それと、今日は原作者とハリーポッターの誕生日なので
ハリーポッターの世界観を破壊します。
2人がブラック邸を後にした後、ハーマイオニーはマクゴナガル達と着底した戦艦内部を詮索していた。
「生存者はいましたか?」
「ダメです…」
「こっちにも居ませんでした…」
シリウスとルーピンは首を横に振る。
「そうですか…」
マクゴナガルは暗い表情を浮かべる。
「やっぱり…生存者はいなかったわね…」
「まぁ、生体反応は無かったからな」
ハーマイオニーは溜息を吐きながら、さらに奥へと詮索を進める。
「あれ? ここは?」
「武器や弾薬の格納庫だな。オービタルフレーム用の兵器まであるぞ」
「まだ動くのかしら?」
「エネルギーの反応はある。多分動くんじゃないか?」
「へぇ」
「そろそろ引き揚げますよ」
マクゴナガルの声が響く。
「今行きます」
ハーマイオニーは格納庫から走り出そうとする。
その時、地面が大きく揺れる。
「なに?」
「高エネルギー反応だ。デカいぞこれは…」
「とにかく外へ!」
揺れが収まり、戦艦から出ると、空には巨大な黒雲が浮かんでいた。
「なにあれ…」
空を見上げた全員が唖然としている。
『良くもこの僕をコケにしてくれたな…許さないぞ!』
黒雲内部からロンの声が響く。
「ロン!」
「戦艦には乗っていなかったのか…」
黒雲から巨大な物体が姿を現す。
「何なんですかあれは! 戦艦…」
「いや、戦艦じゃない! あれはオービタルフレームだ!」
『良いだろう…僕の本気を見せてやる! このザカートでな!』
ザカート
バフラム軍の超大型オービタルフレーム。
複座敷で、4人での運用が必要となる。
強力な搭載兵器により制圧戦においては大きな戦果を上げる。
「まさか、あんな巨大な敵を…」
「地上にも複数の敵反応だ」
空にばかり視線を向けていた面々は、周囲を見回し、息を呑む。
ブラック邸の周囲4キロを巨人族や亜人や魔法使いの混成部隊によって取り囲まれていた。
「これは…不味いな…」
『行け! 進行だ!』
ロンの声に従う様に、混成部隊が進行を開始する。
「まさか、先頭に居るのは…」
「ハグリッド!」
ハリーがハグリッドの姿を確認し、声を荒らげる。
「ハグリッド! 僕だ! 話を聞いてくれ!」
ハリーは叫び声を上げるが、ハグリッドの歩みが止まる事は無い。
「僕が分からないの…」
「分析完了だ。ザカートから服従の呪文と同じ波長が発生している。それが原因で服従の呪文に掛けられて我を失って居るんだろう」
「そんな!」
「あの木偶の坊だけじゃないぞ。あそこにいる全員が掛かっていると考えていいだろう」
「そんな…」
トムの言う通り、混成部隊全員の目には何かに取り憑かれたように瞳孔が開いている。
そんな彼等は、まるで恐怖を感じないかのように進行を続ける。
「クソ…このままじゃ押し込まれるぞ!」
「自衛を…お願いします…」
「マクゴナガル先生…そんな事をしたら恐らく彼等は…」
「分かっています…分かっていますとも……」
マクゴナガルは自身の唇を強く噛み、血が滲む。
「了解だ。自衛兵器展開」
自衛兵器が展開した事により、突撃してくる混成部隊の眼前で大規模な爆発が起こる。
しかし、彼等は雄叫びを上げ、爆発を恐れる事無く突き進む。
その様子に、その場の全員が言い様の無い恐怖を覚える。
『地上部隊を援護だ!』
ロンの声が響くと、ザカートからビームが地上に振りと注ぎ、自衛兵器の一部が破壊される。
爆発の余波は、シールドにより防がれる。
「先程の攻撃で、セントリーガンとFマインがやられた。残存戦力が半減だな…シールドにも多少だが損傷だ。これは1分程度で修復するだろう」
防御が薄くなった防衛ラインに部隊が集中する。
「くそ!」
シリウスが杖を振り魔法を放つ。それに習う様に、ハリーやスネイプも魔法を放つ。
しかし、魔法程度では混成部隊の歩みを阻むことはできない。
「このままじゃジリ貧だ…」
「これ以上自衛兵器を破壊される訳にはいかないぞ」
「あの、オービタルフレームを何とかしなきゃ…」
ハーマイオニーは浮遊するザカートを睨み付ける。
『どうだい! これが僕の力さ! さぁ! 焼き尽くしてやる!』
ザカートの援護射撃がブラック邸のシールドにダメージを与えて行く。
「シールド損傷率60%。不味いぞ!」
「どうにかしないと…」
ハーマイオニーは周囲を見渡した後、走り出した。
「グレンジャー! どこへ!」
走り出したハーマイオニーはシールドを抜けだす。
「おい! シールドの外だぞ!」
「わかってるわ!」
ハーマイオニーの周囲で爆発が起こる。
「キャ!」
爆風が周囲に広がる。
「シールド展開。タブレットのシールドだ。長くは持たないぞ」
「大丈夫よ。あと少しよ!」
爆風をシールドで防ぎながら、ハーマイオニーは墜落した戦艦へと飛び込んだ。
「何を考えているんだ?」
「戦艦に何か武器があるんじゃないかと思って…」
戦艦内部を散策したハーマイオニーは格納庫へとたどり着く。
「ねぇ、トム…」
「嫌な予感がするが…一応聞こうか」
「あのオービタルフレームって動くって言ってたわよね?」
ハーマイオニーは格納庫内のラプターを指差す。
「確かに動くだろう。だがアイツを動かすのはかなり難しいぞ。それにAIは未搭載だ。艦隊戦時のトロイ動きしかできないだろう」
「AIの補助があれば、エイダやデルフィみたいに動かせるって事?」
「あの2人は次元が違うが、高機動戦闘は出来るだろうな」
「へぇ…」
ハーマイオニーはラプターのコックピットを開ける。
「まさか、コイツで戦おうなんて思ってないよな?」
「でも、これしか対抗策は無いわ」
コックピットに乗り込んだハーマイオニーは周囲を見渡す。
「どうしたんだ?」
「操作方法が分からないわ…」
「おいおい…」
外では未だに、爆音が響き渡る。
「動いてよ! 急がないと!」
ハーマイオニーは周囲のパネルを手当たり次第に触れるが、反応は無い。
「コイツを動かしたいのか?」
「もちろんよ!」
「どうしてもか?」
「どうしてもよ!」
「ああぁ! もう仕方ないな! 君って奴は!」
「トム? どうしたのよ?」
「僕をコイツにトランスプランテーションする」
「どういう意味?」
「簡単に言えば、僕がコイツを動かすAIになるって事だ」
「出来るの?」
「やるしか無いだろ…まったく」
「そうよ。やるしかないのよ。私達が生き残る為には…」
ハーマイオニーが鋭い視線で呟く。
「良し、タブレット端末をパネルの前に置いてくれ」
「わかったわ」
ハーマイオニーはトムの指示通りタブレット端末を置く。
「トランスプランテーション開始」
淡い光が、タブレットからコックピット内部へと広がる。
「トランスプランテーション終了」
コックピット内部にトムの声が響く。
「システムチェック。クソ…かなりキツイな…」
「大丈夫?」
「まぁな。良し、操縦を君のナノマシンとリンクした」
「え? どういう事?」
「これで、思ったとおりに動かせるって事だ。操作説明が必要か?」
「頼むわ」
トムから操作情報がナノマシン経由でハーマイオニーの頭に流れ込む。
「なるほど…わかったわ!」
「ラプター起動! OKだ! じゃあ行くぞ!」
「えぇ!」
ラプターは駆動音を響かせながら、起動すると、格納庫の天井を突き破り、浮上した。
『ん? なんだ?』
浮上したラプターはザカートの前に立ちはだかり、声を拡声させる。
『ロン! こんな事はもうやめて!』
『おや? その声はハーマイオニーか? そんな雑魚機体に乗っているのかい?』
『こんな事続けても無意味よ! もうやめて!』
『無意味? それを決めるのはダンブルドアさ』
『なんてことだ…これじゃあ、何を言っても無意味だな』
『この声…貴様は! ヴォルデモート! まさか…許せない! 邪魔だ!』
『ここは通さないわ!』
ザカートが大型レーザー砲を発射する。
「来るぞ! 避けろ!」
「えぇ!」
ラプターは急加速し、レーザーの間を縫うように避ける。
『なんだと! あんな低級のゴーレムの癖に!!』
ロンは激昂した声を上げる。
「奴は食いついたな。地上に被害の出ない高度まで上がるぞ」
「了解よ」
ラプターは高度を上げる。
『こっちだ。悔しかったら付いて来るんだな』
『クソ! 馬鹿にして! 奴等を逃すな!』
ラプターに追随するように、ザカートが急上昇する。
「良し、これくらいで良いだろう」
「わかったわ」
ラプターは上昇を止め、ザカートと対峙する。
『もう逃さないぞ!』
ザカートが再びレーザー砲を発射する。
「あの威力の攻撃だ。まともに食らったらマズイ。避けろよ」
「もちろん!」
ラプターがレーザーの弾幕を縫うように避ける。
「良し! 相手の攻撃はきついが、遠距離タイプだ。懐に潜り込むんだ」
「わかったわ!」
攻撃を避けたラプターはザカートに接近する。
『防壁展開だ! 近付けるな!』
ザカートの装甲が剥離すると、それを起点に、強力なシールドが発生する。
「クソ! 敵はシールドを展開したようだ」
「これじゃあ、攻撃が…」
「待て、今分析中だ」
ラプターはザカートと近付離れずな距離を保つ。
『主砲、チャージ開始!』
「良し! 分析完了。あの、浮遊している装甲がシールドを発生させているみたいだ」
「じゃあ、アレを剥がせば」
「シールドを剥がせるはずだ。剥がし方は──」
「グラブで掴めばいいのね」
「その通りだ」
ラプターは剥離した装甲を掴み、複数枚剥がすと、ザカートのシールドが解除される。
『クソ! シールド損傷!』
『エネルギー充填完了!』
『メインパス確保!』
『撃て!』
ザカート中央部より強力な主砲が展開される。
「不味いわ! この距離じゃ避けられない!」
「さっき剥がした装甲でシールドを強化する! 盾に使うんだ!」
ラプターが先程引き剥がした装甲板を前面に展開し、盾とする。
盾にした装甲は、シールドにより強化されており、ザカートの主砲を防ぎ切ると、その役目を終え大破する。
『おのれぇ!!』
「今だ!」
「了解よ!」
ラプターは無防備となったザカートの中核部に接近すると、両手のビームソードで切りかかる。
「良し! ダメージを与えたぞ!」
「このまま一気に…」
ラプターは何度となく、ビームソードを振りかざし、ザカートへダメージを与えて行く。
『機体損傷50%!』
『一旦距離を取れ! フォーメーション2だ』
『了解!』
ザカートが再びシールドを展開し、ラプターとの距離を取る。
『フォーメーション2! レディ!』
ロンの掛け声に従い、ザカートの装甲が展開し、フォーメーション2へと移行する。
「図体ばかりデカいくせに、器用な事を…」
「攻撃を続けるわよ!」
「分析完了。弱点は頭部だ。ロックオンしたぞ」
「わかったわ!」
ラプターは加速し、再びザカートへ接近を試みる。
『レーザー砲台起動!』
展開した全ての装甲が、レーザー砲台の役目を果たし。レーザーが乱射される。
「ちぃ! 厄介だ!!」
「えぇ! でも、このまま突っ込むわ!」
ラプターは速度を上げ、レーザーの弾幕に突入する。
「くぉ! 機体を掠めたぞ!」
「こんなの、痛くもかゆくもないわ!」
「痛いぞ」
弾幕により、表面装甲を焦がしながら、ラプターはザカートの頭部へ接近する。
「攻撃開始だ!」
「バーストモード!」
ザカートの頭部の前で、ラプターが両手をクロスさせバーストモードのビームソードで切りかかる。
しかし、ビームソードは頭部に展開されたシールドを破壊しただけで、ザカート本体へのダメージは軽微だった。
「シールド…だと!」
『近接攻撃!』
ザカートの展開した腕部により打撃攻撃を行う。
「シールドてんか──ぐおぉ!」
「きゃぁ!!」
ザカートの打撃攻撃がラプターに直撃し、ラプターが弾き飛ばされる。
コックピット内部に複数のエアバッグが展開し、衝撃を抑える。
「くそぉ…大丈夫か?」
「えぇ、私は何とか…」
その時、ハーマイオニーの足元に、小瓶が落ちる。
「これは…」
小瓶を拾い上げたハーマイオニーは中身を一気に飲み干す。
「おい。何を飲んだんだ? エンドルフィンの分泌量が上昇してナノマシンの反応速度が急上昇したぞ」
「フェリックス・フェリシスよ」
「あぁ…あの時の」
「えぇ! これなら勝てる気がするわ! 状況は?」
「機体損傷率20%…まだいけるぞ!」
「えぇ!」
ラプターが再び、ザカートの頭部へ急速に接近する。
『何度来ても同じ事だ!』
ザカート周辺の装甲から、レーザーの弾幕が、網のように展開される。
「行くわよ!!」
ラプターは弾幕を縫う様に高機動で回避していく。
「ほぉ、やるねぇ。数発は当たるかと思ったよ」
「薬が効いているのね。弾道が手に取るように分かるわ!!」
ラプターは勢いそのまま、ザカートへ突撃する。
『舐めるなよ!!! 打撃攻撃!』
ザカートの腕部が再び振るわれる。
「その攻撃はっ!」
「想定済みよ!!」
ラプターが急速で軌道を変え、ザカートの打撃攻撃を回避する。
『なにぃ!!』
ザカートの打撃攻撃は強力だが、その軌道の大振りさ故、攻撃後の隙が大きい。
「今だ! 頭部にシールドは無い!」
「はいだらっー!!」
ハーマイオニーの掛け声を共に、ラプターのビームソードがザカートの頭部を切り落とす。
『お…おのれぇ!!!!』
ロンが叫び、ザカートは自壊を開始する。
数秒後には、大規模な爆発を起こし、ザカートが消滅する。
「はぁ…はぁ…倒したの?」
「あぁ、まさか勝てるとはな…」
「ロン達は?」
「脱出の反応を確認した。しぶとい連中だよ」
トムは詰まらなそうに呟く。
「皆が心配だわ。戻りましょう」
「そうだな」
ラプターは高度を下げ、ブラック邸の上空へと移動した。
はい。
トムの有用運用です。
ロンはしぶといですから。