グランブルーから地上へ行くのは間違っているだろうか?   作:クウト

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古戦場お疲れ様でした。
俺の入ってる団は三勝二敗でした。皆さんはどうだったでしょうか?
今回は息抜き回です。古戦場で疲れました。ソーンの水着に癒されます。
以上三点が俺の気持ちです。


仲間達と語る一晩は過ぎるのが早い

「絶対に言うなよ!!!」

 

俺は必死だった。

今まで、副団長として積み上げてきたものがあるのだ。ラカムやイオが言いふらす様な奴らじゃ無いのはわかっている。だが!言わずにはいられない!!

 

「泣いたとか、そんなの言うなよ!?」

 

「はいはい。言わねぇから安心しろって」

 

「泣いたのは認めるのね……」

 

「俺は泣いてねぇ!!」

 

思わずそうは言ったが、もう泣いたのは認めるしかねぇ。

いやもうね。泣き終わると恥ずかしがるとか、慌てるとかよりも、逆に冷静になったよね。

俺が目指す副団長としての姿。

ラカムが教えてくれた『心に竜骨を持つ信念』

三羽烏が教えてくれた『魅せる漢の姿』

他にも団員から学んだ事は色々とあるが、最低限はこの二つだけは守っていたいのだ。

だというのに、なんたる情けなさ。

 

「仲間が恋しいだけで泣くとか、もう……」

 

だがそんな俺に構わず、ニコニコと笑いながら話し始める二人。

 

「んだよそりゃ。俺たちは嬉しいんだぜ?」

 

「ラカムの言うとおりだわ。あたし達だって、頼ってばかりより頼られたい時もあるんだから」

 

「それにグランは無理をしたら爆発するからなぁ」

 

「そうそう。ジータを見てみなさいよ。やるべき事はしてるけど、基本的には好き勝手してるでしょ?」

 

「あれを全部見習えとは言わんが、グランが少しぐらい好き勝手しても誰もなんも言わねぇよ」

 

「それどころかホイホイついて行く連中ばかりよね」

 

「なんだこいつら、好き勝手言いやがるんだけど」

 

思わず口に出してしまった。

いや、だって止まる予感がしないほどに、まくし立てるんだもん。

 

「ほぅ?この際だ、なんかうまいもん食いながらでも話そうぜ」

 

「そうね。普段のグランを見てあたし達がどんな思いかとか全部教えてあげるわ」

 

地雷だったかもしれない。

ラカムとイオの笑顔が怖い。

 

 

 

適当に近場の酒場に入り適当に注文をする。

豊穣の女主人は是非にオススメしたいんだが、あんまり多用していると知り合いに会う可能性もあるからなぁ。今はあんまり目立たない様に小さくても気配りは絶やさない様にせねば。

 

「ふぅん。飯は向こうとあんまり変わりはねぇんだな」

 

「そうね。でもあたしはナルメアが言ってたダンジョンの木の実とか気になるかも」

 

「じゃあそのうち取りに行ってみるか。というかそっちは今何してんの?」

 

ローン返済資金調達祭りの時にこっちに来てしまったから気になっていた。人数も多いしそれぞれ何かしらのスペシャリスト達だから資金は集まったんだろうけど。

 

「今か?アウギュステでバカンス中だな」

 

「ローンの返済も終わったしって、ジータが言い出したのよ」

 

「あの姉は騎士連中とか、美人達の水着が見たいだけだろ?」

 

定期的にアウギュステに行くジータだからなぁ。

欲望の為ならどんなことでもやってしまう姉だから怖い。ソーンを連れ出してまで団員を説得していくのだから断る奴なんてほとんど居なくなるし。

 

「またソーンを使ったりしてた?」

 

「まぁなぁ……。断るとソーンのやつすげぇ落ち込むしな」

 

やっぱりか!!!

まったくなんでそんな事をするのか。

 

「純粋な心を理解してて利用する辺り、俺の姉は鬼だよな」

 

「あれでも一応人望はあるんだから謎よね」

 

あぁ、そういえば。

 

「グランサイファー七不思議の一つとかなんとか。そんなのあったくない?」

 

「ジータのヤツの鬼畜ぶりを知ってるのになぜかうちに入ってしまうとかってやつか?」

 

「あと、副団長のグランはいつも誰かに監視されているとかもあったわよね?」

 

「七不思議の内、四つはお前ら姉弟で埋まってるのがなんとも言えないよな……」

 

え?そうなの?

七不思議とか言ってるが、こういう話はそれ以上出てくるものだ。つまり下手したら噂されてるのはそれ以上あるって事で……。やめようこれ以上はダメな気がする。

それからも食べ飲みしながら離れていた時間を埋める様にお互いの話をしていく。俺がラカム達の話を聞く分にはなんの問題もない。だが、俺からの話なんて今まで召喚された奴等から聞いているだろう。同じ話をされても、笑ってくれたり、真剣に聞いてくれたり。

やっぱ、こいつらが一番落ち着くんだよな。

別にこっちで出会った連中が嫌というわけじゃない。だが、どれだけ心を許せているかと言われれば、やっぱり向こうの騎空団の皆なのだとそう感じた。ドンドン運ばれてくる料理を食べながら改めてそう感じた。

 

 

 

「ラカムちょっと飲み過ぎ」

 

酒場から出て夜のオラリオを歩く。

どこに行くとか決めてはいないが、酔いを覚ますには適当にぶらつくのも悪くないだろう。

ラカムに肩を貸しながらイオと街を歩く。

 

「いいじゃねぇかよぉ。久々にお前に会えたと思うと楽しくてなぁ」

 

「グラン。別に怒ってもいいと思うわよ?」

 

いや、そんな事言われたら怒れないし。

それに俺だって少しばかりの責任はあるだろう。ついつい楽しくていつもより酒を多めに勧めてしまったのもあるんだから。

 

「ハァ……。ラカム、アウギュステでンニを山ほど食べてた」

 

「その辺に放っておくか」

 

「食い気味に反応したわね」

 

ンニを山ほど食うだとぉ!?

俺の大好物なのがわかってるのかってんだ!!

まったくラカムときたらよぉ〜。

 

「山ほどなんて食ってねぇって。焼いたやつとか、そのままとかそれだけだ……」

 

「食ってんじゃん!!」

 

「まぁまぁ、また次の召喚の時にでも食べたらいいじゃない?誰を呼ぶか考えておいたらどう?」

 

「次か。うーむ悩みどころなんだよなぁ」

 

「ならあたしが考えててあげるわ!」

 

そういうイオに全権を任せる事にして、その場にあったベンチに座る。イオは走って飲み物を売ってる屋台に行き、俺達の飲み物を買って来た。

 

「はい。なんかオススメされたの買ってきたわ」

 

「お、ありがと。ってあま!!」

 

「そう?おいしいじゃない」

 

買って来た飲み物を受け取りながら過去を思い出す。

にしてもンニかぁ……。ベンディク島では色々とあったよなぁ。カレンが大はしゃぎするのに便乗してジータが大はしゃぎしだし、ジータがオヤジ化するから女性陣は逃げ出すし大変だった。ソーンとイシュミールが協力して氷漬けにしても中から砕くし最終的には荒れる姉、止める弟で姉弟戦争勃発だった。まぁ本気じゃなかったしアーマさんの拳骨で収まったけど。

 

「誰がいいかしら?うーん。ベアトリクスとかはちゃんとした場所で水着を見せたかったとか言っていたけど」

 

「あいつの水着、お披露目は雪山だったからな」

 

最終的にあいつのエムブラスクの剣はパンツ一枚になった俺が取りに行った。冷たいのなんので、帰ってからゼタにアルベスの槍を使って温めてもらったっけ。

 

「あ、あとコルワも来たがってたわ。どうせ同じような服ばかり着てるだろうからデザインしなきゃって」

 

「時間かかる事になりそうだなぁ」

 

「一度呼んであげて気がすむまでさせてあげたらどう?その次に呼んだ時、服を受け取る事にして」

 

確かにそれもありか。

あ、イオと言えばあいつはどうしてんだろ?

 

「ロゼッタとかってどうしてんの?」

 

「うーん。ロゼッタも来たがってるんだけどね。カリオストロ達が言うには、種族的に力が強いしどうなるかわからないって先延ばしにしてるみたい。だからまだこっちに呼ばないようにね」

 

「さ、先に言っとけよそれ」

 

呼んでたらどうなってたんだ?

まさか呼ぶ奴の種族によって魔力が吸い取られていくとかねぇよな?

 

「みんなグランに会えたのを優先して忘れちゃうんじゃない?あたしも今、思い出したし」

 

怖いわ!!!

それ後から知った本人ガクブルものだからね!?

 

「どうなるかわからないものを試してグランが死んだら嫌だしロゼッタも今は諦めたみたい。だから早く強くなってあげてね?」

 

それから話を聞いてみると色々と待ち望んでる連中は多いらしい。ふむ、なら俺も早く強くならないといけないな。

修行相手として仲間を選ぶのも良さそうだ。カタリナさんとか結構いい感じで修行できるしいいかも?

 

「なら俺の修行相手として選んでみて」

 

「うん。……ラカムいつの間にか寝てたわね」

 

そういえばそうだ。

いつの間にか話さなくなってる。

 

「ラカムもグランがいなくなってから、忙しそうにしてたし仕方ないわよ」

 

「忙しそう?」

 

「寝る時間を削ってまでグランサイファーを操縦してたのよ。グランを消した星晶獣を探し出すって言って」

 

「ははっ。なら起こせねぇな」

 

「そうね。って時間みたいね。やっぱり二人召喚だと時間は早くなるみたい」

 

ラカムとイオが少しずつ発光しだした。

今は人通りがなくてよかった。

 

「日付が変わるまでって事か」

 

「まぁ話には聞いていたけど、元気そうでよかったわ」

 

「俺も、イオとラカムに久しぶりに会えて楽しかった」

 

「……グラン。もう大丈夫?」

 

イオがベンチから立って俺の頭を撫でだした。

 

「大丈夫。だから子供扱いするなよな?」

 

「ふふん。あたしはグランみたいに溜め込んで爆発なんてしないし、そんな所はグランの方が子供なのよ」

 

「……ありがとな」

 

その時、ラカムが寝言を言った。

 

「……しっかり、しろよ。弟分よぉ……」

 

「ああ、しっかりするよ。兄貴分」

 

寝言でエールを送るとか粋な真似するなぁ。

いよいよ発光も強くなり時間が近づく。

 

「あ、次呼ぶ人だけど」

 

「ンニ持たせてね?」

 

「わかってる、イシュミールに持たせるわ。他の海産物も取ってグランと食べたがってたし」

 

「了解」

 

そうして消えていった二人。

……今日は、心が休まった時間を過ごせたと思う。

うん!明日は海産物祭りができそうだし、向こうの仲間達みたいにリフレッシュするのもいいかもな!!




今回はジータ、グラン率いる騎空士達の名前が結構登場しましたね。
ちなみにイシュミールを選んだ理由はGRAPHIC ARCHIVE Ⅳで開いたページで決めました。
大変だったよ。
1回目ディアンサ水着バージョン。多いわ!
2回目カリオストロ。出たわ!!
3回目ユエル。だから出たわ!!!
4回目ニーナ・ドランゴ。待ってねぇ!!
5回目シャリオス17世。持ってねぇ!!
6回目適当に開きすぎてユグとかルシフェルとかの星晶獣ページ。いやだから!!!
7回目イシュミール水着バージョン。よし決まりな!!!
こんな状態でした。
好きなのばかり選んだら偏るからなぁなんて思ってこの方法にしたけど、イシュミールも好きです。発言えっちぃかわいい最高です。

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