ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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お ま た せ

思いのほか長く掛かりましたが、ゴブレット編開始です。


炎のゴブレット
新学期


   ホグワーツから帰還し、数日後。

 

 ダンブルドアから大量の請求書が送られてきた。

 

 内容は、森の修繕費と消滅したディメンターの請求書だった。

 

 どう考えても水増し請求されているとしか思えない程高額な請求額だ。

 

 例年までのホグワーツからの請求額との合計出費額でかなりの損失になる。

 

 無論、ダイヤの生産量を増やし換金作業量を増加し補填しても良いのだが、その場合かなりの手数料が発生するだけではなく、大量の金額の移動により魔法省にリークされる可能性もある。

 

 仕方がないので、ダイヤの生産量は今まで通りにし、以前から貯金を切り崩し支払いを行う。

 

 それにより、レアメタルや電子部品の購入が遅れるが、仕方ない。

 

「もう一枚手紙が来ています」

 

 手紙の主は、ロンだった。

 

『やぁ、元気かい? 僕たちは元気さ。でもかなりドタバタしてるよ。ところで、今年のワールドカップのチケットが手に入ったんだ! 良ければ一緒にどうだい? ハーマイオニーとハリーも誘ってあるんだ。チケットにはまだ余裕が有るから来るようなら連絡して!!』

 

「クィディッチワールドカップですか」

 

 手紙に一通り目を通したデルフィが口を開く。

 

「興味があるのですか?」

 

「クィディッチに興味はありません。それにもう一枚手紙が来ています」

 

 デルフィから手紙を受ける。

 またしてもロンからの手紙だった。

 

『ごめん、君達が姉妹なのをすっかり忘れていたよ。残念だけどハーマイオニーとハリーが来るとチケットが残り1枚だけだったんだ。ごめんね。もしあれならどっちか片方だけでもいいよ』

 

「クィディッチを見に行きますか?」

 

「生憎と、私も興味はありません」

 

 私達はハーマイオニーへと通信を繋ぐ。

 

『どうしたの?』

 

『お時間よろしいですか?』

 

『うん、大丈夫よ』

 

『先程、ロンから手紙を受け取ったのですが――』

 

『あぁ、クィディッチワールドカップね。私も手紙で誘われたわ』

 

『我々も同様の内容でした』

 

『そうだったの。二人は行くの? 私は行こうかなって思っているわ』

 

『そうなのですか、生憎ですが私達は参加しません』

 

『え? なんで?』

 

『どうやら、チケットの残りが1枚のみで、我々2人分は無いそうです』

 

『そうだったの。分かったわ。ロンには後で私から参加しないって事を言っておくわ』

 

『感謝します』

 

『良いのよ。今度会った時、どんな感じだったか教えるわね』

 

『了解です』

 

『うん。それじゃあまたね』

 

 通話を終了し、私達はホグワーツから送られてきた、来年度の教材リストに目を通す。どうやらパーティードレスが必要なようだ。

 

「パーティードレスですか。どうしますか?」

 

「現在パーティードレスのデータはありません」

 

「後日、カタログなどを購入し参考にしましょう」

 

 これで、今度の買い物での購入リストが完成した。

 

 

 

  数日後、再び法外な手数料を取られながらも、換金作業とホグワーツへの支払いを終了させる。

 

 グリンゴッツもそうだが、ダンブルドアも予想以上の守銭奴だ。

 

 支払い作業により想定よりも少ない予算になってしまったが、必要な教材を買い足すのには十分だった。

 

 帰りに、書店によりパーティードレスを専門に扱ったカタログを購入しデザインの参考にする。

 

 ダイアゴン横丁は相も変わらず活気に満ちている。

 

 その後、人通りの無い場所へと移動し、自宅へと帰投する。

 

 

 

  新学期当日。

 

 大雨の中皆杖を掲げ魔法で傘を作り出し雨を防ぎながらホグワーツ特急へと乗り込んでいる。

 

 私達はシールドにより雨を消滅させながらホグワーツ特急に乗り込むと手近な無人のコンパートメントへと入り込む。

 

 外の雨足が強くなり、大粒の雨が窓ガラスを打ち付け、小刻みなリズムを刻む。

 

『ねぇ、もうホグワーツ特急に乗ってる?』

 

 ハーマイオニーから通信が入る。

 

『既にコンパートメントは確保済みです』

 

『そうなの。ねぇ、私達もそこへ行っても良い?』

 

『問題ありません』

 

『わかったわ、場所は――うん。トムに聞くわ』

 

 そう言うと、通信が切れる。

 

 数分後、コンパートメントの扉が開かれタブレット端末を小脇に抱えたハーマイオニーと、大量の荷物を抱えたハリーとロンが現る。

 

「ここね」

 

「ふぅ…本当だ。また勘って奴か?」

 

「まぁ、そんな所。久しぶりね。元気だった?」

 

「おかげ様で」

 

 ハリーとハーマイオニーは荷物置き場に荷物を置き、ロンは入り口付近の床へと置く。

 

「いやーすまなかったね。チケットが1枚足りなくなるなんて思わなくて」

 

「お気になさらず」

 

「普通は最初にチケットの残りを確認するわよ」

 

「しょうがないだろ。君達の事を計算に入れて無かったんだから。チケットが足りなくなるなんて夢にも思わなかったよ」

 

「ロン、君引き算が出来たのか? 凄いじゃないか」

 

「ハリー、それ位朝飯前さ。ん? 今僕馬鹿にされてる?」

 

「はぁ…相変わらずね」

 

 ハーマイオニーは二人のやり取りに対し呆れた様にコンパートメント内の座席へと座り込む。

 

「やっぱり、プロのクィディッチは凄いね! 迫力が違うよ! もうなんて言ったら良いのか分からないけど、うん。とにかく分からないけど凄いよ!」

 

「そうだね! あれは凄かったなぁ…まぁ、何がって言われたら詳しくは説明できないけど…」

 

『結局分かって無いじゃないか』

 

『同感だわ』

 

「金貨が降って来たのは印象深かったね」

 

「コインチョコでしょ」

 

「食べられる金貨さ。あれがお店で使えたらいいのにな」

 

「そしたら最高さ、後ヴィーラが良かったね」

 

「あぁ、最高だったな」

 

 2人は宙を見つめ頬を緩めている。

 

『まったく、これだから男の子はもう…』

 

『まぁ、ヴィーラはとてつもなく綺麗な女性の姿をしている魔法生物だからね。髪はシルバーブロンドで、風も無いのに靡いていて、肌は月の様に輝いていたのが特徴的だったな。まぁこの年代が心奪われるのも無理はない』

 

『とても良く観察していたのね。貴方もそう言うのがお好みなのかしら?』

 

『どうだかね。想像にお任せするよ

 

 ハーマイオニーの質問をトムは適当に流している。

 

 

 その後も、ハリーとロンは、クィディッチワールドカップの事を思い出したのか、思い出話を繰り返している。

 

 

「僕生まれて初めてだよ! あんなにすごい試合を見たのは…」

 

「それは良かったな。君の人生において最初で最後だろうな、ウィーズリー」

 

  ロンの自慢話を遮る様に、マルフォイが取り巻きを引き連れコンパートメントの扉を開き入って来た。

 

 

 

「マルフォイ! 何の用だよ…お前を呼んだ覚えはないぞ、さっさと出ていけよ」

 

「そう言うなよポッティー君。いや、ポッター君。まぁ僕も見ていたけど素晴らしい試合だったよ。それに関しては意見が一致したな。それに試合後の催しもあったしな」

 

 マルフォイの言葉に、3人は顔をしかめる。

 

「催しだと…お前! あれが催しだというのか!」

 

 

 ハリーが立ち上がり、怒声を上げながら、マルフォイに詰め寄るが、両脇に控えている、ブラックとゴイルに抑え付けられる。

 

「そんなに熱くなるなって。実際なかなか趣向が凝らされていたじゃないか、穢れた血が何匹か死んだらしいがな」

 

「貴様!」

 

「そんなに怒るなよ」

 

「何かあったのですか?」

 

「あぁ、君達は来ていなかったみたいだね。クィディッチワールドカップで闇の印が上がったのさ。まぁ世間一般じゃ屋敷しもべが悪戯でやった事になっているけど、実際は死喰い人が会場に現れたんだろうね」

 

 マルフォイは自分の事のように胸を張っている。

 

「恐らく、そう遠くない内に闇の帝王が復活するだろう。そうなれば、穢れた血は一掃されるだろうな」

 

『そうなのですか?』

 

『悪いが、現代の僕の事に関してはノーコメントで』

 

 マルフォイは高笑いをしながら床に抑え付けられているハリーの頭を踏みつける。

 

「そうなれば、貴様の名も地に落ちるな!」

 

 マルフォイはハリーから足を退けると、コンパートメントを出ようとしたが、入り口付近にあったロンの荷物に躓く。

 

「危ないな。おや? おやおや? これはこれは」

 

 マルフォイはロンのに荷物に手を突っ込む。

 

「おい! やめろ!」

 

「ハハハッ! なんだこれは!」

 

 マルフォイは1着のドレスを引き摺り出す。

 

「おいおい、ウィーズリー! まさかとは思うがこんなお古を着るつもりか? これが流行ったのは数百年前じゃないのか? おい…それにこれ…女物じゃないか…まさか君…そっちの趣味が…」

 

「違う! どっちが着たっていい奴なんだよ!」

 

 そんなデザインもドレスが有るのだろうか?

 

「だとしてもセンスが悪すぎるぞ。僕はこの為に一流の仕立て屋にしたてさせたよ」

 

 マルフォイは自慢げにそう言うとロンにドレスを投げつける。

 

「それは良かったな! 精々ドレスを汚さないように気を付けるんだな!  たく…第一なんで急にドレスなんか用意させるんだよ…」

 

「おいおい…今年は特別な催しが有るんだぞ。え? まさかウィーズリー…貴様の父親から何も聞いてないのか?」

 

「何の事だよ?」

 

「本当に聞いていないのか…」

 

 マルフォイは呆れた様に首を左右に振る。

 

「君の父親も兄上も魔法省に務めて居るのだろ? それなのに何も聞かされていないのか? 驚いたね。父上なんか真っ先に僕に教えてくれたのに…ファッジ大臣から聞いたんだ。まあ父上はいつも魔法省の高官と付き合っているしな。多分君の父親と兄上は下っ端だから知らないのかもしれないな…そうだ、おそらく君の父親の前では重要事項は話さないのだろう。恨むなら自分の父親の役職を恨むんだな」

 

「だから何の話だよ!」

 

 小馬鹿にされたロンは激昂し、マルフォイはそれを楽しんでいる様だ。

 

「フッ、まぁいいさ、後でダンブルドアから説明があるはずさ。それまで楽しみにしているんだな」

 

 そう言い残したマルフォイは、取り巻きを引き連れ退出していった。

 

「何なんだよアイツは!」

 

 ロンは怒りに任せ窓ガラスを殴り付ける。

 

 それにより、窓ガラスにヒビが入り、ロンの拳から若干の血が流れる。

 

「いってぇ!」

 

「はぁ…」

 

 ハーマイオニーは呆れながら杖を振り、窓ガラスを修復する。

 

「ねぇ、僕の手も治してよ」

 

「自分でやりなさいよ」

 

「ケチだな」

 

 ロンは不機嫌そうに自身の拳を擦りながら席に着く。




ゴブレット編で少しずつ物語が動き始めます。

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