前作の方はもう少しだけお待ちください……
目の前に広がるのはただただ“白”
どこまで続いていそうな、一歩でも歩けばぶつかりそうな。
そんな境界線の見えない“白”の空間
「えっと……。何処?」
その空間に俺、鈴木 進一はポツリと1人だけでいた
「てか目が痛ぇ……。もう少し目に優しい部屋作れや。全部緑とかそう言うの」
目頭を押さえて微かな痛みが治まるのを待つ。白と言うのは太陽の光を反射するのでもの凄く眩しく感じてしまう。そして、それは目にも微かな痛みを運ぶのだ
「部屋全体が緑色とか。どこの野生児じゃ」
「あ? 誰かいんのか? めちゃくちゃじいちゃんに似た声が聞こえた気がしたけど」
さっきまではこの周辺に誰もいなかった。あれだけ真っ白なら誰かがいれば、普通にわかるはず。もしかしたらあの白の中にドアが有って、そこから入ってきたかも知れない
「とりあえずは目を開ける事が最初じゃな。それではろくに話が出来ん」
「あ、ああ。待ってくれ。今、開けるから」
そう言って、なるべく眩しくないように目を細めながら開く。さっきほどは眩しくないが、やはり眩しいのに変わりはなかった
そして……
「おい爺さん。流石に髭くらいは剃った方がいいんじゃねぇか? 伸びすぎて関羽もびっくりな流さになってるぜ?」
目の前にいたのは関羽もびっくりの髭が長い爺さん。でもどこか人には見えないとは思った
「これは儂のファッションじゃ。他人にケチをつけられる覚えはない」
「まぁ別に本人が好きでやってるなら何も言わねぇけどよ」
にしても凄い長さだな。普通に立って地面に髭がつくってどんなだよ……
「さて、ではまずはお主に色々と話さなくてはいけない事があるのう」
「おう。ここが何処なのかとか、アンタが何者なのかとか、何で俺がここにいるのかとかな」
とりあえず全部ひっくるめて話せやコラ
「全く、人間とはせっかちじゃのう。まぁ良いわい。まず、ここじゃが……。天と地の中間と言ったところじゃな」
「天と地の中間? なんだそりゃ。天と地の中間なら空じゃねぇのか?」
「それはお主ら人間がどこからが空で、どこからが天なのかをちゃんと理解していないからじゃ」
いまいちわからねぇな。てか、そんな無駄話はどうでもいいんだよ
「お主から言ってきた話じゃろうに……。まぁ場所は先ほども言った通り、天と地の中間と思ってくれて構わぬ。そして、儂が何者かじゃが、お主ら人間で言う神と言う存在に当たるのう」
…………は? 神? 大丈夫かこの爺
「言う事に事欠いて爺とはのう。全く、礼儀も知らぬのか。今の人間は」
「あれ? てか俺、声に出してなくね?」
「読心術などお手の物じゃ。あまり神を甘く見るでないぞ?」
へーへー。御見それしましたよ。神様
「まぁアンタが神様だっつーことは今のところ認めておこう。んで? 俺はなんでここにいるんだ? 羽でもつけて飛んで来たとか言うなよ?」
「ぶっちゃけ死んだ」
………………………んん? なんか今、変な言葉が聞こえたような気がしたからもう一度聞こう
「俺はなんでここにいるんだ?」
「じゃから、お主は現世でトラックに轢かれそうになっていた
俺が、死んだ? いや、確かにトラックに轢かれそうになってた女の子を助けようとしたところまでは覚えてんだけど……
「どうやらそこから先は無我夢中で助けたようじゃな。まぁそんな無茶をしたお主は儂に目を付けられたわけじゃ」
「…………」
死んだ? マジで? 脱童貞もしてねぇのに? しかも18だぜ? まだエロゲの一本もやってねぇってのに!! なんで死んでだよ俺ーーーーーッ!!
「お主も色々思うところがあるようじゃな。てか、お主。欲望全開じゃな」
「はぁ……。マジでねぇわ。このまま地獄とかふざけんなよ……。あ、でも地獄なら悪魔っ娘くらいならいるか?」
「お主は少し話を聞かんか」
少し呆れたように話す爺。あ、わり。つい死んだ事についてとやり残したことへのショックが大きくてな
「まぁ良い。お主は死んだ。じゃが、儂がお主を気に入った。特別に転生させてやろうと思うての」
「転生? あーテンプレよろしくの転生フラグか。はいはい。んで? 俺は別にそう言うのは興味ないんだよね。偽善を振りかざして誰かを守る? 全ての女は俺の物だと金ぴか英雄王を気取って自爆する? その他もあるんだろうが、俺はどれにも興味がない」
どれも確定した道しか進めない。これは何も囚われない自由な道を行きたい
「そうか。なら、儂はお主にこの特典をやろう」
「話聞いてたのかよ。クソ爺」
俺はそんな特典もいらねぇし、まず転生なんか……
「“忌神の眼”“遠目”“クロウ・クルアッハの聖隷のタロット”。ここまで言えば、わかるかの?」
その単語を出された瞬間、俺の中で何かがキレた
「ふっざけんなっ!! クソ爺! てめぇ、その特典が俺の言った道と正反対の道に引き込むことはわかってんだろ!?」
「転生して何もせず一生を終えて欲しくはないからのう。それでは儂が面白くない」
自分の娯楽の為に人間を使うってか? ふざけんなよ!
「まぁお主にはお主の嫌う偽善を振りかざし何かを守る者の力を与えるのじゃ。精々抗ってみるがよい」
爺の低音の笑声を耳に残しながら、俺の意識は急激に落ちていくのだった……
プロローグでした
神様は外道。でも、色々とあるんだよ。きっとそうに違いない
では、次からは幼少期を経て、原作に入っていきます。幼少期が先になるので、原作開始は少し先になりますね
では、次のお話でまた……