また長い眠りにつくか
フロンティアの通路を歩く影が一人……その影は何か気になったのか、自分の腰に巻き付いていた装置を取り外して耳に当てた。
場所はいきなり変わって、二課潜水艦ドックルーム。
「……翼、サイドカーの取り付けは終わったか?」
「あぁ、勿論だ奏」
「お、おい先輩…安全運転でたの『全力で一直線に、突っ込んでください‼︎、奏さん‼︎』ハァッ⁉︎、おいやめろバカ‼︎」
「うし、分かった‼︎……じゃあいくぞ翼?」
「ふふ、こんなときに言う話ではないが……楽しみだな奏‼︎」
「待ってくれ、これ案外車体が低くて少し怖えーんだよッ‼︎、だから」
その声を無視するように二人のバイクに火がついた‼︎
「安全運転で、頼むわぁぁぁぁぁぁッ」
「フルスピードでぶっちぎりー♪イェーイ‼︎」
無視されたクリスは、急発進したバイクの動きについてこれず、首を一回後ろに傾けた後、叫んだ‼︎
対する響は陽気に歌いながら、笑っていた
『なぁ、ここまできたら迅速な対応が必要だと思うんだよね……だからさ、あたしらが使ってるバイクにサイドカーを取り付けてさ………敵陣に突っ込んでみても良いかな?』
『危険だ………といっても奏のことだ、無視するつもりだろうな…許可する……元々こちらも後で向かう予定だったしな』
「(………旦那は我儘を聞いてくれたし、もうこのまま響の言う通りに…)翼‼︎、もっとスピードを上げて突き抜けるぞ‼︎」
「分かった‼︎……すまない雪音耐えてくれ」
「〜〜ッ‼︎」
声にならない絶叫を上げながらバイクは進むのであった‼︎
時は少し戻って……コントロールルームにて……
マリアとウェル博士だけがその現場にいた。
「Dr.ウェル?…ゲンムはどうしたのかしら?」
「あぁ…彼は……今回の我々の行いがもう成功すると踏んでクロノスのところに戻ったそうですよ…彼が上司のようなものみたいでしたし」
…マリアはこれまでのゲンムの発言からそんな事を一言も言われていなかったが、確かにゲンムよりクロノスの方が強そうな見た目をしていたので一応納得し、少し残念に思った。…直ぐになぜ残念がっているんだ‼︎、私‼︎と自分で自分にツッコミをいれたが
「…それでDr.ウェル、フロンティアを浮上させると言ったけれども…いったいどうやって浮上させるの?」
「僕が作ったこの…ネフィリムリンカーでやるんですよッ‼︎」
話題を変えるためにもウェル博士にそう尋ねた。
ウェル博士は返答してキチエミを浮かび上げたまま、注射器を自身の腕に突き刺した……腕が不気味に脈を打ち、ネフィリムのような腕へと変貌した。
「それはッ‼︎」
「ネフィリムのようになるのは当たり前のことですよ…この腕がネフィリムと同じになったんですからねぇ……そして‼︎これをこう‼︎」
変貌した腕を球体状の操作装置に突き出したウェル博士、すると幾何学的な模様に光が宿り…フロンティアは起動した。
ウェル博士はその前で不気味な笑みを浮かべながら
「先ずは、このフロンティア自体をさらに浮上させる‼︎、こんな海面接した状態じゃぁ、多方面の攻撃が激しくなりますからねッ‼︎」
『君という存在は…何処までも私の癪に触る人間だな、一周回って冷静になったよ』
「ッ、ゲン……ム?」
そこにいたゲンムは左腕が無かった。
最早、そこにその姿がある事自体が不快なのかウェル博士は糾弾する。
「テメェッ‼︎あのノイズの群れで死んどけよッ‼︎面倒クセェなぁッ‼︎」
「君が気づいたことには驚いたが……あの程度の量で私を殺せると思っているのなら大分…浅はかだな?」
「ま、待てゲンム‼︎…その腕はノイズにやられたのか⁉︎」
その言葉に呆れたように反応を示すと…
「そんなの当たり前のことだ、私が作ったゲームにノイズに対抗する機能なんてつけていないからな、当然君を助けに行くとなると腕がこうなる」
衝撃的な言葉を発した
「マスト、ダァァァァァァイッ‼︎」
「ッ‼︎、翼」
「分かってる奏‼︎、ここは任せて先に行けッ」
暁 切歌が
所でサイドカーの方はというと………
「〜〜〜〜〜」
切り離された勢いで、思い切っり後方に落ちていった……シンフォギアがなければ大惨事間違い無しのやらかしにあったクリスには調が何とも言えない表情をしながら、自慢のローラーを回しながら近づいていった。
「…奏さん……奏さんはあんな事しませんよね?」
「後で翼に説教だな」
一方、双槍バイク組の方はスピード出しつつも安全な運転で基地の中に入って行った
基地の中を進んで行くと……意外な人物と出会った。
「‼︎……何で此処に⁉︎」
「どういう事だゲンムッ、説明しろッ‼︎」
「?、私は説明したが……あぁ、クロノスの方か?」
「違う‼︎」
「…私としてはクロノスの方が気になりますかねぇ…?」
マリアは突如として現れたゲンムが自分を救いに来たと言った訳を聞いたが、ゲンムはそんなことはどうでもいいと言った感じでそう返答した。
「あぁ、クロノスがノイズの攻撃に対して耐性が有るのは、クロノスの方がノイズより強く周囲と拒絶しているからだ………言ってしまえば歌わなくていいシンフォギア状態だからな、まぁそんな彼も目的を果たした以上ここには来ないと思うが…」
「随分ペラペラと喋りますねぇ?……何か作戦でも有ると思っているのですかぁ⁉︎」
「作戦はシンプルだ、『いのちはだいじに』だ」
そう言ってマリアを突き飛ばした、呆気にとられるマリアを他所にゲンムは……
「妹の真意を知れ、そしてナスターシャ教授のところに向かえ、それが世界を救う為の最後の鍵だ……それは任せた」
そう言い放ちながら、閉まっていくエレベーターの扉を眺めていた。
「ゲンムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ‼︎」
「デェェェェェェェスゥゥゥゥッ‼︎」
「甘い‼︎、その攻撃は見切った‼︎」
風鳴 翼対暁 切歌の戦いはアッサリ着いた。翼はこれまでの訓練で培ってきた技量を遺憾なく発揮し、切歌の攻撃を全て見切った上で喉笛に刄の刃を置くことで動きを制限して止めた。
「グッ、調はッ‼︎」
「ちょ〜ッせぇッ‼︎」
調の方も高速機動で移動しながら、回転鋸を射出していたのだが……火力と広域殲滅能力において雪音クリスの上をいく存在はまだいない。矢、銃弾、ミサイルの雨でそれらの攻撃ごと、爆撃で全て焼き払った。
「ギリ……」
「チェックメイトだッ‼︎、大人しくお縄につきな…」
爆撃から逃れる為に、後退していた月読 調の後頭部に、先回りしていたクリスの拳銃型アームドギアの銃口が突きつけられた。
二人の状況は完全なる詰み…今回の勝負の軍配は二課組の勝利だった。
「…にしても、本当に上手くいくとは思いませんでしたよ……先輩」
「あぁ、マリア・カテンツヴァナ・イヴが居なかったのでな……技量において向こうの装者最強の彼女が居なければ簡単に抑えられると思ったのだ、念の為にも雪音が苦手とするこちらのシンフォギア装者の抑えればな………ッ‼︎、雪音‼︎、今先輩ってまた呼んだか‼︎」
「………わりぃかよ……」
そうクリスが赤面していると周囲に異変が起こった。
フロンティアの一部分から巨大な光の手が登場し、月を掴んだのだ‼︎
「ッ⁉︎」
その手はそのまま月を支えにして人が起き上がる様に………フロンティアが浮上した………暫くすると聞き覚えのある足音がしてきた。
『ギッポイッ、ギッポイッ、ギッポイッ』
突如としてノイズの群れが出現したのだ
「ッ‼︎…クソ、忘れちゃいけねぇもんを忘れてたぜッ‼︎、ゲンムが出て以降あんまり使ってなかったから、すっかり忘れてちまってた……クソッ」
「雪音…あんまりそういう口調は…『どういうことッ‼︎』ッ‼︎、どうした‼︎」
「もうソロモンの杖を使う必要はないのになんで使ってるんデースッ‼︎」
「ハァ⁉︎、お前らソロモンの杖を使わないならなんで奪ったんだよ⁉︎」
その問いの答えに翼がきづく。
「……戦力の差を埋めるためか?」
「⁉︎、それって…」
「………私達はもともと戦力と計画を実行させる為の力がなかった」
「ちょッ、調‼︎」
「切ちゃんッ、私も嫌だけどマリアやマムを助ける為なら関係ないッ‼︎……話を聞いてもらおう」
そう言って調は手短にこれまでのいきさつを二人に語った。
「……ってことはお前らの中に『フィーネ』の魂を継いだやつは一人もいなくて……」
「……この騒動の主犯はウェル博士というわけか……雪音」
「あぁ、分かってる‼︎、行くぞお前ら‼︎」
「⁉︎、貴女達本気?、敵のいう言葉を信じるのッ⁉︎」
「調のいうとおりデースッ⁉︎、そんなのおかしいデ『うるせぇッ!』‼︎」
「こちとら人助けが趣味の偽善者に本当に救われてんだッ‼︎、だから人助けが大事だって事がよく分かってんだよ‼︎、馬鹿野郎供ッ‼︎」
「バ、バカじゃないデースッ‼︎、私には暁 切歌っていう名前があるデースッ‼︎」
「……ねぇ、貴女もあいつの偽善に救われたの?」
「……あぁ、そうだ……戦うばかりの剣だった私に夢を思い出させてくれたのが立花だ………立花は君にとっては偽善者かもしれないが、私にとっては違う……とっても大事な後輩だ、もちろん雪音もな」
「今ここで言うことかッ⁉︎、取り敢えずうだうだ悩んでいる暇があったらこのノイズの群れを片付けっぞッ‼︎」
そういってノイズの群れに二人は向かっていった‼︎……暫くした後、二人は顔を見合わせて……
「調、彼奴らの言うこと信じられますか?」
「……信じられない、って以前の私はいっていたと思う……でも今は分からない……」
「だったら答えは一つデスッ‼︎」
そして大きくうなづき
「「考えるより先に行動する」デースッ‼︎」
二人も死神退治に参加しに行った‼︎
エレベーターに乗りながら何処か別の場所へと移動しているウェル博士……どうやらゲンムはウェル博士に敗れた……のか?
「…くそ、彼奴ゼッテーに生きていやがる……だが月はフロンティアの浮上に伴い落下の速度を増した……もう直ぐだ……僕の英雄になれるときが来るのが……」
どうやらゲンムは戦いの最中に逃げたらしい…その隙を突いてウェル博士はフロンティアを浮上させて、世界の寿命を短くさせた。
「このまま月が落ちた場合人類の総数が決定的に減る、そうすれば支配する為の強力な力が三つ……僕の理想通りとはいかなったが……概ねよしの結果だ」
自身の手に握られたソロモンの杖を持ちながら狂人はそう笑った……まるで自分が世界のルールだと決めた神様のように……
「これで僕は歴代のどの英雄も超えたヒーローになる……異名はなにかなー…フロンティアの英雄?、いやいや超大英雄Dr.ウェル?…楽しみだなぁ…」
ところでその杖邪魔じゃない?、私が預ろうか?
「あ、こりゃどうも丁寧に…………ッ⁉︎、今の誰ッ‼︎」
「……獲物を狩った余韻に浸りすぎた何とか博士……ゲンムとはえらい違いだな……」
「クロノスッ⁉︎」
ウェル博士の前に最大級のピンチが訪れる‼︎
シンフォギア感……でてます?