ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

92 / 101
タイトル回収です。

今回でこの作品も――…が…

おっと、ジャ…ングが――


終末の魔法使い

  クィディッチ会場に向かうまでの道中、複数名の死喰い人の死体が転がっていた。

 

 恐らくダンブルドアによって、無力化されたのだろう。

 

 

 クィディッチ会場の中心。

 磔状態のイドロへと接近する。

 

 すると、コックピットが開き、内部から傷だらけのヴォルデモートと大蛇の死骸が転がり出て来る。

 

「お…おのれぇ…」

 

「勝負あったなぁ。トムよ」

 

 ダンブルドアが倒れているヴォルデモートに歩み寄ると、杖を突き付ける。

 

「ぐぉ…く、くそぉ…」

 

 ヴォルデモートは苦虫を噛み潰したような表情をしている。

 

 対するダンブルドアは何処か悲しそうな表情をしていた。

 

 その時、コックピットから大蛇が飛び出し、ダンブルドアに襲い掛かる。

 

「邪魔じゃ」

 

 襲い掛かった大蛇を右手で掴む。

 

 その時、ダンブルドアの体に、緑のエネルギーラインが走る。

 

「消えよ」

 

 大蛇の口に杖を差し込むと、緑の閃光が走り、大蛇が灰のようになる。

 

「ぐおぉおおぉぉおおぉお!!」

 

 大蛇が消失すると同時に、ヴォルデモートは再び苦しみだす。

 

「ハリーよ。こっちへ来るのじゃ」

 

「は、はい…」

 

 ハリーがダンブルドアの横へと歩み寄る。

 

「見よ。これが闇の帝王じゃ…なんとも不憫な物じゃな」

 

 呻き声を上げるヴォルデモートを2人は見据える。

 

「ごほっ」

 

 ヴォルデモートがせき込み、吐血する。

 

「さて、そろそろ楽にしてやろう…」

 

 ダンブルドアは杖を掲げる。

 

「ハリーよ。最期の瞬間じゃ」

 

「はい…」

 

 ダンブルドアは数歩後退ると、杖を構える。

 

「さらばじゃ」

 

 ダンブルドアの杖先から緑の閃光が迸る。

 

「…ハリー・ポッターよ」

 

「え?」

 

 その閃光はハリーを貫いた。

 

 緑の閃光がハリーの胸部を貫くと、その場で崩れ落ちる。

 

「ぐおぉおおぉぉおおぉお! あぁぁぁあああ!」

 

 ハリーが崩れると同時にヴォルデモートはさらに苦しみ、もがく。

 

「トムよ…お主は多くを間違えた」

 

「ハァ…あぁ…グッ…あ」

 

「お主が世界を支配しようなど大きな間違いだ…」

 

 ダンブルドアが三度杖を振ると、ヴォルデモートの体が燃え上がる。

 

「この世を支配するのは…お主ではない」

 

 ダンブルドアは首を横に振る。

 

「このワシじゃよ…」

 

 数秒後にはヴォルデモートの動きが止まる。

 

 そして、生命活動が完全に停止する。

 

「どうして! ハリーを!」

 

 ハーマイオニーが声を荒らげる。

 

 私達は倒れたハリーに駆け寄る。

 

「心肺機能の停止を確認」

 

「ナノマシン注入。延命措置に移ります」

 

 ナノマシンの循環により、血流を一時的に確保する。

 

 しかし、延命処置に過ぎず、完全に治療するには、大規模な設備が必要となる。

 

 ヴォルデモートの体は、体内のメタトロン鉱石を残し、総てが灰と化す。

 

 ダンブルドアが灰からメタトロン鉱石を回収する。

 

「ハリーは分霊箱なのじゃよ」

 

「分霊箱?」

 

「そうじゃ…トム・リドル…いやヴォルデモートのな…」

 

「それって…」

 

 ダンブルドアは手にしたメタトロン鉱石を口にすると、そのまま飲み込む。

 

 次の瞬間、ダンブルドアの全身に赤と緑のエネルギーラインが幾重にも走る。

 

「ハリーが生きている限り、ヴォルデモートを殺す事は出来ん…これは最初から決められていたことなのじゃ」

 

 ダンブルドアが杖をこちらに向ける。

 

「次は、お主じゃよ。さぁ、ハーマイオニー。トム・リドルを渡すのじゃ。お主が持っているそれが本体なのは分かっておる」

 

 ハーマイオニーはタブレット端末を抱きかかえると庇う様に身構える。

 

「嫌よ! それにトムは分霊箱じゃないわ!」

 

「既に、闇の帝王は敗れた。そんな事は分かっている」

 

「じゃあ! なんで!」

 

「トム・リドルの思考が残る。それは再び闇の帝王を復活させかねん」

 

「横暴だわ!」

 

「僕にそんなつもりは無いんだがね」

 

「お主にそのつもりがあろうが無かろうが関係ない」

 

 ダンブルドアが杖を振り上げる。

 

  その時、声が響き渡る。

 

「セクタムセンプラッ!!」

 

「なにぃ!」

 

 飛んできた魔法はダンブルドアの左腕を切り飛ばす。

 

「ちぃ! 裏切るのか! セブルス!」

 

 舌打ちをしたダンブルドアは切り飛ばされた左腕を回収する。

 

「ポッターだけでは無く、グレンジャーまで手にかける御つもりかな? 校長」

 

「手にかけるなど、人聞きの悪い。ワシは世界を救うのじゃよ」

 

 回収した左腕を、切断面に押し当て、傷を修復する。

 

 吸収したメタトロンにより、右腕だけではなくダンブルドアの全身がSSA化したのだろう。

 

「ワシは、闇の帝王から、世界を守り、世界を正しい方向へと導く。その為にハリーの犠牲が必要じゃったのだ」

 

「じゃ…じゃあ! ハリーがホグワーツに来たのは!」

 

「そうじゃ…ワシが見守って──」

 

「見守っていた? ふざけるな。ただ家畜のように、殺す為に手元に置いていただけだろう…」

 

 杖を構えたスネイプがダンブルドアの言葉を遮る。

 

「セブルス…お主も分かっておったはずじゃ。これしか方法が無いのじゃよ」

 

「だとしても! それはあまりにも…」

 

「あまりにもなんじゃ? まさか情が湧いたわけではあるまいな? はぁ…セブルス…闇の帝王を倒す。これは、皆の願いじゃ。その為には必要な犠牲じゃ。闇の帝王を倒す事でリリ──―」

 

「五月蠅い!」

 

 スネイプがダンブルドアに向け魔法を放つが、ダンブルドアは杖を振らず右手で弾く。

 

「やめるのじゃ。お主ではワシには勝てぬ」

 

「何処かで信じていた…きっとあなたならば、闇の帝王だけを倒す方法を見つけるのではないかと…だが…」

 

「それは見当違いじゃ。お主は信頼するべき相手を間違えたのじゃよ。あの子の両親…特に、あの母親のようにな」

 

「ふざけるな!」

 

 スネイプは続け様に魔法を連射するが、全てダンブルドアによって弾かれる。

 

「もう良い…」

 

 ダンブルドアが杖を振ると、スネイプの体が自然発火を起す。

 

「あぁ! あぁあっあああ!!!」

 

 奇声を上げ、スネイプは炎を振り払うが、面積は次第に大きくなる。

 

「消火開始」

 

 霧状の水をスネイプに向け噴射する。

 

 しかし、炎の勢い収まらない。

 

「さらばじゃ、セブルス…」

 

 ダンブルドアは振り向かず、その場を離れ、イドロへと接近する。

 

 私は燃え上がるスネイプに接近し呼吸装置を装着させる。

 

「空間圧縮開始」

 

 デルフィがスネイプの周辺から酸素をベクタートラップで圧縮し、無酸素状態にする。

 

 それにより、炎は一瞬で鎮火する。

 

「応急処置開始」

 

 既に、全身に火傷が広がっており、皮下組織にまで影響が出ている。

 

 その為か、スネイプは浅い呼吸で瀕死状態だ。

 

 医療用ナノマシンを注入し、治癒力を高める。

 

 それと同時に、ベクタートラップを開放し、ミスト状の無菌生理食塩水を掛け、冷却する。

 

「大丈夫なの?」

 

「応急処置は終了しましたが危険な状態です」

 

  その時、大規模な駆動音が周囲に響く。

 

「なに!」

 

 ハーマイオニーが驚愕する。

 

 すると、磔状態であったイドロにエネルギーラインが走る。

 

「フハハハハハ!! 素晴らしい! 力が湧き上がる!」

 

 ダンブルドアの声がイドロから拡声される。

 

「まさか…」

 

「ダンブルドアか! あいつが乗っているのか!」

 

 イドロは右腕で、貫かれているウアスロッドを引き抜くと、浮上する。

 

「これは返すとしようかのぉ」

 

 ダンブルドアの声が響くと、フラッグポールがこちらに投擲される。

 

「ベクタートラップ開放」

 

 デルフィが迫り来るフラッグポールを弾き飛ばす。

 

 イドロは上空へと浮上する。

 

「全ての魔法使いよ! 聞くのじゃ!」

 

 イドロから拡声されたダンブルドアの声が響く。

 

「闇の帝王、ヴォルデモートは敗れた! そしてこのワシが勝った!! しかし勝利には犠牲が付きものじゃ…ハリーと言う尊い犠牲があったがな…無駄な争いは止めるのじゃ!」

 

 ダンブルドアの声が響き渡り、各所の戦闘反応が消える。

 

「そうじゃ、これ以上無駄な争いは止めるのじゃ! ワシ達は皆魔法使いじゃ! そこに純血も混血も穢れた血も無い!」

 

 その場の全員の視線がイドロに集まる。

 

「ヴォルデモートが純血に拘るのも分かる。しかし! ワシ達は皆、魔法と言う人知を超えた力を持っている! それは、マグルには無い力じゃ!」

 

 全員がクィディッチ会場に集まり、イドロを見上げる。

 

「ハリー!」

 

「スネイプ先生!」

 

 マクゴナガル達が合流すると、ハリーとスネイプに駆け寄る。

 

「一体誰がこんな事を…」

 

「ダンブルドアだ…」

 

「なんですって!」

 

 3人は驚愕の表情を見せる。

 

「ワシはずっと思って居た。なぜ魔法も使えぬマグルがこの世の大半を支配しているのか…本当にこの世に君臨するのはマグルでは無く、魔法使いという選ばれた人種なのではないのかと!」

 

 イドロのエネルギーラインが過剰に走り、背後の翼状推進器が自己修復し、周囲に羽が飛び散る。

 

「本来! 魔法使いであり、力を持っているワシ等魔法使いが世界を支配しなければならない!! ならば! 魔法使いは全員で協力し! マグル共を支配し! ワシの理想である! 魔法使いによる魔法使いの為の世界を作ろうではないか!!」

 

 周囲から歓声が上がる。

 

「何を…言っているの…」

 

「まさか…あの老害…本気で言っているのか…」

 

「無論、ワシの意見に賛同せん者も居るだろう…中には力を持って邪魔をするかもしれん…しかし!」

 

 イドロが武装を展開する。

 

「ワシには! この! 最高の! 終末をも告げるであろう力がある!」

 

 魔法使いの歓声が周囲に木霊する。

 

 そして、イドロの下にダンブルドアの魔法によって線が引かれる。

 

「さぁ! 皆の衆! 恐れる事は無い! ワシと共に世界を作り変えよう! 賛同する者は一線を越えよ! そして! イドロの下へと! このワシ! アルバス・パーシバル・ウルフリ(終末の)ック・ブライアン・ダンブルドア(魔法使い)の下へと集うが良い!!」

 

 続々と死喰い人、闇払い、ホグワーツ生、人種や所属を超えイドロの下へと集う。

 

「こんなの…間違っている!」

 

「あぁ、大間違いだ…だが…ダンブルドアの甘い言葉に騙されているんだろう…」

 

「皆! 戻りなさい!」

 

 マクゴナガルが声を荒らげるが、聞く耳を持つものはない。

 

 数分後には、一線を越えなかったものは、私、デルフィ、ハーマイオニー、マクゴナガル、シリウス、ルーピン他複数名の負傷者と昏睡状態のハリーとスネイプだけとなった。

 

「ほぉ…ミネルバよ。お主は来ないのか?」

 

「貴方の考えは間違っています! そんな…マグルを支配だなんて…」

 

「ふぅ…お主は…まったく…度し難いほど愚かじゃ…」

 

 ダンブルドアのため息が響く。

 

「もうよい…さて、そろそろ締め切るとするかのぉ」

 

 イドロが武装を展開する。

 

「ハーマイオニー! こっちへ来るんだ!」

 

 ロンが一線の向こう側で手を差し出す。

 

「ロン…貴方も…ダンブルドアと同じ考えなの?」

 

「僕には難しい事は分からないけど、ダンブルドアに間違いがあるはずないだろう?」

 

「ロン…」

 

 ハーマイオニーは一息入れ、ロンに背を向ける。

 

「ハーマイオニー!」

 

「悪いけど、貴方と共にはいけないわ」

 

「ハーマイオニー!」

 

 ロンの悲痛な声が響く。

 

「さて、時間切れじゃ」

 

 イドロの指先からネイルガンが連射される。

 

「「シールド広域展開」」

 

 私達はシールドを広域に展開し、負傷者を防御する。

 

「ほぉ…防ぐか…」

 

 ネイルガンを撃ち止めたイドロから声が響く。

 

「武装展開」

 

 私達は武装を展開し、イドロと向かい合う

 

「さて、ここで全員止めを刺してやっても良いんじゃがな…それはちと骨が折れるな…」

 

 イドロが腕を組む。

 

 恐らく内部でダンブルドアが腕を組んでいるのだろう。

 

「そうじゃ、一つ提案してやろう」

 

「提案だと…」

 

「そうじゃ、このままお主達が大人しく引きさがるというならば、見逃してやろう。さっさと負傷者(お荷物)を連れて出て行け。特別に1回だけ姿現しをできる様にしてやろう。一方通行じゃぞ」

 

 腕組みを解除した後、イドロは顎の下に手をやる。一線の向こう側で全員が杖を構える。

 

「くそっ!」

 

 シリウスが悪態を付き杖を取り出す。

 

「おやめなさい!」

 

 そんなシリウスをマクゴナガルが諭す。

 

「ここは…退きましょう…」

 

「しかし! このままダンブルドアを放置したら…」

 

「そうです! エイダとデルフィなら、きっと負けません!」

 

 ハーマイオニーが力説する。

 

「ですが! ですが…こちらには負傷者が多数います…この場で戦闘を行えば負傷者の命が危険です」

 

「そ…それは…」

 

 ハーマイオニーが俯く。

 

「さて、答えは出たかのぉ。ワシは暇ではないのじゃ」

 

 ダンブルドアの声が響き渡る。

 

 それに乗じ、一線の向こう側でヤジが飛ぶ。

 

「一時撤退を推奨します」

 

「わかりました…」

 

 マクゴナガルが声を上げる。

 

「負傷者を連れ、ここは退きます」

 

「ほぉ、そうか。逃げるか。ならば追わぬよ」

 

 マクゴナガルが負傷したハリーとスネイプを魔法で浮かべ撤退行動へと移る。

 

 それに倣う様に、負傷者も互いに支え合い撤退を開始する。

 

 私達は、武装を解除せず、敵部隊の攻撃に備える。

 

「そう警戒するでない。ワシは約束を守るぞ」

 

「わかりました…さぁ、私に掴まってください」

 

 そう言うと、マクゴナガルが私達の手を掴む。

 

 すると、空間が湾曲し、姿現しを行う。

 

  姿現しによって、移動した先は、元不死鳥の騎士団本部でもある、ブラック邸だった。

 

「ふぅ…負傷者の治療を急いでください」

 

 マクゴナガルはハリーとスネイプの体をソファーに横たえると、マダムポンフリーが杖を取り出し治療を開始する。

 

「どうです?」

 

「2人ともなぜ生きているのかが不思議な状況です…特にハリーの方は心臓が完全に機能していません」

 

 マダムポンフリーが首を横に振る。

 

「応急処置は貴方達が?」

 

「はい」

 

「現在はナノマシンによって生命維持を行っていますが、あくまでも対症療法なので根本的な治療では有りません」

 

「私の魔法ではどうする事も…完治させる方法は無いのですか?」

 

「現在の設備では2人とも完治させることは不可能です」

 

「そうですか…」

 

 マダムポンフリーは溜息を吐くと、他の負傷者の治療へと移った。

 




こうして、ダンブルドアにより魔法界は統治され、その統治はマグル界にまで及び、ダンブルドアにより、世界が征服されました。

めでたしめでたし。















さて、冗談はさておき、ここからが後半戦です。

老害にはお仕置きが必要ですね。

まぁ、ダンブルドアがハリーを殺すのはこの作品はあまり無いとは思います。

やりすぎたかな?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。