ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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注意。

今回のダンブルドアはいつも以上に老害です。

イライラされるかもしれませんが、ご了承ください。


証言

 

数日後、自室にて待機していると、生体反応を検知する。

 

デルフィが扉を開け、ウアスロッドを構えると、そこにはマクゴナガルが立っていた。

 

「はぁ…毎回毎回、手荒い歓迎ありがとうございます。ですが、そろそろ杖を構えずに開けて欲しい物です」

 

「以後気を付けます」

 

「頼みますよ…」

 

「それで、今回はどの様なご用件で?」

 

ハーマイオニーはこちらを覗き込むように視線を向ける。

 

「アンブリッジ先生が貴女達3人を呼ぶようにと」

 

「え? 私達を? なんで?」

 

驚いた声でハーマイオニーが立ち上がる。

 

「えぇ、詳しくは知りませんが、ポッターも呼ばれているようです」

 

「え?」

 

『もしかして、これって』

 

『推測ですが、会合の一件によって呼び出されている可能性が高いです』

 

『まったく、面倒な事になったもんだね』

 

「まぁ、ウィーズリーは呼ばれていないんですがね…なんにせよすぐ来て欲しいとのことですので行きますよ」

 

「わかりました」

 

ハーマイオニーはタブレット端末を小脇に抱え、私達と共に、自室を出て、校長室へと向かう。

 

 校長室に入ると、そこには、メンタルコンデションレベルが高位のアンブリッジと、無表情のダンブルドア、メンタルコンデションレベルが低下しているハリー、腕を組んでいる大臣の姿があった。

 

「え? ハーマイオニー? それに君達も?」

 

「えぇ。呼ばれたの」

 

「なんで――」

 

「エヘンエヘン」

 

アンブリッジが特殊な易い咳払いをする。

 

「何人もの生徒が集まって戦闘訓練をしていると聞いた。首謀者は彼等だろう」

 

大臣はそう言うとハリーを指差す。

 

「そ、そんな事…」

 

「そうです。第一誰がそんな事を言ったんですか? 証拠は――」

 

「マリエッタ・エッジコムよ」

 

ハーマイオニーの声を遮る様に、アンブリッジが声を上げる。

 

「マリエッタ?」

 

「えぇ、勇気をもって告白してくれました」

 

「なんで…」

 

「今ここに呼んでありますわ。入りなさい」

 

少し置いて、校長室の扉が開かれると、不安感によりメンタルコンデションレベルが低下したマリエッタが周囲を見渡しながら入室した。

 

「この少女、マリエッタ・エッジコムさんがすべて話してくれました。彼等がDAと呼ばれる非公式な会合を開いた事や、構成メンバーをね。それに、マグルの持ち込み禁制品をイーグリット姉妹が所持して居る事をね。ねぇ? マリエッタ・エッジコムさん?」

 

「え…え、えぇ」

 

「禁制品だと?」

 

「マグルの武器だそうですが、詳しい事は興味が無いのでわかりません。まぁそれほど危険視するものではないでしょう」

 

「そうか…」

 

「そうですわよ。ね? マリエッタ・エッジコムさん」

 

「は、はい」

 

狼狽しながら、マリエッタは数回頷く。

 

「これが、彼女から聞いたDAメンバーのリストですわ。ポッターやイーグリット姉妹の名前もありますわ。他にもウィーズリーと言った純血の家系も居ますね」

 

アンブリッジはそう言うと、ダンブルドアに羊皮紙を差し出した。

 

「うむ…確かに、ハリーにイーグリット姉妹の名もあるな」

 

ダンブルドアは羊皮紙を覗き込むとメガネを傾ける。

 

「あの、ちょっといいですか?」

 

ハーマイオニーが手を上げる。

 

「はぁ…何ですか? グレンジャー?」

 

アンブリッジはワザとらしく溜息を吐く。

 

「えっと…会合があるって言っているのはマリエッタから聞いたんですよね?」

 

「えぇ。ちゃんとこの私が聞きましたわ」

 

「参加者の名前を聞いたのは?」

 

「マリエッタ・エッジコムよ」

 

「えっと、言っているのはマリエッタだけですよね?」

 

「え?」

 

「ん?」

 

「なんじゃと?」

 

ハーマイオニーの発言に対し全員が一応に疑問の声を上げる。

 

「だから、会合があるとか、参加者の名前を言っているのはマリエッタだけで、他の人から聞いたわけじゃないんですよね?」

 

「え、えぇ。彼女から聞きました」

 

「それ以外の証拠は?」

 

「十分な証拠じゃないですか?」

 

「つまりそれは、先生側が提出している証拠はマリエッタが言っている事。証言だけですよね。事実確認はされてないんですよね」

 

「え?」

 

「何が言いたいのよ!」

 

アンブリッジがヒステリックを発症させる。

 

「つまり、私が言いたいのは…会合が存在したなんて言う事実は無いんですよ」

 

「それはつまり、マリエッタ・エッジコムが嘘の証言をしたと…そう言いたいの?」

 

アンブリッジは眉をひそめる。

 

「はい。その通りです」

 

『おやおや、君も案外ゲスイ事考えるね』

 

『全員が潰れるよりはましだと判断しただけよ』

 

『合理的な判断です』

 

「そんな。私…本当の…」

 

「なぜ、彼女がそんな事を…嘘の証言を私に言う必要があるの? 普通に考えれば非合法な会合を行っていたことに対して、良心の呵責から自白したと考えるべきよ」

 

アンブリッジは自信有り気にハーマイオニーに問いかける。

 

「えっと…それは…」

 

「ね? 答えられないでしょ?」

 

大臣がこちらに視線を向ける。

 

「まったく、こんな場所で嘘を吐くな――」

 

「データによるとマリエッタ・エッジコムの母親は、魔法省に勤務しています」

 

「え?」

 

デルフィの発言によりアンブリッジが声を上げる。

 

「それって、つまりどういう事?」

 

ハーマイオニーが疑問の声を上げる。

 

「推測ですが、魔法省に勤務している母親に対し、何らかの圧力を掛けるなどと脅された可能性もあります」

 

「へぇ…圧力ねぇ…」

 

ハーマイオニーは数回頷き、アンブリッジの方に視線を向ける。

 

それに釣られる様にして、大臣もアンブリッジを見る。

 

「ち、違います! 私…圧力とか、脅迫とかそう言うのは…貴女からも何か言いなさい!」

 

「えっと…それは…」

 

アンブリッジに怒鳴られ、マリエッタは委縮する。

 

「つまり、彼女は脅されて嘘の証言をした。DAなんて言う会合は最初からなかったんです!」

 

ハーマイオニーが言うと、アンブリッジは目を見開く。

 

「嘘付はそっちでしょ! 第一! 彼女が証言したの! それが証拠よ!」

 

「でも、その証拠は脅して言わせたことですよね。それに物的証拠は何もない。DAとか言う未認可の非合法な会合を行っているところを現行犯で捕まえた訳でも無い」

 

「ドローレス・アンブリッジ…まさか、彼女の言って居る事は本当なのか?」

 

「それは…私…脅してなんか…無いです! 本当ですよ!」

 

アンブリッジはヒステリックな声を上げ、大臣に縋りつく

 

『ほぉ…良い感触じゃないか。このまま押し切ろう』

 

『えぇ。後は大臣が納得すればDAを守り通せるわ』

 

「もう良い…」

 

ダンブルドアが一言呟く、すると静寂が支配する。

 

「え?」

 

「DAとはダンブルドア軍の略じゃ。ダンブルドア・アーミーじゃよ」

 

全員の視線がダンブルドアに集まる。

 

「それはつまり、DAの存在を認めるんですね」

 

「あぁ、認めよう」

 

「なるほど…これで、今年のホグワーツから送られる法外な請求額の用途が分かったぞ!」

 

「ちょっと! 校長先生! 何を言い出すんですか!」

 

『おいおい、正気かよあの老害。せっかく言いくるめられていたのに』

 

『どうかしてるとしか考えられないわ。頭がおかしいんじゃないかしら?』

 

『非合理的です』

 

『最低の選択です』

 

『まったく…ボケ老害が…』

 

「じょ…冗談を…貴方が? これを組織した?」

 

 

 

「そうじゃ、総てワシがやった事じゃ」

 

 

 

 ダンブルドアはゆっくりと頷いた。

 

 

 

「ワシが生徒を集めて、私設軍隊を作ろうとしたのじゃ」

 

 

 

「嘘だ!」

 

 

 

 ダンブルドアの言葉を遮る様に、ハリーが大声を上げた。

 

 

 

「僕等です大臣! 僕達が自主的に会合をしたんです! ダンブルドア先生は関係ありません! 僕達が勝手に!」

 

 

『あぁ…ハリーまで。これじゃあ…もう』

 

『最悪の結果だな。まったく…』

 

「コーネリアス。生徒の言葉と、ワシの言葉。どちらを信じるのじゃ…」

 

 

 

「そ…それはつまり…貴方は私を陥れようとしているのだな!」

 

 

大臣の言葉を聞いたダンブルドアは不敵な笑みを浮かべる。

 

「その通りじゃよ」

 

 

 

 大臣はアンブリッジの方を一瞥すると、恐怖の混じった歓声を上げた。

 

 

 

「聞いたな! 諸君! ダンブルドアの告白を! よし! この発言を至急、日刊予言者新聞に送れ! さぁて…ダンブルドア。お前はこれから魔法省へ送られるだろう。そこで貴様は有罪だろうな。そしたら正式にアズカバン行きだ!」

 

大臣の歓喜を遮る様にダンブルドアは声を上げる。

 

「残念じゃが…ワシはまだやる事があるのじゃ。お主達の遊びに付き合っておる暇はないのじゃ。これで失礼するぞ」

 

 

 

 ダンブルドアはゆっくりと校長室の扉へと向かうが、それを遮るかの様に魔法省の人間が立ちはだかった。

 

 

 

「愚かな事はやめた方が良いぞ。お主のホグワーツでの成績は知っておるが…お主ではワシには勝てぬぞ?」

 

 

 

 そう言われた役人は苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべているが、杖を引き抜いた大臣が声を荒らげた。

 

 

 

「だがここには4人居るのだぞ! お前はたった1人で4人を相手取るつもりか!」

 

「先生!」

 

「ハリー…やめなさい」

 

校長室の端では、ハリーが杖を抜こうとしているが、ハーマイオニーがそれを制止する。

 

「邪魔しないで!」

 

「貴方程度の腕前では、無駄な抵抗です」

 

「その通りよ。少し頭冷やしなさい」

 

「なにぃ?」

 

 次の瞬間、ダンブルドアは素早く杖を引き抜くと、4人全員に失神魔法を放った。

 

『あら、結構見事ね』

 

『まぁ、あんな老害でも今世紀最高のなんて歌われているからな』

 

「ふぅ…あまり年寄りに無理をさせんで欲しいのぉ」

 

 

 ダンブルドアはワザとらしく溜息を吐くと、杖を仕舞い込んだ。

 

「さて、お主達にちーとばかし頼みがある」

 

ダンブルドアはこちらに視線を向ける。

 

「ワシはこれからしばらくこの学校を留守にしようと思う。その事をミネルバ…マクゴナガル先生に伝えて欲しいのじゃ」

 

「留守って…どこへ?」

 

『もういっその事帰ってこなければいいのに』

 

『少しだけだけど。同意するわ』

 

「ちょっとした気分転換じゃよ…さて…それではそろそろ行くかの。フォークス」

 

ダンブルドアは笑みを浮かべた後、不死鳥を呼び寄せると、その尾羽を掴んだ。

 

「そうじゃ。ハーマイオニーよ」

 

「な、なんですか?」

 

「いくら、会合を守る為とは言え、友を見捨てる様な事は褒められんぞ。少し見損なったぞ」

 

「へ?」

 

「さて、では行くかの」

 

 

 その瞬間。炎が燃え上がり、ダンブルドアの姿が消えた。

 

『なんなの? 私が悪いって事?』

 

『老害の頭が悪いんだろう。はぁ…あのまま、燃え尽きればいいんだ』

 

『同感…はぁ、ややこしいことになりそうね』

 

 部屋の隅では、状況が呑み込めていないのか。何度も瞬きをしているハリーの姿があった。

 

 

 

「何事ですか!」

 

 

 

 次の瞬間、マクゴナガルが校長室に飛び込んで来た。

 

 

 

「この状況は一体…」

 

「えっと…」

 

ハリーとハーマイオニーが事の全容をマクゴナガルに説明する。

 

「はぁ…まったくあの人は…これから面倒な事になるわね…」

 

マクゴナガルのメンタルコンデションレベルは過去最低のラインにまで低下していた。

 

 




学生に言いくるめられる、高等尋問官と大臣。

ダンブルドアさえ居なければ、問題なかったんだけどな…
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