ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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世間は何やら騒がしいですね。

一体何があるのでしょう?


普通の日だと言うのに。


お茶会

 

   数日後、代表選手達とその救助対象者の治療が終了した。

 

 代表選手達は体力が回復後、クィディッチ会場に集められた。

 

「これは! どうなってるんだ!」

 

 そこは、本来あるはずのクィディッチの会場ではなく、所々に補修の後を残してはいるが、それを覆い隠すかのように巨大な生け垣が聳え立っている。

 

 

 

「セドリック…なにこれ?」

 

 

 

「さ…さぁ?」

 

 

 

 ハリーとセドリックは互いに首を傾げている。

 

 

 

「やぁ! 代表選手の諸君! どうかね? これを見て!」

 

 

 

 巨大な生け垣の前でバグマンは両手を広げ大声を上げている。

 

 

 

「見事な物だろう! あと数日もすれば完成だ! あぁハリーそんな顔をしなくても大丈夫だ! 競技が終わればクィディッチの会場は元通りにするからな! さて、ここで一つ質問だが、最終課題は一体何だか見当がつくかな?」

 

 

 

「迷路?」

 

 

 

「大正解だ! クラムの言う通りこれは巨大な迷路だ!この迷路の中に優勝杯を隠しててある。その優勝杯を最初に手にした選手が今回の三大魔法学校対抗試合の優勝者だ! つまり、勝った者が正義だ!」

 

 

「最後が迷路なんて、なんかシンプルだね」

 

 

「だが、これはただの迷路ではない! 道中には様々な罠や、魔道生物が放たれている!」

 

 

 

「つまりヴぁそれを避けて行けということヴぇすね、でもそのヴぁあい今までの課題の得点ヴぁ?」

 

「クラムの質問も理解できる」

 

 バグマンは数回頷いている。

 

「もちろん、最初に優勝杯を手にした者が優勝だが、第1第2の競技で得た得点には意味がある。その得点の多い物から順番にスタートだ! さて…それでは第2競技の得点発表といこうか」

 

 

 

 バグマンはそう言うと、小さな紙を胸ポケットから取り出した。

 

 

 

「第2競技は予想外の出来事により、皆一様に少なからず競技の妨害を受けた…その点を考慮して、第2課題の得点は全員一律で満点とする」

 

「え?」

 

「それじゃあ、最初の課題の点差がそのままって事?」

 

「まぁ、そんな感じだ」

 

「じゃあ」

 

 ハリー達の視線がこちらに集まる。

 

「まぁ、得点で言えば彼女達が1番だ。だが…」

 

 バグマンは首を横に振る。

 

「彼女達は今大会最大級のイレギュラーだ。それ故、君達の点数は2人で半分という事にしたい」

 

「つまり、我々が最下位という事ですか」

 

「う…まぁ、そう言う事だ」

 

「了解です」

 

「すまないね」

 

 苦笑いをしながら、バグマンは頭を掻いている。

 

【ねぇ、そんなんで良いの?】

 

 デラクールがこちらに顔を向ける。

 

【問題ありません】

 

【でも、悔しいけど、貴女達がやった事は私達なんかよりも凄い事だわ】

 

【お褒め頂き光栄です】

 

【だから、貴女達が1番だと思うんだけど】

 

【決定事項です】

 

【でも】

 

【問題ありません】

 

【なるほど、そう言う事ね】

 

 何を思ったのか、デラクールは笑みを浮かべる。

 

【それだけのハンデを負っても勝つ自信があるのね】

 

【ミッションを遂行するまでです】

 

【いいわ、今回の大会、私が優勝して貴女達の余裕そうな表情を変えてやるわ!】

 

 声高らかに笑い声を上げるデラクールを他の代表選手達が見守っていた。

 

 最終課題当日。

 

 

 

  ハリーは大広間で大量の料理を目の前にして、呻き声を上げている。

 

 

 

「どうしたんだよ? 食べろよ?」

 

 

 

「いや…ロン。流石に…この量は」

 

 

 

 ハリーは顔をしかめ、目の前にある大量の料理に指を刺した。

 

 

 

「何を言っているんだよ! これくらい食べなきゃだめじゃないか! 今日は最終課題なんだから!」

 

 

 

 ロンはそう言うと、手に持ったフォークでウィンナーを突き刺し、ハリーに押し付けている。

 

 

 

「うぅ…もういいって!」

 

 

 

「そうかい? なら僕が食べるよ」

 

 

 

 呑気そうにロンがそう言うと、手に持っていたウィンナーに齧り付く。

 

「はぁ…」

 

 隣で見ていたハーマイオニーは溜息を吐く。

 

『かなり下品な食べ方だな』

 

『まったくね。男の子ってああなのかしら?』

 

『彼が特別なのさ』

 

『いい意味で?』

 

『ある意味いい意味でね』

 

「代表選手達の3人。こちらへ」

 

「はい。わかりました」

 

 マクゴナガルの登場により、ハリーは目の前の食事から解放され、安堵の表情を浮かべている。

 

「何処へ向かってんですか?」

 

「最終課題を行う前のちょっとした集まりですよ」

 

 

 

  マクゴナガルに案内された小部屋には、他の代表選手達も集まっており、家族と思われる人物と熱い抱擁を交わしている。

 

 

 

 集められたのは、招待された家族への挨拶をする為の様だ。

 

 

 

 

 

 ハリーは不仲な親戚ではなく、ウィーズリー家、そしてシリウスの姿もあった。

 

 親族の居ない私達は、部屋の隅にある椅子に腰かける。

 

 数分後、ダンブルドアとマクゴナガルが私達の前に現れた。

 

「同席しても良いかの?」

 

「御構い無く」

 

 2人は私達の前に腰かけ、目線を向ける。

 

「ご用件は?」

 

「なぁに。君等は親族がおらんじゃろ。だから代わりにワシ等が面談を…と思ってな。なぁ、ミネルバ」

 

「え、えぇはい」

 

 マクゴナガルはバツの悪そうな表情をしている。

 

「ご用件は何でしょうか?」

 

「デルフィよそう邪険にするでない」

 

 ダンブルドアはこちらから視線を逸らさず、テーブルの上に杖を握りながら手を置く。

 

 それと同時に、異様なハッキングを検知する。

 

 反応の主はダンブルドアだ。

 

 防御プロトコルを起動し、進入を防ぐ。

 

「むっ?」

 

 その瞬間、ダンブルドアの表情が曇る。

 

「校長?」

 

 横目で見ているマクゴナガルが不審な声を上げる。

 

「どうなっておる…」

 

 呟いたダンブルドアは更にこちらを更に見据える。

 

 それに連れ、ハッキングの出力も上昇する。

 

 しかし、防御プロトコルによって簡単に防げることに違いは無い。

 

 さらに続くハッキングに対し、私達は人間の脳の処理限界ギリギリの電子情報を流す。

 

「ングッ!」

 

「どうしました!」

 

 情報を流すと同時に、ダンブルドアは頭を抱えテーブルに倒れ込む。

 

「何をしたのです!」

 

「ハッキングに対し、情報を流したまでです」

 

「え?」

 

 マクゴナガルは理解できていないのか、目を白黒させている。

 

「んん! ふぅ…大丈夫じゃ。大丈夫」

 

 起き上がったダンブルドアは目を充血させ鼻血を垂らしている。

 

「酷い目にあったわい…」

 

「不用意なハッキングはおやめください」

 

「次はこれ以上の情報を流しますよ」

 

「ふぅ…なぜワシが開心術を防ぐだけではなく、逆手に取ったのじゃ?」

 

「あの程度のハッキングならば、問題なく防ぐ事が可能です」

 

「なんじゃと…」

 

 顔色の悪いダンブルドアだったが、更に顔を青くした。

 

「ふぅ…こうしてお主達と話すのは初めてじゃな」

 

「そうですね」

 

「では、単刀直入に聞こうかの」

 

 マクゴナガルからハンカチを受け取り、顔に付いた血を拭うと、再びこちらを見据える。

 

「お主等は何者なのじゃ?」

 

 ダンブルドアの質問に対し、マクゴナガルは絶句している。

 

「校長! いくら何でもその質問は!」

 

「良いのじゃ! このような機会はあまりない!」

 

 ダンブルドアはテーブルの上でゆっくりと杖をこちらに向ける。

 

「さて、もう一度聞くぞ、お主達は何者なのじゃ?」

 

 ダンブルドアは視線を逸らす事無くこちらを見据える。

 

「先程のハッキングで何か情報は得られましたか?」

 

「不可解な数字の羅列を見た。それだけじゃ。それ故、このようにお主達に質問して居る」

 

「一生徒。それ以上の答える義務はない筈ですが」

 

「確かにのぉ…まぁいい。失礼な事を聞いてしまったな」

 

「いえ、御構い無く」

 

 ダンブルドアは立ち上がると、軽く杖を振り、ティーセットを引き寄せる。

 

「なぁに、紅茶でもどうじゃ」

 

 ティーポットからティーカップへと紅茶が注がれる。

 

「砂糖は居るかの?」

 

「結構です」

 

「そうか」

 

 ダンブルドアの淹れた2杯の紅茶が私達の目の前に置かれる。

 

「冷めぬうちにの」

 

「では、私も」

 

 マクゴナガルがティーポットへと手を伸ばす。

 

「すまぬがミネルバ。お主は自分で新しいのを淹れてくれるかの?」

 

「え?」

 

「この紅茶は彼女達の物じゃからよ」

 

「え?」

 

 マクゴナガルは首をかしげ疑問の表情を浮かべる。

 

 私達は差し出された紅茶で口を口に含む。

 

 紅茶から『真実薬』という、自白剤を検知する。

 

 しかし、AIである私達に自白剤など意味を成さない。

 

「スコーンでもどうじゃ?」

 

 更に紅茶を飲ませたいのか、ダンブルドアが茶菓子を勧める。

 

「いえ、結構です」

 

「そうかの。さて、改めて質問じゃ」

 

 杖を構えたまま、ダンブルドアがゆっくりと口を開く。

 

「お主達の正体を教えるのじゃ」

 

 数秒程沈黙が流れた後、デルフィが静寂を破る。

 

「先程も申し上げた通り、我々は一生徒に過ぎません」

 

「なんじゃと…」

 

 回答後、私達は立ち上がり、入り口の扉に手を掛ける。

 

「待つのじゃ!」

 

「なんでしょう?」

 

 振り返ると、ダンブルドアが2つのティーカップを手にしている。

 

「まだ紅茶はある。全部飲んでから出も良いのではないかの?」

 

「お断りします」

 

「なぜじゃ…味が悪かったなら新しいのを――」

 

「お断りします」

 

 私が答えると、ダンブルドアの表情がさらに曇る。

 

「紅茶自体は良い茶葉を使用し、良い味でした」

 

「ですが、自白剤…『真実薬』は紅茶に合うとは到底思えません」

 

「え?」

 

 ダンブルドアは苦虫を嚙み潰したような表情になり、隣に居たマクゴナガルは目を見開いている。

 

「まさか…生徒に真実薬を?」

 

「その…うむ…」

 

「何と言う事を!」

 

「それでは、失礼します」

 

 ダンブルドアを睨み付けるマクゴナガルを背に私達は、扉に手を掛け退出する。

 




ダンブルドアのお茶は飲んではいけない。
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