ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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残暑が、暑いですね。


クィディッチ

 

  翌日から、数日間。学校内は秘密の部屋と石化された猫に付いての話題で持ちきりだった。

 

『秘密の部屋』

 

 データによると、ホグワーツ創設メンバーの一人『サラザール・スリザリン』がその他の創設メンバーと対立し、ホグワーツを去る際に残した隠し部屋の事だ。

 

 彼の継承者たる人物が秘密の部屋から、隠されている恐怖を解き放つという話だ。

 

 しかし、肝心の部屋の場所は記載されていなかった。

 

 推測だが、昨年のスキャンで城内の地下に巨大な空間を検知しており、その時には、微弱ながら生体反応を検知したが、先程スキャンした時には、生体反応が活発化していた。

 

 恐らく、秘密の部屋と呼ばれるのが、地下空間で、解き放たれる恐怖と言うのが、その生体反応の主なのだろう。

 

 

 先の事件があって以来、管理人は現場に戻り犯人探しに躍起になっている。

 

 どうやら、未だにハリーが犯人だと思い込んでいる様だ。

 

「うーん…検索しても、猫を石にする方法なんて出てこないわ」

 

 図書館の一角で、ハーマイオニーがタブレットを操作しながら溜息を吐いている。

 

「ねぇ、ハーマイオニー。前々から思ってたんだけど。その石板みたいなの何?」

 

 疲れて本の山に突っ伏していたロンが顔だけ挙げてハーマイオニーの手元を見ている。

 

「これ? エイダとデルフィから貰ったのよ。すっごく便利なのよ」

 

「へぇ、そうなんだ。そんな事より、何か分かった?」

 

「全然だわ。秘密の部屋に関しても載ってないし。お手上げね。ねぇ、二人は何かわかった?」

 

 ハーマイオニーの問いに対して、得た情報と、憶測を述べる。

 

「つまり、この城の地下に秘密の部屋があって、そこに居た『何か』によって猫が石に変えられたって事?」

 

「現状得られる情報でその通りです」

 

「うーん…でもよく分からないのよね。何かを通すと石になる魔法…聞いた事が無いわね。直接その魔法を受けたらどうなるの?」

 

「死亡します」

 

「そ…そう。簡単に言うわね…益々分からなくなったわ…」

 

「まぁ、そう簡単に分かるとは思ってなかったよ。それより僕の杖どうしよう…」

 

 集中力が切れたのか、ロンは折れてテープで補強した杖を弄りながら呟く。

 

「折れたんでしょ? 先生に言って予備のを貸して貰ったらどう?」

 

 ハーマイオニーの提案に一度は頷いたロンだがすぐさま首を横に振った。

 

「最初はそれも考えたけど、そんなことしたら、パパやママにバレちゃうよ」

 

「じゃあ、一生その杖を使うの?」

 

「そんなのはお断りさ」

 

「じゃあどうするのよ?」

 

「とりあえず、今年はこれで乗り切って、来年買って貰おうかなって。来年なら流石にそこまで怒ったりはしない筈」

 

「少しは怒られるんだ」

 

「ハリー、気が重くなるような事を言うなよ…」

 

 ロンは暗い表情で、ハリーを眺めていた。

 

 

 

  数日後。

 

 本日は、クィディッチのグリフィンドール対スリザリンの試合が行われる日だ。

 

 グリフィンドールのシーカーは昨年同様にハリーが務めることになった。

 

 対するスリザリンのシーカーはマルフォイが務める様だ。

 

 競技場に足を運ぶと背後から声を掛けられる。

 

「やぁ、二人とも」

 

 振り返るとそこには、緑色のユニフォームを身に纏ったマルフォイが箒を片手に立っていた。

 

「お久しぶりです」

 

「あぁ、今日は僕の初陣なんだ」

 

「そうなのですか」

 

「あぁ、君達には悪いけど、今回勝つのはスリザリンさ」

 

 キメ顔のマルフォイはそのまま、着実な足取りで選手達が待つ控え室へと歩いていった。

 

 観覧席に到着すると、ハーマイオニーの隣に着席する。

 

 着席してからしばらくすると、開催のアナウンスが流れる。

 

 

 

『さぁ! これより、グリフィンドール対スリザリンの試合を開催します! 選手入場です!』

 

 

 

 割れんばかりの拍手の中、それぞれ寮のイメージカラーのユニフォームに身を包んだ選手が箒を片手に入場してくる。

 

 

 

 スリザリンの選手の手に握られている箒は、全て統一されている。

 

 試合開始のホイッスルが鳴り響き、試合が始まる。

 

 試合開始から数分後、隣に座っていたロンが急に立ち上がると、声を荒げた。

 

 

「なんだよあれ! ブラッジャーがあんな動きするなんて、おかしいじゃないか!」

 

「おかしいって、ブラッジャーは追いかけて来る物じゃ無いの?」

 

「確かに、選手を追いかけるように出来ているけど、あんなにしつこく追い回すなんて、普通じゃありえないんだ!」

 

「じゃあどうして…」

 

 箒で宙を駆けるハリーの背後を追随しながら、襲い掛かり、ハリーはそれを紙一重で避けている。

 

 ビーターのポジションであるウィーズリーの双子がブラッジャーを撃ち返し、ハリーを援護している。

 

 しかし、ハリーを援護し続けるという事はその分で守りが手薄になるという事で、試合は圧倒的スリザリンの有利で進んでいる。

 

 機動がおかしいブラッジャーを捕えると、スキャンを開始する。

 

「スキャン完了。あの球体は、何者かにより、外部から遠隔操作されています」

 

「遠隔操作って、ブラッジャーを操るなんて、スリザリン共には出来るはずないよ!」

 

 早合点したロンが、スリザリンの名を出す。

 

「勘違いしているようですが、スリザリンの応援席からは、反応は有りません」

 

「じゃ…じゃあ、誰が一体何の為に」

 

「職員、及び来賓席の一角より反応を検知」

 

「職員席って…あ!」

 

 ロンが声を上げ、ハリーの方を指差す。

 

 そこには、護衛の二人が状況悪化に伴い、離脱し、一人回避行動をとっていたが、腕に直撃を受けたハリーの姿があった。

 

「どうにかならないのか!」

 

「了解」

 

 私はベクタートラップ内からマルチウェポンデバイスを取り出すと、スナイパーを選択し、腰だめに構える。

 

「ちょっと…エイダ! それって…もしかして…」

 

「狙撃します」

 

「その鉄の棒何? 花火でも上げるの?」

 

「そんな優しいものじゃ無いわよ! 狙撃って…ハリーに当たったらどうするのよ!」

 

「その様なミスは犯しません」

 

「でも…」

 

「信じてください」

 

「う…うん…」

 

 ハリーの状況は回避行動を繰り返しており、体力的にも危険なラインに達している。

 

『遠隔操作を行っていた生命体の分析完了、体表面に光学ステルスと同様のエネルギーフィールドにより、姿を透明にさせています。ですが、体表から発生する熱により、捕捉しています』

 

『了解、球体破壊後、敵対行動が見受けられたら捕縛してください』

 

『了解』

 

 デルフィはその場から離れ、ステルスモードで滞空し、目標を捕縛圏内に捕えている。

 

「目標捕捉。風向き修正。軌道計算終了。撃ちます」

 

 乾いた微弱な破裂音と共に、弾丸が撃ちだされる。

 

 撃ちだされた弾丸は、空気を切り裂き、ハリーの背後に迫り来るブラッジャーを捕え、粉砕する。

 

「うわぁ!」

 

 背後で、ブラッジャーが破裂したハリーは驚愕の声を上げたが、すぐに体制を整え、急降下を開始した。

 

「狙撃終了。効果確認」

 

「よかった…」

 

「すげぇ! 花火より派手じゃないけど、すごい迫力!」

 

 心配していたのか、ハーマイオニーは安堵の表情を浮かべると、溜息を吐いた。

 対するロンは何故か興奮気味だ。

 

『目標、逃走を開始。敵対行動は皆無です』

 

『了解。捕縛の必要性は無いでしょう。帰還してください』

 

『了解』

 

 しばらくすると、隣にデルフィが戻ってくる。

 

 その時、会場にホイッスルの音が響き渡る。

 

 会場の中心では、泥に体を横たえたハリーが、金色の球体を掲げており、グリフィンドールから歓声が上がっていた。

 

「いやー、お見事だハリー。それより腕は大丈夫かい? ブラッジャーの直撃を受けていたね。済まなかった。私がもう少し早く助けてあげられれば良かったのだが」

 

 歓声を掻き分け、ロックハートが声を拡声しながら、ハリーに近付く。

 

「え? 先生がブラッジャーを?」

 

「え…まぁ、そんな所だ。それより、腕を見せて。おっと…やっぱり折れてるな。治してやろう」

 

「大丈夫です! ほんと、大丈夫だから」

 

「遠慮するな。では行くぞ」

 

 ロックハートが杖を取り出すと、ハリーは露骨に嫌な顔をし、拒否しているが、そんな事はお構いなしに、ロックハートは何やら魔法をかけた。

 

 次の瞬間、ハリーの腕が、軟体動物の様に、奇妙な動きをする。

 

「あー…骨は折れて無いみたいだな」

 

「腕の骨が折れてないだぁ! 骨がなくなっちまったじゃねぇか!」

 

 

 

 ハグリッドは大声で叫ぶと、ハリーを担ぎ医務室に消えていった。

 

 

 

 後に残された、ロックハートは高笑いをすると、その場からそそくさと逃げていった。

 

 

 

  その日の夜、就寝時間間際に再び、城内に巨大な生体反応を検知した。

 

 

 それに伴い、人と思われる1つの生体反応が、急激に弱まった。

 

 恐らく、再び石化したのだろう。

 

 そうなれば、犯人は同一人物だ。

 

 突如として、デルフィから通信が入る。

 

『救助に向かいますか?』

 

『いえ、すでに手遅れでしょう。生命反応は微弱ですが、命に別状はないでしょう』

 

『了解、発見は教師陣にでも任せましょう』

 

 通信を終了した私達は、そのまま、眠りに付いた。

 

 

 

  クィディッチの試合も騒動があったが、無事に終了し安堵の表情を浮かべていたダンブルドアだったが、その表情は1日として持つ事は無かった。

 

「何てことじゃ…」

 

 急激に表情を反転させたダンブルドアは自室にて頭を抱えている。

 

 今の彼の姿を見れば、稀代の魔法使いとは誰も思わないだろう。

 

「失礼します」

 

 ノック音から数秒を置いて、1人の男性教諭が入って来た。

 

「おぉ、セブルスか」

 

「はい、また被害者が出たと」

 

「そうじゃ、被害者は『コリン・クリービー』グリフィンドールの生徒で、マグル生まれじゃ」

 

「左様ですか」

 

「うむ、今は医務室でミネルバが見ておる」

 

「左様ですか、して、このカメラが彼の持ち物と言う訳ですかな?」

 

「その通りじゃ。そのカメラに犯人が写っておるかも知れぬと思ってな。どうじゃた?」

 

「残念ながら、強力な力でカメラ自体が壊されており、現像できたのは1枚だけです」

 

「ほぉ…してその1枚とは?」

 

「こちらです」

 

「どれ…」

 

 ダンブルドアは一枚の写真を受け取る。

 

 その写真には、ロンが口から巨大なナメクジを吐き出している光景が映し出されており、それを見ているハリー達が驚愕の表情を浮かべている。

 

「これは…また…」

 

「悪趣味ですなぁ」

 

「何やら嬉しそうじゃの。して、この写真がどうしたのじゃ?」

 

「グレンジャーとポッターの間に、不自然な空間があるのがお分かりですかな?」

 

「空間じゃと?」

 

 スネイプが指摘する通り、ハリーとハーマイオニーの間には、2人分程の空間が存在していた。

 

「して、この空間がどうしたのじゃ?」

 

「その場に居合わせたスリザリンの生徒に聞いた所、この場にはイーグリット姉妹も一緒だったと」

 

「なんじゃと…」

 

 異変に気が付いたのか、ダンブルドアの表情が一段と鋭くなる。

 

「お察しの通り、この不可解な空間に、彼女達が居たと考えられます」

 

「しかし、それならば、写真に写っていないとおかしなはずじゃ…」

 

「左様で。しかし、現に写真には彼女達の姿は映し出されては居りません。周囲の鮮明さから考えて、現像のミスと言う訳でもありません」

 

「不思議な話じゃ…」

 

「えぇ、現在得られている情報は、以上です」

 

「そうか…して、セブルスよ。本日のクィディッチの試合。アレをどう思う?」

 

「どう思うとは?」

 

「そのままの意味じゃよ。あの不自然なブラッジャーの動きじゃ」

 

「何者かによって操られていたようにも思えましたな」

 

「犯人に心当たりはあるか?」

 

「残念ながら」

 

「そうか。では、ブラッジャーの破壊についてはどう思う?」

 

「少なくとも、あの男の仕業では無い事は確かです」

 

「フッ」

 

 スネイプの回答に対し、ダンブルドアは笑みを浮かべる。

 

「奴にそこまでの能力は無かろう」

 

「えぇ、では一体誰が? 校長ではないのですかな?」

 

「生憎と、ワシも移動中のブラッジャーをハリーの近くで破壊するのは躊躇う」

 

「まるでポッター以外ならば躊躇わない様な言い草ですな、では一体誰が?」

 

「見当は付いておる」

 

「イーグリット姉妹ですかな?」

 

「ワシはそう見ている。現にエイダの方が観客席で鉄の棒を取り出しているのを見た。デルフィの方はどこに行ったかは知らぬがの」

 

「鉄の棒?」

 

「マグル達の使う、野蛮な銃に似ておった。じゃが、あの年齢で扱うには、ちと大きすぎると思ったがの」

 

「彼女は銃を持ち込んでいると? だとしたら一大事ですな」

 

「左様じゃ。しかし、あれ程の大きさの物をどこに隠しているのか…それは分からん…」

 

「何らかの認識障害魔法で隠していると?」

 

「だとすれば、ワシが気が付く」

 

「確かにそうですな…」

 

「それにじゃ。彼女はハリーを救うために使ったようにも見える。それならば、今回は見逃すのも悪くは無かろう」

 

「ですが校長、銃の持ち込みは法律で――」

 

「もう良い。ご苦労じゃった。明日からまた騒がしくなると思うが、頼んだぞ」

 

 スネイプの反論を遮り、ダンブルドアが強制的に話を終わらせる。

 

「……承知いたしました」

 

 スネイプはその場で一礼すると、すぐさま退室した。

 

 取り残されたダンブルドアはただ一人、思考の海に溺れていった。

 




ダンブルドアがどんどん老害化してる気がする…

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