ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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今回は、ハリーポッターシリーズで一番人気のキャラクターが出てきます!

え?
誰だか分からない?

既に1度出てきた人ですよ。


マグル式

   ホグワーツから撤退し数十日後には、マダムポンフリーと他数名により、負傷者の治療が終わる。

 

 治療が終了し、身動きが出来るようになった負傷者達は、そのままブラック邸に残る者、自宅へ帰るもの、そして。

 

 ダンブルドアの傘下に入る者も居た。

 

「本当に、行くのか?」

 

「あぁ」

 

 体が動ける程度に負傷が回復したアーサーがシリウスと話している。

 

「ロンが…息子達が…居るんだ」

 

「モリー…君も行くのか?」

 

「えぇ」

 

「気を付けてな…」

 

「あぁ」

 

 モリーとアーサーは互いに寄り添いながらブラック邸を後にした。

 

 

 

  数週間後、圧倒的な戦力差と物量によりダンブルドア率いる不死鳥の騎士団はイギリス魔法界を完全に制圧した。

 

 その間に、私達はブラック邸の周辺にいくつかの自衛兵器と、防衛装置の構築を行う。

 

 1か月後、ベッドの上で昏睡状態だったスネイプが目を覚ます。

 

 しかし、全身火傷の影響か声は擦れ、左足を失い、その他の手足も動かす事が出来ず、ベットで寝たきり状態だ。

 

「スネイプ。気が付いたか?」

 

「大丈夫か?」

 

 ルーピンとシリウスがスネイプに駆け寄る。

 

「あ…あ…あ」

 

 スネイプは酸素マスクの中で擦れた声を上げる。

 

「よかった…」

 

 ルーピンはスネイプの肩に手を置き、隣のベッドへと視線を向ける。

 

 そこには依然として目を覚まさないハリーがベッドの上で人工呼吸器に繋がれていた。

 

「ハリーは未だに目を覚まさないのか…」

 

「心臓が完全に破壊されています」

 

「現状は、ナノマシンの循環機能によって血流を確保しています」

 

「治療は出来ないのか?」

 

「死の呪いの影響で…ダメです…スネイプ先生も…」

 

 マダムポンフリーは悲し気に首を横にする。

 

「現状1つだけ手段があります」

 

「それは一体!」

 

 全員の視線が集まる。

 

「心臓移植です」

 

「心臓…」

 

「移植?」

 

 聞き慣れない言葉に、魔法界出身者は首を傾げる。

 

「どう言う事だ?」

 

 シリウスが問いかける。

 

「言葉の通り、誰かの心臓をハリーに移植するって言う事です」

 

 ハーマイオニーの回答に、数名が後退る。

 

「そんな…じゃあ、心臓を取られた人は…」

 

「死亡します」

 

「一般的には脳死状態の人間をドナーとします」

 

「しかし…そんな人物は…」

 

「私の、私の心臓を使ってくれ!」

 

 シリウスが名乗りを上げる。

 

「しかし、シリウス…それでは君が…」

 

「ハリーが無事ならば、私はどうなっても良い! だから!」

 

「ま、待て…」

 

 シリウスの声を遮る様に、スネイプの掠れた声が響き渡る。

 

「吾輩の…心臓を使え…」

 

「だが!」

 

「自分の体…事はよく…分かる…そう…長く…無い…筈…だろ」

 

 酸素マスクを外し、掠れた声を紡ぐ。

 

「だが…」

 

「私は…リリーを…救えなかった…」

 

「え?」

 

「せめて…子供をと…たく…された…しかし、助ける事が出来なかった…」

 

 スネイプはさらに呟きを続ける。

 

「ならば…吾輩の…命に代えても…」

 

「待て!」

 

 シリウスが声を荒らげる。

 

「私だって、ジェームズにハリーを託されたようなものだ! 本来ならば、私が護ってやらねばならないのだ!」

 

「ならば! 護れ……!」

 

 スネイプが掠れた声を荒らげる。

 

「なに…」

 

「吾輩…はもう、長くは無いだろう…もし、無事ならば…貴様がポッターを護り…続けろ…」

 

「スネイプ…」

 

 シリウスが数歩後退る。

 

「お待ちください」

 

「一人、候補となる人物がいます」

 

 私達に視線が集まる。

 

「候補? 誰だそれは?」

 

「脳死した人? あっ…まさか…」

 

「嫌な予感がするんだが…アイツじゃ無いだろうな…」

 

「アイツ?」

 

 聞き返したシリウスに対しハーマイオニーとトムは顔を曇らせる。

 

「現在、聖マンゴに入院中の、ドローレス・アンブリッジです」

 

「う…」

 

「あぁ…彼女ですか…」

 

 その場の全員の表情が曇る。

 

 デルフィがスネイプに接近する。

 

「現在の症状は重症ではありますが、命に係わる程では有りません」

 

「そ…そうか…」

 

 シリウスが呟き、酸素マスクを付ける。

 

「それにしても…アンブリッジ…ハリー…知ったらどうなるかしら?」

 

「場合によってはドナーの記憶がレシピエントに移るらしいが…大丈夫か?」

 

「ナノマシンによる、感情抑制を行うので問題ありません」

 

「そうかい」

 

「やっぱり、ナノマシンって便利ね」

 

 ハーマイオニーは数回頷く。

 

「でも、聖マンゴもダンブルドアの管理下だろう。どうする?」

 

「ステルスモードでドナー対象に接触。脳死と判断後、臓器を回収し、即刻手術に移行します」

 

「プランは完璧ね。ところで…手術は誰が行うの?」

 

「我々が行います」

 

「出来るの?」

 

「可能です」

 

「やった事は?」

 

「有りません」

 

「しかし、失敗する確率は5%未満です」

 

「まぁ…今はこれが最善の方法だろう」

 

 トムがそう言うと、全員が頷く。

 

「では、只今より、作戦を開始します」

 

「え…えぇ、いってらっしゃい。アンブリッジの場所は分かるの?」

 

「確か、重傷者区画だ。私もそこに居た」

 

 シリウスが数回頷く。

 

「了解」

 

「出撃します」

 

 私達は、ブラック邸を出ると、ゼロシフトを使用し、聖マンゴ前へと移動した。

 

  聖マンゴ周辺は不死鳥の騎士団に占拠されていた。

 

 正門には衛兵として複数の不死鳥の騎士団員が警備にあたっていた。

 

 私達は、ステルスモードを起動し、周囲を詮索する。

 

 すると、外壁の一部に亀裂が生じているのが分かる。

 

「侵入経路発見。外壁を最低限破壊し、侵入します」

 

 私は、ブレードを装備すると、亀裂に差し込む。

 

「切断します」

 

 ブレードを横に薙ぎ、外壁を切断する。

 

 それにより、進入可能な隙間が生じる。

 

「侵入開始」

 

 ステルスモードを維持しつつ私達は聖マンゴへと侵入する。

 

 侵入後、外壁を補修し、侵入の痕跡を消す。

 

「移動を開始します」

 

「目標は重傷者区画です」

 

 浮遊したまま、不死鳥の騎士団員の巡回を回避し、目標の部屋へと侵入する。

 

 部屋の中は質素なつくりをしており、部屋の中心にアンブリッジが横たわったベッドが置かれていた。

 

「目標確認」

 

 私はアンブリッジに触れ、スキャンを開始する。

 

「瞳孔反応、無し。脳幹反射、無し。脳波は平坦な状況です。自発呼吸も確認されていません」

 

「脳死と判断します」

 

 アンブリッジを脳死と判断し、私は腕をブレードへと変化させる。

 

「これより回収作業へ移行します」

 

「了解。私は周辺を警戒します」

 

 デルフィが入り口に立ち周囲を警戒する。

 

「了解。作業を開始します」

 

 ブレードの先端部でレシピエントの胸部を切り裂く。

 

 切開部に手を突っ込み開胸させる。

 

 その際、複数の肋骨が折れ、肺に刺さり血が飛び交う。しかし心臓へのダメージは確認されていない。

 

 開胸により露出した心臓は一定の鼓動を続けていた。

 

「回収します」

 

 ベクタートラップ内からメスを取り出し心臓を固定している、動脈を切除する。

 

 これにより、ドローレス・アンブリッジは死亡した。

 

 回収した心臓は、保存液で満たされた容器で保管し、ベクタートラップトラップ内で低温を維持させる。

 

「臓器回収完了」

 

「所要時間5分。お見事です」

 

 私は、返り血をベクタートラップで吹き飛ばす。

 

「了解。帰還しましょう」

 

 私達は、ベッドの上で周囲に血を撒き散らしながら絶命したアンブリッジを後に窓を開け、聖マンゴから帰還する。

 

 臓器の回収後、ゼロシフトなどを使い、素早くブラック邸へと戻る。

 

 この時点で臓器の回収から5分程時間を消費している。

 

 

「ただいま戻りました」

 

「お帰りなさい。どうだった?」

 

「回収に問題はありません」

 

 私はベクタートラップ内から保存液で満たされた容器を取り出す。

 

「この中にアンブリッジの…気持ち悪いわね…」

 

「そりゃ、そうだろう」

 

 ハーマイオニーは数回頷く。

 

「それでは、これより手術へ移行します」

 

「わかったわ」

 

 ハリーに接近し状態をスキャンする。

 

 脳死状態では無く、昏睡状態だ。

 

 ハリーを移動させようとすると、マダムポンフリーが杖を振り、ハリーの体を宙へと浮かべる。

 

「私が運びます」

 

「感謝します」

 

「その代わり、手術を見学させていただけますか? マグル式の治療と言うのに少し興味が…」

 

「構いません」

 

「ありがとうございます」

 

 浮いたハリーの体をブラック邸の一室へと移送する。

 

「滅菌開始」

 

 入室後、室内の滅菌処理を行う。

 

「こちらを装備ください」

 

 マダムポンフリーに滅菌服とマスクを手渡す。

 

「分かりました」

 

 マダムポンフリーは滅菌服を身に纏い、椅子に腰かける。

 

 ベッドの上にハリーを寝かせ、必要な器具を用意する。

 

「作戦開始です」

 

「予定所要時間は3時間程度です」

 

「了解」

 

 ハリーの静脈に医療用ナノマシンを注入する。

 

「血流を停止させます」

 

「体温の低下を確認。脈拍止まりました」

 

 これにより、一時的に血流を停止しても、ナノマシンに含まれた酸素により脳内の酸素レベルを保つことが出来る。

 

 その後、メスを手に取り、慎重に開胸作業を行う。

 

「うっ…」

 

 背後で見ていたマダムポンフリーが嗚咽を洩らす。

 

「メンタルコンデションレベル低下。気分が悪い様でしたら退出をおススメします」

 

「大丈夫…続けて」

 

「了解」

 

 開胸部に器具を挿入し、胸部をさらに広げる。

 

「開胸完了」

 

「不要となった臓器の摘出に移行します」

 

 デルフィが鉗子などを使用し機能停止した心臓を摘出する。

 

「うぷぅ…」

 

 背後で嗚咽を漏らし、マダムポンフリーは涙目を浮かべる。

 

「心臓の摘出完了」

 

「移植へ移行します」

 

 保存液から、心臓を取り出し、血管の縫合を行う。

 

「縫合完了」

 

「心拍再開させます」

 

 ナノマシンを操作し、血流を再開させる。

 

 血流が再開した事により、心臓に血液が流れ、血色がよくなる。

 

 それと同時に、血流にのってナノマシンが心臓に微弱な電流を流し心拍再開を促す。

 

 数分後には、心臓は鼓動を開始する。

 

「心拍再開を確認」

 

「脈拍安定」

 

「手術成功です」

 

 心拍の再開を確認後、閉胸処理を行い、ステープラーで固定し傷口を消毒する。

 

「手術終了です」

 

「所要時間1時間3分」

 

「総合評価A」

 

「助かった…のですか?」

 

「はい。しかし、しばらくは経過を見る必要があります」

 

「分かりました」

 

「本日は、このまま安静を保ち、後日ベッドルームへ移送しましょう」

 

「分かりました」

 

 私達は、ハリーに呼吸器と点滴を施し、部屋を後にした。

 

 退室後、外で待機していたハーマイオニー駆け寄ってくる。

 

「どうなったの?」

 

「手術は無事終了です」

 

「良かったわ…」

 

「ただし、経過を見る必要があります」

 

「そうなの…そう言えばさっき、マダムポンフリーが口を抑えて出て行ったけど…」

 

「開胸処理を行ったので、その為だと思われます」

 

「まぁ…魔法使いは手術なんてめったにしないからな。グロテスクだったんだろうよ」

 

 トムが笑う様に呟いた。

 




アンブリッジ先生を生かしておいたのはこの時の為だった!

まぁ、本当はスネイプの心臓を使うつもりだったのですが、気まぐれでスネイプには生きて貰いました。

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