ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

15 / 101
クィディッチ回です。

つまり、日常回です。


ニコラス・フラメル

 

  前回のトロール不法侵入から月日が流れ、11月。

 周囲の気温は低下し、地面には雪がうっすらと積もり始める。

 

 先の事件以来、ハリー、ロン、ハーマイオニーの仲は良い方向へと進み、親友と言っても変わらない程の関係になっていた。

 

「さぁ! クィディッチの季節がやってきたぞ! クィディッチだぁ! ハリー! 今日は君の初陣だ!」

 

「そ…そうだね…」

 

 ロンは声を張り上げると、バシバシとハリーの背中を叩いている。

 

「どうしたんだい? もしかして緊張しているのか? 大丈夫だよ! 君1年生でシーカーに選ばれるほどの腕を持っているんだ! 自信を持てよ!」

 

 ロンはそう言うと、ハリーの背中をバシバシと力強く叩いている。

 

「ちょ…痛いって」

 

 叩かれている当人は、とても迷惑そうに苦笑いをしている。

 

 

「ロンったら今朝からこの調子なのよ」

 

 ハーマイオニーは呆れた様に溜息を吐くと、首を左右に振る。

 

 本日は11時過ぎから、校庭で『クィディッチ』と呼ばれる箒を使ったスポーツが行われる。

 

 どうやら、魔法界ではこの『クィディッチ』が人気なスポーツな様で、学生スポーツであれ、試合当日は授業が休業扱いになる程だ。

 

 会場に移動した私達は、適当に空いている席に腰かける。

 

 周囲を見渡すと、ロンを始めとした複数名の生徒が『ポッターを大統領に』と書かれた大きな旗を振っている。

 

 今日の相手はどうやらスリザリンのようで空気はまさに一触即発といった感じだった。

 

 

『それでは! 選手の入場です!』

 

 会場内に実況者の声が響く、それと同時に大歓声が上がり、そんな中を選手たちは堂々と歩きながらコートに入場する。

 

 審判と思われる教員が選手達の間に立ちホイッスルを手に取る。

 

 その直後ホイッスルが、けたたましい音を立て、試合の幕が上がった。

 

 

  ゲームの進行は一進一退の攻防戦であった。

 

 シーカーであるハリーはブラッジャーと呼ばれる襲い掛かってくる球を避けながら周囲を索敵していた。

 

 次の瞬間、ハリーの箒が狂ったように暴れだした。

 

「ハリー!」

 

「ありゃ一体どうなってるんだ!」

 

 いつの間にか後ろにいたハーマイオニーとハグリッドがハリーの以上に悲鳴を上げた。

 

「どうなっているんだよ!スリザリンの奴ら…何か細工をしたな!」

 

「ロン、それはありえんぞ、箒に呪いをかけるとなるとそれこそ一流の魔法使いじゃなきゃ無理だ、スリザリンの生徒ごときじゃ無理だろう」

 

「じゃあ一体誰が…」

 

「ちょっと貸して!」

 

 するとハーマイオニーがロンの首にかかっていた双眼鏡を奪い取る。

 

「おい! 何するんだよ!」

 

「犯人を捜すのよ! 呪いをかけているなら口の動きで分かるわ!」

 

 しばらくするとハーマイオニーが「見つけたわ!」といってある人物を指さした。

 

「スネイプよ! スネイプがハリーの箒に呪いをかけているわ!」

 

「そんな馬鹿な! ありえん!」

 

「私が止めてくるわ!」

 

 ハーマイオニーがそう言い残して姿を消した。

 

 教員席の方に視線を向け、スキャンする。

 

 すると、確かにスネイプからはエネルギーの反応を検知したが、ハリーの箒に影響を与えているエネルギー反応とは逆の性質だ。

 

「うわぁ!」

 

 その時、職員席から煙が上がる。

 

 どうやらハーマイオニーが何かをやったらしく軽いパニックを起こした教員席の方からそそくさと脱出してくる姿が見えた。

 

「スネイプに火をつけてやったわ!」

 

「やるじゃないか!」

 

「お前さん…なんてことを…」

 

 盛り上がる2人とは対照的に、ハグリッドは苦笑いしている。

 

 

 

 その後、動きを取り戻したハリーはその場で急降下を開始した。

 

 ハリーの目の前に光る金色の球体、スニッチがありそれをキャッチしようと手を伸ばしている。

 

 あと少しという所で体勢を崩し箒から落下してしまう。

 

 周囲は悲鳴に包まれており、ハリーは何やら苦しそうな表情を浮かべていた。

 

 その場で立ち上がると口の中からスニッチを吐き出し手に収めていた。

 

『スニッチを取ったぞ!』

 

 スニッチを握りしめた手を天高く振り上げる。それに呼応するように会場全体が歓声に包まれた。

 

 こうして、ハリーの初陣はシーカーとしての役目を果たして無事終了となった。

 

 

 

 

 クィディッチも終わり帰ろうとすると後ろからやってきたハーマイオニーに引き留められた。 

 

「2人とも、ちょっと話があるの、これからハグリッドの小屋に行くわよ」

 

「我々はこの後…」

 

「良いから行くわよ」 

 

 デルフィの言葉を遮ったハーマイオニーに腕を掴まれた私達は半ば強引にハグリッドの小屋へ引きずり込まれた。

 

 

 

 

  小屋の中は紅茶の香りが満たされている。

 

 恐らく、ハグリッドが紅茶を入れたのだろう。

 

「ほれ、お前さん達も」

 

 そう言うと、ハグリッドは先に紅茶を飲んでいるハリーやロンとは違い、鉄製のマグカップに紅茶を注ぐ。

 

「食器の数が少なくてな、すまねぇな」

 

「御構い無く」

 

 私は、鉄製のマグカップに入っている紅茶を口に含む。

 

 異常なまでに高温で、渋みの出ている紅茶に若干の不快指数を感じ、それ以降、口を付ける事は無かった。

 

「それで、お話と言うのは?」

 

「そうだったわ。ハリー。貴方の箒に呪いを掛けていたのはスネイプなのよ。ロンも見ていたでしょ」

 

「うん」

 

「そんな訳あるものか! スネイプ先生は教師だぞ! 第一何でそんなことをせにゃならんのだ!」

 

「いくつかの要因が考えられます。自身の寮生を勝利させる為」

 

「グリフィンドール生に対する、個人的な恨み」

 

「その他複数の理由が存在します」

 

「そ…そりゃ…そうかもしれんが…」

 

 ハグリッドは歯切れが悪い態度を取っている。少なからず心当たりでもあろうのだろう。

 

「実は…僕、見たんだアイツが足をケガしているのを…多分だけど、ハロウィーンの夜3頭の犬を出し抜こうとして反撃を受けたんだよ、きっとあいつは犬が守っている『何か』を盗もうとしているんだよ」 

 

 ハリーの話を聞いてハグリッドが驚いたようにティーポットを落としてしまった。

 

「ハリーお前さんどうしてフラッフィーを知っているんだ?」

 

「「「フラッフィー?」」」

 

 3人がほぼ同時に声を上げた。

 

 

「そうだ、俺のペットだ、今はダンブルドア校長に貸しているんだ」

 

 

「それは何で?」

 

 

「これ以上は、答えられんよ、重大な秘密なんだ」

 

「でもスネイプが、何かを狙っているんだよ! ダンブルドア先生は一体何を守ろうとしているの?」

 

「これ以上変なことを言わんでくれ! お前さん達もこれ以上この件に首を突っ込むな! これ以上は危険だ、あの犬のこともダンブルドア校長とニコラス・フラメルの事もな!」

 

「ニコラス・フラメル? それはいったい誰!」

 

 ハリーはハグリッドが漏らした名前を聞き逃さなかった。

 

「あぁあ…もう俺の馬鹿…」

 

 ハグリッドはそう呟くと、自身の頭を壁に打ち付け、自傷行為に走る。

 

「やめてよハグリッド。血が出てる」

 

「もう放っておいてくれ…」

 

「ニコラス・フラメル、魔法界では、1992年の時点で665歳であり、唯一賢者の石の創造に成功した人物として有名です。共同研究者として、アルバス・ダンブルドアの名も確認されています」

 

「その他には、パリにニコラス・フラメルと言うの名の通りが存在します」

 

 私達の回答を聞いて、4人は目を丸くしている。

 

「ところで…賢者の石ってなに?」

 

「賢者の石とは、卑金属を金などの貴金属に変異させ、人間に不老不死の力を与える『命の水』を作り出す事も可能です」

 

「そうか…そんな石があるなら、スネイプが狙うのも当然だね」

 

「まぁね。僕だって欲しいもん」

 

「ロン…貴方ねぇ…」

 

「もういい! 帰ってくれ!」

 

 突如として、ハグリッドが大声を上げ、私達を、小屋の外へと追い出す。

 

「なんだよ…ハグリッドの奴、急に怒り出して…」

 

「わからない…でも、スネイプが賢者の石を狙って居るのは確かだよ」

 

「そうだよな、僕だったら賢者の石を使って大金持ちになって、それでお菓子をお腹いっぱい食べたいね」

 

「ロンらしいね。まぁ僕もあるなら欲しいね」

 

「ハリー…貴方までそんな事言うの?」

 

「だって、永遠の命と大金だぞ? ハーマイオニー、君だって欲しいと思わないのか?」

 

「そ…それは…ね…ねぇ、貴女達はどう思う?」

 

「逃げたよ…」

 

「逃げたね…」

 

 ロンとハリーは目を細めながら、ハーマイオニーを見ている。

 

「質問の意図が不明です」

 

「例えばよ。賢者の石を欲しいと思う?」

 

「答えを言えば、欲しいとは思いません」

 

「どうして?」

 

 私の回答に、ハーマイオニーが首をかしげる。

 

「我々は財政面でも不満は無く、生命の危機にも瀕してはいません」

 

「そうなの? でも…」

 

 その時、丁度私達は、談話室へと到着した。

 

「まぁ…難しい事を考えるのはまた今度にして、今はスネイプの野望を阻止する事を考えよう」

 

 ハリーは拳を握りしめると、天高く振り上げている。

 

 それに釣られて、ロンも拳を振り上げた。




最近、友人に誘われて、wlwを始めました。

財布がかなり軽くなりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。