ハリー・ポッターと終末の魔法使い   作:サーフ

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ここから、最終決戦に向けて進んで行きます。

あと少しです。


新生

 

   翌日、ハリーをベッドルームへと移動させる。

 

「無事なのか…」

 

 隣のベッドで横たわっているスネイプが興味無さそうに呟く。

 

「手術は成功しました」

 

「数日中には目を覚ますでしょう」

 

「そうか」

 

 スネイプはそう呟くと、顔をそむける。

 

 私達はそのままベッドルームを後にする。

 

 リビングルームへと移動すると、ハーマイオニーが日刊予言者新聞を片手に朝食を取っていた。

 

「おはよう」

 

「おはようございます」

 

「早速貴方達の事が記事になっているわよ」

 

 ハーマイオニーがテーブルの上に新聞を広げる。

 

 新聞の一面には『聖マンゴでの悲劇! 元ホグワーツ教員が惨殺される!!』と書かれている。

 

「なになに。『殺害された元ホグワーツ教員は胸を引き裂かれ心臓を抜きとられていた。死体が残された病室は血塗れで床には赤黒い池が広がっていた。ドラキュラ伯爵の復活か?』…うわぁ…やる事がえぐいね」

 

「これ、貴方達よね」

 

「はい」

 

「続きがあるぞ。えーっと…『今回の一件に付いてダンブルドアは死喰い人の残党か反攻勢力の宣戦布告と受け取り徹底抗戦の態勢を整える模様』…ふっ…あの老害らしいや」

 

「まったくね…自分が狂っている事にも気が付いていないのでしょう…」

 

 ハーマイオニーは溜息を吐くと朝食を再開した。

 

 

  数日後、ハリーが無事に意識を取り戻した。

 

「ハリー! ハリー!」

 

「あ…あれ…シリウス…」

 

 ベッド横にシリウス掛けより、ハリーの顔を覗き込む。

 

「あぁ…良かった…」

 

「意識が戻ったんだね。安心したよ」

 

「ルーピン…先生…」

 

「先生は…はぁ…もう良いか」

 

「よかったわ。気が付いたのね」

 

「心配しましたよ」

 

「ハーマイオニー…それにマクゴナガル先生…僕はいったい…」

 

「状況の説明へ移行します」

 

「ダンブルドアの攻撃により心臓の機能を完全に失い昏睡状態にありました」

 

「ダンブルドア…あ! ヴォルデモートは! ぐっ!」

 

 起き上がろうとしたハリーが胸を抑え苦しみだす。

 

「無理しちゃダメよ。まだ安静にしてないと」

 

「でも…」

 

「安心していい。ヴォルデモートは消滅した」

 

 トムがホログラム化し、ベッド横に現れる。

 

「じゃあ…なんで…」

 

「なんで僕がまだいるのか不思議そうだね。まぁ、前回も話したと思うがヴォルデモートと僕は全くの別物さ」

 

「そうなのか…ところで…ダンブルドアは? 僕は確かダンブルドアに…」

 

「それが…」

 

 ハーマイオニーは顔を背ける。

 

 それに釣られる様に全員が目を背ける。

 

「一体何があったんだ!」

 

「その時の映像を再生できます」

 

「え?」

 

 私はホログラム化したハリーとダンブルドアを投影する。

 

「再生します」

 

 ホログラムによってダンブルドアがハリーに死の呪文を放った時の映像を再生する。

 

「うわぁ…」

 

「くっ…」

 

 ハリーは啞然とした表情でホログラムを見ている。

 

 その後、ダンブルドアがハリーに付いて語り始める。

 

「嘘だ! 僕が…奴の…」

 

「ハリー…」

 

 シリウスがハリーの肩に手を置く。

 

「続きを再生します」

 

 ホログラム化したスネイプがダンブルドアの腕を切断する映像が流れる。

 

「おい、それ以上は…」

 

「まぁ良いじゃないか、なぁスネイプ」

 

「う…うぅ…」

 

 ルーピンに諭され、スネイプが諦めた様にベッドに横たわる。

 

 ホログラム化したスネイプがダンブルドアとの戦闘を行う様をハリーは目を逸らさずに見ていた。

 

「まさか…スネイプ…先生」

 

「フン…」

 

「セクタムセンプラって…まさか…」

 

 

 スネイプはハリーと顔を合わせぬように顔をそむける。

 

「さて…と。ハリー。君はまだ目を覚ましたばかりだ。少し疲れただろ?」

 

「う…うん」

 

「ならば、今日は少し休むんだ」

 

「わかった…」

 

 ハリーはルーピンの指示に従う様にベットに横たわった。

 

「それじゃあ、私達も戻る事にしましょうか」

 

「了解」

 

 ハリーとスネイプを部屋に残し、私達は退室した。

 

 

  数週間後、ハリーとスネイプは依然としてベッドの上での生活だった。

 

 しかし、両者とも回復は良好で、ハリーはナノマシンの効果もあり8割ほど回復している。

 

 スネイプも、松葉杖を使えば歩く事も可能になっている。

 

「良いか、ポッター。この計算式は多くの調合に使う」

 

「はい」

 

 ベッドの上で2人は本を開きながら授業を行っている。しかしハリーは生返事を繰り返す。

 

「聞いているのか?」

 

「あー…うん。聞いてる」

 

「まったく…その傲慢さは誰に似たのか…」

 

 スネイプは呆れながらも、どこと無く嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

「よかったわね」

 

「そうですね」

 

 部屋の扉を少しだけ開き、内部を覗いたハーマイオニーが呟く。

 

 しかし、状況は好転するばかりではない。ダンブルドア率いる不死鳥の騎士団が地球上のすべての魔法族を統治下に納めたと日刊予言者新聞が報じた。

 

「何てこと…校長は…」

 

「メタトロン技術とオービタルフレームを複数所有していたんだ…こうなるのは分かっていたが…良い気分では無いな…最悪さ」

 

 マクゴナガルが嘆きトムが呟く。

 

「私達は…どうすればいいんだ…」

 

「そんな事…言われても…」

 

 シリウスとルーピンが俯く。

 

 その時、空間湾曲と3名分の生体反応を検知する。

 

「空間湾曲検知。近くです」

 

「敵の攻撃か!」

 

「分かりません」

 

「私が見に行こう」

 

 ルーピンが杖を片手にブラック邸の扉に手を掛ける。

 

 すると、乱雑に扉がノックされる。

 

「誰だ?」

 

「私だ! ルシウス・マルフォイだ!」

 

「ルシウス…マルフォイだと…」

 

「あぁ! 妻と息子も一緒だ! 頼む! 匿ってくれ!」

 

「どうします?」

 

 ルーピンが振り返り、マクゴナガルに問いかける。

 

「受け入れましょう」

 

「よろしいのですか?」

 

「えぇ」

 

 シリウスが杖を手に取り、ルーピンは頷き、扉を開ける。

 

「感謝するよ」

 

 ルシウス・マルフォイが一礼し、入室する。

 

「妻と息子も」

 

「あぁ」

 

 それに続き、2人が俯きながら入室する。

 

「お前達だけか?」

 

「あぁ」

 

「そうか。リーマス」

 

「あぁ」

 

 シリウスが杖を構えながらルーピンに目配せすると、ルーピンが扉に鍵を閉める。

 

「何があったんだ? 君達は確か…」

 

「あぁ、ダンブルドア側に付いた…」

 

「じゃあ、なんで?」

 

「奴等の考えは…理解できない…」

 

 ドラコ・マルフォイが口を開く。

 

「死喰い人は元々我が君…闇の帝王に従ってきた…それこそダンブルドアと敵対してまでな…」

 

「それを快く思って居なかったんだろう…ダンブルドアは死喰い人に対しては捨て駒のような扱いをしているんだ!」

 

「所詮ダンブルドアが欲しがったのは…我が君が残したゴーレムの製造技術だけだ…」

 

「ゴーレム…ダンブルドアは何を考えているんだ?」

 

「ゴーレムを大量に生産して、マグル界に戦争を仕掛けるつもりらしい…」

 

「そんな…馬鹿げてる…」

 

「それが、馬鹿げてはいないんだ…」

 

「え?」

 

 シリウスがドラコ・マルフォイに視線を向ける。

 

「死喰い人が主にゴーレムの製造を行って居たのはホグワーツだ…」

 

「それじゃあ…」

 

「既に生産ラインは確保されている…それに…」

 

「それに…なんだ?」

 

「ゴーレムの製造技術はダンブルドアによってさらに向上されて行ったんだ…」

 

「なんだと…」

 

「あぁ…巨大なゴーレムの製造も噂されている…なぜダンブルドアにそれほどの知識があったのかは…わからん…」

 

「恐らく、私の腕とメタトロン鉱石を摂取した事により技術躍進が発生したと思われます」

 

「恐ろしいな…」

 

 ルーピンは呟き、マクゴナガルが俯く。

 

「その戦力でダンブルドアは全世界の魔法族を手中に収めてしまった…」

 

「じゃあ…新聞が伝えていたことは…」

 

「真実だ。既にホグワーツには全世界から最新鋭の飛行船が集結している」

 

 ルシウスの情報を聞き、全員のメンタルコンデションレベルが低下する。

 

「今は…考えていても仕方ありません…」

 

 マクゴナガルが呟く。

 

「今日の所は…ひとまず休みましょう…」

 

「そうですね。対策は後日に」

 

「えぇ」

 

 全員が問題を先回しにする様に頷き、各員自室へと戻って行った。

 

 

  マルフォイ家を匿ってから数週間後。

 

 不死鳥の騎士団は遂にマグル界への侵攻作戦を立案したと日刊予言者新聞が報じた。

 

 その前段階としてなのか、グリモールト・プレイス全域に人払いの魔法が施された。

 

「グリモールト・プレイス全域の退避勧告…ダンブルドアは何を考えているんだ…」

 

 シリウスが新聞を手に頭を抱えている。

 

「恐らく、我々を孤立させるのが目的でしょう」

 

「確かに…近くの店が閉まっては困るからな…」

 

 シリウスが納得した様子で頷いている。

 

「そうじゃないと思うが…」

 

 その時、周辺宙域に複数の大規模エネルギー反応を検知する。

 

「エネルギー反応を検知」

 

「え?」

 

「数は多数」

 

「まさか…」

 

 マクゴナガルが駆け出す。

 

 その後を追う様に、皆が外へと出る。

 

「なんだ…アレは…」

 

「空が…」

 

 グリモールト・プレイスの上空に、複数の飛行戦艦が大規模な艦隊編制を組んでいた。

 

 旗艦と思われる艦艇が巨大な帆と花火を上げる。

 

『あー、あー…こちら、ネオDA決戦連合艦隊、旗艦アリアナ。反乱分子の皆、聞こえるかなぁ~?』

 

「この声は…」

 

「まさか…」

 

「ロン! 君なのか?」

 

 魔法により拡声されたロンの声が周囲に響き渡る。

 

『おや? ハリーか? おっどろきぃ。生きていたのか。てっきり死んだかと思ったよ』

 

 笑い声を混じらせながら、ロンは詰まらなそうに呟く。

 

「ロン! 君こそなんでそんな所に…」

 

『ダンブルドアからの任務でね。反乱分子を…つまりは君達を殲滅しろって話なんだ。後ついでに逃げ出したマルフォイとか言う奴もな』

 

「なんだと…」

 

『まぁ…悪く思わないでよ。それじゃあ。全艦戦闘準備』

 

 敵艦隊が全域に展開し、側面の大砲をこちらに向ける。

 

「待ってよ! ロン!」

 

『ハリー。死にぞこないでも君の事は友人だと思っていたよ。まぁ、反乱分子の皆は僕の知り合いでもある…だからチャンスをあげるよ』

 

「チャンス?」

 

『そうさ。まぁ交換条件さ。見逃してやったって良い』

 

「何が…望みなんだ?」

 

『そうだなぁ…』

 

 ロンが提示した交渉状況を聞き、全員が息を呑んだ。

 




今回は短いですがここまで。

ロンが一体何を要求したのか。

まぁ、想像は付くでしょうが、ネタバレは禁止でお願いします。
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