ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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今回も、戦闘シーンは有りません。

まぁ、アズカバン編は仕方ないです。


叫びの館

   ヒッポグリフが処刑されてから数日後、ハリー達は依然として、ハグリッドのもとに通い、慰めている様だ。

 

『ねぇ! お願い! 助けて!』

 

 突如としてハーマイオニーから通信が入る。

 

『ロンが! ロンが黒い犬に連れて行かれて!』

 

 急ぎシリウスの反応を確認すると、丁度柳の木の下で反応している。

 

『了解です。救援に向かいます』

 

 私達は移動を開始した。

 

 シリウスの反応地点へと移動すると、ハリー達が暴れ回る柳の木によって足止めされていた。

 

「エイダ! デルフィ!」

 

「ご無事ですか?」

 

「私達は大丈夫。でもロンが木の下に連れて行かれちゃって」

 

「でも、暴れ柳が暴れまくってて…」

 

「了解。対処します」

 

 ベクタートラップ内からサブウェポン、『フローティングマイン』2個取り出すと空中に浮遊させる。

 

『フローティングマイン』

 浮遊する大型爆雷。投擲武器として使用する事も可能。

 量産型のオービタルフレームならば、簡単に爆破可能な威力がある。

 

「なにそれ…」

 

「うわぁ…でっかい球体」

 

 私達はフローティングマインを手に取る。

 

「「投擲」」

 

 同時に柳の木目掛けてフローティングマインを投擲する。

 

 着弾と当時に大規模な爆発が起こり、熱波が周囲に走り、柳の木が吹き飛ぶ。

 

 パラパラと焦げた木片が周囲に飛び散る中ハリー達は唖然として居た。

 

「障害を排除」

 

「排除って言うか…」

 

「やりすぎじゃない?」

 

「必要な処置です」

 

「では行きましょう」

 

 焦げ臭い臭気が漂う中、私達は侵入を開始した。

 

 

  内部に侵入すると床に倒れたロンの腹部に隠れている鼠に対しシリウスが杖を向けている。

 

「ロン! 無事か!」

 

「ハリー! 逃げるんだ! これは罠だ!」

 

「シリウス…ブラック…」

 

 こちらに気が付いたのか、シリウスは杖を突き付けたまま、首だけを動かしこちらに視線を向ける。

 

「さっきの爆発は何だ!」

 

「上部の柳の木を爆破しました」

 

「爆破だと! こっちにまで被害が出たらどうするつもりだ!」

 

「全て計算の上です」

 

「そうか、それならいいんだが…それより見てくれ! ようやく捕まえたぞ!」

 

 シリウスは嬉しそうに笑みを浮かべている。

 

「おめでとうございます」

 

「おめでとうございますって…まさか君達!」

 

 ハリーは体を反転させ、こちらに杖を向ける。

 

「ちょっと! ハリー!」

 

「まさかとは思うけど、シリウス・ブラックと…僕の両親の仇と繋がっていたのか!」

 

「仇だと! それは違う! 違うんだ…ハリー…」

 

「気安く僕の名前を呼ぶな!」

 

 怒りに任せハリーはこちらに向け杖を振るう。

 

 しかし、放たれた魔法は常時展開している防衛システムにより霧散する。

 

「無駄な事はおやめください」

 

「くそっ!」

 

 無駄だと分かったのか今度はシリウスに杖を向ける。

 

「待つんだ! ハリー!」

 

「ルーピン先生」

 

 体調が悪そうなルーピンが現れると、ハリーとシリウスの間に割って入る。

 

「爆音が聞こえて駆け付けたんだ。ハリー…ここは任せてくれ」

 

 ルーピンはシリウスに歩み寄ると、二人は熱い抱擁をする。

 

「友よ!」

 

「会いたかった! 会いたかったぞ!!」

 

 その光景を目にした3人は絶望しきった表情をしている。

 

「そんな…どうして先生まで…」

 

「どうなっているんだよ! 僕は! 僕は信じていたんだ! それなのに先生は! それに君達だって! 僕を裏切るなんて!」

 

「頼む! 話を聞いてくれ!」

 

「ハリー…とりあえず話だけでも聞いてみましょう」

 

「ありがとう」

 

 興奮状態のハリーをハーマイオニーが宥め、ルーピンが状況説明を始めた。

 

 要約すると、ルーピンとブラックはハリーの両親と同級生であり、人狼だったルーピンはホグワーツに入学する事は拒否されていたのだが、ダンブルドアが無理押したようだ。

 

 

 

 人狼であるルーピンは、満月になるとこの場所。通称『叫びの館』で過ごして居たという話だ。

 

「もう十分だろう…私はずっとこの時を待っていた! さぁ! 早くそいつを殺そう!」

 

「あぁ…そうだな」

 

 2人は杖を取り出すと同時に、部屋の入り口が吹き飛ばされ、土煙が上がる。

 

 

 

  土煙の奥からは、愉悦に満ちた表情のスネイプが杖を構え悠然と入室してきた。

 

 

 

「復讐は蜜よりも濃く、そして甘い。お前を捕まえるのが我輩であったらと…どれほど願ったか。今どれほど歓喜に満たされているか、お前には分かるまい」

 

 

 スネイプが自作のポエムを口遊みながら、憎しみを込めた視線をシリウス達に向けている。

 

「スニベルス! お前か!」

 

「その名で吾輩を呼ぶな! シリウス・ブラック!! 覚悟するが良い、今すぐディメンターに引き渡してくれよう!」 

 

「待ってくれスネイプ! シリウスは……」

 

「黙れ! この薄汚れた人狼め! 貴様もディメンターに引き渡してやる」

 

 スネイプは、杖を構え、ルーピンに魔法を放とうとする。

 

 しかし、そんなスネイプの不意を突くように、ハリーが魔法を放った。

 

「なっ!」

 

 不意打ちにより魔法を喰らってしまったスネイプは、部屋の奥に吹き飛ばされ、気を失ってしまった。

 

 

 

「ハリー…」

 

 

 

 シリウスは感極まったようで、ハリーにゆっくりと歩み寄って行く。

 

 

 

「動くな! 僕はお前を庇った訳じゃない! 真実を知りたいんだ!」

 

 

 

「あぁ…分かった真実を話そう…君の両親を裏切ったのは私ではない…ピーター・ペティグリューだ」

 

「ピーター・ペティグリュー…」

 

 ハリーはその名前に聞き覚えがあるのか、何かを考えている様だ。

 

 

 

「そうだ…そして奴は今この場所に居る!」

 

 

 

「え?」

 

 

 

 ハリー達は間の抜けた声を上げた。

 

 

 

「一体どこに…」

 

 

 

「奴はそこに居る!」

 

 

 

 シリウスはロンの方に杖を突き付ける。正確には、ロンが手にしている鼠にだが。

 

 

 

「ロンがそうだっていうの? そんなのありえないわ!」

 

『残念、ハズレだ』

 

 

 ハーマイオニーが大声を上げるが、それをシリウスが遮った。

 

 

 

「違う。奴が持っている鼠だ!」

 

 

 

「スキャバーズが? そんなのありえないよ!」

 

 

 

 鼠を隠すように、ロンが体を捻る。

 

 

 

「奴は鼠の動物もどきだ!」

 

 

 

「そんな事…スキャバーズは僕の家族だ! 12年間ずっと一緒だったんだ! ペティグリューなんて奴知らないよ!」

 

 

「12年も生きる鼠がいるものか!」

 

 

 鼠の平均的な寿命からすれば、12年は異常だ。

 

「ロン…スキャバーズを渡すんだ」

 

 

 ハリーが宥める様な口調でいうが、ロンはそれに応じようとはしない。

 

 

 

「嫌だよ! なんでスキャバーズなのさ! 鼠なんて何百匹といるじゃないか!」

 

 

 

「それを証明する為さ。違うようなら危害は加えないよ」

 

 

 ルーピンが諭すように話しかけ、ロンが渋々鼠を渡そうとした瞬間…

 

 

「スキャバーズ!!」

 

「くそっ!」

 

 鼠はロンの手から逃げ出し、部屋の中を走り回る。

 

 

 

「逃すか!」

 

 

 

 ルーピンとシリウスが杖を振り、魔法を連射すると、そのうちの1発が鼠に命中した。

 

 

 

 すると、小さな鼠は薄汚れた鼠の様な男に姿を変えた。

 

 

『アイツは見たことあるよ』

 

『え? 本当?』

 

『あぁ、マルフォイ邸に出入りしていたよ』

 

『じゃあ、シリウス・ブラックが言って居る事にも信憑性が出てきたわね』

 

『まぁ、普通に考えれば12年生きている鼠なんて怪しすぎてペットにはしないね』

 

『まぁそうよね』

 

 

「や…やぁ、リーマス…シリウス…久しぶりだね…」

 

 

  小汚い男はオドオドしながら、二人に話しかける。しかし二人から帰ってくるのは、憎悪に満ちた視線だった。

 

 

 

「やっと会えたな!」

 

 

 

 2人は鋭い視線で杖を構える。

 

 

 

「ま…待ってくれ! 私は悪くないんだ!」

 

 

 

「貴様…この期に及んでまだ戯言を!」

 

 

 

「話を聞いてくれ! 私は逃げていたんだ! シリウスが私を殺しに来ると…それが怖くて…」

 

『ちょっと信じられないわね』

 

『もう少しマシな嘘が有ると思うんだが…』

 

「発汗量、心拍数から判断するに、今の発言に信憑性はありません」 

 

「生徒にも見破られる様な嘘が通用すると思ったか! 貴様が私を恐れている? 違うだろ! 貴様が恐れているのは私ではない! アズカバンの連中に聞いたぞ! 主の死の切っ掛けを作った者を許さないとな!」

 

 

「ヒィ! り…リーマス…君は信じてくれるよなぁ…」

 

 

 

「君の話が本当なら…だがなぜ12年も鼠になって隠れていたんだ? それに彼女達は嘘だと言っているよ」

 

 ルーピンの的を射た質問に、答えが見つからないのか、少し考えた後、苦しそうな言い訳を放った。

 

 

「あの小娘が嘘を言って居るんだ! それに…シリウスは、あの人の仲間だったんだ…だから…」

 

 

 

「仲間だと! 貴様! ふざけた事を!」

 

 

 

 苦し紛れの言い訳に、シリウスが怒声を上げた。

 

 

 

「私が友を裏切っただと! ふざけるなよ! そんな事をするくらいなら、私は死を選ぶ!」

 

 

 

 シリウスは怒りに任せ、ピーターを殴り飛ばすと、杖を構えた。

 

 

 

「リーマス!」

 

 

 

「あぁ、分かっている! 共にコイツを殺すぞ」

 

 

 

「嘘だろ…君ならわかってくれるよな…」

 

 

 

 近くに横になっているロンに、這いずりながら近付き、頭を垂れている。

 

 

 

 しかし、ロンはそんな姿を、まるで汚らわしい鼠を見るような視線で見据える。

 

 

 

「お前のような奴と一緒に生活していたなんて…」

 

 

 

「お…お嬢さん、君からも何か言ってやってくれ…」

 

 

 

 今度はハーマイオニーに擦り寄るが、ハーマイオニーは軽蔑した視線を向けながら、後ずさった。

 

 

 

「誰が貴方みたいな人を…」

 

『なんだか哀れだねぇ』

 

 

「君達なら分かってくれるよね。凄く賢そうだし」

 

 こちらに手をすり合わせ接近する。

 

「先程も申し上げましたが、貴方の発言に対しての信憑性は0%です」

 

「そんな事言わずに、ね」

 

 ピーターは私の肩に手を置こうとする。

 

 しかし、触れる寸前、私はシールドを展開し、手の平を焼き払い、デルフィのウアスロッドがピーターの腕に直撃する。

 

「あぁがががっがががああ!!」

 

「近寄らないでください」

 

「最終警告です」

 

『警告って言うか…』

 

『既に攻撃してるよね』

 

『殺害してはいません』

 

『おぉ、くわばらくわばら』

 

「あグ! アガァ!」

 

 辛うじて原形が残って居る腕を擦りつつ、今度はハリーに接近する。

 

「ハァリィ、君は本当にお父さんにそっくりだ…君のお父さんなら、許してくれるはずだよ…もちろんお母さんもね…」

 

 

 

「ジェームスの名を出すな!」

 

 

 

 シリウスは堪忍袋の緒が切れたのか、ピーターに杖を構えている。

 

 

 

 しかし、それを遮る様にハリーが二人の間に入った。

 

 

 

「ハリー! 退くんだ!」

 

 

 

「ハァリィ! 許してくれるんだね…やっぱり君は優しい…」

 

 

 

 ハリーに擦り寄り、媚を売っているが、それを遮る様にハリーが言い放つ。

 

 

 

「お前の為じゃない! お前は…ディメンターに引き渡す…そして…シリウスの無実を証明する…」

 

 

 

 ハリーの宣言に、薄汚れたみすぼらしい男性は絶望の表情を浮かべた。

 




爆風が発生しないとは言ってない。
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