『なぁ、分かっただろ?……僕が何でそのガシャットを欲しいのかが』
『……悔しい話だが、これは私の…遊び相手が使ってたガシャットだ…嘘で私を何度も勝ってみせたのだ…』
『…で?、それが逃走用にこのガシャット貰ってはいけない理由になるの?』
『……私が友人と呼んでもいいと思った相手のガシャットを、そんな理由で使って欲しくはない』
『……(悪いことしたな…)分かった』
『それとただ逃げるだけなら、タドルクエストを使えば可能だぞ、ワープで』
『それを早く言えッ‼︎』
〜ある一日の会話……この後パロス◯シャル〜
「ヒィィィィビィィィィキィィィィィィ‼︎」
「行くよッ‼︎、未来‼︎」
最初に仕掛けてきたのは未来の方からだった。
手にした鏡張りの扇を振るって響を弾き飛ばそうするが、響は両手を狭めて手甲で防御する。
そのまま回転し未来に対して蹴りを加えようとするも、地面を滑るように移動する未来には当てられなかった。
『閃光』
回避して直ぐに、未来は扇を丸い鏡の様に変形させ、そこから光弾を放った。
「………なんか、凄い告白を聞いてしまったのだが…こういうときはどうすればいい…奏」
「いや、あたしにふるなし」
「…先輩、あいつらの痴話喧嘩は家でやれって言ったワケはもう分かんだろ…」
「ッ‼︎、雪音今何と‼︎」
余りの迫力に、つい心の中で言っていた先輩呼びをしてしまうクリス。
もう一度、もう一度、とせがむ翼に対し、今はそんなことしてる場合じゃねーだろと顔を真っ赤にしてぶちぎれていると、奏はふと気づいた。
「ん?、緒川さんはどこに行ったんだ」
「緒川には、ある事を頼んでいる」
「…ふーん、了解旦那」
「大変ですッ、司令」
そんな話をしていると、緒川さんが部屋の隅から突然現れた。
「調べは終わったのか?」
「はい、ですが了子さんの残したデータをサルベージしていたら神獣鏡のシンフォギアの特徴が載ってあったんですッ、響さんとは絶対に戦わせてはダメです‼︎」
「本当かッ、緒川さん‼︎」
「神獣鏡には魔を祓う力……聖遺物を分解してしまう力が有るんです、その力を今の響さんに使えば…どうなるかは不明…と書いてあったんです」
「ッ何だと‼︎」
その言葉は周りをざわめかせたが、勿論響のところまで届いていた。
二課の通信を聞いていた響は
「(だとしたら、当たらなければいいッ‼︎)」
そういう考えに至った。響は飛び交う光弾を躱す為に、大きく横に走り始めた。
未来は、走り出した響を追って鏡を響の方向に向けさせるが…戦闘経験の差か、鏡を移動させるスピードよりも、響が未来の背後に来る方が速かった。
「ッ⁉︎」
「未来ッ、痛いからねッ‼︎、…ハァッ‼︎」
思いっきり未来の横腹に目掛けて正拳突きを繰り出した。
遠くに吹き飛ばさせる未来を、響は悲痛な表情で見ていた。
「ヒー?、ビーキー?」
眼は隠されている為、響の事をどんな目で見ているか分からないが、顔は確実に響を捉えていた…そして
『歪愛』
「(ッしまった‼︎)」
脚部から無数のワイヤーパーツを伸ばし、響を手脚を捕らえた。
親友を傷つけてしまったことに対しての罪悪感が心をかき乱し、響に隙が生まれていたからうまくいったのである。
未来はそのまま、追加のワイヤーパーツを出し、それを円環状に繋げた。
未来は顔を下げると小さく呟いた。
「これで助かるよ、響」
「ッ⁉︎」
『流星』
輪となったワイヤーパーツから巨大な光線が放たれ、響を飲み込んでいった。
その瞬間をエアキャリアで見ていたマリア達は…
「あの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖いあの人怖い」
「落ち着きなさいッ⁉︎調」
調がひたすら、未来に対して恐怖していた。
「切ちゃん…」
「大丈夫デス調、私はここにいるデスよ〜」
「……ねぇゲンム?」
「何ですか、マリアさん?」
「(…勢いで思わずこの二人への愛を語りそうになったわ…)あの言葉の意味って何なの?」
ゲンムはその言葉を聞いて、何かキョトンとした顔で…
「君はあの二人を長く見ているのに、まだ気づかないのか?」
「……え?、どういう事…」
「…すまないが質問の回答は後でする…そろそろ、私の目的の一つが達成されそうだからな」
「待って‼︎、待ちなさい⁉︎」
「待たなぁい……う゛、う゛ん…こればかりは待ってはいけないからな…ナスターシャ教授と共に自分の仕事はやってくれよ…」
ゲンムはそう言って、エアキャリアから飛び降りていった。
響の顔、未来の顔、二人の両親が運動会で響や未来を応援する姿、響の大食いが昔からであることの証明する光景など……此処には響の思い出がたくさんあった。
それが一つ一つ大事に額縁に飾られている。
その響美術館ともいえる場所に一人の白衣を着た男が立っていた…ただ白衣を着ているって言っても…その下に着込んでいる服のせいでコスプレにしか見えないが…
その男は映写機の光景が、紫の光が迫って来る光景になった事を確認すると、徐ろに目を瞑って歌い出した。
「ぶっ壊せ〜♪、突撃〜」
すると映写機の光景が変わって、赤い光が満たした。
「激突、パンチ〜…」
響の周りに現れているのだろうか?
ロボットのアームの様なパーツが響の周りを移動し始める。
「激突ロボッツ‼︎」
男が歌い終わると同時に、響の体が赤く発光した。
「へ?、何これ?」
『ギアのリビルト…だと?』
赤い光が完全に収まると響の片腕に拳状のパーツが取り付けられていた。
それだけではなく、ギアの所々にロボット的なパーツが追加されていた。
『拳のアームドギア…なのか?』
『いや翼、それより何で聖遺物を分解する光を浴びて響は平気そうなんだ?、緒川さん何か知らないか?』
『分かりません、ただ言えるのは』
『あのバカはもう大丈夫ってか?……よっしゃぁぁぁぁぁぁッ』
二課の通信でクリスが大喜びする音声が流れて、響は少し笑った。
響が未だにギアを纏っている事に、驚き唖然とする未来…そこに空からアクションコンバットゲーマーになったゲンムが降りてきた。
「言ったはずだぞ、もう完治していると…小日向 未来」
「……ゲンム?」
響は何故、ゲンムが降りてきたのか理解できなかった…すぐにその理由はわかるのだか。
「立花 響…完治おめでとう、そして回収させてもらおう」
そういって、戦いの余波でいつの間にか気を失っていたウェル博士を担ぐと同時に、手にしたバグヴァイサーで響から何かを抜き取った。
「ッ⁉︎」
「君のいう中の人を抜き取った……まだ必要だからな…そしてもう一言、小日向未来のギアをウェル博士が改造しているせいでか、脳に多大な負荷を生んでいる…彼女自身の力で彼女を攻略しないと最悪、君の親友が死ぬ」
『何だとッ‼︎』
「私もそうなると目覚めが悪いんでね…この情報は伝えておくよ…さらばだ」
ゲンムはそういうと空へを飛び去っていった。
響は自分の中の人に話しかけてみるが…返事は返ってこなかった。
♪私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ♪
「…本当にいない、ありがとうって、まだ言ってないのに…」
「ヒビキヒビキヒビキヒビキ?」
「ッ未来?」
「ヒビキ……ナンデ…ヒビキ?」
未来の言ってる言葉が可笑しくなる状況に混乱していると。
『響君、未来君の限界が近いのかもしれないッ‼︎』
「師匠ッ⁉︎」
『(ゲンムの言う事は今迄正かった…なら今回、ゲンムが言った事は…)…響君、未来君が繰り出す聖遺物の光を未来君自身に当てろッ‼︎、ゲンムが言ったことが正しければそれで助かるはずだッ‼︎』
「分かりましたッ‼︎」
その声に反応したのか…再び動き始める
「ッ、未来痛いけどごめん‼︎」
だが響は新しくなったギア?の機構……脚部の油圧式ピストン様なものを利用して普段より力強い蹴りを未来に当てる。
すると、未来が思いっきり吹き飛んだ‼︎
『えぇぇぇぇッ⁉︎』
藤堯の情けない叫び声が飛んだ。まぁ、そうだろう油圧式ピストンが蹴りと同時に作動して普段の蹴りの威力より上がったのだから…響は軽く蹴りを入れただけなのに未来を遠くに飛ばした事にビックリして、その足を地面に叩きつけてしまった。
瞬間、再びピストンが作動。
鉄で出来た舞台に穴が空いてしまった。
「うわぁッ…とととと…とッ?」
響は舞台にめり込んだ足を引っこ抜いたときに、その穴の中が見えた。そして、どうすればいいのか分かった。
「未来ッ⁉︎、こっちだよ!」
「ッ‼︎、ヒィィィィビィィィキィィィィィィッ‼︎」
響がそうやって両手をあげてアピールしていると…その声に反応した未来が一気に近くにやって来た‼︎
未来が近くにやって来るまでは響の計算の内だったが…未来は『混沌』の光弾を撒き散らしながらきたのは想定外だった。
「(だったら、この腕のパーツでッ)」
だが、今迄の戦闘経験がある響は光弾を右腕のパーツで、弾いていった。一つ一つ弾いていくと、すぐ近くまで未来がやってきた。
「ヒービキ?」
「(今だッ)ハァァァァァァァッ‼︎、ハッ‼︎」
未来を思い切り蹴り上げた、天高くエアキャリアの近くまで未来が舞い上がった。響もまた、強力になった脚力で鉄の地面を蹴り跳び、未来より高く跳んだ。
「(…あのとき穴から見えた光は紫の色をしていた……このリング自体に聖遺物を分解する光が集まっているんだ‼︎)だから、これで……」
響はそう言って、右手を思いっきり後ろに引いた、
「その聖遺物なんか、全部砕けて消えちゃぇぇぇぇぇぇぇぇェェェェェェェッ‼︎」
前に突き出した…左腕の鋼鉄の腕のパーツがとれ、とれた部分から火がつきジェット噴射が始まった。
そして飛んでいき、未来の柔らかい腹に突き刺さるように命中‼︎、そしてロケットパンチは地面に激突した後も止まらずに噴射を続けている。
「ヒビキ…ヒビキ…私ノ力デタスケルカラ……ウェル博士がそうすればタスカルッテ、言ッテイタカラ…」
「ッ‼︎」
そして、リング自体が衝撃に耐えきれなくなり…響が開けた穴からリングが崩壊した。
『我流・機械流星』
そして紫の光の中に未来は落ちていった……
「……本当に、出来たのですね」
「ナスターシャ教授、この私の才能を疑っていたのかい?…だとしたらとんだ間抜けとしか言いようがないが?」
それはこの事件の最終章の幕開けでもあるのだが…
いかがでしょうか……オリジナル技は…
え?、オリジナル技じゃ無いだろって?
……そこは突っ込まないで