ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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ようやく、授業開始です。




変身術

   朝の支度を済ませ、大広間で軽く朝食を済ませる。

 

「ここの朝食って豪華ね。朝からこんなに食べられないわ」

 

 ハーマイオニーはそう言うと、トーストしたバケットと、緩めのスクランブルエッグをプレートに盛ると、私達の対面に腰かけた。

 

「そう言えば、今日は変身術の授業があるわね。楽しみだわ!」

 

「メンタルコンデションレベル上昇を確認。上機嫌ですね」

 

「当たり前じゃない! だって私、変身術の授業をとても楽しみにしていたんだもん!」

 

 ハーマイオニーは嬉しそうな表情で、持って来た朝食に手を付け始めた。

 

「朝食を食べるなんて、君達は随分と余裕そうじゃないか」

 

 振り返るとそこには、両手に本を抱えたロンとハリーの姿があった。

 

「何の御用でしょうか?」

 

「別に用なんて無いさ。ただ、まだこの城に慣れて居ないのに食事をする時間があるのかと思ってさ」

 

 ロンは自慢げにそう言うと、胸を張っている。

 

「それはどういう意味でしょう?」

 

「兄貴達から聞いたんだけど、この城の中は階段が勝手に動いたりするんだ。だから新入生は毎回遅刻するらしい」

 

「そうなの?」

 

「そうさ、だから僕達は早めに移動するのさ。なぁ、ハリー」

 

「うん」

 

 2人は自慢げな表情でこちらを見ている。

 

「ご忠告感謝いたします。ですが内部構造の把握なら既に済ませてありますので、ご心配無く」

 

 デルフィがそう答えると、二人は首を振りながら溜息を吐いている。

 

「はぁ…親切に僕達が忠告してあげたと言うのに…まぁいいさ。精々遅刻してグリフィンドールの点を下げる様な真似だけはしないでくれよ」

 

 そう言うと、二人は足早に移動を開始した。

 

「私達も急いだ方が良いわ。確かに変身術の授業初日に遅刻なんて最悪だわ」

 

 ハーマイオニーは必死にトーストに齧り付いている。

 

「まだ時間はあります。急ぐ必要はないでしょう」

 

「でも……ゲホッゲホ」

 

「急ぐと気管に詰まる恐れがあります」

 

 デルフィが手元にあったゴブレットを差し出すと、ハーマイオニーは一気に中身を飲み干した。

 

「はぁ。そうね。彼方達の言う通りだわ」

 

 落ち着いた様子のハーマイオニーはその後、ゆっくりとだが、少し急ぎ目で朝食を平らげた。

 

「さて、おかげ様で朝食も食べ終わったわ」

 

「そうですか。では行きましょう」

 

 食器類を片付けて、私達は移動を開始した。

 

 目的の場所は既に分かっており、マップ情報も獲得済みだ。

 

 そのおかげか、道中、勝手に移動する階段などがあったが、私達は迷うことなく目的の教室の前までやって来た。

 

「こちらですね」

 

「すごいわ。あっという間に着いちゃった」

 

「城内の内部データは既に把握済みです」

 

「すごいわね。どうやってやったのよ?」

 

「極秘事項です」

 

 デルフィはそう答えると、教室の扉を開いた。

 

「さて、行きますよ」

 

 私達は空いた扉を抜け、教室へと入って行った。

 

 

 

  教室に入ったのは授業開始5分前程前だったが、内部に殆どの生徒が来ており、席に座っている。

 

 来ていないのは、ロンとハリーだけだろう。

 

 恐らく、道に迷ってここまで来る事が出来ないのだろう。

 

 しばらくすると、授業開始時間になる。

 それと同時に、教壇の上のトラ猫が小さく鳴き声を上げた。

 

 声の波長等は完全に猫だが、その体から発せられているエネルギー反応は、マクゴナガルのデータと一致している。

 

 どうやら、認め難いが、彼女は自身の体を猫に変身させて居るのだろう。

 

『不思議な物ですね。これが魔法ですか』

 

 デルフィから、通信が入る。

 

『そうですね。機体の構造変化はオービタルフレームでも可能ですが、生命体の構造変化は未だに行われていません。魔法という技術には関心が湧きます」

 

 エネルギーの波長等はメタトロンの反応と酷似しているが、生み出される結果は全く違う。

 

 メタトロンは純粋なエネルギーとしての反応が主で、動力炉や兵器としての技術利用だ。

 

 一方魔法というのは、使える人間は限られるが、平和利用されることが多い。

 

「うわぁ!」

 

 ある生徒が悲鳴を上げると、マクゴナガルが猫から人へと姿を変えた。

 

 

「えー、これより変身術の授業を始めます。変身術はホグワーツで学ぶ魔法の中でも1・2を争うほど危険で複雑な魔法です。いい加減な態度で授業を受けるのには退室を命じ、二度と授業を受けられないものだと思っていてください。おや? まだ来ていない生徒がいる様ですね」

 

 マクゴナガルが教科書を片手に、教室全体を見渡す。

 

 丁度その時、教室の扉が勢い良く開かれる。

 

「ウィーズリー、ポッター。初日から遅刻ですか?」

 

「はぁ…はぁ…すいません…」

 

「階段が…勝手に動いて…迷いました」

 

「まぁ良いでしょう、次は有りませんよ。早く席に着きなさい」

 

 マクゴナガルに指示された2人は不機嫌そうに席に着いた。

 

 その後、授業は順調に進み、意外にも科学的な数式が黒板に書き出される。

 

 内容は、原子数の変化方法などだ。

 

 魔法と呼ばれるエネルギーを加える事で、原子数を変化させるという内容だ。

 

「内容を完璧に把握しろとは言いません。ですが変身術を極めるのであれば、理解する必要があります」

 

 マクゴナガルはゆっくりと説明を終わらせると、1人1人にマッチ棒を配った。

 

「まずは簡単な物から始めましょう。このマッチ棒を針に変化させなさい。大切なのはイメージする事です。鋭い針が出来る程上手くいている証拠です」

 

 周囲の生徒は大きく頷くと、杖を取り出し、必死に振り回している。

 

 私達も、ベクタートラップ内から杖を取り出す。

 

「え? デルフィ…それ貴女の杖?」

 

「えぇ、その通りです」

 

 ハーマイオニーがデルフィの取り出した身の丈程のウアスロッドに目を奪われている。

 

「それだけ大きな杖、何処から取り出したのよ…」

 

「極秘事項です」

 

「またそれ…まぁ良いわ。エイダ、貴女の杖は大きさは普通なのね。でもとっても綺麗ね」

 

「ありがとうございます」

 

「何か見た事の無い色ね。というか…それ本当に杖? 光ってるし…何で出来ているのよ?」

 

「極秘事項です」

 

「やっぱり貴女達って不思議だわ…」

 

 ハーマイオニーは溜息を吐きながら、自分の課題に取り組み始めた。

 

 私達も、課題に取り掛かる。

 

 内容は思っていた以上に簡単そうだ。

 

 要は、メタトロンのエネルギーを、ホーミングミサイルの様な実弾兵器の弾薬に変換する様な物だ。

 

 私は杖を軽く振り、エネルギーをマッチ棒へ照射する。

 

 エネルギー照射を受け、マッチ棒は一瞬で消し炭に変化した。

 

 消し炭をベクタートラップで吹き飛ばし、マッチ棒があった場所にエネルギーを照射し続ける。

 

 そして、メタトロンのエネルギーを金属物質へと変化させ、机の上に小さな金属片を精製する。

 

 その金属片は私が操作するエネルギーの波長に合わせ、形態が変化して行き、最終的には、銀色の針が完成する。

 

 ふと、横目でデルフィの方を見ると、丁度同じ方法で、針を完成させたところだった。

 

「素晴らしい出来ですね」

 

 私達の間に立ったマクゴナガルは、2本の針を摘まみ上げるとマジマジト見ている。

 

「美しいフォルム。スマートな先端。実に素晴らしい出来です。どうやらこのクラスで完璧に針に変化させられたのは、イーグリット姉妹だけのようですね。特別に15点差し上げます」

 

「やったじゃない!」

 

「「ありがとうございます」」

 

 私達は一礼し、席に着くと、隣に座っていたハーマイオニーはとても嬉しそうにこちらに顔を近づけて来る。

 

「ねぇ、どうやったの? 私にもコツを教えて!」

 

「説明にもありましたが、イメージする事が重要です」

 

「イメージねぇ…難しいわ」

 

 その後も授業は続いていったが、やがて終業を告げる鐘が鳴り響く。

 

「それでは、授業を終了します。今回の内容を羊皮紙2枚程度にまとめて次回の授業までに提出することが今回の宿題です」

 

 

 

 マクゴナガルがそう言うと生徒たちは嫌そうな声をあげながら教室を後にした。

 

 

 




まだ、派手には動きません。

戦闘がありませんからね。
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