ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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秘密の部屋編、開始です。


最初の内は、やはり大人しいですね。



秘密の部屋
換金作業


   ホグワーツから帰還し数日が経った。

 

 前回の不法侵入者の一件以来、私達は対抗策として、ある計画を実行する事にした。

 

 計画遂行に必要なメンテナンス機材や発電機等、こちらに付いてからも何かと資金が必要なる。

 

 ダイヤモンドを換金しても良いのだが、数が出回り始めた為、価格が低下し始めた。その為『ガリオン金貨』を換金して資金に回りている。

 

 魔法界では金貨への変換率が良く、金の含有率も高い為、こちら側で換金する事で大きな利益を得る事が出来る。

 

 その為、グリンゴッツに預けていた金貨の枚数がかなり減って来た。

 

 後日、グリンゴッツでダイヤモンドを換金する必要があるだろう。

 

 設備が整ってから数日間は、システムの微調整と、年齢に応じた、身体の成長を行った。

 

「これくらいでどうでしょうか?」

 

 目の前のデルフィは赤を主体とした部屋着に身を包み、その場でゆっくりと1回転した。

 

「個人的には、もう少し胸を大きくしても良かったのですが」

 

「この年代の平均的な数値です」

 

「そうですか、了解です」

 

 一通りチェックを終え、暇を持て余している。

 

「提案があります」

 

 突如として、デルフィが口を開く。

 

「何でしょう?」

 

 大方の予想は付くが、一応訪ねてみる。

 

「模擬戦を行いましょう」

 

 私の予想は的中した。

 

 何故かと言えば――

 

「賛成です」

 

 私自身も、模擬戦を提案しようとして居た所だった。

 

 やはり、根幹に埋め込まれた、戦闘用AIの本能だろうか。

 

「では、場所を移しましょう」

 

「えぇ」

 

 私達は、家を出ると、森の中を数キロ程移動する。

 

「では模擬戦を行いましょう」

 

 私の真横を歩いていた、デルフィはベクタートラップから、ウアスロッドを取り出し、30㎝程の長さにすると、まるで杖の様に構える。

 

「今回の模擬戦では、今後、魔法界で起こりえる自衛行動を重点に置き、魔法での戦闘を行いましょう」

 

「了解です」

 

 デルフィの提案を承諾した私は、同じ様に、杖を取り出すと、右手に構える。

 

「仮想敵としてホログラムを配置します」

 

 私達の眼前に、数体の人型のホログラムが配置される。

 

「では行きます。最初は武装解除。通常出力です」

 

 デルフィと私はそれぞれ、別の目標に向けて、杖を振る。

 

 杖の先端から発せられた赤い閃光がホログラムを貫通すると、背後の木に直撃し、木が大きく抉れ、倒壊した。

 

「威力が強すぎます」

 

「恐らく、人体に影響のあるレベルでしょう」

 

「では、更に出力を抑えます」

 

 

 その後、数回に渡る練習の結果、数本の木を犠牲にしながらも、人体に死傷を与える事の無い威力にまで調整する事が出来た。

 

「これなら上出来です」

 

 デルフィが最終調整を終えた魔法を放つ。

 

 放たれた赤い閃光は、超高速で目標であるホログラムに直撃し、霧散した。

 

 

  出力調整を終えた私が杖を構えた時、上空から2羽のフクロウが急降下してきた。

 

 そのフクロウは嘴で手紙を咥えており、1羽は無事に着地したが、もう1羽の方は不時着するように、滑り落ちた。

 

「手紙ですね」

 

「古風ですね」

 

 フクロウから受け取った手紙を開封した私の背後から、デルフィが覗き込む。

 

 1枚はホグワーツからの教材リストだ。

 

 どうやら毎年教材の更新が必要なようだ。

 

 教材の購入先まで記載されている。

 

 繋がりでもあるのだろうか。

 

 そして、その大半が『ギルデロイ・ロックハート』と言う人物が作者の本だった。

 

 

 もう一つの方はロンからの手紙だった。

 

 彼らしく、読みにくい文章だった。

 

『やぁ久しぶりだね調子はどう?もし良かったら今度来年使う教材を一緒に買いに行かないか?ハリー達にも声をかけてあるんだ!それじゃあ楽しみにしてるよ』

 

「どうしますか?」

 

「断る理由は有りません」

 

「では返事をお送りましょう」

 

 ベクタートラップから紙とペンを取り出すと、行く旨を認め封書しフクロウに咥えさせる。

 

 手紙を受け取ったフクロウは、フラフラと飛び上がる。

 

「フクロウが連絡手段とは、不便そうですね」

 

「えぇ、ですが、ペットとしての意味合いが大多数を占めているようです」

 

「そうですか、我々もペットを飼いますか?」

 

「現状ではその必要性があるとは思えません」

 

「その通りですね」

 

 私達は、次第に小さくなるフクロウを見送った。

 

「では戻りましょうか」

 

「そうですね」

 

 フクロウを見送った私達は、周囲を簡単に片付けると自宅へと戻った。

 

 

 

  数日の月日が経ち、ロンからの返信に書かれていた日が訪れた。

 

「もう少しで手紙に記されている時刻です」

 

 正午を多少回った辺りでデルフィが口を開く。

 

「そうですね。準備は整っています」

 

「こちらも準備完了です」

 

 すでに準備を完了させたのか、家の入り口でデルフィが待機している。

 

「では出発します」

 

 共に家を出ると、ステルスシステムを起動し、バーニアを吹かし、合流ポイントである『ダイアゴン横丁』へと移動した。

 

 

  ダイアゴン横丁上空に到着すると、人気のない場所を探し、着地すると、ステルスシステムを解除する。

 

「集合地点はこちらですね」

 

 手書きの不鮮明な地図を頼りにグリンゴッツの前へと移動する。

 

「あっ! デルフィ! エイダ!」

 

 グリンゴッツ画面する大通りから、人混みを掻き分けながら、ハーマイオニーを先頭に、眼鏡にヒビが入ったハリー、ロン、そしてロンの家族と思われる一団が追従している。

 

「やぁ、二人とも。紹介するよ。僕のパパとママだ。後こっちに居るのが妹のジニー。今年からホグワーツに入るんだ」

 

「そうですか。私はエイダ・イーグリットです」

 

「デルフィ・イーグリットです」

 

「ご丁寧にどうも。アーサー・ウィーズリーです」

 

「モリーよ。ロニーちゃんから話は聞いているわ」

 

「ママ! 外ではやめてよ!」

 

「まぁ、細かい事なんか気にするなよ、なぁ、ロニー坊や」

 

「はぁ…」

 

 溜息を吐くロンを見て、他の家族が笑みをこぼしている。

 

 この時代の人間は、なかなか理解しにくい文化を持っている様だ。

 

 その後、互いに社交辞令を済ませた後モリーが口を開く。

 

「さて…私達、まずは銀行でお金を下ろさなきゃいけないのよ」

 

「そうなのですか」

 

「我々も銀行に用事があります」

 

「そうなの? なら一緒に行きましょう」

 

「えぇ」

 

 ウィーズリー家を先頭に、私達は銀行の扉を潜り抜けた。

 

 

  グリンゴッツの中は、すでに人で溢れかえっており、行列が出来ている。

 

 整理券を受け取ると、ウィーズリー家が並んだ。

 

 その背後に私達も並んだ。

 

「君達も銀行に用があるらしいね」

 

「えぇ、換金です」

 

「かんきんって?」

 

 ロンが不思議そうに首をかしげる。

 

「マグルのお金を、こっちのお金に変える事よ」

 

 ウィーズリー家と一緒に居たハーマイオニーが答える。

 

「そうなんだ。なんか大変だね」

 

「君達はマグル界に住んでるのかい?」

 

 ロンの父親、アーサーが興味深くこちらを見据える。

 

「えぇ、人気の無い郊外に住んでいます」

 

「そうなのか。どんな生活をしているんだ? 魔法が無いとやっぱり不便だったりするのかな?」

 

「比較的平凡な生活です。魔法技術が無い事が不便だとは感じません」

 

「そうなのか。でもやっぱり魔法を使いたいと思う事はあるんじゃないか?」

 

「特には」

 

「法律上では、魔法界以外での魔法の使用は緊急時以外は禁じられており、未成年者に関しては、『臭い』と呼ばれる発覚措置が施されている筈です。」

 

「あー…その通りさ。うん、よく勉強しているね…」

 

 デルフィが詰まらなそうに答えると、アーサーは消沈気味に答えた。

 

「次。どうぞ」

 

 列の先頭の人物が去り、小鬼が普段通りなのか、不機嫌そうに呟くと、ウィーズリー家の順番がやって来た。

 

「やぁ。どうも。今日はいい天気だね」

 

「ご用件は?」

 

「あー…その、お金を下ろしたいんだ」

 

「…………お値段は?」

 

「あー…これくらいで」

 

 アーサーはカウンター越しに小さな紙を渡した後、小鬼と話している。

 

「少々お待ちを」

 

「あぁ、頼むよ」

 

 不機嫌そうな表情の小鬼はカウンターの引き出しを開けると、数枚の金貨と銀貨を取り出す。

 

「ここに入れてくれ」

 

 アーサーは古ぼけた鍋を小鬼に手渡すと、虚しい金属音を立て、小鬼の手からコインが滑り落ちる。

 

「どうぞ」

 

「どうも」

 

 金属音を立てる鍋を受け取ったアーサーは数回頷くと、踵を返した。

 

「次の方」

 

「君達の番だよ」

 

 擦れ違い様にアーサーが口を開く。

 

 私達の順番がやって来たようだ。

 

「おぉ、これはこれは…いつもありがとうございます」

 

 私達の姿を確認した小鬼は先程とは言葉遣いが違っていた。

 

「本日はどの様なご用件で」

 

「換金と入金です」

 

「毎度ありがとうございます」

 

 デルフィが小箱を取り出すと、小鬼に手渡す。

 

「それは?」

 

「君達、人様の物を見るもんじゃないぞ。じゃあ外で待ってるよ」

 

 ロンとハリーが興味深くこちらを見ているのを、アーサーが諭した後、外へと出ていった。

 

「では失礼して」

 

 小箱からダイヤモンドを1つ取り出すと、小鬼は光にかざし、鑑定を開始した。

 

「確認できました。すべて換金でよろしいですか?」

 

「えぇ、換金後、必要枚数以外は金庫へお願いします」

 

「かしこまりました」

 

 畏まった小鬼は一礼した後、奥へと消えていった。

 

 数分後、30枚程の金貨をトレイに置いた小鬼が戻って来た。

 

「こちらです」

 

「ありがとうございます」

 

 私達は、半分ずつ受け取ると、グリンゴッツを後にした。

 

 

 扉を抜け、外へと出ると、ハリー達が退屈そうに待機していた。

 

「遅かったね」

 

「換金に時間を取られました」

 

「そうなのね」

 

「さて。用事も済んだ事だし、買い物に行きましょう」

 

 モリーがそう言うと、ウィーズリー家全員が返事をして、移動を開始した。

 

 

 

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