ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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分かりにくいかもしれませんが。

『』が通信による会話。【】が英語による会話です


炎のゴブレット

 

   数週間後、無計画な授業内容も落ち着きを取り戻し始める。

 

 そんなある日、ムーディがある提案を上げた。

 

「さて、今日の授業では、このワシ自らがお前達に服従の呪文を掛けてやる!」

 

 不気味な笑みを浮かべながらムーディが杖を引き抜くと、教室の中心に椅子を置き腰かける。

 

「あの…先生…」

 

 ハーマイオニーが不安そうに手を上げる。

 

「なんだ小娘」

 

「先生…ですがその呪文は違法だとこの前…もし人に向けて使ったらアズカバンに…」

 

 

 

「その点については安心しろ、ダンブルドアから許可は貰っている。まぁ、どうしても受けたくないと言う者が居るならば、特別に免除してやる。だがその分レポートを増やすぞ」

 

 

 

 ムーディに言い返されたハーマイオニーは俯きながら席へと座った。

 

 

 

 その後、ムーディは生徒を1人ずつ呼び出すと服従の呪文をかけ始めた。

 

 

 

 服従の呪文をかけられた生徒は、突然踊りだしたり、走り回ったりといった奇行を行っている。

 

 

 

 そして、ムーディが呪文を終わらせ、ようやく我に返ったようだ。

 

「さて…次は貴様だ、小娘」

 

 次に指名されたハーマイオニーは恐る恐る椅子に腰かけるムーディの前へと移動する。

 

「では行くぞ、インペリオ! さぁ! 踊れ!」

 

「あれ…」

 

「ん?」

 

 ムーディは杖を振りエネルギー照射を開始するが、ハーマイオニーは微動だにしない。

 

『ナノマシンの精神防壁で無効化している。どうする? 解除するか?』

 

『お願いだから、解除しないで』

 

『了解』

 

「どうなっている! クソッ! インペリオ!!」

 

 ムーディは再びエネルギー照射を開始するが、ナノマシンによって無効化される。

 

「まさか…打ち勝ったのか…」

 

「えっと…そ、そうです!」

 

「くそっ! 興が削がれた! もういい! 下がれ!」

 

 一礼した後ハーマイオニーは多くの生徒の視線を浴びながら自分の席へと戻る。

 

「次は貴様だ小娘! さっさと前に出ろ!」

 

 次に指名されたのは、私だった。

 

「では早速だが行くぞ! インペリオ!!」

 

 杖からエネルギー照射が行われるが、防衛システムによって無効化される。

 

 その為、何の影響も受けていない。

 

「さぁ! 踊れ!」

 

「それは命令ですか?」

 

「あぁ! 命令だ!」

 

「お断りします」

 

「クソッ! こいつもか! えぇい! 次だ!」

 

 次に指名されたデルフィだったが、私同様にエネルギー照射を無効化した。

 

「あぁ! もう良い! 3人も操れないとは…自信を無くすわ…」

 

 ムーディはふら付きながら、椅子から立ち上がる。

 

「今日の授業はもう良い…適当にレポートをまとめておけ…」

 

 一言言い終えた後、肩を落としながら扉を開け、教室を後にした。

 

「おい…」

 

「どうする…」

 

 授業時間はまだあるが、生徒達は互いに目を見合わせながら、ムーディの背中を見送った。

 

 

  数か月後

 

 今日はボーバトンとダームストラングの生徒を迎え入れるべく城の前に集合させられた。

 

 

 

 生徒をはじめ、教職員も他校の生徒がどの様にこの城まで来るのか楽しみにしている様だ。

 

 

「おい! あれ!」

 

 とある生徒が、空を指差した。

 

 上空には巨大な生体反応を発生させながら、飛翔する、12頭の巨大な馬が鉄製の馬車を引いていた。

 

 その馬車は轟音と共に城前へと着陸すると、中から長身の女性が姿を現した。

 

「おー、これはこれはマダム・マクシーム。ようこそホグワーツへ。歓迎しますぞ」

 

 ダンブルドアが手を出すと、マクシームも手を出し、互いに固い握手をする。

 

「ダンブルドールお元気そうで何よりでー」

 

「おかげ様じゃ」

 

 フランス訛りだが、十分に会話可能なレベルなようだ。

 

「わーくしの、せーとです」

 

 マクシームが指を鳴らすと、馬車の後部が開き、男女合わせて数十名の生徒が体を震わせながら現れる。

 

 現在の気温は10℃だが、彼等は薄着の制服で、上着などを着用していないのが原因だろう。

 

 

 

「カルカロフはまだーですーか?」

 

 

 

「まだ見えてはおらぬ様じゃ、このまま外でお出迎えなさるかの? それとも城でお待ちになるかの?」

 

 

 

「なかでまちーます」

 

 

 

 マクシームが即答する。

 

 

 

「そうでーす、このウーマは…」

 

 

 

「我が校の魔法生物飼育学の担当の先生が喜んで世話をするはずじゃ」

 

 

 

 ダンブルドアの言葉を聞き、マクシームは安心したのか、震えている生徒を引き連れ城へと入って行った。

 

 

『どうやら、ハグリッドが面倒みるみたいね』

 

『アイツには、動物の管理がお似合いさ。教員の器じゃない』

 

『まだ言っているのね』

 

『何度でも言うさ』

 

 

 

 しばらくすると、湖の方から水飛沫が飛び散る音が聞こえてきた。

 

「なんだあれ!」

 

 

 水中からエネルギー反応を検知。巨大な難破船が引き揚げられる様に浮上してきた。

 

「ハッ!」 

 

 完全に浮上し終えると、甲板から一人の男性が飛び降りてきた。

 

 

 

 着地後その男性は分厚い毛皮のマントを羽織る。まるで軍人の様な出で立ちだった。

 

 

 

「おお! ダンブルドア! 久しいな、元気だったか!」

 

 

 

「相変わらずじゃよ、カルカロフ校長」

 

 

 

 2人は先程同様、固い握手を交わした。

 

「全員整列!」 

 

 カルカロフの号令と共に同じようなコートに身を包んだ、ダームストラングの生徒達が甲板から飛び降り地面に着地すると、整列し、隊列を組みホグワーツへと入って行った。

 

 

 

 行進を見届けた後、私達はマクゴナガルの指示で大広間へと移動させられた。

 

 

 

 

 

 大広間に入ると、他校の生徒の姿は見えなかった。

 

 恐らく、別室で待機しているのだろう。

 

 

 

 席に着き、少し待っていると、壇上にダンブルドアが登壇し、演説を始めた。

 

 

 

 

 

「諸君、本日我々は新たな友をこの城に迎え入れようと思う。彼等はこの1年間留学生として学校生活をしてもらう事になる。彼等はまだこの城に慣れておらん…故に諸君らには彼等を助けてやってほしい」

 

『いつもと違って今回は結構まともな事言っているわね』

 

『普段は無駄話ばかりだからな』

 

「三大魔法学校対抗試合とは言え、他国の者と関わり合いを持つという事はとても貴重な経験じゃろう。この1年間は、彼等と親睦を深め、素晴らしい友情を築いてほしい」

 

 

 ダンブルドアの長い演説が終わると、いつもの様に拍手が響く。

 

 

「それでは諸君、今宵は特別に、彼等を呼び入れるとしよう」

 

 

 ダンブルドアの一声と同時に、大広間の扉が開かれ、水色のスーツを着込んだボーバトンの生徒達が、ワルツの演奏に合わせダンスを踊りながら入場してきた。

 

『見事な物だね』

 

『見惚れてるの?』

 

『別にそんなんじゃ無いさ』

 

 

「どうやら、パフォーマンスを披露してくれるようじゃの。フランスの魔法学校、『ボーバトン魔法魔術アカデミー』の生徒と、フランス魔法生物学の権威である、マダム・マクシームじゃ」

 

 

 

 ダンブルドアの紹介にボーバトン校の生徒と、マクシームは手を振りながらレイブンクローの席へと座った。

 

 

 

「次はドイツの『ダームストラング専門学校』の生徒達と、校長のイゴール・カルカロフじゃ」

 

 

 

 生徒達の拍手が鳴り響くと同時に、先程までのワルツが転調し、今度は重圧な行進曲へと変わった。

 

 

 

 開かれた扉から、ダームストラング生が軍靴の音を響かせながら、長い杖を一糸乱れぬ動作で地面を叩き隊列を組み入場してきた。

 

『素敵だわ』

 

『なんだ? 見惚れてるのかい?』

 

『そんなんじゃ無いわ』

 

 

「く! ク! クラムか! ハリー! クラムだぜ!」

 

「ホントだ! クラムだ!」

 

 派手な演出と共に炎の中から1人の青年が現れると同時に、ロンを始め、多くの生徒のテンションが最高潮を迎えた。

 

「ねぇ、クラムって誰?」

 

「ハーマイオニー! 君! もしかしてクラムを知らないのか! クラムは世界最高のシーカーの1人だぜ! まだ学生だったなんて…信じられないよ!」

 

「そうなの」

 

「興味無さそうだね」

 

「そこまで興味ないわ」

 

 ハーマイオニーの隣で、ロンは唖然とし首を横に振っていた。

 

「まったく……おい! こっちだ! グリフィンドールに!」

 

 

 

 ロンは席を立ちあがるとクラムに必死にアピールしグリフィンドールの席に招きたい様だったが、その願いとは裏腹に、スリザリンの席へと座った。

 

 

 

「くそ! なんでスリザリンなんかに!」

 

 

 

 ロンは、分かり易く機嫌が悪くなると、悪態をついている。

 

 

 

  ダンブルドアは壇上の上で1度咳払いをすると、演説を続けた。

 

 

 

「さて…ようこそホグワーツへ、心から歓迎じゃ。本校での生活が楽しいものになってくれる事をワシは心から願っておる」

 

 ダンブルドアは一度咳払いをすると、全体を見渡す。

 

 

「あまり長い演説では興が覚めるじゃろう。それでは大いに飲み、喰らい、楽しんでくだされ!」

 

 こうして、ダンブルドアが手を叩くと、食事がテーブルの上に現れる。

 

 今までの食事の他にも、イギリス料理やドイツ料理などが並べられている。

 

 ロンは初めて見る料理に興味津々な様で、ハーマイオニーにあれこれ聞いている。

 

 

 

「ねぇねぇ! これ何? この魚がいっぱい入っているやつ!」

 

 

 

「ブイヤベースね」

 

 

 

「え? 今クシャミした?」

 

 

 

「フランス語よ、この前食べたたけど美味しかったわ」

 

「こっちは?」

 

「アクアパッツァね」

 

「またクシャミした?」

 

「はぁ…」

 

 しばらく食事を楽しんでいると、後方からフランス訛りの英語が聞こえてきた。

 

 

 

「ここが、クリフィンオールでーすか?」

 

 

 

 振り返ると、そこにはボーバトン生と思われる女子生徒が立っていた。

 

 

 

 ロンとハリーはその生徒に目を奪われているようで、ハーマイオニーは呆れた様に溜め息を吐いている。

 

「どーかしーました?」

 

 ロンはフランス訛りがおかしいのか、声を殺して笑い始めた。

 

 するとそのボーバトンの女子生徒は少し不機嫌そうな顔をしてフランス語で言った。

 

【まったく、こっちが合わせて英語で話しているのに笑うなんて失礼な生徒ね】

 

「【ごめんなさい、多分悪気は無いのと思うの、ロンは昔からこんな感じだし…】あれ? なんで私フランス語話せてるの?」

 

 ハーマイオニーがネイティブなフランス語を口にしたことで、ロンとハリーは唖然としながらブイヤベースを溢している。

 

『ナノマシンによる翻訳機能だね。まったく便利なもんさ』

 

『なんか…とてつもない物に手を出してしまった気がするわ』

 

『後悔してるかい?』

 

『別に』

 

「ハーマイオニー! 君フランス語が話せるの!」

 

「え…えぇ、一応ね」

 

【貴女、フランス語が話せるのね。それもかなり流暢ね】

 

【えぇ、まぁ一応…】

 

【他にはなせる人は居ないかしら? できれば通訳を頼みたいわ】

 

【我々も会話可能です】

 

【あら? 貴女達も話せるのね。双子かしら?】

 

【そう思っていただいて構いません】

 

【そう、なら通訳をお願いするわ。それじゃあ。また】

 

 女子生徒はそう言うと、ブイヤベースの入った皿を持ち上げてレイブンクローの席へと移動した。

 

「え? なに? 君達…フランス語が話せるの?」

 

「可能です」

 

「はえー」

 

 ハリーは感心しているが、ロンは先程の生徒を未だに見つめていた。

 

 

  パーティーも終わりを迎えると、ダンブルドアが再び登壇し三大魔法学校対抗試合に関する説明を始めた。

 

 

 

「時は来た。これより三大魔法学校対抗試合を始めるにあたって2、3説明をしておこうかの」

 

 

 

 そう言うと、ダンブルドアは大会を開催するにおいての協力者の紹介を行った。そして大会は『バーテミウス・クラウチ』『ルード・パグマン』と学校長5人が審査するという話だ。

 

「さて、ここで重要な選手の選考方法じゃが…今回は公平を規すべく、ある物を使おうと思う…ミスターフィルチ、箱をこちらへ」

 

「はい」

 

 フィルチが重厚な木箱をダンブルドアに手渡した。

 

 

 

「代表選手がどの様な競技を行うかは既に決まっておる。課題は3つじゃ。この3つの課題により代表者は様々な観点から試される事になるじゃろう…」

 

 

 

 ダンブルドアは箱をテーブルの上に置いた。

 

 

 

「皆も知っておるじゃろうが、今回の大会で選ばれる代表者は3人、各校1人ずつじゃ。選手は課題をどの様に攻略するかを採点され、合計得点の最も高い者が優勝杯と1000ガリオンを獲得するのじゃ。そして代表選手を選ぶのは…この炎のゴブレットじゃ!」

 

 ダンブルドアの声と同時に、木箱から青白い炎が立ち上がり、中から青白い炎を身にまとったゴブレットが姿を現した。

 

 多くの生徒が歓声を上げる中、デルフィから通信が入る。

 

『優勝賞金1000ガリオンですか』

 

『その様です。それだけあれば、不足金額の補填には回せます』

 

『え? ねぇ、何の話?』

 

 ハーマイオニーが通信に割り込む。

 

『参加しますか?』

 

『賛成です』

 

『ちょっと! 17歳以下は立候補できない筈よ!』

 

「代表選手に名乗りを上げる者は、羊皮紙に名前を書き、このゴブレットの中に24時間以内に入れるのじゃ。明日の夜…ハロウィーンの夜にゴブレットが代表選手を選び出すじゃろう…じゃが、炎のゴブレットに名前を入れればそれは魔法契約となり、取り消すことはできなくなる。悪戯半分でその名を入れぬように。それとこのゴブレットは玄関ホールに設置するが、その周囲にはワシが年齢線を引く。17歳に満たない者は何者であろうとこの線を越える事は出来ん。それを理解してもらいたい」

 

 ダンブルドアはこちらを睨み付けながら口にする。

 

『おやおや、これはまた警戒されているね』

 

『残念ながら心当たりが有りません』

 

『それ冗談で言っているのか?』

 

『生憎と冗談を言うような――』

 

『わかったよ』

 

『ねぇ、本当に参加するの? だってダンブルドア先生が年齢線を引くって言っているわ』

 

『十分に対処可能です』

 

『でも…』

 

『ご安心を』

 

『もう…無茶は止めてよね』

 

『善処します』

 

 パーティーはその盛大な盛り上がりが嘘であったかの様に終わりを告げ、私達は談話室へと戻っていく。

 

 




ナノマシンが便利すぎる。

結局、三大魔法学校対抗試合に参加します。
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