ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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密告者…

一体どうなるんだ?


密告者

   クリスマス休暇の間はシステムの調整、レアメタルの回収、地下発電施設の設営などを行った。

 

 

 数日が経ち、クリスマス休暇も終わりに近づいた頃、ダンブルドアから手紙が届く。

 

 手紙の内容は、ホグワーツに登校後、校長室にて話したい事があるという旨だった。

 

 その為か、ホグワーツに登校後、自室の前にマクゴナガルが待機していた。

 

「手紙は読んでいますね」

 

「はい」

 

「荷物を片付け次第向かいます」

 

「では校長室で待っていますよ」

 

 マクゴナガルは一礼し、踵を返す。

 

「校長室って、何かしたの?」

 

「まぁ、君達が何もしないって方がおかしいが」

 

 トムはスピーカー越しに小さく笑う。

 

「別段特別な事では有りません」

 

「そうなの? 変な事に巻き込まれてなければ良いけど」

 

「ご心配には及びません」

 

 デルフィはベッドサイドに荷物を置くと扉を開く。

 

「では行きましょう」

 

「了解」

 

「そう言えば、ハリーも校長室に呼び出されたらしいわ」

 

「関係が有るかも知れません」

 

「そうね。気を付けてね」

 

「了解です」

 

 私達は自室を後に、校長室へと向かった。

 

 

 校長室の扉を開くと、そこにはダンブルドアが校長席に座り、その背後に、マクゴナガルが立っていた。

 

「良く来たの」

 

 ダンブルドアは組んだ腕を崩すことなく一言告げる。

 

「どの様なご用件でしょう?」

 

「なぁに、不死鳥の騎士団の当面の予定を考えようと思ってのぉ」

 

 ダンブルドアははぐらかす様な口調で髭を弄りながらこちらを見据える。

 

 その時、校長室の扉が開かれ、嫌そうな顔をしているハリーが、スネイプに連れられてやって来た。

 

 

 

「連れてまいりました」

 

 

 

「ご苦労じゃった。ハリーにはしばらく、セブルスから閉心術を学んでもらうと思う」

 

 

 

「それはどうしてですか?」

 

 

 

 ハリーは食いつく様な口調でダンブルドアに疑問を投げかける。

 

 

 

「いずれ必要になる事じゃ。セブルス後は頼んだぞ」

 

 

 

「承知しました」

 

 

 

「まだ話は――」

 

 

 

「来るのだ、ポッター」

 

 

 

 食い下がるハリーだったが、スネイプに無理やり連れられ退室していった。

 

「よろしいのですか?」

 

 

 デルフィが疑問の声を上げる。

 

「一体何がじゃ?」

 

「ハリーの方は少し話があったようですが」

 

「仕方ない事じゃ」

 

 ダンブルドアは溜息を吐いた後、首を左右に振りながらこちらに視線を向ける。

 

「さて、お主達には一つ頼みたいことがある」

 

「何でしょう」

 

 ダンブルドアは組んだ腕を解き、両手を机の上で軽く組む。

 

「お主達は、ワシの開心術を防いだ。自分で言うのもなんじゃが、ワシは開心術は得意な方でな。そう簡単には防がれたことが無いのじゃよ」

 

「それで、頼みと言うのは」

 

「単刀直入に言おう。お主達は閉心術に特化した何かを持っているのではないか?」

 

 ダンブルドアは鋭い視線でこちらを見据える。

 

「その様な物はございません」

 

「そうか、ワシの思い過ごしか」

 

 溜息を吐き、ワザとらしく髭に手を掛ける。

 

「そう言えば、噂程度じゃが、お主達は服従の呪文を耐えたそうじゃな」

 

「はい」

 

「そうかそうか」

 

 ダンブルドアは再び腕を組むと鋭い視線を向ける。

 

 

「これも噂程度じゃが、ハーマイオニー・グレンジャーも服従の呪文を耐えたそうじゃな」

 

「え?」

 

 背後に控えていたマクゴナガルが声を上げる。

 

「それがどうかしましたか?」

 

「なぁに、少し不思議に思ってのぉ」

 

「何がでしょう?」

 

 デルフィが答える。

 

「お主達は服従の呪文に耐える事が出来た。なぜ、同室のメンバーのみが呪文に耐えれたのじゃろうな」

 

「偶然かと思われます」

 

「そうじゃな、偶然か」

 

 デルフィの回答に対しダンブルドアは呆れた様に笑う。

 

「しかし、偶然という事がありえるならば、必然と言う事もあり得るのではないかの?」

 

「どういう意味でしょう?」

 

「なぁに、ワシは少し疑って居るのじゃよ。お主達はハーマイオニー・グレンジャーに対し特殊な魔導具などを渡しているのではないかとな」

 

 ダンブルドアは不敵な笑みを浮かべる。

 

「校長。いくら何でもそれは飛躍しすぎでは…」

 

「ミネルバよ。少し黙っておるのじゃ」

 

「…はい…」

 

「さて、お主達。答えて貰おうかの」

 

 ダンブルドアは杖を片手に、こちらに視線を向ける。

 

「ありえない話ですが、もし仮に、我々が何らかの施術を施したとして、何をご希望なのでしょう?」

 

「ほぉ、認めるのかの」

 

「認めてはいません。仮の話しです」

 

「なぜそこまで、閉心術に拘るのですか?」

 

 沈黙が校長席に流れる。

 

「仕方ない。話そう。ハリーは今ヴォルデモートの魂と繋がっておる可能性がある。つまり、奴に心を読まれる恐れがあるのじゃ。その為にも閉心術をハリーには覚えてもらう必要がある」

 

「それならば、閉心術を取得するべく、尽力されるべきでは」

 

「無論、セブルス…スネイプ先生に頼み、ハリーに閉心術を覚えさせては居る。しかし、そう簡単に閉心術と言うのは覚えられるものではない」

 

 ダンブルドアは首を左右に振り、再び溜息を吐く。

 

 そして、沈黙が校長席に流れる。

 

 その沈黙を破るかの様に、鐘の音が響き渡る。

 

「校長。そろそろ始業時間です。彼女達を部屋に」

 

「…仕方ない。そうじゃな。下がって良いぞ」

 

「失礼します」

 

 校長室を去る間際ダンブルドアが声を上げる。

 

「もし仮に、閉心術をマスターできるような魔導具があるならば、渡して欲しい。これは不死鳥の騎士団の任務としてじゃ」

 

 デルフィは振り返る。

 

「残念ながらそのような物は所持しては居りません」

 

「お役には立てないようです」

 

 私達は、校長室を後にする。

 

  数日後

 会合の日がやって来た。

 

 回を重ねる度に全員の戦闘レベルが向上し、魔法と銃撃を組み合わせた戦術を確立し、自衛には申し分ないほどにまで成長した。

 

「どうかな?」

 

「最低限のラインには達しているかと思われます」

 

「そっか、これなら死喰い人にも勝てるね」

 

「それは難しいかと思われます」

 

「え?」

 

 デルフィの言葉に、ハリーは唖然とする。

 

「敵部隊を殲滅するには現在の戦闘レベルでは不可能かと推測されます」

 

「敵部隊の迎撃、及び撤退戦を主軸に置き戦闘を行う事を提案します」

 

「う…うーん」

 

 ハリーは何処と無く不満そうな表情を浮かべながら、数回頷いていた。

 

  数日後

 

 談話室の中にも聞こえる程の声が玄関ホールの方から聞こえてきた。

 

「この声って…トレローニー先生?」

 

「恐らくは」

 

「何かしら? 行ってみましょう」

 

 ハーマイオニーと共に談話室を抜け、玄関ホールへと向かう。

 

 玄関ホールには既に多くの生徒が集まっており、その中心でトレローニーが叫び声を上げていた。

 

 

 

「嫌よ! いや! こんなことが許されるはずありません!」

 

 

 

 トレローニーの声が響く。

 

 その視線の先にはアンブリッジが立っていた。

 

 

 

「貴女、こういう事態になると予見できなかったの? 明日の天気でさえ予見できない無能な貴女でも、解雇になるぐらいは予見できたでしょう?」

 

 

『解雇ねぇ…』

 

『なんだか物騒ね』

 

 

 

 アンブリッジが言い放つと、トレローニーはその場でむせび泣いている。

 

 

 

「そんな…わたくしは16年も…16年間このホグワーツで過ごしてきました! ここを出ていくなんて考えられません!」

 

 

 

「考えられなくても、ところがどっこい。これが現実です」

 

 

 

 アンブリッジはそう言い放つと、隣に居たフィルチに指示を出た。

 

 頷いたフィルチは、大きめのトランクをトレローニーの前に置いた。

 

 

『こりゃ、本格的にクビかな?』

 

『ちょっと残念ね』

 

『仕方ないさ。第一なんで16年も居たんだ?』

 

『噂じゃ、ダンブルドアが呼び寄せたらしいわ』

 

『なるほど、占い師を手元に置いておきたいと言う訳か』

 

「少し待つのじゃ!」

 

 しかし、そこにダンブルドアとマクゴナガルが現れ、事態が一変した。

 

『おや、ダンブルドアのお出ましだ』

 

『なんか、ひと悶着ありそうね』

 

 

「さぁ…落ち着いて…貴女が考えているような事にはなりませんよ」

 

 

 

 マクゴナガルは落ち着かせるような口調でトレローニーに話しかけている。

 

 

 

 それを見たアンブリッジは不愉快そうに眉をひそめた。

 

 

 

「あら? マクゴナガル先生。貴女にそんな事を言う権限はありませんよ」

 

 

 

「ワシにはある」

 

 

 

 ダンブルドアはゆっくりとアンブリッジに近寄る。

 

 

 

「貴方のですか? どうやらご自分の立場を理解していないようですね。私の手元には魔法省大臣が署名なさった解雇辞令がありましてよ。ホグワーツ高等尋問官は教育に不適切だと思われる教師を停職に処し、解雇する権利を有するのです。トレローニー先生は基準を満たさないと私が判断し、そして解雇しました」

 

『ものすごい早口だな』

 

『よく噛まずに言えるわね…』

 

 

 アンブリッジは、自慢げに取り出した羊皮紙をダンブルドアに見せつけている。

 

 

 

「確かに貴方は教師を解雇する権限はお持ちじゃ。じゃがこの城から追い出す権限はお主ではなく、校長である、このワシにあるはずじゃ」

 

 

 

 ダンブルドアは鋭い視線でアンブリッジに言い放つ。

 

 アンブリッジは引き攣ったような笑みを浮かべ、ダンブルドアに微笑み返している。

 

『老害お得意のへ理屈が出たぞ』

 

『へ理屈も理屈って事かしら?』

 

『しかし、非常識です』

 

 

「確かに私にその権限はありませんね」

 

 

 

 アンブリッジは目を細めそして、吐き捨てる様にダンブルドアに呟いだ。

 

 

 

「えぇ、今はまだね」

 

 

『まるで、いずれは権限を手にするみたいな言い方ね』

 

『ああ言うタイプが権力に溺れるんだろうね』

 

 捨て台詞を吐いたアンブリッジはそのまま城の中へと消えていった。

 

  数日後。

 

 談話室にて、ハーマイオニーは不機嫌そうにしていた。

 

「まったく、困ったものだわ」

 

「どうかされましたか?」

 

「どうかしたじゃ無いわ。アンブリッジの奴スリザリンの一部の生徒を集めて『高等尋問官親衛隊』なんてものを組織したのよ」

 

「『高等尋問官親衛隊』ですか」

 

『親衛隊ねぇ…まるでどこぞのs』

 

『言わせないわよ』

 

『おっと失礼』

 

 ハーマイオニーはトムを制止する。

 

 そんな時、ハリーとロンが談話室に駆け込んで来た。

 

「大変だよ!」

 

「どうしたのよ?」

 

 ハリーは息を切らし、ロンはせき込んでいる。

 

「どうやら、密告者が出たらしいんだ」

 

「密告者? 一体誰が?」

 

「分からないよ」

 

「ねぇ、ハーマイオニー。何か対策とか取って無いの?」

 

「対策って何よ?」

 

「なんか…こおぉ…密告者とか裏切り者とかを特定する魔法とか呪いとかさ」

 

 ロンは身振りを大きくさせる。

 

「そんなのあったとしても使う訳ないでしょ」

 

「どうしてさ! 裏切り者は分かった方が良いだろ? アンブリッジの奴は証言を手にして僕達を潰すつもりだ」

 

 ロンは激昂しているのか、声を荒らげる。

 

「第一、アンブリッジが握っているのは証言だけでしょ? 物理的な証拠は残さないように気を付けていたわ」

 

「そうだと思うけど」

 

「なら、密告者が居たとしても、決定的な証拠にはならないと思うわ」

 

「どうしてさ?」

 

「普通に考えて密告者だって好き好んで密告した訳じゃない筈よ。何かそれなりの事情があったはず」

 

「それが?」

 

「つまりは、アンブリッジに弱みでも握られていたんじゃないかしら?」

 

「まぁ、アイツは魔法省の役人だし、それなりの権力はあるんじゃないかな」

 

「つまり、密告者は自白を強要されたようなものね。そうなると密告者の証言にそこまでの証拠能力は無い筈よ」

 

「え? ん? どういう意味?」

 

「はぁ…よく考えてみて、アンブリッジが今持っているのは強要した自白だけ。それ以外の証拠はない筈よ」

 

「あー多分ね」

 

「仮に密告者が数人居たとして、その証言だけじゃ、魔法省までは動かない筈よ」

 

「そうかな?」

 

「恐らくね。そこに裏切り者だとわかる、証拠になる様な呪いや魔法が無いなら尚更ね」

 

「うーん…そうならいいんだけど…と言うか、君…最近エイダ達みたいな口調になって来てないか?」

 

「気のせいじゃないかしら?」

 

 その時、校内に鐘が鳴り響く。

 

「さて、そろそろ授業に向かうわね」

 

「我々も同行しましょう」

 

 私達は、唖然としているロンとハリーを残し談話室を後にした。

 

 




次回

ダンブルドアが…

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