ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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まだ平和です。


クリスマスプレゼント

   数週間が過ぎる。

 その間はこれと言った問題は起きず平穏無事な日々が続き、冬休みに突入した。

 

 冬休みは、多くの生徒が一時帰宅という事で家に帰される。

 

 帰る家が無い生徒等はホグワーツで生活することになるが、大半の生徒は、自宅へと帰る。

 

 私達も例外では無く家へと帰された。

 

 家に帰ってからは、防衛システムをチェックする。

 

 どうやら、留守にしている間に、不法侵入者はいないようだ。

 

 その後は、情報の整理や、戦闘システムの調整などを行い、休日を過ごした。

 

 

 

  冬休みも終わり、学校へと戻ると、自室のベットの上にプレゼント箱が数個置かれていた。

 

「久しぶりね、二人とも。休日は楽しめた?」

 

 振り向くと、同室であるハーマイオニーが大きな荷物と格闘している。

 

「おかげ様で」

 

「そう、それは良かったわ。ベットの上にあるのは私からのクリスマスプレゼント」

 

「よろしいのですか?」

 

「良いのよ。開けてみて」

 

 私達は言われるがままに、プレゼント箱の中身を確認する。

 

 中には、羊皮紙とペンが入っていた。

 

「ありがとうございます」

 

「どういたしまして」

 

『この場合、我々も何か渡すべきでしょうか?』

 

『一般的にはそうです。手持ちで最適な物が無いか検索します』

 

 私はベクタートラップ内の収納物を検索する。

 

 彼女の性格などを加味すると、嗜好品などよりは、勉学に有効な物の方が喜ばれる傾向にある。

 

 そこで、私はタブレット端末を取り出す。

 

「こちらをどうぞ」

 

「プレゼントのお返し? 別に良いのに」

 

 ハーマイオニーは口ではそう言って居るが、その表情はとても嬉しそうだった。

 

「悪いわね…えーっと…なにこれ?」

 

「タブレット端末です。上部のボタンを押してください」

 

「ボタンって…これ?」

 

 ボタンを押した瞬間、タブレット端末が起動し、画面が映し出される。

 

 それと同時に、カメラが起動し、虹彩や指紋などの生体情報を瞬時に登録する。

 

「え? 何これ…」

 

「現在、このタブレットには我々が所持している書籍データ。つまり図書館内のすべて本が電子書籍化してあります」

 

「え? え? どういう事?」

 

「このタブレット一つで、図書館内のすべての本を読むことが可能になります。人物名での検索や、タイトルでの検索にも対応しています」

 

「嘘…」

 

 画面を覗き込んだハーマイオニーは首をかしげる。

 

「どうやって使うの?」

 

 私達は一通りの操作説明を行うと、彼女のメンタルコンデションレベルが最高値を記録する。

 

 

「何これ! 凄いわ! ホント凄い! どうなってるのこれ! 閲覧禁止のまであるじゃない!!」

 

「閲覧禁止の項目につきましては、こちらで規制を掛けてあります。閲覧時には一言お声がけを」

 

「うん! わかった!」

 

 テンションが最高潮に上がったハーマイオニーはタブレットを抱え小躍りをしている。

 

「この端末は貴女しか使えないようにしてありますが、他者への譲渡等はしないようにしてください」

 

「わかったわ! 貰ったプレゼントを誰かにあげるなんてそんなことしないわ!」

 

 目を輝かせたハーマイオニーは小躍りしながら、タブレットを鞄に仕舞い込むと、大広間へとスキップしていった。

 

 

  数日後。

 

 今日はクィディッチの試合があるようで授業はすべて中断となった。

 

 

 今回の審判はスネイプが担当するようで、ロンとハーマイオニーは今回の試合に出ることに反対していた。

 

 しかしハリーはそんな二人を説得して試合に出場する様だ。

 

 

 試合結果はとても呆気ないものだった。

 

 開始10分もせずにハリーがスニッチを掴み試合を勝利という形で締めくくったのだ。

 

 

 

 

 談話室でハーマイオニー達と共にハリーを待っていると、神妙な面持ちのハリーが入ってきた。

 

 緊急の要件があるようで、私達は誰も居ない空き教室に連れてこられた。

 

 

 

「やっぱり、スネイプは石を狙っているんだよ! スネイプがクィレル先生を脅しているのを見たんだ!」

 

「ホントかハリー?」

 

「うん。スネイプはフラッフィーをどうすれば出し抜けるか聞き出していたんだ、それにクィレル先生に不審な動きをするなって脅していたんだ。」 

 

「でも、何でスネイプがクィレル先生を脅す必要があるのかしら?」

 

「詳しくは分からないけど、クィレル先生が石を守っていると考えると納得が行くと思うんだ。だってクィレル先生って闇の魔術の防衛術の先生だから…」

 

 それを聞いてハーマイオニーは安心したように平坦な胸を撫でおろした。 

 

「それなら、クィレル先生がいる限り石は安全って事ね」

 

 それを聞いてロンが「だといいんだけどね…」と小声でつぶやいた。

 

 

「話は変わるんだけど、さっきハグリッドが見せたいものがあるから、今夜、小屋に来てくれって言っていたんだけど、皆行くよね?」

 

「もちろん行くよ!」

 

 ロンが楽しげに答えたが、ハーマイオニーはいきなり反論で答えた。

 

「そんなのダメよ、夜間外出が校則違反なのは知っているでしょう! 全く…ハグリッドは何を考えているのかしら?」

 

「バレなきゃいいんだよ。あー…君達は行くかい?」

 

 ロンは、すこし言葉に詰まると、こちらに顔を向ける。

 

「遠慮いたします」

 

「だと思ったよ。行こうぜ、ハリー」

 

「うん」

 

 そう言ってロンとハリーが談話室から出ていった。

 

「もう! 信じられないわ! 私あの二人を連れ戻してくるわ!」

 

 ハーマイオニーはそう言うと、彼等を追いかけて談話室の扉を開けた。

 

 その夜、結局彼等が戻ったのは、消灯時間を2時間以上過ぎてからだった。

 

 翌日、帰ってきたハーマイオニー達に話を聞くと、どうやらハグリッドはドラゴンの卵を持っており、それが先日孵ったというのだ。

 

 どうやら、この世界にはドラゴンすら存在する様だ。その上、飼育が可能という話だ。

 

 しかし、飼育する上では様々な問題があるようだ。 

 

 ドラゴンの個人での飼育は法律上禁止されているという事だ。

 

 そして、次の問題は、これから先、生育するに連れ、体が巨大になり、隠し通すのが出来なくなるという事だ。

 

 そんな時、近くで会話を聞いていたネビルが話に入ってきた。

 

「すごいね…ドラゴンを飼っているなんて…僕も見てみたいよ!」

 

「今日もロンと僕で見に行くんだ、良かったらネビルもどう?」

 

「え? いいの?」

 

「もちろんだよ」

 

「ありがとう、でもどうしてハグリッドはドラゴンを飼っているの?」

 

「何でも、お酒を飲んでいるときに卵を貰ったらしいよ」

 

「そうなんだ、いいなぁ僕もドラゴン育ててみたいな…」

 

 ネビルはとても嬉しそうに、その場でハリー達とドラゴンについて話し合っていた。

 

 

  数日が経った頃グリフィンドールが1晩で150点も減点され、スリザリンが50点減点された。

 

 話を聞くに、ドラゴンを見に行く為に夜抜け出しているところをマクゴナガルに発見された様だ。

 当事者はハリー、ロン、ネビル、そしてマクゴナガルに密告したマルフォイの4人が一人につき50点の減点。そして、罰則で夜中に森を見回らなければならないという話だ。

 

「まったく! ハリー達には困ったわ!」

 

 夜の談話室でハーマイオニーは私達相手に愚痴を溢している。

 

 さらに時間が経過し、罰則の終了時刻になる。しばらくすれば彼等が戻ってくるだろう。

 

 そう思っていると勢いよく談話室の扉が開かれハリーが飛び込んできた。

 

 

「奴だ! 奴が生きていたんだ!」

 

「ちょっとハリー! 落ち着いてよ! なにがあったの?」

 

「あぁ! ハーマイオニー君にも聞いて欲しい! いや、君達皆に!」

 

 ハリーは数回深呼吸をしてから先程の出来事を話し始めた。

 

 要約すると、罰則で禁じられた森のパトロールをやっている時に何者かに襲われたところを、ケンタウロスに助けられた。

 

 襲撃者はユニコーンの血を啜りながら、生に縋すがり付いているヴォルデモートであったという事だった。

 

「これで全部が分かったよ! スネイプはヴォルデモートの手下、賢者の石を使ってヴォルデモートを復活させようとしてるんだ!」

 

「その名前を出すなよ!」

 

 いつの間にやら戻ってきていたロンは、ヴォルデモートの名を聞いて両手で耳を押さえながら怯えていた。

 

 魔法界では、『ヴォルデモート』と言う名を聞いただけで呪いに掛かると言う話がある。

 

 恐らく、思い込みと、過剰なストレスによる症状だろう。

 

 

「でもッ! でも! アイツは生きていたんだ! アイツは僕を殺そうとしたんだよ! 予言がそう言っているらしいんだ!」

 

 予言と言う不確実なモノを信じてるようだ。

 

 その為か、ハリー達は混乱している様だ。

 

「ハリー! 落ち着いて! ロンも落ち着いて!」

 

 大声で声を上げ肩で息をしながらハーマイオニーは二人に詰め寄る。 

 

「この学校にはダンブルドア先生がいるのよ、それに先生が石を守るために色々な事をやっているはずだわ。だから学校にいる限りハリーは安全なのよ。」

 

「うん…そうだよね」

 

 不安を押し殺して納得したようにハリーは何度か頷いていた。その後ろではロンが眠そうに目を擦りながら欠伸をかみ殺していた。

 

 やがて3人も疲れが出たようで各々が自分の寝室へと戻るように解散した。

 




まだね。
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