッ?)
その言葉に調に言われた偽善者という言葉、自分が人殺しと言われた過去、様々な事を脳裏を過ぎ去り
ネフィリムが響の腕に食らいついた。
「立花ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼︎」
「おいバカ…嘘だろ⁈」
響の腕から血飛沫が上がり、そのまま立ち尽くした。
「ヤッタァぁぁぁぁッパクついたぁぁぁぁぁぁッ」
「へ、え、ああ、エ?」
何が起きたのか理解が出来ない立花響、歓喜の叫びを上げたウェル博士。
そんな二人をよしに、事態の急転を察した奏は
「テメェぇぇぇぇえ、よくも‼︎」
「おっと、貴女にはこうですッ‼︎」
ウェル博士は急接近する奏に気づいて以前から考えていた、対奏対策を実施した。それは、
「ッ、翼、クリス、危ねぇ⁉︎」
クリスと翼の周りにノイズの追加召喚である。これで更に奏は追い詰められる結果になる。
クリスと翼を守るためにノイズを倒していると、ウェル博士はさらなる命令を下した。
「さぁ、ネフィリム‼︎、そのままガングニールを丸呑みしちゃいなさいッ‼︎」
響に対するトドメを命じたのであった。
『ゲンムッ、何をしているのですッ‼︎契約と違いますよッ‼︎』
「焦るなッ、こっちも今行動をしているッ‼︎(私を焦らすな…早く来いッ)」
ゲンムはここで立花響が致命傷を受けるのは想定の内だった。だが、彼にとっての想定外はウェル博士が下した命令だった。
ウェル博士は『ガングニールを丸呑みしろ』と、言ったがこの場にあるガングニールは一つではなく
「ギュオオオオッ」
「は?」
奏の持つガングニールでもある。
咄嗟に回避をしたものの、シンフォギアを展開するための赤い結晶を丸ごと食べられた奏は…強制的に解除されてしまった。
そのまま、ネフィリムは腕を振るって弾き飛ばした。
「奏ぇぇぇぇえ」
「(まずいッ)やれやれしょうがないな?」
内心焦ったが、それを表には出さない余裕があったのか、落ち着いて変身が解除された奏を受け止めるゲンム。
そして、何処からともなく取り出した毛布で奏でを包んだ。
「離せッ、この野郎、響がッ、あの子がッ」
「…その心配はいらない」
「ふざけるなッ‼︎、響を苦しませた要因の一つであるお前にそんなことを言われたって信じ『ネフィリムが覚醒するように、立花響も覚醒し始めている』…ハッ?」
響は苦しんでいた。
肉体的にも精神的にもそのストレスは最高潮を極めていた。
(私は死んでいた方が良かったのかな?)
奏が聞いていたら、その頰を何度も殴りそうな言葉を心の中で一瞬だけ考えたとき。
《ソイツは違う。どんな命でも無くなるのはいけないことだ…だから一個しかない命を懸けて誰もが真剣に
(え?)
《
誰かの声がした。
そして響の意識は消えて行った。
「立花?」
最初に異変に気付いたのは翼だった。
全身が暴走するときと同じように真っ黒に染まり腕を修復したと思ったら、突然全身にヒビがはいった。
そこから殻が剥がれるように、立花が再び現れた。
「お、おいバカ?、そのガングニールはどうしたんだ?」
そのガングニールは響や奏、マリアのオレンジの色をしておらず、クリスのような赤い色をしており、ガンドレットの部分は炎を形取った模様がついていた。
「響…なのか?」
何より違ったのはその顔の部分、目元までかかるバイザーがあり、顔をよく見る事が出来なかった。
「ギュッ、ギュオ?」
自分が食べだ餌が、傷を完治したばかりが異質な存在になってることに疑問を抱いたネフィリムは響の方を見るが…より美味しそうになったと思い、また響を食べようとすると…
「ギュ、ギュアー‼︎」
「ネフィリムッ⁉︎」
片手で思いっきり殴られ、吹っ飛んでいた。殴られたところには焼印が入れられたように殴った跡が残り、ネフィリムが簡単に吹っ飛ばされたことにウェル博士は悲鳴を上げた。
「……………」
響は何一言も言わずに構えた。
ここから無慈悲な暴力がネフィリムを襲い始める。
次回…フルボッコタイム‼︎
明日もお楽しみに〜…………この後の展開に盛大に怒られそうな展開待ってんだよなぁ…