………不穏な空気を振りきながら、響達は二課の潜水艦に帰還した。
「それで、ゲンムのやつはなんと言っていたんだ奏?」
「……こちらの秘蔵の装者と響との決闘…だってよ、しかもそうしなきゃ小日向未来を返せない…だそうだ」
「小日向がッ‼︎………だから立花はあんなに黙っているのか…」
「いやッ……それはちげぇみてぇだぞ……あのスクリューボール…」
「(えッ?)えッ⁉︎」
「(……まずったかなぁ?、パパとママが教えてくれた言葉、変らしいし…)…何でも、自分の中の何かと話をしているみてーだぞ?」
クリス達が話している間と件の立花は、目を閉じて直立不動の状態だった。
ただ、それだけなのに真剣さが伝わってくるような気迫があった。
その集中力を乱すわけいかないと思った司令は
「よし‼︎、未来君を助けるための救出作戦のためにも全員でトレーニングだッ‼︎」
「(ハァッ⁉︎)ハァッ⁉︎」
「(マリアに対抗できるようにしないとな)分かりました」
「(装者じゃなくなったとしても肉体の衰えさせるわけにはいかねぇな…)旦那?、あたしも全力で取り組むぜッ‼︎」
三者三様の回答、再び。
これに後から響も加わり、四人でゲンムから指定された日時までトレーニングすることが決まった。
「慎次、分かってるな?」
「はい、任せてください司令」
一方エアキャリアのフィーネ達は…
「「ゲンム、あの人怖い」デースッ⁉︎」
「落ち着け君達、あれは一応人間だ」
未来に対する恐怖感を覚えていた。
「人間なワケ無いデースッ⁉︎、人間が一体どうしたら鉄格子を素手で曲げられるんデスかッ‼︎」
「愛だろ」
「愛ッ⁉︎、私が知ってる愛とは違う漢字だよねッ⁉︎」
「調君、君が思ってる愛は、愛する、恋愛の愛かな?……私が思い浮かべたのも同じだ」
「「愛で人があんなに強くなるわけがないッ‼︎」」
「いい加減にしろッ‼︎、さっきから何度同じことを言ってると思ってるッ、第一向う側にも映画みてトレーニングしただけでシンフォギア以上のパワーも手に入れた怪物がいるんだぞッ‼︎」
「「それこそが偽証ッ」デースッ‼︎」
ゲンムは混乱の極みに至った、二人をなんとかして宥めようとしている。
マリアは……『セレナかと思ったらセレナじゃなかった、邪神だった……セレナァ……』と呟いてショックの余り自室に閉じこもった……最近、調と切歌懐いてくれないから拗ねていたのあるが…
「(…面倒い……実に面倒い………ッ本当に面倒い‼︎…………子供をあやすことも彼の才能の一つに入れたほうがいいな)……なら私は危険な任務に就く」
「危険な任務?」
涙目で調がゲンムを見つめると………
「万が一脱獄させないためにも、小日向未来の監視ver.寝ずの番」
「「ゲンム、自殺するのはやめてッ‼︎」」
「心配は要らない………君達風に言うならば、それこそが不要ッ‼︎」
ゲンムは二人が必死に止める声を聞かずに、小日向未来の元へと行った。
「………君は私が憎いか?」
「ふふふ、そんなの聞く必要あります?」
「まぁ、そうだな……だからあんな約束事をした」
「……響を治したら、貴方を殺します」
「好きにすると良いさ、私の命一つ程度で彼らが進むならそれで」
そう言ってゲンムは冷やかに笑った。
「ゲンム、大丈夫?」
「あぁ、調君……少し良いかな?、ちょっと確かめたいことがある」
〜決闘日…当日〜
二課の潜水艦は決戦のポイントまで近づいていた。
「ッ、あの場所か⁉︎」
「けっ、御誂え向きの場所してらぁッ‼︎」
クリスと翼が見ているモニターには六角形のリングが見えていた。
「響、特訓の成果を見せてやれッ‼︎」
「はいッ」
「立花、常在戦場だ」
「……はいッ‼︎」
「正直…誘拐犯の言うことを聞く事は間違っている……響君の身体が聖遺物の融合で危険に晒されると思ったらすぐに止めるからな」
「大丈夫ですッ‼︎、もう、へいきへっちゃらですッ‼︎」
「………(生卵をジョッキで飲むとか…あれ特訓でいいのか?)なぁバカ、本当にあの特訓意味あったのか?」
「あったよ、クリスちゃんッ‼︎」
ちゃんつけるな先輩つけろ、内心クリスはそう思ったが場の空気を読んで言わなかった。
そうして、響は決戦のリングへと上がった。
一方、エアキャ(以下略)
「ふふ、待っててね?響…」
そう言って小日向未来はウェル博士とともに先に向かった。
「「ゲンム…大丈夫?」デース?」
「問題ないだろう、最悪が私が死ぬだけのようだからな」
「「問題あるッ⁉︎」デース⁉︎」
「ふふふ、本当この世の中どうなっているの?」
「ていうか、マリアさん…いい加減立ち直ってください」
「えぇ、マリア…彼の言う通りです、恋する乙女の力は無限大なのは当たり前なのですから」
「「「え?」」」
「……冗談です、忘れなさい」
檄を贈るよりも、恐怖を贈られた三人の心が悲鳴を上げていた……だが、ナスターシャ教授の冗談で幾らか平静を取り戻していた。
響はリングの元に辿り着いて、辺りを見回した。
いつ、エアキャリアがこっちに来るか分からないからだ。それに不意打ちしてくる可能性もある。
そう思っていたのに、普通にその姿を晒しながらこの場所にエアキャリアはやってきた。
そして、響が助けたいと思った親友が降りてきた。
『小日向?』
翼がなぜ未来が降りてきたことに疑問に思っていると……
聖詠がその口から放たれた。
『おい、嘘だろッ‼︎、なんで彼奴がそんな物持ってんだ』
『…クソッ‼︎、そういうことかよ…だから小日向を』
『響君‼︎、戦わなくていい戻って来いッ』
司令官である弦十郎は響が未来と戦わせるのをやめさせようとしているが
「いやです‼︎『響君‼︎』師匠‼︎、大丈夫ですッ………私の中にいる誰かが多分そうなるって言っていましたから『何だとッ⁉︎』」
響はこの事を前から理解していた……自分の中にいる誰かによって
『響君⁉︎、君の身体が本当に治っているか分からないッ、だから戻「師匠ッ‼︎………此処が私の正念場なんです、見ててください」……分かった、身体に何らかの異常があったらすぐ辞めやせるからな「……多分異常は起きるって中の人は言ってます」……響君、中の人にそういう事は前から言って欲しいって「すいません、師匠に伝えておいて欲しいって中の人に言われてました」響君、戻ってきたら説教』
「(旦那が「(叔父様が「(おっさんが「(司令が真顔になったッ⁉︎)」」」」
普段目にしない司令の真顔に一同は驚いた。肝心の司令の脳内では、響君に話し方の特訓もさせた方がいいかもしれん、と考えていたりする。
そんな様子を見ていて、ちっとも慌てふためかない響に舌打ちするDr.ウェル。
「いやはや、まさかルナアタックの英雄が周りに此処まで頓着しないとは思いませんでしたよ……随分と酷い外道ですねぇ?」
「……これは中の人からの発言だけど…『白髪ハゲカケは
「…はぁんッ‼︎、好きに言うがいいさッ‼︎、それでもそこにいる奴が自分の親友を手にかけることは変わらねーからなッ‼︎」
「…響……」
ウェル博士が遂に吹っ切れて、キチリ始めた頃、バイザーに閉ざされその目が見えない未来が唐突に響の名を呼んだ。
「未来…」
「響は偽善って言われて苦しかった?」
そして響に質問し始めた。
「…苦しかったけどしょうがないよ、私の思いは行動しないと伝わらない、次会ったときは助けるよ…例え敵だとしても」
「響は自分の命を無くしてまでも誰かを助けたいの?」
「最近まではそう思っていたけど…中の人に自分の命も救えない奴は他の命を救う資格がないって言われたんだ、だからちょっと考えてる」
「響は何で私の気持ちを考えないの?」
「未来の気持ちも教えてもらわないと本当の意味で伝わらないよ」
「響はどうして奏さん達ばっかりかまってるの?」
「…ごめん寂しい気持ちにさせていたんだね?」
「響は響は響は響は響は響は響は何で………こんなにも愛してるのに……私の気持ちに気づいてくれないの?」
その質問に響は固まった。空を見上げた後、未来の方を見て深呼吸をした。
「…スー、ハー、私も自分の感情がよく分からないんだ、だから未来を思う気持ちがLIKEかLOVEなんか分かるはずも無いよ……未来は本当に私を愛してるの?」
その正直な言葉に、場が凍りついた。
「ヒ、ビキ?……ヒビキ?」
「(あ、これヤベー奴じゃねぇぇぇぇぇぇかぁぁぁぁッ、離れないと死ぬゥッ)わ、私は一応下がらせて貰いますよ…」
「未来……納得いかないっていうなら、気がすむまで喧嘩しよう」
その言葉を聞いた途端、未来の顔に笑みを浮かび上がった。
「ヒィィビィィキィィィィィッ‼︎」
「行くよッ、未来‼︎」
そして喧嘩が始まった。
マジでお願いしますッ‼︎
土下座マンになりますから…