グランブルーから地上へ行くのは間違っているだろうか? 作:クウト
第18層で朝を迎える。
食料節約のために、ナルメアが取っておいてくれた木の実を食べて装備の準備。バハムートソード・フツルスもつけた、防具もつけた、ポーチに念のためのアイテムもいれた。アイテムボックスがあるとはいえ、普通の冒険者と同じ様にしていなければ目立ってしまうだろうからその防止の為に、このスタイルは変えないままのつもりだ。
「さて、まだ向こうも早朝だろうし召喚はもう少し先でいいな」
こっちからいきなり呼ぶ為、トラブル防止は必要なのだ。グースカ寝てる所に召喚されたら怒るし、依頼帰りでシャワーを浴びている時に召喚なんてしたら俺は殺される。誰にとは言わんが。
一人で行けるところまで行ってそれから召喚しよう。次は誰を呼ぶかとか考えられるし。
「じゃあランちゃん。またよろしくね」
「あぁ、ベルは筋がいい。俺も教え甲斐があるし、また頼まれよう」
悩んだ挙句、俺はまだランスロットを呼ぶ事にした。何故なら俺が数日間ダンジョンに潜り、ベル君との訓練ができなくなるからだ。その為、ランスロットを呼び、二日間ベル君の修行に付き合ってもらう事にした。
「ダンジョンから出る時は目立たない様にね?」
「そこは心配ないだろう。ここに入ろうとする一般人は居ないだろうし、普通にしていれば呼び止められることもない」
「まぁ今までなんとかなってるからいいのか?」
「相変わらずグランは心配性だな」
苦笑をするランスロット。
いや、ちょっと待ってくれない?なんか恥ずかしいんですけど?
「向こうにいる時もそうだっただろう?なんだかんだでジータの心配は絶対にしていたしな」
「な!?おま、ランちゃん!?俺がアレの心配とか何言ってるんでしょうか!?」
「いや、そうだな。色々あったとはいえお前が怒って大暴れしたなんてことはなかったな」
わかってると言いながらクスクスと笑うランスロット。はーん!?そんな事ありませんけどぉ!?
体調不良だったジータが周りに気付かせない様に無理した挙句、怪我をしてそれに怒った俺が大暴れとか全然ないですけどぉ!?
「いいから!ランちゃんはベル君をよろしく!!今大事な時期なんだからね!急成長中に変な癖でもついたら命取りになるかもしれないからね!!」
「あぁ、わかってるからそんなに押すなよ」
クスクスと笑いやがってぇ!!!
ダンジョンのモンスターに不満をぶちまける為に俺は18階層を後にした。待ってろやクソモンスター!!!不満の捌け口にしてやらぁ!!!
モンスターをひたすらに斬り、殴り、吹き飛ばす。ランスロットと別れてから一日が経ち、俺は無心にダンジョンの奥深くに潜り続けている。森林の様な場所を通り抜け、モンスターの餌場の様な場所を見つけ襲撃し、そこの主の様な強さのモンスターも倒す。魔石やドロップアイテムもかつてないほど溜まってきているのだが。
「アイテムボックス。こまめに使うから地味に魔力消費していくな」
塵も積もれば山となる。そう言ってもいいのだろうか?倒すたびに使っていたらマジックポーションを使う頻度が少し多い。その為ある程度溜まり次第使うほうが良さそうだ。
「まぁ調子こいてカバンなんてのは、持ってきてないんだけどね……」
詰めが甘いにも程があるなぁ。
こればっかりは、覚えた魔法に浮かれてしまったのだろうか?はは……こんな事だから依頼のたびにジータや他の奴らに忘れ物はないか確認されてたのだろうか?あれ?最近ジータが地味にいい姉の様な気がしてきたような……。
「気のせい気のせい。っとおっとと」
スパンッ!とモンスターを切り裂く。
この階層、たまにえげつい速さの燕のようなモンスターが襲ってくる。気配でわかるのだが普通は厄介なモンスターだ。
「にしても、此処は絶景だなぁ」
目の前に広がる大瀑布。
飛翔術を使って移動しているのだが飛べるモンスター達がわんさかと襲ってくる。それを切ったりして対処しながら景色を楽しみつつ階層を降りている。
「ソーンとかメーテラ姉ちゃんとか居たら楽しそうだなぁ」
弓でモンスターが穿たれ、ポロポロ落ちていく魔石をキャッチするゲームとなりそう。……あ、これ俺が拾う係になるパターンだ。あとソーンとメーテラが意地を張り合うかもしれん。
「この間なんて、一緒に依頼に行ったら競うように魔物達を倒すんだもんなぁ。俺が戦う暇ないのなんのって」
くだらない事を考えながら底までたどり着き、地上に降りる。やっぱりこの滝でっけぇなぁおい。まぁそんな事はいいか、とりあえず先に進み続けよう。
それからも階層を進み続けたのだが。
「回復系アイテムがなくなってきた」
戻るかもう少し粘るか。
どうするか考えていた時。
「ん?君は……」
「あ、グラン……さん」
……奇遇というかなんというか、世間は狭い。
ロキファミリアのアイズ・ヴァレンシュタインと、副団長であるリヴェリア・リヨス・アールヴとばったり会ってしまった。
……色々と気まずい人達なのだが、出会ってしまったなら仕方ない。
「久しぶりだなアイズ・ヴァレンシュタイン。それと、自己紹介がまだだったか。初めましてリヴェリア・リヨス・アールヴ。ヘスティアファミリアのグランだ」
「初めまして。と言うのはおかしいかもしれないが……。ベートを殴った以来だなグラン」
「その節は迷惑をかけたな」
「いや、元は我々が君の所の仲間を笑い者にしたせいだ。謝罪をするべきは私たちだろう」
ベル君に言ってあげてくれ。
まぁ言われても困るどころか迷惑ではあるのだが。
「とはいえ、グラン。君もあの時はやりすぎだ。だからお互い様という事でいいか?」
「あぁ、そうだな。そうしててくれ」
ふむ。やっぱりムカついたのはあの犬だけで、他の団員達はそれほどでも無さそうだ。て言うかこっちがやりやすいぐらいだ。これは本格的にロキファミリアに対してのイメージを改める必要があるだろう。
「ねぇ」
「なんだ?」
「どうして、こんな所に居る程強いの?」
なんて答えたらいいのだろうか。
実はー、騎空士ってのをしててー、そこで色々と強敵と戦ったりしてたからー、強いんですー。なんて言っても信じられないだろう。てか話し方がウザイ。
「まぁ、色々と強くなる機会はあったからな。ていうか、成らざるおえなかったというか」
「?」
いや、つまりどういう事?みたいに見られても困る。こういうタイプって脳筋思考だから察してほしくても察してくれないのだ。ほら、あんたの副団長見てみろよ。察して必要以上には聞こうとしてないだろ?……いや、これはアイズ・ヴァレンシュタインが無理矢理にでも聞き出すのを待ってるパターンだな。
「強い奴と戦い続ければそれだけ強くなるんだよ」
「なら、私と戦って」
「嫌だけど?」
「え?」
「え?」
え?戦う様な空気でもないでしょ?俺にリターン無いし。でもそれでは納得し無さそうなんだよなぁ。うーむ。副団長さーん!助け……てくれなさそうなんだけど!?なんで無言で頭抱えてるんですかねぇ!?
「はぁ、なら交換条件だ」
「……わかった」
「条件を聞いていないのに承諾しない」
「あうっ」
ペシッとデコピンをする。
それを見た副団長の目が光る。え?なんかしちゃった?
「うちのベル君。いつかでいいから訓練をしてあげてくれないか?」
「……リヴェリア」
「……はぁ、同じファミリアではない以上、軽々しく許可できることでは無い」
「……そんな」
「ずっとついててあげてくれって訳じゃない。ほんの数日だ」
「……なら、いいかな?」
また頭を抱える副団長さん。
脳筋思考タイプの戦闘狂を抱えると苦労するよね。今度一緒にご飯でもどうですか?同じ副団長として話が合いそうな気がしてきた……。
……はぁ、助け舟でも出すべきか?俺にもメリットがあるなら戦うぐらいするのは構わない。
「ならこうしよう」
「なに?」
反応が早いな。
「アイズ・ヴァレンシュタイン。君に依頼したい。内容は数日間、ベル君の修行をする事。もちろん君の都合に合わせるし気が向いた時でもいい」
信用という訳ではないが、アイズ・ヴァレンシュタインは守ってくれそうな気がした。
「報酬は君が望む俺との戦闘だ。依頼という形ならそちらも動きやすいと思うが?」
「グラン」
リヴェリア・リヨス・アールヴが声をかけてくる。
「うちのファミリアに来ないか?是非、アイズの手綱を握ってもらいたい」
「なに言ってんだこいつ」
思わず口に出してしまった。
「普段なら、こんな事はしないのだが、何故か君とは気が合いそうな気がしてな」
「……それ、主に苦労関係とか言う?」
「……あぁ」
「なんと言うか。あんたの事は信用していい気がしてきたよ」
「そうか。それは、よかった」
本当にこの人とはいい酒が飲めそうだった。
ちなみにこの時、アイズ・ヴァレンシュタインはポカンと気が抜けてそうな顔をしながら、俺とリヴェリアの顔を見ていた。
息抜き回だったろ?主に俺の。
すまんな。なんも動きがない回で。
仕事あるし、グラブルのイベントで忙しいし、ポケモンGOしに行くし、とにかく書く暇がなかったんや。
古戦場終わったら更新速度上がるかも、『かも』しれんけど今は許してや。(かもやで、絶対ちゃうで)
次回はアイズと戦います。あとついでに言いますが、グラン君がアイズとかをフルネームで読んでいる理由も次回でわかります。どうでもいいか