ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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ロンは精神崩壊しています


強奪

 

   数週間の時が流れる。

 

 その間も、ヴォルデモート率いる死喰い人陣営と、ダンブルドア率いる不死鳥の騎士団は睨み合いの状況が続いている。

 

 各地で、小規模な衝突はあるものの、大規模な戦闘は行われていない。

 

 理由は不明だが死喰い人はオービタルフレームの出撃を控えている様だ。

 

 恐らく、維持コストが予想以上に掛かっている為、極力コストの掛からない人力を利用している物だと推測される。

 

「平和…ねぇ…」

 

 私達はハーマイオニーと共に、マグル界であるイギリス郊外へと買い物へと出ている。

 

 魔法界とは違い、マグル界では通常と変わらない世界が流れている。

 

 ハーマイオニーと共に近くの喫茶店で休憩をしている。

 

『まぁ、両陣営とも、どう手を出せば良いか分かっていないんだろう』

 

『その分、何かを切っ掛けに急に激化しそうで怖いわ』

 

『可能性としては十分考えられます』

 

『嫌になるわね…』

 

 ハーマイオニーは紅茶を選びながら溜息を吐く。

 

 その時、町の一部で爆破音が響く。

 

「なに!」

 

「2ブロック程離れた場所で、爆発があったようです」

 

「事故かしら?」

 

「魔力の反応確認」

 

「それって…行きましょう!」

 

 小銭をテーブルの上置くと、ハーマイオニーは店の外へと出る。

 

 私達も後を追う。

 

 爆発があった地点は、拳銃などを取り扱う店舗だった。

 

 店外で店主と思われる男性が、倒れ込んでおり、複数の人間による救助活動が行われていた。

 

「なんで…この店が?」

 

「恐らく、銃や弾薬の強奪が目的かと思われます」

 

「まさか…」

 

 その時、レーダーに逃亡する複数人の反応を検知する。

 

『逃亡者と思われる反応を検知しました』

 

『同時に魔力反応を検知。魔法使いと思われます』

 

『まさか…死喰い人?』

 

『不死鳥の騎士団かも知れないね』

 

『追いかけましょう! これ以上被害が出たら危ないわ!』

 

『了解』

 

 私達は、人混みを抜け、逃亡犯の追跡を介する。

 

  しばらく、追跡を行うと、逃亡犯は廃屋へと逃げ込む。

 

「ここです」

 

「こんな所に…」

 

「偵察を行います」

 

 ステルス仕様のドローンを廃屋の窓から侵入させ内部の状況をホログラム化し投影する。

 

「居たわ!」

 

「おっと…こいつらは」

 

「まさか…」

 

 そこには、ロンを始めとした複数名のグリフィンドール生が銃と弾薬を手に歓喜の表情を浮かべていた。

 

「何か話しているわね…」

 

「音声データを回収します」

 

『やっぱりマグルはちょろいな』

 

『あぁ、でも変だよな。ダンブルドアは何で銃と弾薬を確保しろなんて言ったんだろう?』

 

『なんか、義手になってから性格が変わったというか…まぁ、ダンブルドアの事さ何か考えがあるんだろう』

 

『さて、一息入れたらもう一件行くぞ!』

 

『ロン。今日はこれくらいの方が良いんじゃ…』

 

『何言っているんだ。指揮官は僕だぞ。僕の言う通りにするんだよ』

 

『分隊長だろ…はぁ…本部を出てから今日で3日目だぞ。そろそろ疲れたよ』

 

『まだまだ、3日目さ。もっと武器を集めなきゃ!』

 

 ロンの発言により、その場の全員が溜息を吐く。

 

「なんですって!」

 

「こりゃ…本格的にヤバいな」

 

「マクゴナガル先生に連絡するわ!」

 

 私達はマクゴナガルへと通信を繋ぐ。

 

『先生! 大変です!』

 

『どうしたのですか?』

 

『実は…』

 

 ハーマイオニーが現状を説明する。

 

 

『なんですって! それじゃあ、ロン・ウィーズリーの任務と言うのは…』

 

『多分、武器の回収だと思います…』

 

『確かに校長は…先日ロン・ウィーズリーに任務を言い渡していました…それに…指揮官にも任命していました…』

 

『そんな…不死鳥の騎士団はどうするつもりですか?』

 

『分かりません…ですが、もし可能ならば、彼等を止めてください!』

 

『出来るかしら?』

 

『お望みとあらば』

 

『どの程度にしますか?』

 

『命までは…奪わないでください。引き返させてください』

 

『善処します』

 

『彼等を…頼みます』

 

 マクゴナガルからの依頼を受託する。

 

「どうするの?」

 

「これより、廃屋内部に突入します」

 

「突入後はエイダのゲイザーにより全員を無力化します」

 

「わかったわ…私…後で話をしてもいいかしら?」

 

「危険です」

 

「分かっているわ…それでも…なんでこんな事をしたのか、話を聞きたいの…」

 

「了解」

 

「まったく、君達は甘いな…しょうがない。シールドは何時でも展開できるようにしておこう」

 

「ありがとう…」

 

「では、突入を開始します」

 

 デルフィはウアスロッドを正面に構える。

 

「突貫します」

 

 ブースターの出力を上げ、突進力により、廃屋の壁を貫く。

 

「うぉあぁ!!」

 

「なんだ!」

 

「まさか…」

 

「ゲイザー投擲」

 

 土煙が上がる中、私は突入し、複数のゲイザーを投擲する。

 

「うぅ!」

 

 ゲイザーはその場の全員に命中し、その動きを止める。

 

「拘束します」

 

 付近の建築用のロープで全員の腕を後ろ手に縛り上げる。

 

「拘束完了」

 

「相変わらず…見事な手際ね…」

 

 背後からハーマイオニーが顔を出す。

 

「話は出来るかしら?」

 

「お待ちください」

 

 デルフィはロンの肩を持ち軽く揺する。

 

「うぉ!」

 

 ロンが目を覚まし周囲を見回す。

 

「あれ…なんで…どうなっているんだ…え? ハーマイオニー?」

 

「ねぇ…ロン。どういう事か説明して貰えるかしら?」

 

「あぁあ…ハーマイオニー! 僕に会いに来てくれたんだね!」

 

 ロンは這いずりながらハーマイオニーに接近する。

 

「ヒッ!」

 

 その異様な光景にハーマイオニーは数歩後退る。

 

「どうして…どうして僕から逃げるの…」

 

「ロン…貴方…何か変よ…どうしたのよ…」

 

「あぁ…そう言う事か…やっぱりまだあいつに操られているんだね…」

 

 ロンは呟きながら、上半身を持ち上げる。

 

「え…何を言っているの…」

 

「ダンブルドアの言っていた通りだ…」

 

「ロン! 一体ダンブルドアに何を吹き込まれたのよ?」

 

「吹き込まれた? それは違うね。吹き込まれたのは君の方だろ?」

 

「え? 私?」

 

「そうさ、ヴォルデモート! あぁ! 今の僕なら恐れなんかなく言えるさ! 君はヴォルデモートに騙されているんだ! まだ気付かないのか!」

 

「ロン…」

 

「これも、あの老害のせいだろう。哀れだな」

 

 トムの声が周囲に響く。

 

「この声は! 貴様! ダンブルドアの事を悪く言うな! 出て来い! 卑怯者!」

 

「ハァ…もう良いわ…これ以上…貴方を見たくないわ」

 

 ハーマイオニーは杖を振り、ロンを縛っているロープを解く。

 

「縄は解いたから、皆を連れて帰ってちょうだい」

 

 ハーマイオニーはロンに背を向け外へと歩き出す。

 

「待ってよ!」

 

 ロンが声を掛けるが、ハーマイオニーは振り返らない。

 

「そんな…ハーマイオニー…君まで…僕を…くそぉ!」

 

 ロンは逆上したようで杖を振り上げる。

 

「まだ…操られているんだな…いいさ…なら! インペリオ!」

 

 ロンが杖を振ると、服従の呪文がハーマイオニーの背後迫る。

 

「はぁ…」

 

 ハーマイオニーはその場で溜息を吐き、服従の呪文はトムのシールドにより無力化される。

 

「無駄な事を…」

 

「え?」

 

「さようなら…ロン」

 

 ハーマイオニーは軽く杖を振ると、赤い閃光がロンに迫る。

 

 赤い閃光が直撃したロンは、その場で倒れ込み、気を失う。

 

「帰りましょう」

 

「了解」

 

 私達は、彼等が強奪した武器を回収後、自宅へと帰還した。

 

 

 「くそっ!」

 

 ロンが悪態を付きながら不死鳥の騎士団本部のロビーへと入室する。

 

「ロン。どうしたんだよ? 3日間も留守にして」

 

「あぁ、ハリーか。ちょっと、ダンブルドアからの指令でね…」

 

「そ、そうかい。何かあったの?」

 

 ハリーが聞くと、ロンは不機嫌そうな表情をする。

 

「あいつ等が…邪魔をしたんだ」

 

「あいつ等?」

 

 ハリーは首を傾げる。

 

「あいつ等だよ!」

 

 突如として声を荒らげたロンは、ハリーの襟を掴む。

 

「ちょ…ロン!」

 

「裏切り者のイーグリット姉妹さ! それにヴォルデモートとハーマイオニーまで居たんだ…」

 

 ロンはその場で崩れ落ちる。

 

「あぁ…ハーマイオニー…なんで…ヴォルデモートなんかに操られて…」

 

「ロン…」

 

 ハリーはロンを見下ろす。

 

「ロンよ。落ち込むでないぞ」

 

「ダンブルドア…先生…」

 

 ダンブルドアはロンの側に寄り添うと、その肩に手を置く。

 

「今はまだ、ヴォルデモートの力が強い…しかし、お主の愛の力はそれをも超えるじゃろう」

 

「先生!!」

 

「その為にも、今は戦力を付けるのじゃ。それが彼女を取り戻す事にも繋がるのじゃろう」

 

「はい!」

 

 ロンは意気揚々と立ち上がると、自室へと戻って行った。

 

「せ、先生…」

 

「あれで良いのじゃよ。ロンにはいずれ、参謀として頑張ってもらう必要があるのでな」

 

 ダンブルドアは不敵な笑みを浮かべると、顎髭を撫でる。

 

 

 

「失礼します」

 

 その時、スネイプがロビーに入室する。

 

「ご報告があります」

 

「なんじゃ?」

 

「分霊箱、ヘルガ・ハッフルパフのカップの所在が判明しました」

 

「ほぉ。して、場所は?」

 

「闇の帝王はベラトリックス・レストレンジに預けたそうです。場所はグリンゴッツ。ベラトリックス・レストレンジの個人金庫かと」

 

「なるほど…」

 

 ダンブルドアは数回顎髭を撫でると、スネイプに指示を出す。

 

「不死鳥の騎士団の主要メンバーを集結させよ。作戦会議じゃ」

 

「かしこまりました」

 

 スネイプは一礼すると、その場を後にした。

 

「さて…皆集まったな」

 

 教師陣を始めとした、不死鳥の騎士団の初期メンバーが円卓に集結する。

 

「セブルスの偵察により、ヴォルデモートの分霊箱の場所が分かった。セブルス」

 

「はい。場所は、グリンゴッツ。ベラトリックス・レストレンジの金庫」

 

「なんだと!」

 

 シリウスはその場で立ち上がり、声を荒らげる。

 

「落ち着くのじゃ、シリウス。グリンゴッツにあるとはいえ、我々はどうにかして分霊箱を回収し、破壊しなければならない」

 

「それはそうだが…相手はグリンゴッツだぞ。魔法界一安全な場所だ。どうする?」

 

 ムーディがダンブルドアに問いかける。

 

「そうじゃのぉ…手は…無い事は無いはずじゃ」

 

「しかし、どうする」

 

「私が…私が行こう」

 

 シリウスが手を上げる。

 

「シリウスよ。どうするつもりじゃ?」

 

「私と…ベラトリックス・レストレンジは従兄妹だ。従兄妹ならば、グリンゴッツでも入れてくれるのではないだろうか?」

 

「いや…流石にそれは難しいんじゃないか?」

 

 シリウスの発言をルーピンが諭す。

 

「うぅ…いい手だと思ったのだが」

 

「こうなれば仕方あるまい」

 

 ダンブルドアは咳払いをし、全員の視線を集める。

 

「小鬼に服従の呪文を掛けるのじゃ」

 

「しかし、その呪文は──」

 

「禁止呪文…じゃろ。しかし、魔法省が無くなった今、そんな事はどうでも良いじゃろう」

 

 ダンブルドアは手元の紅茶を啜る。

 

「作戦は決まった。後は誰が行くかだが…」

 

 ダンブルドアは周囲を見渡す。

 

「僕が行きます」

 

「ハリー!」

 

 その時、ハリーが扉を開け入室する。

 

「ハリーよ。今は会議中じゃ。勝手に入るでない」

 

「すいません。でも、僕も何かしたくて」

 

「しかし、ハリーが居ては…」

 

「私が、私が行こう」

 

 シリウスが杖を掲げる。

 

「シリウス…」

 

「私が、ハリーを守りながらグリンゴッツへ行く」

 

「じゃがのぉ」

 

「ベラトリックス・レストレンジの事だ。罠や、偽物のカップを用意して居るかもしれない。ハリーならその中から分霊箱を見つける事が出来るはずだ」

 

「確かにのぉ」

 

 ダンブルドアは顎髭を撫でる。

 

「そう言う事なら、私も行こう」

 

 ルーピンも杖を掲げる。

 

「シリウス、君1人じゃ大変だろう」

 

「助かる」

 

「良し、メンバーは決まりじゃ」

 

 ダンブルドアは席を立つ。

 

「日時に関しては君達に一任する。何があろうと、ハリーを護り。必ず分霊箱を回収、もしくは破壊するのじゃぞ」

 

「はい」

 

 シリウスとルーピンは一礼し、ダンブルドアは退室した。

 

 

「しかし…どうしたものか…」

 

 シリウスは廊下を歩きながら溜息を吐く。

 

「相手はあのグリンゴッツだ…警備は厳重だろう」

 

「忍び込むのは不可能か…それこそ、アズカバン以上の警備だな」

 

「それ、自虐かい?」

 

「ハハハッ…はぁ…」

 

 2人はほぼ同時に溜息を吐き項垂れる。

 

「そうだ」

 

 ルーピンが思いついたように顔を上げる。

 

 

「ん? どうした?」

 

「彼女達に協力を仰ごう」

 

「彼女達? あぁ…だが、ダンブルドアが知ったら何を言うか…」

 

「しかし、それ以外に手は無いだろ?」

 

「まぁ、そうだな」

 

「連絡方法は確か…」

 

「マクゴナガル先生だな」

 

「よし」

 

 2人はマクゴナガルの自室へと足を向けた。

 




当時のイギリスにガンショップがあるのかどうか調べたのですが分からなかったので、この作中では有るという事にしました。

ここで、次回作の候補に挙がったクロス先と断念理由を少し紹介します。

ゼロの使い魔。

2人が使い魔になったら、世界が終わってしまうので。

フェイトシリーズ

型月警察が飛んできそうで怖かった。



他の作品についてはまた今度。
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