ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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今回、アンブリッジ先生が!


今までのツケを払うと思えば心苦しくも無いです。


拳銃

   アンブリッジの自室周辺に動体反応は確認されなかった。

 

 推測だが、多くの人物がアンブリッジとの接触を避けている様だ。

 

「ここね」

 

 アンブリッジの部屋の前に移動すると、ハリーがドアノブに手を掛ける。

 

「あれ? 開かない。鍵が掛かってる」

 

「ちょっと退いて」

 

 ハーマイオニーが杖を取り出し魔法による解錠を試みる。

 

「ダメね。強力な魔法で鍵が掛けられているわ」

 

「マジかよ」

 

「失礼します」

 

 デルフィは扉の前に立つとピッキングツールを取り出す。

 

「なにそれ? 針金?」

 

 ロンが興味深そうに覗き込む中、ピッキングにより解錠する。

 

「開きました」

 

「アンブリッジの奴。そんな細い鍵を使ってたのか」

 

「ピッキングにより解錠しました」

 

「ピッキングって…犯罪ね。まぁ状況が状況だから仕方ないわね」

 

 ハーマイオニーが扉に手を掛け部屋へと侵入する。

 

 部屋の中は悪趣味なピンク一色で統一されており、壁には猫の写真が入った皿が何十枚と貼られている。

 

「う…うわぁ…」

 

「これは…また…」

 

『悪趣味を通り越して一種のセンスだね』

 

『吐き気がするわ』

 

 

「まぁいい。急いで暖炉を探そう」

 

 ハリーは部屋の奥へと移動する。

 

 暖炉を覗き込むとハリーは激昂した。

 

「駄目だ! この暖炉も封鎖されている!」

 

 

 ストレスレベルの高いハリーが大声を上げながら、机の上の書類を薙ぎ倒している。

 

「くそ…どうすれば…」

 

 次の瞬間、こちらに接近する生体反応を検知する。

 

「生体反応確認。接近しています」

 

「え?」

 

「誰だか分かる?」

 

「判断材料が乏しい為確約はできませんが、歩幅から推測するとドローレス・アンブリッジかと思われます」

 

「マズイ! どうしよう!」

 

 ハリーは先程散らかした書類を目の前にして、狼狽している。

 

「更に接近。間もなく接敵します」

 

「とにかく隠れよう!」

 

「隠れるって…どこに!」

 

「えっと…」

 

『ドレッサーに一人程度なら隠れるスペースがあります』

 

『え?』

 

『この中じゃ君が一番小柄だ。隠れろって事さ』

 

『で…でも…』

 

『急いでください』

 

『わかったわ』

 

 ハーマイオニーはドレッサーに手を掛ける。

 

「ハーマイオニー? どうしたんだい?」

 

「ここ隠れられるかなって思って」

 

「これじゃ、君くらいしか無理だろ」

 

 ロンは溜息を吐き左右に頭を振る。

 

「生体反応最接近。接敵します」

 

「あぁ!」

 

 ハーマイオニーは急いでドレッサーに身を隠す。

 

「これは一体何事です!」

 

 開け放たれた入り口に血相を変えたアンブリッジが立っていた。

 

「えっと…そのぉ…」

 

「尋問します! 高等尋問官親衛隊! 彼等を拘束しなさい!」

 

 

 

 アンブリッジがそう指示すると、どこからか現れた親衛隊によってハリーとロンが拘束されていく。

 

「親衛隊! 次はこの姉妹を拘束しなさい!」

 

「拘束って言ったって…」

 

 マルフォイはロープ片手に周囲の取り巻きと共に動きを鈍らせる。

 

「どうする?」

 

「下手すると…なぁ…」

 

「あ…あぁ」

 

「どうされましたか?」

 

 デルフィが声を上げる。

 

「え? あぁ…えっと…すまないが大人しくお縄に付いてくれないか?」

 

 マルフォイがロープを片手に提案する。

 

「早く拘束されなさい! さもないと、彼等がどうなっても良いの?」

 

 アンブリッジはロンに杖を突き付け分かり易い脅迫をする。

 

「頼むよ…」

 

 ロンはか細い声を上げる。

 

「了解」

 

 私達は両手を前に差し出すと、親衛隊が恐る恐る手をロープで拘束する。

 

「さて、じゃあ、じっくりと尋問していくとしますか。ゴイル、スネイプ先生を呼んできなさい」

 

 アンブリッジの命令に従い、ゴイルはその場から走って何処かへと走り出した。

 

  数分後、普段と変わらぬ表情のスネイプが扉を開け入室する。

 

「吾輩をお呼びですかな? 校長?」

 

「真実薬を持ってきてください」

 

 

 

「あれはポッターを尋問するのに持っていかれたのでは?」

 

 

 

 スネイプはアンブリッジの顔を無表情に見つめている。

 

「あんな小瓶じゃ――」 

 

「まさか、あれを全て使ったという事は無いでしょうな? 3滴ほど有れば十分だと申し上げたはずですが」

 

 アンブリッジはその場で黙り込む。

 

「はぁ…多少なら、在庫はございますが」

 

「なら十分です。このいけ好かない姉妹に使うだけです」

 

 スネイプはこちらを見据える。

 

「それは、あまり得策とは言えませんな」

 

「どう言う事かしら? 生徒に対して使用してはいけないと言う理由ならば私が今この場で許可します」

 

「吾輩は無駄な事はするべきではないと言いたいのです」

 

「無駄な事?」

 

 アンブリッジが眉をひそめ、スネイプを睨み付ける。

 

「どう言う事かしら?」

 

「彼女達に真実薬は通用しないという事です」

 

「はん。ふざけているの? それとも私を馬鹿にしているのかしら?」

 

「いえ、それは既に…いえ。馬鹿になど…これは、ダンブルドア校…前校長が仰っていた事です」

 

「え? ダンブルドアが…」

 

 アンブリッジがこちらを睨み付ける。

 

「どうにも、前校長も彼女達に真実薬を試したようですが…効果が無かったとか」

 

「え?」

 

「お役に立てなかったようですな」

 

「もう結構です! 下がりなさい!」

 

「それでは、これで…」

 

 スネイプは私を一瞥すると、アンブリッジの部屋から出ようとした。

 

 

 

「あの人がパッドフットを捕まえた! あれが隠されている場所で、あの人がパッドフットを捕まえた!」

 

 

 

 その瞬間、ハリーはスネイプに向かって叫び声を上げた。

 

 

 

「何のことです! スネイプ! 何か知っているのですか?」

 

 

 

 アンブリッジは混乱している様でスネイプに問いかけている。

 

 

 

「さっぱりですな。ポッター、頭がおかしくなりたいのならいつでも私の研究室に来るがいい。戯言薬を飲ませてやろう」

 

 

 

 そう言うと、スネイプは退室していった。

 

『スネイプは理解したのかしら?』

 

『仮にも不死鳥の騎士団だ。大丈夫だろう』

 

『ところで、ハリーが言っていた意味わかる?』

 

『さっぱり』

 

「あぁ! もう! 気分が悪いわ!」

 

 アンブリッジはヒステリック状態になり、杖を取り出す。

 

「…………仕方ない…良いでしょう…他に手は無いのだから…」

 

 

 

  アンブリッジは引き攣った笑いを上げながら、私に杖を突き付けた。

 

「真実薬が効かないと言うならば仕方ありません! 磔の呪いで口を割ってもらいます! すれば、このいけ好かない表情が少しは緩むでしょうね!」

 

 その言葉を聞き、親衛隊のメンバーが声を上げる。

 

「しかし! その呪文は違法です! アズカバン送りになるかと」

 

 マルフォイがアンブリッジに提言する。

 

「うるさい!」

 

 そんなマルフォイをアンブリッジが怒声を荒らげ一瞥する。

 

「これは! ……魔法省が私を通して行った行為です! ですから合法なのですよ! 良いですね! クルーシオ!!」

 

 次の瞬間、私に対して磔の呪いが放たれる。

 

 しかし、放たれた魔法はシールドによって無効化される。

 

 

 

「どうです? 話す気にはなりましたか? 我慢しているのですか? 苦しかったり、痛かったら泣きさけべばいいのですよ? これは完全に拷問ですからね! 何も恥じる事はありませんよ!」

 

 

 

 アンブリッジは満面の笑みで私に問いかけている。

 

 

「何とか言いなさい!」

 

 アンブリッジが更に杖を振る。

 

 その時、背後のドレッサーの扉が勢い良く開かれる。

 

「もうやめて!」

 

「おや? ミス・グレンジャー」

 

 ドレッサーから飛び出したハーマイオニーは杖を構えアンブリッジに突き付けている。

 

「高等尋問官である私に杖を向けるとは、どういうつもりです!」

 

「磔の呪いは禁止されている筈です! それを生徒に使うなんて!」

 

「黙らせなさい!」

 

 アンブリッジの指示に従う様に親衛隊の一人が杖を振る。

 

「エクスペリアームス!」

 

「くっ!」

 

 魔法が直撃し、ハーマイオニーの杖が弾き飛ばされる。

 

「まったく…困った生徒です。これは退学もあり得ますね」

 

 アンブリッジは杖を構え直し、ハーマイオニーに接近する。

 

「こないで!」

 

 ハーマイオニーはポケットから銃を取り出し、アンブリッジに向ける。

 

「なんだあれ?」

 

「これは…確か、マグルが使う玩具ですね」

 

 アンブリッジは不敵な笑みを浮かべる。

 

「そんな物で、何をするつもりですか?」

 

「磔の呪いをやめて!」

 

「威勢が良い事。でも手が震えてるわよ」

 

「て、手振れ制御!」

 

『了解。まぁ、頑張りなよ』

 

 トムの制御により、手振れが抑制される。

 

『援護します』

 

『大丈夫よ…頑張るから』

 

『了解。無理はなさらないでください』

 

「彼等の拘束も解くようにしてください!」

 

「人の事を脅迫するなんて…まったくこれだから穢れた血は嫌なのよ」

 

「くっ…」

 

『おっと、激昂するなよ。撃つ時は狙いをしっかりとな』

 

『大丈夫よ…大丈夫…』

 

「早くして! じゃないと…撃つわ」

 

「おやおや、怖い怖い。親衛隊。わかってるわね」

 

「え…はい」

 

 マルフォイがハリーの拘束を解錠しようと動き出す。

 

「違うわよ! あのマグルから銃を奪いなさいって言ってるのよ!」

 

「え? あっ、え…エクスペリアー」

 

「動かないで!」

 

 ハーマイオニーが銃を天井に向けると、1発威嚇射撃を行う。

 

「うぉ」

 

 周囲に発砲音が響き渡り、親衛隊のメンバーが身構える。

 

「本当に撃つわよ!」

 

「関係ないわよ! 早くしなさい!」

 

「しかし…」

 

 マルフォイを始めとした親衛隊のメンバーがアンブリッジとハーマイオニーを交互に見据える。

 

「チッ! 使えない腰抜けばっかりね! エクスペリアームス!」

 

 アンブリッジが杖を振ると、魔法が発射される。

 

「シールドを展開!」

 

『残念。防御シールドはタブレットから発生しているんだ。だから今の君は無防備さ』

 

「え? きゃ!」

 

 魔法が直撃し、ハーマイオニーの手から銃がはじけ飛び、アンブリッジの足元に転がる。

 

「ふーん。これが禁制品ね。こんなんのどこに脅威があるんだか?」

 

 アンブリッジは銃を拾い上げ、観察する。

 

「確か…こうだったかしら?」

 

 引き金に手を掛け、アンブリッジはハーマイオニーに銃口を向ける。

 

「そうそう、こんな感じね。ちょっと痛いかもしれませんが、罰よ」

 

「え? ちょっと…」

 

 銃を突き付けられたハーマイオニーはその場で数歩後退る。

 

「なんだ? さっきの音?」

 

「こっちからだったな」

 

 先程の銃声を聞きつけた様で、周囲に多くの生徒と複数名の教員の姿があった。

 

「おい! アンブリッジが生徒に何か突き付けてるぞ!」

 

「あれって、マグルの禁制品じゃないか?」

 

「なんでそんな物を、アンブリッジが持っているんだよ?」

 

「持ち込み禁止じゃないのか?」

 

 周囲の人々が次々に疑問を口にする。

 

「こ、これは…」

 

「こ、こんな状態でも、私を撃つんですか?」

 

「なんですって…」

 

「これだけ人が居る中で、禁制品を構えているだけじゃ無くて、私を撃つおつもりですかと聞いているんです!」

 

「ちっ! 小生意気な小娘が…」

 

 アンブリッジはヒステリック状態で、声を荒らげる。

 

「これは! この禁制品は! 魔法省が私に対して、特別に許可をくれた物です! ですから、私の私物であり! 私がどう使おうと、何の問題も無いのです!」

 

『こりゃまた、とんでもない理論だな』

 

『暴論よ。頭がおかしいんじゃないかしら』

 

「よって! 今この場で! 魔法省の権限として! 私が! これを使用する事は! 何ら問題ないのです!」

 

 怒りに任せ、アンブリッジがハーマイオニーに突き付けた銃の引き金を引く。

 

「うっ…え?」

 

 アンブリッジは引き金を引いたが、銃弾が発射される事は無かった。

 

「何よこれ? 壊れているの?」

 

『その銃はロックされている奴さ。君以外使えない』

 

『そうだったわね。すっかり忘れていたわ』

 

「もう! どうなっているのよ!」

 

 アンブリッジが銃身を眺め、銃口を覗き込む。

 

『もしかして、今解除すれば…』

 

『面白いことになるね。まぁ、解除するかどうかは君の意思さ。解除したらどうなるか。君なら分かるんじゃないか?』

 

『わかってるわ…大丈夫。お願い』

 

『覚悟の上って事だな。分かったよ』

 

「もう、これどうなってるのよ」

 

 アンブリッジは再び銃口を覗き込み、その際に引き金に手を掛ける。

 

「ぎゃん!」

 

 次の瞬間、アンブリッジは自らの手によって放たれた弾丸により、頭部に弾丸が着弾すると、悲鳴を上げ、その場に倒れ込み、周囲に血が流れる。

 

「これ…これって…」

 

「生命反応確認。まだ生きています」

 

 縄を引き千切り、私とデルフィはハーマイオニーに近寄る。

 

「私…」

 

「最良の選択です」

 

「ドローレス・アンブリッジの処分は医師に任せましょう」

 

 数分後。人混みを掻き分け、マダム・ポンフリーが現場に到着する。

 

「これは…一体何があったのです」

 

「ドローレス・アンブリッジが自ら頭部を銃で撃ち抜きました」

 

「え? 自殺? まったく…面倒な事を…」

 

「まだ生きています」

 

「そうですか、それはざん…良い事です」

 

「周囲の生徒や教員も状況を見ている筈です」

 

「わかりました、とにかくコレを医務室へ運びます」

 

 数名の教師に持ち上げられ、アンブリッジは医務室へと移送された。

 

『まぁ、良い判断だったさ。どうだい、初体験を済ませた感想は?』

 

『変な聞き方ね…でも何か、複雑な気持ちだわ』

 

『これから、もっと人が死ぬさ。覚悟しときな』

 

『なんか嫌になっちゃうわ』

 

 

  野次馬がアンブリッジの移送を見物している間に私達はハリーとロンの拘束を解除する。

 

「一時はどうなるかと思ったよ…」

 

「ハリー、何があったんだ?」

 

「セドリック」

 

 周囲に人が残る中、セドリックを始めとした、DAのメンバーが集結する。

 

「実は…」

 

 ハリーが状況を説明する。

 

「なるほど、つまり神秘部に行かなきゃいけないんだな」

 

「そうだよ…でも、暖炉が塞がれていたんだ。どうやって行こうか…」

 

 ハリーは頭を抱え、周囲のメンバーも頭を抱える。

 

「あっ、そうだ」

 

 ロンが思い立ったように口を開く。

 

「君達さ、車持ってたじゃん。あれで行こうよ」

 

「車?」

 

 ロンの提案に複数人が疑問の声を上げる。

 

「そう、あれなら簡単に行けるんじゃない? 空は飛べないけど」

 

「移動自体は可能ですが、乗車人数に問題があり、全員で移動する事はできません」

 

「そうか、ならメンバーを決めなきゃな…」

 

 ハリーはDAのメンバーの前に立ち、選定を始める。

 

「さて、僕達は確定として…希望者は他に居るかな?」

 

 複数人のメンバーが手を上げる。

 

 その中にはセドリックの姿もあった。

 

「一緒に行かせてくれ」

 

「却下します」

 

「え?」

 

 私の回答に対し、ハリーが声を上げる。

 

「なんでさ? セドリックが来てくれた方が心強いじゃないか」

 

「彼は現在、療養中であり、足手纏いになる可能性があります」

 

「でも…」

 

「彼女の言う通りだ」

 

「セドリック…」

 

「今の状態で行ったら足手纏いになるかも知れない。陰ながら無事を祈っているよ」

 

「わかったよ。じゃあメンバーは後で正門前に集合で」

 

「わかったよ」

 

 ハリーとロンは走り出し、ほかのメンバーも正門へと移動した。

 

「我々も移動を開始しましょう」

 

「そうね、でもその前にタブレットを取ってくるわ」

 

「了解」

 

 ハーマイオニーは小走りで自室へと移動を開始した。




アンブリッジ先生は病院送りになりました。


生きてるだけありがたいと思え。
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